「ロレックスのブレスレットは何種類あるの?」
「ロレックスのブレスレットにはどんなものがあるの?」
ロレックスの腕時計はデザイン性やステータス性の高さだけでなく、実用性能に優れていることも大きな魅力です。
その実用性能への拘りは「ブレスレット」にまで及び、現在まで”オイスターブレス” “ジュビリーブレス”といった魅力的なブレスレットが多数開発されてきました。
そんなロレックスのブレスレットの種類が知りたいという人は多いのではないでしょうか。
ロレックスのブレスレットは「強度の高さ」や「装着感の良さ」といった実用性を突き詰めたものばかりです。
この記事ではロレックスのブレスレットの種類を、GINZA RASINスタッフ監修のもと紹介します。
ブレス別に画像付きで説明しますので、ロレックスの購入をお考えの方はぜひ参考にしてください。
目次
ロレックスのブレスレット① オイスターブレスレット
オイスターブレスレットは現行ロレックスの定番ブレスレットです。人気モデルのデイトナ・サブマリーナ・エクスプローラーⅠ,Ⅱなどに使用されており、時計ファンになじみ深いブレスレットだと思います。
オイスターブレスレットの特徴は何といっても「堅牢」であること。平たい3連リンクで構成され、高い強度と快適な装着感を両立させました。オイスターケースを採用しているコレクションの中で最も代表的なブレスレットといえるでしょう。
採用モデル:ロレックス コスモグラフ デイトナ 116500LN
男性の永遠の憧れであるデイトナ。もちろん新作”116500LN”にもオイスターブレスが採用されています。
高い堅牢性はロレックスの実用性への拘りを体現しています。オイスターブレスは3連タイプのブレスレットですが、中列は艶やかな高級感を鏡面仕上げとなっていることも特徴的です。
高い強度を誇り、末永く愛用できることは高級腕時計として重要なポイント。オイスターブレスは中古品でも状態の良いものが多いため、非常に人気です。
ロレックスのブレスレット② ジュビリーブレスレット
1945年にデイトジャストの発売に合わせてデザインされたのがジュビリーブレスレットです。このブレスは5連リンクで構成されているのが大きな特徴。堅牢性はオイスターブレスレットに比べ劣りますが、着け心地は実に素晴らしい仕上がりとなっています。現在は主にデイトジャストに採用され「ドレッシーなブレスレット」として非常に人気です。
採用モデル:ロレックス デイトジャスト 79173
ロレックス三大機構を備えた“デイトジャスト”。1945年の登場から現在まで、ロレックス レディースモデルの顔として多くの女性を虜にしてきました。様々なバリエーションが存在しますが、こちらはオイスターケースにシルバー文字盤、ジュビリーブレス装着モデルです。
ジュビリーブレスはステンレスとゴールドの組み合わせ「コンビ」を採用したものが多く、更に中央の3列が鏡面仕上げとなっていることで高級感を演出しています。
コンシールドタイプ
コンシールドタイプはジュビリーブレスレットの派生形。現行モデルのジュビリーブレスレットに採用されています。特徴はクラスプにバックルのつなぎ目がない「クラウンクラスプ」を搭載したこと。ブレスの切れ目をなくすことにより、更にドレッシーな印象を与えることに成功しました。
ロレックスのブレスレット③ プレジデントブレスレット
バブル期に流行した「金無垢」デイデイト。「キング・オブ・ロレックス」の異名を持つデイデイトシリーズの中でも一際強い存在感を放つ「18K」モデルにプレジデントブレスレットが採用されました。
このブレスは半円形の3連リンクの金属ブレスレット。1956 年に発表された「オイスター パーペチュアル デイデイト」の発売に合わせて発表されました。ちなみに同年に当時のアメリカ大統領であったアイゼンハワー氏に送られた事がネーミングの由来です。
現在はプレジデントブレスレットは金無垢以外にも、金一色で仕上げられたイエローゴールドケースなどのモデルに採用されています。
採用モデル:ロレックス デイデイトII 10Pダイヤ 218238A
ロレックスの最上級ラインとして1956年に誕生したハイクラスシリーズ”デイデイト”。高級素材のみを使用しているモデルであり「富と成功の証」とも言われています。
ブレスレットを側面から見ると、特徴的な「半円形の3連リンク」が姿を現します。また、プレジデントブレスは中央が光沢のある鏡面仕上げ。鏡のように光の反射によって物を映すほどの艶やかな仕上がりです。
ロレックスのブレスレット④ パールマスターブレスレット
パールマスターブレスレットはやわらかな丸みを帯び、洗練された5連リンクの金属のブレスレットです。1992年に発表されたパールマスター用のブレスレットとして製造されました。これまでに紹介した定番ブレスレットとは違い、マットな仕上がりとなっていることが特徴です。
採用モデル:ロレックス デイトジャスト パールマスター ベゼルダイヤ 80299NG
ロレックス デイトジャスト パールマスター ベゼルダイヤ 80299NG
ホワイトゴールドのケースにセットされたベゼルダイヤ。シェル文字盤に10ポイントのダイヤインデックス。デイトジャストの数あるバリエーションの中でも格別な華やかさを放つモデルがこの”パールマスター ベゼルダイヤ”です。
ブレスにはジュビリーブレスともプレジデントブレスとも違う「パールマスターブレスレット」が採用されており、独特の存在感があります。
パールマスターブレスレットは角がとられた滑らかな曲線により、手首を包み込むようにフィットします。装着感に優れているため、コアなファンに根強く愛されているブレスレットです。
ロレックスのブレスレット⑤ オイスターフレックスブレスレット
オイスターフレックスブレスレットはロレックスのダイバーズコレクション「ヨットマスター」に搭載されたラバーベルトのこと。このブレスレットはロレックス初のラバーベルトとして、2015年に発表されました。
ラバーは「ブラック エラストマー」でコーティングされ、メタルブレスレット並みの堅牢性・防水性を確保されています。この技術はエロレックスが一から開発した画期的な新技術。特許も取得し、現在大きな注目を集めています。
ちなみにエラストマーとは、「erastic(弾性のある)」+「polymer(重合体)」を合わせた造語で、豊かな弾性を持つゴム状の高分子物質の総称です。
採用モデル:ロレックス ヨットマスター40 116655
2015年のバーゼルワールドにて発表された「ヨットマスター40」。18Kエバーローズゴールド製ケースにセラミックベゼルを備え、耐磁性パラクロムヘアスプリングを装備したキャリバー「3135」を搭載したモデルです。
特許を取得した「オイスターフレックス ブレスレット」は、ラバーベルトの耐水性やスポーティーさを纏いながらも、メタルブレスレットに匹敵する強靭性、耐久性を誇ります。
このベルトは装着感の良さも大きな魅力。ベルトの内側には手首にフィットするように、これもまた特許を取得した縦方向クッションシステムが備えられています。(矢印の部分)
快適性とデザイン性を見事に 融合させた、実用性の高いブレス。それがオイスターフレックスブレスレットです。
ロレックスのブレスレット⑥ リベットブレスレット
リベットブレスはロレックスの古いモデルで採用されていたブレスレットです。現在は使用されていないベルトですが、アンティークロレックスファンに今でも根強い支持をうけています。このブレスは「全てステンレスの板」を組み合わせて作られているのが特徴。ピンをネジではなく、サイドでカシメて構成したことで独特の雰囲気を醸し出しています。
採用モデル:ロレックス オイスターパーペチュアル 6509
製造から80年以上も経過しているアンティークロレックス Ref.6509。アルファ針と楔(くさび)型インデックス、6時位置のスモールセコンドは昨今のオイスターパーペチュアルでは見ることのない珍しいダイアルデザインです。
横から見るとカシメたピン(リベット)が見えるのが印象的です。ステンレスの板を組み合わせて作られているので、耐久性は現行のブレスよりも劣りますが、軽く爽快な着け心地となっています。
リベットブレスは「強いビンテージ感」が魅力のアンティークブレスレットです。現行モデルにはない独特の味に魅了された時計ファンは数知れず。現在でもリベットブレスが採用されたモデルは高い需要があります。
デメリットはネジで駒を外す事が出来ないので、長さの調整に技術が必要ということ。無理に調整しようとするとブレスにキズをつけてしまうため、技術力に定評のある業者に依頼することをオススメします。
ロレックスのブレスレット⑦ 板巻ブレスレット
板巻ブレスレットは無垢素材を削り作られたものではなく、ステンレスの板を巻いて構成したブレスを指します。板を巻いてコマを作っているため、側面から見るとコマが「卵焼き」のようにも見えることがポイント。重量が軽く、長い時間つけても疲れづらいことがメリットですが、耐久度は現行ブレスと比較すると劣り、質感も低めです。
現在のロレックスでは板巻ブレスレットは使われておらず、アンティークウォッチにのみ見られるレアブレスとして存在しています。また、リベットブレス→板巻ブレス→現行ブレスと移行してきた歴史があることも覚えておいて損はないです。
採用モデル:ロレックス オイスターパーペチュアル ゼファー 28番 6804
ロレックス オイスターパーペチュアル ゼファー 28番 6804
非常に珍しいレディースアンティーク“オイスターパーペチュアル ゼファー”には板巻きブレスレットが採用されています。シンプルな文字盤はアンティーク感を引き立て、風防もドーム型の丸みある型で現行品と異なる雰囲気です。
この個体は1969年頃に製造されたと思われ、約50年近くの歴史を誇るアンティークウォッチとなっています。
駒を側面からよく見ると「板が巻かれて」作られていることが分かります。注意点は現行ベルトとは違い、このタイプのブレスはコマの増減がとても難しく、修理工房でも受付してくれないことが多いこと。大きなマイナスドライバーなどでこじってコマを外すことになる為、どうしてもベルトにかかる負担は重くなります。
そのため、板巻ベルトを採用した時計を購入したい場合は「自分にピッタリ合うサイズ」の時計が見つかるかどうかが肝心です。
採用モデル:ロレックス オイスターパーペチュアル デイト 28番 6917 シルバーモザイク
ロレックス オイスターパーペチュアル デイト 28番 6917 シルバーモザイク
こちらのRef.6917はベゼルにホワイトゴールドを使用したモデルです。パーペチュアル ゼファーと同じく1969年頃に製造され、ブレスレットには5連巻きブレスが採用されています。
5連タイプの方が3連タイプよりも細かく板が巻かれているため、駒調整の難易度は更に上がっています。それでも、この5連巻きブレスは現行のジュビリーブレスの前身として長く愛されてきたブレスであり、今でも愛用されている方が多く存在します。
ロレックスのブレスレット⑧ レザーベルト
ロレックスの時計はほとんど金属タイプのブレスレットを採用しているため、レザーベルトが使われているモデルは僅かです。純正ベルトは他の多くのメーカーと同じく「クロコダイルレザー」が使われており、革ならではの上品さを演出しています。手持ちのロレックスが金属ベルトタイプの方も、別売りの純正レザーを購入すればレザーベルトにドレスチェンジすることも可能。いつものロレックスとは違う趣を楽しむこともできます。
採用モデル:ロレックス デイデイト チョコレートブラウン 118135
デイデイトRef.118135にはブラウンカラーのクロコダイルレザーが使われています。シックなチョコレートブラウンの文字盤とピンクゴールドに微量のプラチナが入った「エバーローズゴールドケース」の組み合わせは上品で鮮やか。金属ベルトでは出せない存在感を放つレザーベルトは見る者を引き付ける魅力があります。
レザーベルトが使われた定番アンティークモデル
また、革ベルトが使われたモデルで有名なのはアンティークロレックスとして人気の高い「カメレオン」。非常に小振りで、小指の先程の時計本体にストラップを細い穴に通す仕様になっており、気分で革ベルトを簡単に付け替えることができるのが特徴です。
カメレオンでは「カーフ アリゲーター型押し」ベルトが使われており、丸みを帯びたレザーのデザインは多くの女性に支持されました。価格も手ごろで、複数色揃えやすいのも人気のポイントです。
まとめ
堅牢性を重視した「オイスターブレスレット」やドレッシーな印象を与える「ジュビリーブレスレット」。これまでロレックスは各モデルに最適なブレスレットを開発してきました。そして、全てのブレスレットにはロレックスが大切にしている実用性が込められています。
現在もクラウンクラスプや新型ラバーベルトなど、”美しさと実用性”を兼ね備えたブレスレットの開発を進めるロレックス。次はどんな革新的なブレスが発表されるのか楽しみでなりません。
当記事の監修者
池田裕之(いけだ ひろゆき)
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 買取部門 営業企画部 MD課/買取サロン 課長
39歳 熊本県出身
19歳で上京し、22歳で某ブランド販売店に勤務。 同社の時計フロア勤務期に、高級ブランド腕時計の魅力とその奥深さに感銘を受ける。しばらくは腕時計販売で実績を積み、29歳で腕時計専門店へ転職を決意。銀座ラシンに入社後は時計専門店のスタッフとして販売・買取・仕入れを経験。そして2018年8月、ロレックス専門店オープン時に店長へ就任。時計業界歴17年