「通夜や葬式で腕時計を身に着けるのはマナー違反?」
「葬儀に適した腕時計とは、どういったもの?」
高価な腕時計を購入するにあたっては、できるだけTPOを選ばない万能型のモデルを選びたいところ。
せっかくなら、「通夜や葬式もOKな汎用性の高い1本を手に入れたい」という人も多いのではないでしょうか。
通夜や葬式で腕時計を身に着けること自体、マナー違反にはなりません。
むしろ、時間を確認するために腕時計をするのは一般的であり、重要なのは場にふさわしいデザインや機能を選ぶことです。
この記事では、通夜や葬式における腕時計の着用マナーや、葬儀にふさわしいモデルの選び方についてわかりやすく解説します。
葬儀に適した具体的なモデルも紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
葬式で腕時計を着けて行ってもOK?
冒頭でもお伝えした通り、通夜や葬式、もちろん告別式においても腕時計の着用は基本的に問題ありません。
重要なのは葬儀にふさわしいモデルを選ぶことと、もう1つは着用マナーを守ることです。
では、その着用マナーとはどういったものなのか、以下に要点を絞って解説します。
葬儀での腕時計着用マナー例
ぜひ知っておきたい、葬儀における腕時計の着用マナーは以下の通りです。
- お焼香などを行う手と反対の腕に着ける
- 時間を過度に確かめすぎない
- 袖に収まるサイズの腕時計を着ける
この3点だけ知っていれば、葬儀で恥をかいたり無礼を働いたりしてしまう心配は要らないでしょう。
では、各ポイントの詳細について、順番に見ていくことにしましょう。
お焼香などを行う手と反対の腕に着ける
お焼香は右手で行い、数珠をかけた左手は胸やお腹のあたりにもってくるのが一般的な作法です。
そのため、腕時計は額の位置まで高くかかげる右手よりも、目立たない左腕にするのが望ましいでしょう。
額の位置にある腕時計はケースやブレスレット、風防や文字盤が照明などの光を反射することで、変に目立ってしまう恐れがあります。
それが参列者の視界に入ることで不快感を与えてしまったり、場の雰囲気を乱したりしてしまうことにもつながり兼ねません。
腕時計を左腕にするのが不慣れな場合は、ポケットにしまうか、バッグに入れておくのも1つの手です。
いずれにしても、お焼香をする手には腕時計を着けないのが無難ですし、その方がお勤めの動作もスムーズに行えるでしょう。
あまりないかもしれませんが、無意識に腕時計を焼香台にぶつけてしまうといったトラブルも回避できます。
時間を過度に確かめすぎない
葬儀において腕時計を着用する際は、時間を過度に確かめすぎないことも大切なマナーの1つです。
葬儀は故人を偲ぶ厳粛な場であり、頻繁に時間を確認する行為は、遺族や他の参列者に対して失礼な印象を与えてしまう可能性があります。
特に腕を動かして時計を見る仕草が目立つと、周囲の静かな雰囲気を乱すことにもなり兼ねません。
また、葬儀の進行は基本的に決まっているため、個々が時間を気にする必要はほとんどありません。
よって、時間確認の頻度は、必要最小限に抑えるのが大事。
葬儀の後に何か大切な用事を控えているなど、どうしても時間を気にする必要がある場合は、さり気なく時計を見るようにして、できるだけ目立たない配慮を心がけましょう。
袖に収まるサイズの腕時計を着ける
葬儀において袖に収まるサイズの腕時計を着けることも、大事なポイントに違いありません。
葬儀では派手な振る舞いや目立つ服装を控えるのが基本ですが、腕時計も同様に大きなケースや華美なデザインのモデルはパスした方が良いでしょう。
袖に収まる控えめな腕時計を選ぶことで、目立つのを防ぎ、厳粛な場の雰囲気を壊さないよう配慮できます。
また、袖に収まる腕時計はスーツや喪服との調和が取れて、全体を落ち着いた印象に仕上げることもできます。
このように葬儀では、シンプルで控えめなデザインとサイズ感を意識することがとても大切です。
葬儀にふさわしくない腕時計(マナー違反の腕時計)
葬儀にふさわしくない腕時計とは、端的にいえば以下の5つに該当するものです。
- 宝飾系の腕時計
- デザイン性が高いファッション時計
- 茶色や白の革ベルトの腕時計
- デジタル時計
- クロノグラフなどの複雑機構
では、それぞれどのような点が葬儀にふさわしくないのか、詳しく見ていくことにしましょう。
宝飾系の腕時計
葬儀において宝飾系の腕時計は、ふさわしくないとされる場合がほとんどです。
葬儀は故人を悼む厳粛な場であり、宝石やダイヤモンドが施された腕時計は派手で華美な印象を与えるため、場の雰囲気にそぐわないと考えられるからです。
また、こうした腕時計は他の参列者の目を引く可能性があり、弔意を示すべき場ではマナー違反とされることがあります。
ゴールド素材の腕時計もやはり華美に映る可能性があるため、一般的にはNGとされています。
デザイン性が高いファッション時計
文字通り身に着ける人の個性やお洒落感が全面に出るようなファッション時計も、葬儀の場にはふさわしくありません。
インデックスや文字盤がカラフルだったり、独創的な装飾が施されていたりする腕時計は、他の参列者の視線を集めてしまうことがあります。
ケースやベルトも色、大きさ、素材、デザインなどの観点において目立つものは避けるようにしましょう。
葬儀では故人への敬意や哀悼の意を示すことが最優先であり、腕時計が注目を集めるような状況は決して好ましくありません。
茶色や白の革ベルトの腕時計
葬儀では「殺生(せっしょう)」を連想させない装いが求められるため、茶色や白の革ベルトの腕時計は控えるのが無難です。
殺生とは「生き物を殺すこと」という意味を持つ仏教用語ですが、革ベルトは動物の皮を利用したものであることから、特に仏教の教えを重んじる場では配慮が必要です。
また、茶色や白のベルトは葬儀の黒を基調とした服装の中で目立ちやすく、華美と捉えられる可能性もあります。
ただし「革製品=殺生」という部分においては諸説あり、そこまで革製品に制限をかけるべきかというとそうでもありません。
黒無地ならば本革・合皮であっても問題はないとされますし、その部分だけを見て嫌な印象を抱く人も少ないです。
気を遣うのであれば、ヘビ革、ワニ革、スエードなどの素材の中でも「かなり質感が際立つようなオシャレを目的とした製品」は避ける意識で身に付けるものを選ぶとよいでしょう。
デジタル時計
デジタル時計も、一般的には葬儀にふさわしくないものとされています。
その理由として、デジタル時計はカジュアルやスポーティな印象が強く、葬儀の厳粛な雰囲気にそぐわないと考えられる点があげられます。
また、液晶表示やバックライト機能、アラーム音などが葬儀の静けさを損ねる可能性もゼロではありません。
ただ、ブラックやシルバーの落ち着いた色で、デザインもシンプルで目立たないモデルであれば、他の参列者から違和感を持たれることは少ないでしょう。
また、故人がアウトドアやスポーツを好んでいたなど、特別な事情がある場合には、追悼の意を込めて許容されることもあるかもしれません。
よって、大事なのは他の参列者への配慮と故人に対する敬意であり、その2点において問題がない場合は、マナー違反に該当しない可能性も十分に考えられます。
クロノグラフなどの複雑機構は避ける
クロノグラフなどの複雑機構を持つ腕時計も、葬儀の場ではふさわしくないとされる場合があります。
これらの腕時計は文字盤が多機能で装飾的に見えやすく、厳粛な雰囲気にそぐわないという考え方があるためです。
また、複雑なデザインが他の参列者の目を引き、場の空気を乱す可能性もないとはいえません。
ただ、クロノグラフであっても先述のデジタル時計と同様に、色味がブラックやシルバーなど控えめで、全体的にシンプルなデザインであれば問題視されない場合もあります。
クロノグラフなどの複雑機構を持つ腕時計も葬儀では避けるのが無難ですが、物によっては必ずしもマナー違反に該当するとは言い切れないでしょう。
葬式にふさわしい腕時計の選び方
葬儀にふさわしい腕時計を選ぶ際には、以下の4つがポイントになります。
- アナログ時計を選ぶ
- 可能な限りシンプルなデザインを選ぶ
- 腕時計のベルトは黒革などが好ましい
- ステンレススチールなどシルバー系の素材を選ぶ
それぞれの選び方について、引き続き詳しく解説します。
アナログ時計を選ぶ
アナログ時計はクラシックで控えめなデザインが多く、フォーマルなシーンにも馴染みやすいのが特徴です。
対して、デジタル時計はカジュアルやスポーティな印象が強いため、厳粛な場においては多少なりとも不向きと言わざるを得ません。
喪服やスーツとの相性を考えた場合も、マッチしやすいのは断然アナログ時計の方。
逆に、袖口から腕時計が見えるのを想像したときに、デジタル時計でピンとくるものは、これといって思い浮かばないのではないでしょうか。
以上のことから、葬儀のためにわざわざデジタル時計を選ぶ必然性はなく、初めからアナログ時計に絞って検討するのが間違いないでしょう。
可能な限りシンプルなデザインを選ぶ
葬儀に参列する際は、身に着けるものを必要最小限に抑えることがマナーとされています。
そのため、腕時計もシンプルな三針タイプが適しており、機能はせいぜい日付表示がついているだけで十分です。
文字盤はブラック、ホワイト、シルバーなど、落ち着いた色の中から選ぶようにしましょう。
ただ、落ち着いた色でも、光を強く反射する加工が施された文字盤は、目立ちやすいので葬儀には向いていません。
ベゼルは、シンプル且つスタンダードなスムースベゼル一択です。
総じて、華美な装飾や過剰な機能、カラフルな色使いはNG。
可能な限りシンプルなデザインの腕時計を選ぶように心がけましょう。
腕時計のベルトは黒革などが好ましい
腕時計のベルトは、喪服の色に近い黒革が葬儀に最も適しています。
黒革であれば、先に解説した「殺生」を連想させるものと認識されることはありません。
黒革でもツヤを抑えたもので、尚且つ凹凸のないスムースレザーであると理想的です。
ベルトの素材には、他にも金属、ゴム、布、ナイロンなどがありますが、黒革以外で葬儀に向いているのは金属です。
ただ、金属の中でも葬儀にふさわしいのはステンレスとチタンの2種類くらいで、それらも光沢を抑えた目立たないものが望ましいでしょう。
ステンレススチールなどシルバー系の素材を選ぶ
腕時計のケースは、ステンレスやチタンなどシルバー系の素材が葬儀に向いています。
逆に、ゴールド、ブロンズ、セラミック、プラスチックなどの素材は、華美やカジュアルなイメージが強いため、葬儀に適しているとはいえません。
ステンレスやチタンのケースでも、できれば光を反射しやすいポリッシュ仕上げよりは、ツヤのないサテン仕上げが多用されたものを選びたいところです。
サテン仕上げは小傷や指紋が目立ちにくいため、日常的にも使いやすいのが魅力的です。
葬式、お通夜にふさわしい腕時計(革ベルト編)
殺生を連想させない黒革ベルトの腕時計は、葬儀において無難なアイテム。
さらに以下の条件をすべて満たす腕時計なら、より安心して着けられるでしょう。
- シンプルな3針
- 文字盤は単色のシルバー(またはホワイト)
- 袖に収まる
ここからは、そんな葬儀向きの腕時計を9本紹介します。
グランドセイコーSBGW301
素材: ステンレススティール / SS
ケース:直径 37.3mm (リューズ含まず)
駆動方式: 手巻き / Hand-Winding
SBGW301は、クラシック且つエレガントな魅力にあふれるグランドセイコーらしいモデルです。
37.3mm×11.7mmのラウンドケースは葬儀にふさわしい控えめなサイズ感で、ブラックの本革ベルトも落ち着いた雰囲気を醸し出しています。
一切の無駄を排したミニマルなデザインもフォーマルなシーンにぴったりで、流行を気にせず末永く愛用できます。
アイボリーの文字盤にはブランドロゴの表記しかないにもかかわらず、物足りなさは微塵も感じられません。
ボックス型のサファイアガラスや視認性向上のために敢えて先端が曲げられた針など、随所にこだわりのディティールを見つけ楽しむこともできます。
機能部分に関しては9S64はパワーリザーブ約72時間の優れた実用性に加え、日差-3~+5秒の高精度が魅力です。
SBGWの231、301なども同じくおすすめです。
ヴァシュロンコンスタンタン パトリモニー セミフラット 81160/000G-9062
素材: ホワイトゴールド / WG
ケース:直径 35mm (リューズ含まず)
駆動方式: 手巻き / Hand-Winding
こちらは、シャツの袖にも難なく収まる35mm×6.3mmの小ぶりなケースが使いやすいヴァシュロンコンスタンタンのモデルです。
ホワイトゴールド製のケースはやや黄色がかった日本人の肌に馴染みやすく、上品な輝きを放つのが特徴。
黒革ベルトとの組み合わせによる軽やかな着け心地は、長時間の使用でもストレスを感じることがありません。
スリムなベゼルとシルバートーンの文字盤が気品を感じさせ、クラシカルな印象の強いスモールセコンドがドレスウォッチとしての魅力をより一層引き立てているようです。
場の雰囲気や面会する相手に敬意を示したいときなど、特に大事な場面で頼りになる1本です。
ロンジン マスターコレクション 190周年記念モデル L2.793.4.73.2
素材: ステンレススティール / SS
ケース:直径 40mm (リューズ含まず)
駆動方式:自動巻き / Self-Winding
こちらは、シンプルな文字盤と黒革ベルトの組み合わせが大人の雰囲気を感じさせるロンジンの人気モデル。
時計を見る仕草にも配慮が求められる葬儀の場において、瞬時に時刻を確認できるアラビアインデックスが使いやすさを感じられる1本です。
厚さ9.35mmのスリムなケースがシャツや上着の袖に引っ掛かりにくく、すっきり見えるのもポイント。
クラシカルなデザインは普遍的な魅力にあふれ、年を重ねるごとに愛着が深まっていくのを実感できるでしょう。
スイスが誇る老舗ブランドの逸品にもかかわらず、30万円前後で手に入るコスパの高さも魅力的です。
ジャガールクルト レベルソデュオ Q2718410(272.8.54)
素材: ステンレススティール / SS
ケース:縦 42mm × 横 26mm
駆動方式: 手巻き / Hand-Winding
表と裏で2種類の文字盤が楽しめるジャガールクルトのレベルソディオ。
こちらは表面がシンプルなシルバー文字盤、裏面がシックなブラック文字盤のモデルで、どちらも落ち着いたデザインになっていることから葬儀の場でも違和感なく身に着けられます。
縦42mm×横26mm×厚さ9.5mmのスリムなケースは、エレガントでありながら快適な装着感。
手首にしっくり馴染み、喪服やスーツとも好相性です。
レベルソならではの角ばったレクタンギュラー(長方形)ケースが、本物にこだわる紳士の腕元にさり気ない個性をプラスしてくれます。
ジャガールクルト マスターウルトラスリム デイト Q1288420(174.8.37.S)
素材: ステンレススティール / SS
ケース:直径 40mm (リューズ含まず)
駆動方式: 自動巻き / Self-Winding
Q1288420(174.8.37.S)は、ジャガールクルトらしいクラシックで洗練された雰囲気が魅力のモデルです。
シルバーの文字盤は、清潔感がありながらシンプルをきわめたようなデザイン。
ドーフィン針とアプライドインデックスも、葬儀の場に最適といえるほど控えめで繊細な印象を放っています。
厚さ7.45mmのスリムなケースは、スーツや喪服と好相性。
手首へのフィット感も良好で、その軽やかな着け心地は特筆に値するところです。
シースルーバックからは自社製自動巻きキャリバー「899」を鑑賞でき、まるで芸術品のような逸品を手にする喜びも味わえるでしょう。
パテックフィリップ カラトラバ 5120G-001
素材: ホワイトゴールド / WG
ケース:直径 35mm (リューズ含まず)
駆動方式: 自動巻き / Self-Winding
カラトラバの5120G-001は、ホワイトゴールド製の丸型ケースと伝統的な「クルー・ド・パリ」装飾のベゼルが美しいモデル。
ホワイト文字盤に描かれたシンプルなローマ数字と二針の組み合わせが、控えめながらも上品な雰囲気を醸し出しています。
ケースサイズは35mm×7mmと小ぶりなことから、慎ましさが求められる葬儀の場でも違和感なく身に着けられます。
そのデザイン性とサイズ感から女性でも着けやすく、パートナーとシェアして使いたい人にもぴったりな1本です。
時計界の頂点に君臨するパテックフィリップの中でもひときわクラシカルなモデルだけに、手に入れたら一生モノとして末永く愛用できるでしょう。
ロレックス オイスタースピードキング cal.1225 6430
素材: ステンレススティール / SS
ケース:直径 30mm (リューズ含まず)
駆動方式: 手巻き / Hand-Winding
「スピードキング」というペットネームを持つこちらは、手巻きムーブメントを搭載したロレックスのアンティークモデル。
30mmの小さなケースに味のある針とインデックス、そこに黒の本革ベルトを組み合わせた仕様は、葬儀に最適といえるほどです。
当然ながらシャツの袖にはすっきり収まり、悪目立ちする要素も皆無なので常に安心して身に着けられます。
経年によりクリーム色に変化した文字盤や大きく盛り上がった風防からは、アンティークウォッチとしての魅力を存分に味わうこともできます。
使用前にゼンマイを巻く日々のルーティーンも、手巻きモデルならではの楽しみの1つといえるでしょう。
ブランパン ヴィルレ ウルトラスリム 6223-1127-55B
素材: ステンレススティール / SS
ケース:直径 38mm (リューズ含まず)
駆動方式: 自動巻き / Self-Winding
6223-1127-55Bは、ブランパンのヴィルレコレクションらしいクラシカルで上品な雰囲気が魅力。
ホワイト文字盤にローマ数字のインデックスとスリムなリーフ針が調和し、控えめながらもタイムレスな美しさを放ちます。
38mm×9mmのステンレススチール製ケースは、主張しすぎず物足りなさも感じさせない絶妙な大きさで、葬儀の場で着用しても全く違和感がありません。
ケースデザインもシンプルなだけに、フォーマルでもビジネスでも幅広く身に着けられます。
約100時間のロングパワーリザーブを備える自社製自動巻きキャリバー「1150」を搭載するなど、実用性の高さも見逃せないポイントです。
ランゲ&ゾーネ サクソニア フラッハ 201.027(LS2013AM)
素材: ホワイトゴールド / WG
ケース:直径 37mm (リューズ含まず)
駆動方式: 手巻き / Hand-Winding
サクソニア フラッハは、ランゲ&ゾーネの中で最もケースが薄いコレクション。
中でも、このモデルのケースは5.9mmという驚異的な薄さにして、シースルーバック仕様によりムーブメントの造形美を楽しむこともできます。
ケース径も37mmとコンパクトなため、どんなシーンでもさり気なく身に着けられるでしょう。
ホワイト文字盤に浮かぶバーインデックスと二針は、葬儀で着用するにも理想的といえるほどシンプルなデザイン。
ケース素材は18Kホワイトゴールドで、ポリッシュとサテン仕上げが織りなす美しいコントラストが所有する満足感を味わわせてくれます。
葬式、お通夜にふさわしい腕時計(黒文字盤編)
シルバーや白文字盤の腕時計と並び、黒文字盤の腕時計も葬儀の場に適しています。
さらに、以下の条件をすべて満たす腕時計なら、葬儀はもちろんビジネスやプライベートでも幅広く身に着けられるでしょう。
- シンプルな3針
- ベルトは黒革(またはシンプルな見た目のステンレス)
- 袖に収まる
そんな汎用性の高いモデルを厳選して4本紹介します。
オメガ デ・ヴィル プレステージ コーアクシャル 424.13.40.20.01.001
素材: ステンレススティール / SS
ケース:直径 39.5mm (リューズ含まず)
駆動方式: 自動巻き / Self-Winding
オメガの中では、比較的買いやすい価格で人気のデ・ヴィル プレステージ。
こちらはそんなデ・ヴィル プレステージの中でも、ひときわベーシックな素材使いとデザインが葬儀に適したモデルです。
ステンレススチール製のケースは華美に見えることがなく、控えめな高級感を備えています。
ケースサイズは39.5mm×9.8mmと丁度いい大きさで、慎ましさが求められる場面でも安心して着けられるでしょう。
文字盤、針、インデックスはどれもシンプルで、全体的にも落ち着いた雰囲気を醸し出しています。
魅力的な価格に加え、搭載するムーブメントの信頼性も高いことから、初めての機械式時計としても検討しがいのある1本です。
パテックフィリップ カラトラバ 5227G-010
素材: ホワイトゴールド / WG
ケース:直径 39mm (リューズ含まず)
駆動方式: 自動巻き / Self-Winding
漆黒の文字盤に輝く針とインデックスが見る者を虜にする5227G-010は、究極のエレガンスを誇るカラトラバの現行モデル。
ホワイトゴールド製のケースは、細部にまで丁寧な磨きが施されており、上品な輝きを放っています。
39mm×9.24mmのケースは、現代の需要に見事にマッチしたバランスのいい大きさです。
ビジネスからフォーマルまで幅広く使えるのはもちろん、シャツの袖にも自然と収まるため、厳粛な葬儀の場にも適しています。
高級感あふれる黒の本革ベルトが、この時計が持つタイムレスな魅力をより一層引き立てているようです。
ロレックス エアキング 14000M ブラック バー
素材: ステンレススティール / SS
ケース:直径 34mm (リューズ含まず)
駆動方式: 自動巻き / Self-Winding
エアキングの14000Mは、ヴィンテージロレックスの中でも買いやすい価格と優れた実用性によって根強い人気を誇るモデル。
中でもこちらのブラック文字盤×バーインデックスのタイプはひときわ汎用性が高く、フォーマルからカジュアルまで身に着けるシーンを選びません。
34mmの小ぶりなケースは、手首が細い男性や女性にも人気。
葬儀のような厳粛な場面でも目立つ要素が見当たらないので、安心して身に着けられます。
搭載するのは精度と耐久性に優れるキャリバー「3130」で、このムーブメントは長きにわたりエクスプローラーやサブマリーナーの各モデルにも使用されるなど、信頼性の高さも折り紙付きです。
グランドセイコー グランドセイコーメカニカル SBGR053
素材: ステンレススティール / SS
ケース:直径 36mm (リューズ含まず)
駆動方式: 自動巻き / Self-Winding
SBGR053はすでに廃盤となっているものの、その使い勝手の良さと丁度いいサイズ感によって未だに人気の絶えないモデルです。
37mmのケースは着用するシーンを選ばず、葬儀の場でも周囲に落ち着いた印象を与えられます。
全体的に無駄な装飾がなく、ブラック文字盤とバーインデックスの組み合わせもシンプル故に知的で上品な雰囲気を感じさせます。
搭載するキャリバー「9S65」は平均日差が-3~+5秒と申し分ない精度で、その造形美をシースルーバックから楽しめるのも魅力。
現在、中古市場では20~30万円台で購入できるため、グランドセイコーを手頃な価格で手に入れたい人にも魅力的な選択肢といえるでしょう。
葬式、お通夜にふさわしい腕時計(レディース編)
女性用の腕時計はアクセサリー要素が強く、カラフルな文字盤やジュエリーの付いたモデルも少なくありません。
そんな華美で目立ちやすい腕時計とは対照的で、葬儀にふさわしいモデルを以下に5本紹介します。
シンプルで落ち着いた雰囲気のモデルだけを集めているので、きっとどれを選んでも安心して着けられるでしょう。
ロレックス オイスターパーペチュアル 176200 ホワイト センターローマ
素材: ステンレススティール / SS
ケース:直径 26mm (リューズ含まず)
駆動方式: 自動巻き / Self-Winding
ロレックスといえば、頑丈なケースとブレスレットが魅力の1つ。
さらに、26mmの小ぶりなケースと上品なホワイト文字盤×ローマンインデックスを備えたこちらのモデルは、きわめて実用性が高く葬儀の場にもふさわしい1本です。
ケースやブレスレットの素材として使われているオイスタースチールは、艶やかな質感ながらも派手さはないのでフォーマルなシーンに適しています。
ベゼルはシンプルなスムースベゼルで、文字盤にジュエリーが使用されていないのもTPOを選ばず着用できる理由の1つです。
すでに生産終了となっているため新品は手に入りませんが、その分ロレックスの現行モデルより安価に購入できるメリットがあります。
カルティエ タンクフランセーズ ウォッチ WSTA0065
素材: ステンレススティール / SS
ケース:縦 25.7mm × 横 21.2mm
駆動方式: クォーツ / Quartz
戦車を真上から見た状態が、デザインのモチーフになっているカルティエのタンクフランセーズ。
2023年にリニューアルされたこちらのモデルは、ケースとブレスレットの一体感がさらに増したことで、究極のモダニティとエレガンスを実現しています。
その直線的なフォルムとサテン仕上げを多用したステンレススチールの質感は、フォーマルなスタイルにマッチしやすく、葬儀で身に着けても違和感がありません。
ホワイト文字盤とローマンインデックスの組み合わせも、クラシカルで落ち着きがあり厳粛な場に適しています。
最も小ぶりなSMサイズなので、さり気なく身に着けられるのもポイントです。
ロレックス オイスターパーペチュアル 76080 シルバー バー
素材: ステンレススティール / SS
ケース:直径 23.5mm (リューズ含まず)
駆動方式: 自動巻き / Self-Winding
見た目も機能も至ってシンプルなオイスターパーペチュアル 76080は、1999年~2006年頃まで製造されていたモデル。
ロレックスらしい優れた防水性と頑丈さを備えながら、エントリーモデルとして入手しやすい価格相場も見逃せないところです。
質実剛健な文字盤デザインに加え、ケースサイズも24mmと小ぶりなことから葬儀で着用するにはまさにうってつけ。
ムーブメントは、自動巻きのキャリバー「2230」を搭載しています。
時刻合わせ以外にこれといった操作は要らず、扱いも容易なことから初めて機械式時計を選ぶ人にもおすすめの1本です。
ロレックス オイスターパーペチュアル28 276200 ブラック
素材: ステンレススティール / SS
ケース:直径 28mm (リューズ含まず)
駆動方式: 自動巻き / Self-Winding
オイスターパーペチュアル28(276200)は、2020年に登場したロレックスの現行モデル。
現行品では最小の28mmケースに、文字盤はいずれもサンレイ仕上げが施されたブラック、ピンク、シルバー、ブライトブルーの4色から選べるのが特徴となっています。
中でも、このブラック文字盤は落ち着いた色味で、葬儀などの厳粛な場でも使いやすい1本。
小ぶりな上に無駄な装飾が一切ないので、喪服やカーディガンの袖から覗いても目立つことはありません。
機械式のムーブメントを搭載しており、その精度は日差-2~+2秒ときわめて優秀。
最大駆動時間も約55時間と長く、機械式時計としては非常に高い実用性を誇っています。
故人の残した腕時計はどう扱う?処分すべき?
相続や何かの縁で、故人の腕時計が自分のもとに舞い込んでくるケースは案外多いもの。
故人の腕時計は、感情的な価値と実用的な価値の両面を慎重に考慮して、自分や家族にとって最善の扱いをすることが大切です。
では、実際に故人の腕時計を手にしたときにどのような選択肢があるのか、以下に具体的なパターンを3つ紹介します。
形見分け品として受け継ぐ
故人が残した腕時計を形見分け品として受け継ぐことは、単なる物品の引き継ぎを超えた特別な意味を持っています。
その腕時計には、故人が日々の生活で刻んだ時間や価値観、人生の軌跡がしみ込んでいます。
使い込まれた傷や経年変化も、かけがえのないものに感じられるでしょう。
今度はその腕時計を自分が大切にすることで、故人との絆をより強く感じ、次世代へと引き継ぐことさえも可能であるかもしれません。
肌身離さず身に着けられる腕時計だけに、きっと他のどんな形見分け品よりも末永く愛用できるでしょう。
腕時計専門の買取店で売る
故人が残した腕時計を専門の買取店で売るという選択は、その価値を新しい形で活かす方法の1つです。
例えば、ロレックスをはじめとする高級時計や希少価値の高いヴィンテージウォッチは、専門店で査定を受けることで、価値が正しく判断されます。
大切な思い出が詰まった品であれば、その選択には迷いやためらいが伴うのは当然のこと。
ただ、ずっと使わずに仕舞っておくより、もし高値で売却できるのであれば、「その方が故人も喜ぶかも」と考えることはできそうです。
売却によって得た資金は、供養や家族との思い出づくりに充てるなど、有効な使い道は人それぞれで違うでしょう。
→【ブランド腕時計の高額買取】GINZA RASINの買取査定はこちら
信頼できる腕時計買取店を選ぼう
腕時計を売却する際に重要なのは、信頼できる買取店を選ぶことです。
また、複数の店に査定を依頼し、買取価格を比較することで、きっと納得のいく取引ができるはずです。
古い腕時計や壊れた腕時計でも、物によっては数十万円~数百万円の値が付くこともあります。
買取店の多くは無料査定を行っているので、まずは相談だけでもしてみるのが良いでしょう。
火葬時に腕時計は入れられない
火葬時に故人が残した腕時計を棺に入れることは、一般的に不可能です。
腕時計には金属やガラスが使われているため、火葬炉で完全に燃えることがなく、炉内を傷めてしまう可能性があるからです。
このため、多くの火葬場では、金属製品や燃えないものの持ち込み自体が禁止されています。
とはいえ、大切な腕時計を故人と一緒に送りたいという想いを叶える方法もあります。
例えば、お別れの時間に棺の中に一時的に腕時計を入れて、最後のひとときを共に過ごすという送り方です。
その後、火葬前に取り出せば、腕時計はそのまま大切な形見として手元に残ります。
また、腕時計の写真やそれにまつわる思い出を書いた手紙を棺に添えるのも良い方法です。
腕時計を供養品として扱いたい場合は、専門業者に依頼して供養してもらうこともできます。
一方で腕時計を形見として受け継ぎ、自分の手元で大切に保管したりペンダントやキーホルダーにリフォームしたり、新たな形で身につけるのも素敵な選択肢といえるでしょう。
火葬時に腕時計を直接入れることはできなくても、その腕時計に込められた故人の想いや、思い出を大切にする方法はいくつもあります。
まとめ
通夜や葬式で腕時計を身につけることはマナー違反ではありませんが、場にふさわしいデザインや機能を選ぶことが大切です。
この記事では、葬儀に適した腕時計の選び方を詳しく解説し、汎用性の高いおすすめモデルも紹介しました。
TPOを選ばず、さまざまな場面で活躍する1本を見つけることで、葬儀はもちろん日常生活においても、末永く愛用できる腕時計が手に入ります。
ぜひこの機会に「一生モノ」と呼べる1本を選んでみてはいかがでしょうか。
当記事の監修者
新美貴之(にいみ たかゆき)
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 店舗営業部 部長
1975年生まれ 愛知県出身。
大学卒業後、時計専門店に入社。ロレックス専門店にて販売、仕入れに携わる。 その後、並行輸入商品の幅広い商品の取り扱いや正規代理店での責任者経験。
時計業界歴24年