「販売価格が安く、付ける事が恥ずかしい」
「価格が安いから信頼性に不安がある」
タグホイヤーはスイス時計ブランドの中でも、歴史も長く根強いファンが多くいるブランドです。しかし、上記のようなことを気にしている人もいるかと思います。
タグホイヤーの腕時計は価格帯もリーズナブルで、個性的な人気モデルも多くラインアップされている事もあって愛好家からの支持も多く、現代でも時計界を牽引する主要な時計ブランドです。ただ、販売価格の手頃さからタグホイヤーを買うことに不安を感じている人も一定数いるでしょう。
この記事では、そんな不安を解消できるように解説していきます。
目次
タグホイヤーは買ってはいけない時計ではない
まず、タグホイヤーは買ってはいけない時計ではありません。1860年に創業したスイスを代表する時計ブランドで、優れた時計技術の開発・進化に貢献してきたブランドです。
タグホイヤーは前身のホイヤー社の時代よりモータースポーツに特化したタイムキーピング技術に力を入れてきました。そのため同社は特にクロノグラフモデルにおいて優れた製品を多く世に出している事が特徴です。
クロノグラフの開発や技術革新においてタグホイヤーは時計業界の中でもリーディングカンパニー、と言っても過言ではありません。1969年にスイスの時計ブランドが4社で共同で計画した世界初の自動巻きクロノグラフムーブメント計画の内の1社でした。
結果的にこの4社計画は、ゼニス社が２ヶ月前（1969年1月）に世界初の自動巻きクロノグラフ ムーブメントを発表した事により、（4社連合は1969年の3月に発表）世界初の称号はゼニス社のものになってしまいました。
しかし、現代においても彼らのラインナップには「モナコ」や「カレラ」、「フォーミュラーワン1」と言った優れたクロノグラフ製品を世に送り出していて、クロノグラフと言えば、タグホイヤーと思っている方も多いかもしれません。
このように優れた技術を持っている時計ブランドに関わらず、なぜタグホイヤーは買ってはいけないと誤解されているのかを、以下で詳しく紹介していきます。
タグホイヤーは買ってはいけないと誤解される理由は？
タグホイヤーは買ってはいけないと誤解される理由としては、良くも悪くも「ブランド戦略」が影響を与えています。
低価格であることや種類の豊富さなど、若者向きのブランドであるからこその誤解が生じています。
低価格であるが故の希少性の低さ
タグホイヤーは販売価格が低価格帯であることが強みです。特に30代以下の若年層からも広く支持されており、他のスイス高級時計ブランドとは少し異なる世代が彼らの顧客になります。
販売価格が低価格であることは即ち生産量も多く、希少性の低さは否定しようがありません。タグホイヤーは「手の届くラグジュアリー」や「手の届く高級時計」をコンセプトにしています。
そのコンセプトがタグホイヤーに安っぽいイメージを抱かせている可能性も考えられます。
種類の豊富さが人気を分散している
タグホイヤーは種類の豊富さが逆に、人気を分散しているという要因になっている可能性も考えられます。例を挙げるとコレクションとしては7つしかありませんが、各コレクションの中に実に多くのバリエーションを備えていることが特徴です。
タグホイヤーのコレクションの種類が多い理由は、価格帯も低くオンライン販売の占める割合が多いからだと、考えられます。オンライン販売であれば、バリエーションが多い方がセールス面では有利です。
一般的にオンライン販売では品数を増やして、短期間に爆発的に売れる商品よりも長い期間かけてじっくり売る「ロングテール戦略」が取られます。ビジネス的な視点で優れたこの手法は、愛好家目線からすると希少性がなくなるのが難点です。
デザインが若々しいという意見もある
タグホイヤーの良さであるカラフルなデザインが若々し過ぎるという意見も少なからずあります。タグホイヤーは現行モデルを見てもオレンジやレッド、イエローなど見ているだけで楽しくなる色使いが彼らの腕時計の魅力です。
しかし伝統的なスイス時計ブランドと比較すると、カジュアルで若々し過ぎる印象は拭いきれません。
クォーツムーブメントが使用されているから
タグホイヤーは機械式時計も多く販売しています。しかし、クォーツムーブメントを搭載したモデルも多いです。
クォーツの良さは優れた精度を持っている事と、機械式ムーブメントより販売価格が安い事が挙げられます。
時計愛好家の中には、クォーツムーブメントに対して愛着やロマンが沸かないという人が居るのも事実です。
ただ、クォーツムーブメントを搭載した製品の良さは価格以外にもケースを薄く、軽量化できる事も忘れてはいけません。
特に機械式時計の重さに慣れていない人や、仕事柄軽くケースが薄い時計の方が都合が良い人も居るので、タグホイヤーはそのようなユーザーの要望に応える形で、クォーツムーブメントモデルの時計を多く発売していると考えられます。
タグホイヤーのクォーツ時計の寿命
クォーツムーブメント時計は、機械式時計と比較して寿命が短い事が難点です。一般的にクォーツ時計は2から3年おきに電池交換が発生します。タグホイヤーの時計もモデル毎に電池交換の間隔が説明書に記載されています。
メンテナンスさえすれば、半永久的と言われる機械式時計に比べ、クォーツムーブメント自体の寿命は、おおよそ10年以上です。
クォーツ時計は水晶振動子とIC（集積回路）、ステップモーターから構成されています。
内部に組み込まれた水晶振動子や集積回路は長年の使用により徐々に劣化していきます。機械式時計であれば、消耗した部品の交換が可能です。しかしクォーツムーブメントの電子回路の部品交換は基本的にできません。
クォーツムーブメントの寿命を長くするためには、部品の劣化防止を心がける事です。大事に使用するのはもちろん、一番注意するべき点は電池切れの時できるだけ早く電池交換をする事です。
電池切れの時、長く放置すると電池が液漏れを起こし、重大な故障に繋がります。電池切れを放置しておくことは避けましょう。
タグホイヤーのクォーツムーブメントモデルで考えられるメリット
数年毎の電池交換が発生する事や機械式時計に比べて寿命が短い事がデメリットとされるクォーツ時計ですが、実用性の面で機械式時計より優れている事があります。
それは「振動に強い事」です。
機械式ムーブメントは落下や衝撃に弱い点があります。それに対してクォーツムーブメントは機械式時計と比較すると落下や衝撃には強いです。タグホイヤーのモデルはスポーティーな印象を与えるモデルが多くラインナップされています。
近年の機械式ムーブメントもかつてのモデルより落下や衝撃に強いムーブメントが出てきましたが、全体的に見ると耐衝撃性に関してはクォーツ時計よりはも難があるでしょう。
クォーツ時計の耐磁機能も見逃せない
クォーツ時計のメリットとして、耐磁性が機械式時計より優れている点も見逃せません。
械式時計はムーブメントの内部部品に磁気の影響が残り、その後も精度に狂いが生じたままになるのが一般的です。それに対してクォーツ時計は強い磁気発生源から遠ざけると元の精度に戻るります。
この現象は磁気帯びと呼ばれ、機械式時計ではムーブメントの磁気抜き作業が必要になります。近年スマートフォンなどのスピーカー部分に使用されるネオジム磁石が増加して、それらが時計に近づけると影響を与えます。
タグホイヤーではおそらくそうしたライフスタイルの変化も考慮して、クォーツ時計を多くラインナップしているのでしょう。
タグホイヤーが似合う人はどんな人？
ではタグホイヤーのコレクションの中から実際に選ぶならどんなモデルが良いのでしょうか？。具体的なモデル名と相応しいシーンをいくつか紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
カレラならスーツスタイル
タグホイヤー カレラはモータースポーツからインスピレーションを受けたコレクションで、同社の中でも最も多くのラインナップを揃えたシリーズです。
特徴としてはスポーティーですが、ベーシックな「カレラ デイト」はフォーマルやビジネスにおけるスーツスタイルとも相性の良いモデルになります。ダイアルのカラーも豊富で、ヤングガン向けに相応しい躍動感溢れるカラーを選んで欲しいです。
タグホイヤー カレラ キャリバー5 デイト WBN2112.BA0639
素材： ステンレススティール / SS
ケース：直径 39mm (リューズ含まず）
駆動方式： 自動巻き / Self-Winding
付属品： 外箱 / 内箱 / 取扱説明書 / 保証書
カレラのおすすめは、タグホイヤー カレラ キャリバー5 デイト WBN2112.BA0639。
カレラのレースDNAを継承しつつ、スタイリッシュなこのモデルは現代に相応しいスポーツの要素を兼ね備えたベーシックウォッチだと言えるでしょう。
スタイリッシュで都会的なブルーのダイアルは、スーツスタイルや週末でのカジュアルなスタイルどちらにでも対応できる、ユーティリティプレイヤーです。シンプルなバーインデックスと、デイト機能がある事でビジネスユースでも重宝できます。
アクアレーサーならカジュアルスタイル
アクアレーサーはタグホイヤー唯一のダイバーウォッチです。波を連想させる不規則な横向きの筋目によって、視認性を向上させています。最近はスーツ姿にダイバーズウォッチという人も増えていますが、やはり週末のカジュアルなシーンでこそ真価を発揮します。
だからといって完全な陸上仕様になっている訳ではありません。タグホイヤー アクアレーサー プロフェッショナル300は300M防水になっている本格的なプロ仕様ダイバーズウォッチです。
スイムウェアに着替えてプールに飛び込んでもよし、ダイバーズウォッチであれば衝撃にも強いのでスポーツに使う事もできます。
タグホイヤー アクアレーサー プロフェッショナル300 WBP5110.BA0013
素材： ステンレススティール / SS
ケース：直径 42mm (リューズ含まず）
駆動方式： 自動巻き / Self-Winding
付属品： 外箱 / 内箱 / 取扱説明書 / 保証書(発行日付 2024年7月) / クロノメーター証明書
アクアレーサーのおすすめモデルはプロフェッショナル300 WBP5110.BA0013。
カラフルなタグホイヤーの中では異彩な黒ダイアルは逆にプロフェッショナルに相応しいカラーだと言えるでしょう。セラミックベゼルの60分スケールは、人間工学に基づき作られた優れ物です。
操作性に優れたこのベゼルは、タイマーとして使う事もできます。
ファッションにこだわりがある人ならモナコ
タグホイヤー モナコは、同社における最もアイコニックなモデルのひとつです。型破りなスクエアなケースの中にクロノグラフを搭載する事自体クレイジーな発想ですが、今となっては英断だったと言えるでしょう。
映画「栄光のルマン」ではいくつか用意された時計の中からスティーブ・マックイーンがこのモデルをチョイスしてくれた事でモナコは、時計界の檜舞台に上がる事に成功しました。
タグホイヤー モナコ クロノグラフ キャリバー11 CAW211P.FC6356
素材： ステンレススティール / SS
ケース：縦 39mm × 横 39mm
駆動方式： 自動巻き / Self-Winding
付属品： 外箱 / 内箱 / 取扱説明書 / 保証書
モナコのおすすめは クロノグラフ キャリバー11 CAW211P.FC6356。
横縞模様のインデックスにキャリバー11を搭載したモデルで、初期のモナコのDNAを継承しているモデルです。特徴としてはリューズが通常の時計と逆の9時に位置にあります。さらにその当時と同じブルーのダイアルでした。
世界初自動巻きクロノグラフとスティーブ・マックイーンが「栄光のルマン」でチョイスした腕時計というだけで、セレクトしたくなる時計です。個性的な時計であり、誰が見てもモナコだとすぐにわかります。
F1が好きならフォーミュラ1
モータースポーツの最高峰、フォーミュラ1にインスピレーションを受けたシリーズで、レジェンダリードライバーであるファンジオやアイルトン・セナにコミットしたモデルです。イエローやレッドの大胆なカラーリングが印象的です。
タグホイヤー フォーミュラ1 クロノグラフ レッドブル レーシング スペシャルエディション CAZ101AL.FT8052
素材： ステンレススティール / SS
ケース：直径 43mm (リューズ含まず）
駆動方式： クォーツ / Quartz
付属品： 外箱 / 内箱 / 取扱説明書 / 保証書(発行日付 2022年12月)
フォーミュラ1のおすすめはクロノグラフ レッドブル レーシング スペシャルエディション CAZ101AL.FT8052です。現在のF1を牽引するレッドブル レーシングのレーシング スペシャルエディションモデルは付けているだけで、F1パイロットの気分になれます。
タグホイヤーが似合う年齢層は？
一般的にタグホイヤーは、20代から30代の年齢層から支持されているブランドです。タグホイヤー自身もそれを意識した製品づくりをしており、タグホイヤーの似合う年齢層もほぼそれに準じています。
しかし、40代以上でもタグホイヤーを支持する愛好家も数多く存在し、タグホイヤーのバリエーションも多い事もあって、年齢に相応しい色を選べば、40代や50代でも似合うモデルを発見する事は可能です。
以下に着けても恥ずかしくないモデルを紹介しますので、参考にしてください。
30代で着けても恥ずかしくないモデルはコレ
タグホイヤー カレラ キャリバーホイヤー02クロノグラフ CBN2011.BA0642
素材： ステンレススティール / SS
ケース：直径 42mm (リューズ含まず）
駆動方式： 自動巻き / Self-Winding
付属品： 外箱 / 内箱 / 取扱説明書 / 保証書(発行日付 2022年6月)
30代で着けても恥ずかしくないタグホイヤーのモデルは、タグホイヤー カレラ キャリバーホイヤー02クロノグラフ CBN2011.BA0642です。若々しいブルーのダイアルですが、クラシックなツーカウンタークロノグラフである事が魅力になります。
2022年発売のモデルでクロノグラフなのにパワーリザーブは80時間という優れ物です。自社開発の「ホイヤー02」を搭載しています。スタイリッシュで落ち着いたクラシックさを兼ね備えたモデルは腕時計ビギナーでも十分に楽しめるクロノグラフです。
40代で着けても恥ずかしくないモデルはコレ
タグホイヤー モナコ スティーブマックイーン CW2113.FC6183
素材： ステンレススティール / SS
ケース：直径 38mm (リューズ含まず）
駆動方式： 自動巻き / Self-Winding
付属品： 外箱 / 内箱(ダメージ有) / 取扱説明書 / 保証書
40代で着けても恥ずかしくないタグホイヤーのモデルは、タグホイヤー モナコ スティーブマックイーン CW2113.FC6183です。通常のモナコと違い、スティーブ・マックイーンの名を冠したモデルである事が魅力です。
50代で着けても恥ずかしくないモデルはコレ
タグホイヤー オータヴィア 60周年アニバーサリー GMT WBE511A.BA0650 未使用 メンズ
素材： ステンレススティール / SS
ケース：直径 42mm (リューズ含まず）
駆動方式： 自動巻き / Self-Winding
付属品： 外箱 / 内箱 / 取扱説明書 / 保証書 / クロノメーター証明書
50代で着けても恥ずかしくないタグホイヤーのモデルは、タグホイヤー オータヴィア 60周年アニバーサリー GMT WBE511A.BA0650 です。一見するとベーシック腕時計ですが、GMT機能を搭載しています。
ケース径は42㎜で、老眼が進んだ世代でも見易い大きさです。どうしても50代は地味な腕時計を選びたくなる傾向にあります。しかし、このモデルはブルーのダイアルにオレンジのGMT針とのカラーコーディネートは見た目の年齢が10歳ほど若く見えると思います。
タグホイヤーを買って後悔した人はどんな人？
タグホイヤーを買って後悔した人たちは、どんな人なのでしょう。SNSで見る限り圧倒的に多い声は「ブランド価値」に後悔したという声が聞こえてきます。これはおそらく恐らくロレックスなどと比較している可能性が高いと思われます。
しかし、後悔しないと断言しているユーザーも多く存在するのも事実です。意外に多いのがカレラかアクアレーサーかで、カレラを選んで後悔したなどという完全な嗜好性とユーザーの決断に問題がある声も聞かれます。
タグホイヤー以外の選択肢ならどの時計が良い？
タグホイヤー以外の選択肢としては、タグホイヤー同様に若い世代に支持されるブランドや、個性的な時計づくりをしているブランドが支持されています。
以下で具体的に述べていきます。
①ウブロ
ウブロはタグホイヤーと同じLVMHグループに属するブランドです。タグホイヤーよりも個性的で、野心に溢れたブランドでもあります。新素材を積極的に採用するブランドでセラミックや、風防に使用するサファイアをケースに採用するなど腕時計の常識に捉われない事も特徴です。
ただ、グループ内の序列では歴史的にはタグホイヤーで、価格帯はウブロという位置付けになっている気がします。伝統を重んじる人はタグホイヤー、斬新でアグレッシブに行きたい人はウブロを選ぶべきでしょう。
②オメガ
オメガはタグホイヤーと共通点が多いブランドです。両者共にスポーツに造詣が深く、クロノグラフに優れている点、価格帯も似たような点も同じになります。どちらが良いかは個人のライフスタイルや機能によって異なります。
もしダイバーズウォッチに趣をおくならオメガ、クロノグラフならタグホイヤーの方が良い気がします。しかしこれも人によって異なるのでできれば、実機を手にしてみて比較検討する事をお勧めします。
③リシャールミル
モータースポーツに造詣が深い点ではリシャールミルもタグホイヤーと共通点が多いブランドです。フォーミュラー1のスポンサーをしておりアグレッシブな時計づくりに定評があります。
強いて違いを挙げるなら、販売価格帯がかけ離れている点です。若者に支持されて高級時計とスポーツとの融合を計っている点はタグホイヤーとブランド哲学は同じ。
可能であればこのブランドも検討してみてください。
まとめ
タグホイヤーというブランドは、スポーティーで若々しいブランドのイメージがありますが、それだけではありません。タグホイヤーは以前より機械式時計の割合を増やし、世代を超えた時計づくりを実践しています。
また近年では複雑時計にも挑戦して、より幅広い世代に波及する姿勢を強めています。ただブランドが元々大事にしていた、「手の届く高級時計」という姿勢は守っている印象があります。
これから高級時計に挑戦したい人にはおすすめしたいブランドです。ぜひタグホイヤーを一度検討してみてください。
