「アクアノート 5167R 001の購入を検討しているが、モデルについてもっと詳しく知りたい」
「アクアノート 5167R 001の良さを深く知りたい」
パテックフィリップの「アクアノート 5167R 001」は、洗練されたスポーティーなデザインとエレガンスを融合させたタイムピースとして、多くの時計愛好家から注目を集めるモデルです。
その魅力は、ローズゴールドの華やかさとラバーストラップのカジュアルさが絶妙に調和したデザインにあります。
しかし、購入を検討する際には、単なる販売情報以上に、価格動向や魅力、正規代理店や中古市場の活用方法などを知ることが重要です。
この記事では、「アクアノート 5167R 001」を購入する際に役立つポイントを詳しく解説します。
目次
アクアノート 5167R 001とはどんな時計？
パテックフィリップ アクアノート 5167R-001
素材： ローズゴールド / RG
ケース：直径 40.8mm (リューズ含まず）
駆動方式： 自動巻き / Self-Winding
付属品： 外箱 / 内箱 / 取扱説明書 / 保証書(国内正規店発行日付 2022年8月)
アクアノート 5167R 001は2007年に発表されたモデルです。
アクアノートとしては第3世代にあたり、ローズゴールド仕様のケースがチョコレートブラウンのラバーストラップと色の調和が取れ、スポーティーウォッチとは思えないスタイリッシュな外観に仕上がっています。
このアクアノート 5167R 001はローズゴールドを採用しながら、スポーティーかつ洗練された印象に仕上げていることが最大の魅力です。シルエットが美しく、グラマラスに感じますが、実はケースの厚みは薄い仕上がりになっています。
これこそ「パテック マジック」です。正面から見ると肉厚に見えて、手に取ると薄く仕上げている事に気づきます。彼らならではの高度な職人技です。
さらにこのアクアノート 5167R 001は、ローズゴールドにトロピカルバンドを組み合わせている事が特徴です。ローズゴールドにラバーストラップの組み合わせは、いい意味で時計愛好家達の期待を裏切りました。
パテックフィリップはアクアノート 5167R 001で「対象年齢を絞ることは無い！」そう宣言した気がします。
アクアノートは元々若年層向けとして、対象年齢のターゲットを拡げた製品であることは間違いありません。しかし、第3世代でローズゴールドの5167R 001を追加した事は、アクアノートの「年齢制限（若年層向け）を外した」と考えられます。
アクアノート 5167R 001の定価
アクアノート 5167R 001の定価（正規販売価格）は2024年11月時点では、「746万円」です。この定価はステンレスモデルの5167aの定価が392万円である事を考えれば、ローズゴールド製の 5167R 001の値付けは妥当だと言えます。
販売開始から、17年以上経過しているため、市場にはある程度個体が流通しているはずです。しかし、アクアノートは人気モデルゆえ、ウェイティングリストによって待ちが出ているとされています。
時計バブルも終焉したので、以前より待ちが少なくなっている可能性もありますが、それでも数年近く待つと言われています。これは、アクアノート自体の生産数が限られていることと、人気モデルゆえ需要が未だに高いのでしょう。
中古相場は「おおよそ1,200万円」
アクアノート 5167r 00中古相場に関しては、世界的大手ECサイトの相場を見ると2024年11月時点では、約1,200万円です。相場は2022年4月の約2,000万円をピークに暴落、2023年の秋頃より横這い状態が続いています。
2024年11月から3ヶ月のグラフを見る限りは、緩やかに上昇中です。暴落前のグラフを見ると急上昇したのが、2021年1月からで、その当時の相場は約740万円でした。そこから僅か1年で、270％以上も上昇しています。
相場が落ち着いた2024年11月時点で、高騰前の740万円から60％以上も高値であるのは、物価上昇を考慮しても少し割高です。できれば、もう少し待って800万円代まで下がってからアクアノート 5167r 00を購入する方が、良いと思います。
アクアノート 5167R 001の魅力
アクアノート 5167R 001の魅力は、手首に付けて鏡に写すとシンプルながら、手に取り近づけると質感、外装の素晴らしさに気がつく筈です。近くで見るとラウンドに見えるケースが実は多角形だったりするように、見るほど新たな発見をすることができます。
高価な時計にふさわしく、アクアノート 5167R 001は、あらためて良い時計だと再認識させてくれる筈です。その魅力は細部に宿ります。以下で、部分ごとの魅力を解説しますので参考にしてください。
魅力①ベゼルについて
画像引用：パテックフィリップ公式サイト
アクアノート 5167R 001のベゼルとケースにはローズゴールドを採用、ベゼルは正面をフラットに形成、縦の筋目を入れて輝きを抑えている事が特徴です。ベゼルの側面をポリッシュに仕上げており、両者のコントラストを楽しめます。
ベゼルは遠目に見るとラウンドに見えますが、弧を描いた八角形です。これはオクタゴンと呼ばれるフォルムで、ノーチラスに採用されアクアノートにもこの手法が継承されました。アクアノートがノーチラスの弟分と呼ばれる理由になります。
ローズゴールドは金と銅の合金で、金に銅を加える事で、金より固く素材の強度も上げられる事が特徴です。外観もピンクに近い色合いになっていることから、人気が高く、近年多くの時計ブランドで採用されています。
またベゼルとケースが一体型になっていることで、ラグジュアリーな時計でありながら120M防水と実用性が高くなっていることも忘れてはいけません。
防水性が高いことはベゼルとケースの堅牢性が高くなっている証で、外的要因からムーブメントを保護します。
（2024年春、パテックはそれまで120M防水だった製品の防水表記を、全て30M防水へ統一変更しました。ケース構造に変更があった訳では無く、あくまでも顧客への誤解を招かない事が、目的だそうです。）
このように高い防水性を施している事から、アクアノート 5167R 001が、純然たるスポーツウォッチである事も再認識させてくれます。
魅力②インデックスについて
インデックスは、アラビア数字に夜光塗料を塗った物です。立体的なアプライドインデックスを植字しているため、スポーティーでありつつ高級感も備えています。数字の周りをゴールドで丁寧に縁取っていて、近くで見ると、パテックの高度な職人技を体感できます。
一見すると普通に見えるインデックスも、手に取って間近で見て触れたとき、パテックフィリップが持つ芸術的な職人技を実感できるはずです。
魅力③文字盤について
アクアノート 5167R 001の文字盤の特徴は、格子状に溝が彫られていることです。この溝は曲線になっていて、ちょうど「地球儀の経線」のようにも見えます。この事で、引いて見てみるとグラマラスに見せる効果もあるのでしょう。
文字盤（ダイアル）を縦横にエンボス加工されたブラウン色のダイアルは、反射を抑える効果もあり強い太陽光のもとでも、視認性を妨げません。
アワーマーカーやセコンドマーカーは全て中心に向かって放射状に伸びている事が特徴です。そのため、時間確認が瞬時にかつ正確に読み取れます。スポーツウォッチはドレスウォッチと異なり、秒単位で時間が読み取れる方がユーザーにとっては嬉しいはずです。
魅力④ムーブメントについて
アクアノート 5167R 001のムーブメントはCal.26 at33 SCです。ジュネーブ・シールより厳格なパテックフィリップ・シール認定を受けた、高精度なムーブメントを搭載しています。さらに注目すべきは、212個のパーツから成る部品数です。
近年3針デイト付きの時計では、120個前後の部品数に抑えるブランドが多くなっています。部品数が多いと故障のリスクが増加するのが、デメリットです。しかし、特定部品への負担が減るため、ムーブメントの耐久性は上がります。
精度も部品数が多いムーブメントだと高まりますが、多くの部品を動かすトルク（パワー）が必要です。必然的にパワーリザーブの時間も部品数が多いほど減る傾向にあります。
部品数が多いとケースバック（裏蓋側）から見えるムーブメントが美しく、審美性を優先した可能性があるかも知れません。このCal.26 at3 SCのパワーリザーブは45時間で、ここ数年のパワーリザーブ60時間以上の製品と比較すると、少し短い気がします。
Cal.26 at3 SCでは、振動数を標準的な28,800振動に設定していますが、これを落とす手法も考えられない訳ではありません。しかし精度面で不安が生じます。かと言って、振動数をこれ以上アップさせると、さらにパワーリザーブの時間を落としてしまいます。
部品を摩耗させる可能性もあるでしょう。パテックフィリップとしては、アイデンティティである高級感と審美性は保ちたいとして、Cal.26 at33 SCの部品数212個、精度の維持のための28,800振動に落ち着いたと推測しています。
魅力⑤トロピカル・バンド
アクアノートには、パテックフィリップ初のラバーバンドであるトロピカル・バンドを採用している事も特徴です。 5167R 001は、チョコレート・ブラウン色で、折り畳み式バックルを採用しています。
このトロピカルバンドは、表側を凹凸のエンボス加工されている事が特徴です。この手法によって、文字盤との間のデザインにも統一感を持たせています。トロピカル・バンドのデザインパターンは、文字盤も含めて視覚的な美しさと楽しさも引き出す効果も見逃せません。
バンドのチョコレートブラウン色も、時計全体との調和が取れています。素材に使われているラバーは、従来からある合成ゴムでは無く、パテックフィリップ独自のハイテック・コンポジット素材を採用している事が特徴です。
コンポジットとは２種類以上の素材を組み合わせた複合材料になります。性質が異なる複数以上の素材を組み合わせ、相反する性質の素材が形成できるとして、様々な産業で積極的に採用されている手法です。近年では航空機やF1にも用いられています。
ラバーとその他の材料を組み合わせる事で、ラバーが持つ装着感の良さを生かしながら、耐久性・耐候性に優れた材料を組み合わせ、高級感を持ち合わせたトロピカル・バンドを実現することができました。
アクアノート 5167R 001はどこで買える？
アクアノート 5167R 001は、正規販売店と中古販売店で購入する事が可能です。それぞれの販売店毎でメリットやデメリットがあり、購入するときはそれらを十分に理解した上で購入してください。
では正規店と中古販売店の業態を詳しく紹介していきます。
正規店
画像引用：watch-yoshida 公式サイト
正規販売店は、スイス本国のパテックフィリップから、正規販売店の認定を受けて、正規流通ルートで輸入し国内販売している販売店です。日本国内の正規販売店での販売価格は、全て同じ価格（定価）で販売しています。
正規店はブランドが直接運営している「直営店」と「販売代理店」に分かれています。パテックフィリップは、直営店はパテックフィリップサロンという世界3店舗あり、日本にある正規店26店舗は全て販売代理店です。（2024年11月現在）
正規店によっては、来店に予約が必要な店舗もあります。
現状のアクアノート 5167R 001の相場を見ていると、定価を上回っているため正規店で購入するのが一番安いです。しかし、正規店で誰もがアクアノート 5167R 001を購入できる訳ではありません。
現状の正規店でのアクアノート 5167R 001は予約して数年待ちになっている可能性が高いです。（最新の情報は、正規店に来訪もしくはお問い合わせください）その場合、ウェイテイングリストにて順番待ちになります。
ただこれも誰もが予約できる訳では無く人気モデルであれば、パテックフィリップの購入履歴（ショップ単位、もしくはプランド単位の購入履歴）が無いと予約できないことが、あります。
正規店ではブランドやモデルによって、このような購入制限が存在します。ただ正規店の最大のメリットは、偽物が全く無い事です。そのため真贋の心配なく安心してアクアノート 5167R 001を探すことができます。
また正規店ではウェイテイングリストにさえ載れば、多少時間はかかってもほぼ確実に購入できる事も見逃せません。
正規店でアクアノート 5167R 001を購入する際は、このウェイテイングリストで順番待ちする事と、購入履歴が無いと予約ができない可能性があることにも注意が必要です。
中古販売店
一方の中古販売店では、パテックフィリップの購入履歴に関係無く在庫があれば購入できます。また販売価格も店舗毎に異なり、比較検討して一番安い販売店で購入でき、廃売店によってはWEBサイトから購入できる事は便利です。
ただ、前述したように販売店毎に販売価格は異なります。そのため、常に販売価格を比較検討する必要があります。在庫に関して言えば、販売開始から17年以上経過していて、ある程度流通しているので、在庫は問題ありません。
しかしアクアノート 5167R 001の販売価格の相場は、定価（746万円）を上回る相場が続いています。中古販売店の販売価格が定価に近い状態になれば、嬉しいです。
日本国内の中古販売店は、店舗を構えて営業している所であれば真贋鑑定も問題なく安心して買える販売店が多くなっています。中古品であってもOH（オーバホール）や修理をしてから店頭に商品を並べる店も多く、安心して買えることが特徴です。
アクアノート 5167R 001はどんな服装に似合う？
画像引用：パテックフィリップ公式サイト
アクアノート 5167R 001はチョコレートブラウンの文字盤とバンド、そしてローズゴールドのケースがエレガントさを引き立ててくれます。高級感溢れる時計なので、服装に関しても質の高い、素材やコーディネートを考えるのが、おすすめです。
ビジネスとカジュアルなシーンに相応しい、服装をそれぞれ紹介します。
ビジネスカジュアルな服装
アクアノートは、元来ラグジュアリースポーツ ウォッチです。そのためビジネスにおいては、堅苦しくないビジネスカジュアルな服装の方が、アクアノート 5167R 001がより映えます。
アクアノートが持つエレガンスさと調和する、洗練されたカジュアルさを目指して欲しいです。ジャケットはネイビーもしくは時計の同色系のチャコールグレーの上質なウールジャケットだと、ローズゴールドのケースの温かみが、引き立ちます。
シャツはホワイトもしくは薄いスカイブルー、もしくは小さなチェック柄やストライプもアクアノートに良いアクセントになり、おすすめです。
ベージュのチノパンと言ったアースカラー系の色のボトムと、ブラウンチョコレートのトロピカルバンドも袖口から見えた時、自然に調和します。靴はダークブラウンのレザーシューズ、ローファーも似合うでしょう。
色を何層にも重ねて染めた「パティーヌ仕上げ」の靴も高級感がある独特な色合いで、アクアノート 5167R 001とは相性が良いと思います。ビジネスカジュアルでは、ノーネクタイにしたいです。
ビジネスカジュアルでは、上質な素材で仕立てたジャケットやパンツ、靴となら、多少カラフルな色の組み合わせでも、アクアノート 5167R 001がそれらの服に負けず、一層引き立つはずです。
カジュアルな服装
カジュアルなホリデーウェアとの相性もいいアクアノート 5167R 001は、週末や休日にぴったりな腕時計です。トップスにはニットセーターがあると良いでしょう。多少暑くても、ニットを羽織り、半袖なら最低限襟の付いた、ポロシャツにとどめておきましょう。
カジュアルなスタイルであれば、デニムでも問題ありません。他には、ダークな色調の物か、アースカラーのコットンパンツもおすすめです。
ジャケットだとレザーもしくは、スエードの物とアクアノート 5167R 001は相性が良いと思います。ブラウンのスエードは、ケースのローズゴールドと相性がぴったりです。
靴はスニーカーでも問題ありません。ただし、清潔感のある靴をチョイスして欲しいです。
まとめ
アクアノート 5167R 001は、アクアノートシリーズの中では、唯一のローズゴールドモデルになります。スポーツモデルの中でも、パテックフィリップはラインナップの中に貴金属モデルを必ず入れてくることが、特徴です。
アクアノート 5167R 001にはスポーツウォッチでありながら、高級感を損わないためにはタイムレスなデザインが求められます。
ゴールドは古来より人類から愛されてきた金属であり、その価値や用途は普遍的です。そのゴールドを腕時計の中で自在に使いこなせるのは、伝統ある限られたブランドにしかできません。
アクアノート 5167R 001に使用されている、ローズゴールドは金に銅を混ぜた合金です。奇しくも銅も古（いにしえ）の時代より様々な製品に使われてきて、現在でも家庭用品から工業用品に至るまで使われ、ゴールド同様人類から愛されてきた金属になります。
ローズゴールドの持つ温かみを絶妙に計算して、トロピカルバンドの色配分を計算して調和させる技は、パテックフィリップにしか表現できないデザイン力です。まさにパテックフィリップのクラフトマンシップでしょう。
アクアノート 5167R 001を購入した際は、ローズゴールドを使いながらベーシックウォッチを表現するパテックフィリップのクラフトマンシップを体感できるはずです。是非アクアノート 5167R 001を検討してみてください。
当記事の監修者
南 幸太朗（みなみ こうたろう）
（一社）日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 買取部門 営業企画部 MD課/買取サロン プロスタッフ
学生時代に腕時計の魅力に惹かれ、大学を卒業後にGINZA RASINへ入社。店舗での販売、仕入れの経験を経て2016年3月より銀座本店 店長へ就任。その後、銀座ナイン店 店長を兼務。現在は営業企画部 MD課 プロスタッフとして、バイヤー、プライシングを務める。得意なブランドはパテックフィリップやオーデマピゲ。時計業界歴14年。
