「ロレックスは本当に一生モノの高級時計なの?」
「ロレックスに寿命はあるの?」
腕時計ブランドにおいて世界で最も有名といっても過言ではないロレックス。
一生モノの腕時計として名を馳せるその理由について気になっているのではないでしょうか。
先に結論をお伝えするとロレックスは一生使い続けることができ、世代を超えて引き継がれる資産的な側面も持つ時計です。
この記事では、ロレックスが一生モノと言われる理由に関して丁寧に解説します。
ロレックスの寿命がどのくらいなのかも解説していますので、ロレックスを購入検討の人やすでにロレックスを持っている人はぜひ参考にしてみてください。
この記事で分かること |
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・ロレックスが一生モノである理由 ・ロレックスの寿命 ・一生モノにしたいロレックスのおすすめモデル |
目次
ロレックスが一生モノである理由
ロレックスの腕時計は一生モノとよく言われます。高額な時計であること、誰にでも知られているブランドであることも理由の一端です。しかし、それ以外にも多くの理由があり、それらが、組み合わさる事で一生モノと呼ばれています。では、どんな具体的な理由があるのか、項目ごとに分けてご紹介しますので、ぜひ以下を参考にしてください。
ROLEXというブランド力がある
一生モノと言われる大きな理由はROLEXという時計が持つ、ブランド力にあります。
ブランド力は、メーカーが持つ信頼性の証です。定義は様々ですが、そのメーカーが世間から広く認知されることでブランド力が高まります。
高い知名度を誇るロレックスは何世代にも渡り使えて、家宝にもなり得る時計です。ただ世代を超えて引き継がれる時計には、他にも条件があります。
時計というものは、即ち実用品です。実用的であるために必要なのはデザインも重要になってきます。
不朽のデザイン性を持つ
ロレックスが一生モノと言われるのには、不朽のデザイン性を持つ事も見逃せません。大きなデザインの変化が無い事で、年月を経ても変わらず使い続けて居る人も多いと思います。しかし、それだけでは人々から愛され続ける事はできません。
時代の経過があってもこれだけ多くの支持を集めているのには、必ず理由があります。デザインが変わらなくても、時代の変化にも耐えられる計算されたデザインを持つからこそ、これだけ多くの支持が集まるのでしょう。
日本で言うデザインは「外観」の事を指しますが、英語圏でdesign(デザイン)は外観の美しさと、設計も意味します。優れた設計を施した工業製品は、外観も自ずと良くなるはずです。
不朽のデザインを持つロレックスは、まさしくそれを体現するブランドだと言えます。
腕時計自体が高品質に作られている
腕時計自体が高品質に製造されていることも、ロレックスが一生モノであるために見逃せない要素です。特に20世紀初頭の腕時計は、耐久性が現代の物より劣る製品が大半でした。
8そんな中、同社は防水時計の開発に尽力して、それを実用化させ後の業界基準を引き上げた、立役者と言っても過言ではありません。1926年に防水性が高いオイスターケースの開発に成功して以降、ムーブメントからブレスレットに至るまで、時計全体の高品質を実現させました。
老若男女幅広い層に人気
ロレックスの特徴として、性別に関係なく幅広い年齢層に人気がある事が特徴です。スイスブランドは最近でこそ、ユニセックスモデルを発表するようになりましたが、かつてはメンズモデルしか注力していませんでした。
一方ロレックスは早い時期から、レディースモデルを多く販売していました。おそらく当時の同社が黎明期であり、市場拡大と女性の社会進出が進んだ時期をビジネスチャンスと捉えていた可能性が、考えられます。
同社の公式HPでも1957年女性をターゲットにした、レディデイトジャストを発表したと記述されています。日付カレンダー付きで、初のクロノメーター女性用時計から彼らの本気度が伝わってきます。
資産性が落ちにくい
ロレックスは、資産性が落ちにくい事も見逃せません。資産性が落ちにくい理由はロレックスの絶妙な生産管理が、要因だとも言われています。「少な過ぎず、多過ぎず」、需要を見極めながら、程よく品薄感が出るように生産数を管理しているという説も有力です。
また早くから独自の中古市場が確立されており、時計ディーラー達が世界中のどこかで、一堂に会して、中古のロレックスを売買しています。このようなビジネスモデルが半世紀以上に渡って確立している事が大きな資産性が落ちにくい理由です。
中古市場で人気が高い事は、前述した生産数管理や充実した2次市場があるだけではありません。中古市場に流通できる高い耐久性を備えていることが、中古市場でも人気が高く、資産価値も落ちない理由です。
ロレックスの寿命は50年以上!
一般的に機械式時計は、定期的なメンテナンスを施せば半永久的に動くと言われています。これはロレックスでも同じで、オーバーホールに出す事で時計の寿命は50年以上は動くはずです。
繰り返しになりますが中古市場が充実しているのは、時計自体が高品質で50年以上経過しても使用に耐えられる事も要因になっていると思います。仮に時計としての品質が悪ければ、これほどまでにアンティーク市場で人気が、高いことはありえません。
クォーツ・ソーラー式の寿命は10年程度といわれる
近年電池交換が不要という事で、クォーツ・ソーラー式の時計も注目を集めていますが、機械式時計のように半永久的に動くわけではありません。通常のクォーツ時計の様に2、3年での電池交換は不要ですが、最終的にその寿命は10年程度といわれています。
クォーツ・ソーラーの内蔵電池は、放充電を繰り返すことで徐々に放電が劣化するのが特徴です。内蔵型電池もボタン型電池も電池内部の化学反応によって発電します。メーカーによってはクォーツ・ソーラーの電池も交換は可能です。
最終的にムーブメント内部の水晶振動子も寿命を迎えます。理論的にはクォーツムーブメントの交換はできますが、製品毎にそれ自体の設計が異なるため、交換は現実的ではありません。
ロレックスを一生使い続けるために必要なこと
ロレックスを一生使い続けるために必要な事は、日々時計のケアを続ける事だと考えます。しかし、場合によっては専門家の手助けを借りてケアをする方が、より長く使い続ける事ができます。以下にそのノウハウをまとめてみました。
定期的にオーバーホールをする
一生使い続けるためには、定期的にオーバーホールする事が重要です。オーバーホールの頻度は状態によって違います。新品で現行品を購入した場合、ロレックスHPでは初めてのオーバーホールは10年以内に行う事を推奨しています。
しかし、新品で正規店で購入した場合、国際保証期間は5年間なので、オーバーホール推奨期間である10年とは異なります。
オーバーホールは現状ではメーカーで行う、正規メンテナンスと時計修理専門業者で行うメンテナンスの2つがあります。上記のメーカー推奨期間を参考にして、時計の状態をみながら、業者へオーバーホールを依頼しましょう。
日々のメンテナンスを欠かさない
正規メンテナンス、もしくは時計修理専門業者にメンテナンスを出すこと以外に自身で、できる日々のメンテナンス(お手入れ)も忘れてはいけません。一番簡単な方法は毎日使い終わった後、水分や皮脂汚れなどを拭き取るだけでも十分に効果があります。
また、使い終わった後の保管場所は、湿度が低く磁気の影響を受けない場所に収納するようにしましょう。その際、時計を乱暴に扱うことは避けるようにしてください。
頑丈なロレックスでも大切に取り扱うと、さらに長持ちするはずです。
毎日動かしてあげる
毎日時計を動かす事も時計を長く使う上では、とても重要です。毎日動かすと、時計の精度も維持されます。現行品のロレックスはパワーリザーブが70時間以上の製品が増えているので、2日程度放置しておいても止まる事はありません。
仮に止まっても、短い期間であればあまり心配する必要はありません。目安としては1〜2週間の間に一度位は、ゼンマイを巻き上げて動かす位で問題ないです。
盗難や紛失には一層注意する
近年ロレックスにとって最も問題となっている出来事は、高級時計の盗難です。資産価値の高いものだからこそ、盗難リスクは高いと考えておくべきしょう。特にロレックスは、時計に興味の無い人たちの間でも知名度の高いブランドとなっています。
海外のニュースでよく聞く高級時計強盗は、決して対岸の火事ではありません。換金性の高いブランドの時計を無防備に持ち歩く、あからさまにロレックスだとわかるような言動は日本国内といっても海外と同様に、注意すべきです。
コレクションが多い人は銀行などの貸金庫を利用することもお勧めします。海外では自宅とは別に保管場所を持つ愛好家も多いです。日本でもSNS上でその様な愛好家がいらっしゃるので、気になる人はぜひ調べてください。
家族以外の身近な人へ、変に自慢したり見せびらかしたりしない方が得策です。日本の治安の良さも30年前よりは確実に悪化してます。ぜひ自己防衛を実施してください。
一生モノにするためにロレックスの歴史を知っておくのも良い
ロレックスの歴史についても知っておくと、これまで以上に時計に対する愛情が沸き、先人たちの苦労も理解できるはずです。
前述したように、かつて時計は高級品で壊れやすいことが常識だった時代があった事も忘れてはいけません。
その時計業界の常識を覆したのが、ロレックスなのです。
懐中時計が主流だった時代は、時計の防水性が低くポケットに入れておく事で、水濡れを防止していました。懐中時計から腕時計に移り変わった時も初期の腕時計はケースの耐久性が低く、実用的ではありませんでした。
ロレックスはその事にいち早く気づき、実用的な腕時計の開発をハンス・ウィルスドルフが指揮を取り、実現を急がせました。そして1926年にオイスターケースの開発が、成功したのです。
パーペチュアルで、時計の濡損を防止した?
次にロレックスが実現を目指したのは、自動巻きムーブメントであるパーペチュアルムーブメントでした。完全な防水性を持つ時計ケースを開発した彼らでしたが、まだ同社の理想との間には少しギャップがあったようです。
ロレックスはオイスターケースを考案した1926年から僅か5年後の1931年、自動巻きモデル、パーペチュアルを採用しました。これは自動巻きムーブメントの利便性以外に、もう一つの理由があったのです。
オイスターケースを実現したにも関わらず、ユーザーのリュウズ操作ミスによる故障(水が侵入する)が多い事がハンス・ウィルスドルフは気になっていたのでした。そのため、ハンス・ウィルスドルフは、自動巻きムーブメントの実用化を急がせました。
「防水性に優れている」ことを世間により広く知れ渡るようにするため、リュウズ操作を減らして故障を減らして世間の評判を高める、さながら現代のマーケティング的な手法を導入してまで、この防水性の実現に尽力したそうです。
「ネジ込み式リュウズ」がユーザーに浸透していない時期にもかかわらず、真摯に防水性に注力する姿勢は、当時のロレックス経営幹部と開発チームが、ユーザー目線で真摯な製品づくりをしていたかを、伺い知ることができます。
この積み重ねが同社の時計の耐久性を高めて「一生モノ」と呼ばれる時計に上り詰めたのだと考えます。
一生モノにしたいロレックスのおすすめモデル
一生モノにしたいロレックスのモデルを3つ選び紹介していきます。いずれも現行品ではありませんが、同社の歴史上でも見逃すことのできない重要なモデルです。これらのモデルを手にする事でさらに愛着が沸くと思います。
ぜひ今後購入する際にはこれらモデルも一度、検討して欲しいです。
ミルガウス Ref. 116400
型番:116400
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径40mm
駆動方式:自動巻き
2007年に復活したミルガウス ホワイトは通称「トロピカルマンゴー」とも呼ばれて愛好家から支持されたモデルです。発売された当時はこれまでにない、白ダイアルとオレンジの蛍光カラーで、同時期にリリースされた他の2モデルの中で人気が無かったモデルでした。
しかし生産終了後にその奇抜なカラーが再評価されたのか、どうかは不明ですが人気が急上昇して現在に至ります。ミルガウスは耐磁性に優れた時計ゆえに現代のような磁気製品が多い中でも使用できるモデルです。
珍しいオレンジのインデックスは目を引くモデルで他とは被らない、ユニークモデルと言えます。今後もこのようなミルガウスが出現する可能性は低いです。高い耐磁性をもち、ユニークなカラーリングを持つ、一生モノにできるモデルだと言えるでしょう。
エアキング Ref. 14000 ブルー
型番:116400
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径34mm
駆動方式:自動巻き
現行品のロレックスは全てのモデルがCOSC認定モデルですが、1990年代のエアキングはノン・クロノメーターモデルとして、他のモデルよりも安価な価格設定だった事が特徴です。
ノンクロノメーターモデルであっても、使用しているムーブメントは同じCal.3000(同じ時期のエクスプローラーにも搭載したムーブメント)を使用しているため、時計としての信頼性は同時期に製造された他のモデルと全く変わりません。
ケースサイズは34㎜とコンパクトで、ノンデイトモデルで日付調整も不要で、使いやすいモデルになります。このモデルはブルー文字盤ですがRef. 14000 エアキングは様々なダイアルがラインナップされている事が特徴です。
これ以外ではホワイトのローマンインデックス、シルバーのサンレイモデルやエクスプローラーに似たモデルも存在します。同じRef. 14000は実に多彩で、それらのモデルを探すだけでもワクワクします。
今では珍しいロレックスのノン・クロノメーターモデルは多くのバリエーションを持つベーシックウォッチの先駆けと言っても過言ではありません。飽きのこない定番的なスタイルで、選択肢も極めて多いこのRef. 14000は、時代が移り変わっても使える一生モノの時計です。
エントリーモデルとしても相応しく、今となっては希少なノン・クロノメーターモデルは後世に伝承でき、精度にとことん拘るロレックスもこのようなモデルを輩出していた歴史を知る、重要なモデルになります。
デイトナ Ref. 16520
型番:16520
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径40mm
駆動方式:自動巻き Cal.4030
デイトナ Ref.16520はロレックス初の自動巻きクロノグラフムーブメントを搭載したモデルです。ゼニス社のムーブメントを基に改造し、Cal.4030としてこのモデルへ搭載されることになりました。
また、Ref.16520はロレックス最後の他社製クロノグラフムーブメントを搭載したモデルとしても知られ、歴史上重要なデイトナという評価を得ています。
このモデルを最後にデイトナは、自社製クロノグラフムーブメント(Cai.4130)が組み込まれるようになり、それに伴いRef.16520の希少価値は年々上昇傾向にあります。
Ref.16520に組み込まれたムーブメントが、ゼニスの傑作「エル・プリメロ」だった事も興味深く、このムーブメントを搭載した経緯も愛好家ならぜひ、知っておくべきでしょう。
なぜ、それまでクロノグラフムーブメントを自社開発しなかったのか、それとも出来なかったのか。
名機としての評判だけでなく、そんな疑問も沸いてくるモデルです。
勿論時計としての品質やステータス性は申し分なく、紛れもなく「一生モノ」として使える時計だと言えるでしょう。
デイトナ Ref. 116520 デイトナ アイボリー
型番:116520
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径40mm
駆動方式:自動巻き Cal.4130
ゼニス社のエル・プリメロを改造したムーブメントを経て万を期して、自社で内製化を果たしたのが、Ref. 116520 デイトナです。ベゼルが現行品と異なり、セラミック製で無い為、違う表情を見せてくれます。
ムーブメント以外は、殆ど前世代と変わらないデイトナですが、この個体にはダイアルの色がクリームがかった、アイボリーと呼ばれるモデルが存在する事があります。これは発売当初は白だったのですが、経年変化によって変色したモデルです。
当初この変色は見向きもされませんでしたが、愛好家の間で注目されるようになり、今では希少品として、注目されています。初の自社製ムーブメントを搭載したデイトナでもあり、歴史的なターニングポイントを示すモデルとして、これも一生モノと言える時計です。
まとめ
ロレックスの腕時計が一生モノと言われる理由は、同社が発明した新技術が、実用的で、それらをライバル達に先駆けて実績を積み重ねた結果だと考えています。その事で彼らも刺激されて、業界全体のレベルの底上げも牽引したブランドである事も忘れてはいけません。
常にトップランナーとして業界を牽引するロレックスは、他社動向を見ながらより競争力の高い技術を開発して新製品を発売、業界での優位な地位を保ち続けています。さらにメンテナンスも意識した時計製造をしていることも見逃せません。
彼らのムーブメントは設計がしっかりしているため、時計修理職人さんからも「部品一つ一つに明確な基準があるため経験を積めばよりスピード感を持って修理できる」と言われています。
メンテナンス部品の入手も容易で、多くの時計職人たちが修理できる環境づくりもロレックスは、バックアップしているのです。このこともライバル達に打ち勝っている要因だと、推測できます。
一生使える時計造りを常に心がけ、それを長年ひたすら積み重ねたことが、彼らの強みなのでしょう。ぜひ、あなただけの一生モノのロレックスを見つけてください。
当記事の監修者
池田裕之(いけだ ひろゆき)
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 買取部門 営業企画部 MD課/買取サロン 課長
39歳 熊本県出身
19歳で上京し、22歳で某ブランド販売店に勤務。 同社の時計フロア勤務期に、高級ブランド腕時計の魅力とその奥深さに感銘を受ける。しばらくは腕時計販売で実績を積み、29歳で腕時計専門店へ転職を決意。銀座ラシンに入社後は時計専門店のスタッフとして販売・買取・仕入れを経験。そして2018年8月、ロレックス専門店オープン時に店長へ就任。時計業界歴17年