「ヴァシュロン・コンスタンタンの時計は、買って後悔する?」
「資産価値や人気の実態を知りたい……」
パテックフィリップ、オーデマピゲと並び、「世界三大時計ブランド」に数えられるヴァシュロン・コンスタンタン。
なぜかネットでは「買ってはいけない」や「後悔する」といったキーワードが目につくため、購入を迷っている人もいるのではないでしょうか。
結論からいえば、ヴァシュロン・コンスタンタンは歴史や品質、資産価値において世界的に評価されているブランドです。
生産本数が少なく、人気モデルともなれば正規店での購入は困難をきわめるだけに、手に入れた時の喜びはひとしおでしょう。
この記事では、ヴァシュロン・コンスタンタンの魅力をわかりやすく解説します。
銀座の時計店が選ぶおすすめモデルも紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
ヴァシュロン・コンスタンタンは買ってはいけないは誤解
まず、「ヴァシュロン・コンスタンタンは買ってはいけない」という意見は、誤解であるといえるでしょう。
確かに、世間一般においてロレックスのような知名度はありませんが、その歴史や技術力、資産価値の観点から、決して「買ってはいけない」時計ではありません。
以下の通り、ヴァシュロン・コンスタンタンは、現存するスイス時計ブランドの中で4番目に長い歴史を誇っています。
創業年 | 歴史が古いスイス時計ブランド10社 |
---|---|
1735年 | ブランパン/BLANCPAIN |
1737年 | ファーブル・ルーバ/FAVRE LEUBA |
1738年 | ジャケドロー/JAQUET DROZ |
1755年 | ヴァシュロン・コンスタンタン/VACHERON CONSTANTIN |
1764年 | アーノルド&サン/Arnold&Son |
1770年 | マニュファクチュールロワイヤル/MANUFACTURE ROYALE |
1775年 | ブレゲ/Breguet |
1777年 | ペルレ/PERRELET |
1780年 | ショーメ/Chaumet |
1791年 | ジラール・ペルゴ/Girard-Perregaux |
1755年創業のヴァシュロン・コンスタンタンは、270年にもわたり一度も途絶えることなく時計をつくり続けてきた、類まれなブランドです。
「世界で最も複雑な時計」と称されるリファレンス57260に代表されるように、極めて高度な時計製造技術を持つことでも知られています。
オーヴァーシーズやフィフティーシックスは、中古市場でも安定した価格を維持しているモデルであり、2025年の新作として登場したヒストリーク・222のステンレススチール仕様は、伝説的モデルの復活とあって世界中の時計ファンの話題をさらいました。
リセールバリューが気になる人も、これらの人気モデルを選べば、安心して所有できるでしょう。
一部で「買ってはいけない」といわれているのは、時計好きにしか知られていないブランド故に、中古市場での流動性があまり高くないからだと考えられます。
しかし、これはブランドの価値が低いのではなく、生産量が限られているために市場に流通しにくいことが要因であるといえるでしょう。
むしろ希少性が高いことから、時計愛好家の間では価値あるブランドと見なされています。
結論として、ヴァシュロン・コンスタンタンは確かな歴史、技術、資産価値を備えた超一流ブランドであり、その価値を理解して選べば、きっと高い満足度を得られるでしょう。
ヴァシュロン・コンスタンタンの何が魅力?
ヴァシュロン・コンスタンタンは、単なる高級時計ではなく、目の肥えた時計愛好家たちもこぞって愛用している特別なブランドです。
270年もの歴史があり、世界三大時計と称えられても、その地位や伝統におごることなく、技術と芸術性を極限まで高めた時計を製造し続けています。
きっと実物を手に取れば、その美しい仕上げと洗練されたデザインに、心を奪われてしまうことでしょう。
ここからは、ヴァシュロン・コンスタンタンの何がそんなに魅力的なのか、より詳しく解説します。
時計愛好家も評価する歴史あるブランド
画像引用:ヴァシュロン・コンスタンタン公式サイト
スイスの時計産業は16世紀に始まり、400年を超える歴史があります。
18世紀から20世紀にかけては、小規模な工房やメーカーが次々と誕生し、ピーク時には1600社を超える時計ブランドが存在していたといわれています。
しかし、1970年代に起こったクォーツショック(クォーツ時計の台頭)により、多くの伝統的な時計メーカーは廃業や統合を余儀なくされ、1980年代中頃には600社を割り込むほどその数は激減しました。
そんな中、ヴァシュロン・コンスタンタンは、一度たりとも伝統を絶やさなかった由緒正しき時計ブランドとして、歴史的にも評価されています。
また、英国王室や第一帝政期のフランス皇帝ナポレオン・ボナパルト、さらにはハリウッドスターなど、数多くの著名人に愛されたことがブランドとしての価値をより一層高めています。
このような歴史的背景を知ることがきっかけで、ヴァシュロン・コンスタンタンの世界にのめり込んでいく時計ファンも少なくありません。
圧倒的に品質が良い
ヴァシュロン・コンスタンタンの時計が誇る品質の良さは、使用する素材以外にも至るところに表れています。
最大の特徴は、熟練職人による徹底した手作業と、完璧ともいえる精密な仕上げです。
特にヴァシュロン・コンスタンタンはジュネーブ・シールの認定を受けた時計を数多く製造しており、これはスイスのジュネーブ市が定めた厳格な品質基準と伝統技法を守らなければ取得できない、名誉ある称号として知られています。
それだけに、ムーブメントの設計や装飾、組み立てに至るまで、非常に高度な技術が用いられているのは確か。
また、手作業で磨き上げられる面取りや、丁寧に彫り込まれた装飾など、どこを取っても惚れ惚れするような美しさがあります。
シースルーケースバックからは、その造形美を思う存分堪能でき、時計を身につける芸術品として楽しめるところも、所有する喜びを大いに満たしてくれるはずです。
資産価値が高い
資産価値の高さも、ヴァシュロン・コンスタンタンが持つ魅力の1つといえるでしょう。
中でも、人気モデルや限定モデルは二次流通市場でプレミアがつくことから、投機目的で購入する人も少なくありません。
例えば、オーヴァーシーズのRef.4500V/110A-B128は、定価が約358万円であるのに対し、二次流通市場の相場は一時期900万円を超えていました。
また、オーヴァーシーズデュアルタイムのRef.7900V/110A-B334も、定価が約292万円であるのに対し、二次流通市場の相場は一時期870万円を超えていました。
これらはヴァシュロン・コンスタンタンのネームバリューに加え、圧倒的な質感とデザイン性、希少性も備えることから、時計マニア垂涎の逸品として国内外で注目を集めています。
特徴的なマルタ十字と芸術性
ヴァシュロン・コンスタンタンは、文字盤やムーブメントに見られる伝統的な装飾技法でも高く評価されています。
ギョーシェ彫りやエナメル装飾、手彫りの彫金など、精密で手の込んだ職人技を随所に味わうことができます。
例えば、メティエ・ダールの各モデルには、絵画のような精緻な装飾が施されており、時計をアート作品として楽しむことが可能です。
また、ベゼルやラグ、ブレスレットなど至るところに表現されているマルタ十字は、同ブランドを象徴するデザインとして知られています。
このように、時計の枠を超えた芸術性と独自性、唯一無二の存在感も大きな魅力といえるでしょう。
ヴァシュロン・コンスタンタンのエントリ-モデルはある?
ヴァシュロン・コンスタンタンの時計は非常に格式が高く、ほぼ全てのモデルに300万円〜1,000万円以上の定価がつけられています。
しかし、エントリーモデルに該当するフィフティーシックスはそこまで高額ではなく、故に高い人気を誇っています。
2019年発売のフィフティーシックスは、1956年に登場したリファレンス6073から着想を得て誕生したコレクションで、シンプル且つクラシックなデザインが特徴的です。
最も安価なモデル(ステンレスチール×レザー)の定価は1,812,800円、SSモデル(ステレンス×ステンレス)の定価は2,288,000円となっており、ちまたでは「戦略価格」と噂されるほど、同ブランドの中ではコスパの良さが際立っています。
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素材: ステンレススティール / SS
ケース:直径 40mm (リューズ含まず)
駆動方式: 自動巻き / Self-Winding
搭載するCal.1326は、カルティエの1904MC-PSをベースにヴァシュロン・コンスタンタンが装飾を施したムーブメントで、精度とパワーリザーブがイマイチという評価はあるものの、仕上げの美しさは健在。
マルタ十字の4枝をアレンジしたラグのデザインや、サファイアクリスタルのケースバックから見えるムーブメントの装飾は、決してエントリーモデルとあなどれないほど、ブランドの伝統を感じさせてくれます。
ただ、唯一の問題は正規店での購入が難しいこと。
正規店で即購入できる可能性は低く、手に入れるまでに1〜2年待つことも覚悟しなければならないでしょう。
ヴァシュロン・コンスタンタン後悔しないおすすめモデル
ここからは、ヴァシュロン・コンスタンタンのおすすめモデルを3本ピックアップ。
それぞれの要注目ポイントを深堀して解説します。
どれも名品と呼ぶにふさわしい、長年愛用できる時計ばかり。
スポーティなモデルからクラシックなタイムピースまで、選ぶ楽しみは尽きないところです。
オーヴァーシーズ
こちらは、ラグジュアリースポーツウォッチの代表格として特に人気の高いモデル。
ケースサイズは41mmと大きめなのに対し、ケース厚は11mmに抑えられているため、見た目以上に装着感がいいのはうれしいところです。
洗練されたブルーの文字盤と、マルタ十字の意匠を取り入れた一体型のステンレススチールブレスレットがデザインのポイント。
工具なしで簡単に交換できるストラップシステムを採用しており、付属するメタルブレスレット、ラバーストラップ、アリゲーターストラップの3種類を、シーンに応じて付け替えることが可能です。
搭載するCal.5100は自社製の自動巻きムーブメントで、約60時間のパワーリザーブを備えています。
ジュネーブ・シールを取得しており、シースルーケースバックからその美しい仕上げを堪能できます。
25,000A/m(約312ガウス)の耐磁性能や150mの防水性能を備えるなど、実用性の高さも見逃せないポイントです。
パトリモニー
こちらは、クラシカルな雰囲気を身にまとったドレスウォッチのお手本ともいえるモデル。
無駄を削ぎ落としたシンプルなデザインだけに、細部にわたる上質な仕上げが際立っています。
18Kイエローゴールド製のケースは、35mmとやや小ぶりなサイズ感で華奢な男性の腕にもよく馴染みます。
ケースの薄さもポイントで、そのすっきりとしたシルエットが、ビジネスやフォーマルな場面でさりげなく上品さをアピールするのに効果的です。
ローマンインデックスやドーフィン針、スモールセコンドはどれも控えめな印象ながら、タイムレスな魅力を感じさせてくれます。
搭載するCal.1400は自社製の手巻きムーブメントで、28,800振動の性能と約40時間のパワーリザーブを備えています。
ジュネーブ・シールを取得しており、その美しい仕上げをシースルーバックから心ゆくまで堪能することが可能。
ヴァシュロン・コンスタンタンの技術力と美意識が凝縮された本機は、きっと手元に置けば生涯の相棒として欠かせない存在になるでしょう。
ヒストリーク
こちらは、1920年代にアメリカ市場へ向けて開発された名品の復刻モデル。
豊かな歴史を感じさせるそのデザインは、1時と2時の間に配置されたリュウズや、腕を横にしなくても時刻を読み取りやすい斜めの文字盤が目を引くポイントになっています。
さらに、18Kピンクゴールド製のクッションケースは、40mmの大きめなサイズ感と相まって腕元に確かなインパクトを与えてくれます。
レイルウェイミニッツトラックやスモールセコンド、味のあるアラビアインデックスはレトロ感にあふれ、スーツスタイルはもちろん、Tシャツ×ジーンズのようなカジュアルウェアとも好相性です。
搭載するCal.4400ASは自社製の手巻きムーブメントで、28,800振動の性能と約65時間のパワーリザーブを備えています。
ジュネーブ・シールを取得したその伝統的で美しい仕上げを、シースルーバックから見て楽しむことも可能。
個性豊かなデザインとアメリカの歴史を彷彿とさせる佇まいが、唯一無二の時計を求める人にとって、ぴったりな1本といえるでしょう。
ヴァシュロン・コンスタンタンを愛用する有名人
ヴァシュロン・コンスタンタンは、世界中の時計愛好家だけでなく、日本の著名人にも愛されています。
ここでは、同ブランドの時計を愛用する芸能人とスポーツ選手をご紹介します。
設楽統さん/パトリモニーラージ
画像引用:HORIPRO COM|バナナマン
お笑いタレントの設楽統さんは、パトリモニーラージ(Ref.81180/000J-9118)が愛用時計であることを、以前TV番組の中でお話しされていました。
こちらは、ヴァシュロン・コンスタンタンの中で最もオーソドックス且つクラシカルなモデル。
40mmケースの2針時計にもかかわらず、一切間延びした印象を受けない文字盤からは、芸術的な美しさを感じられます。
ちなみに、設楽さんは他にもパテックフィリップのノーチラス、オーデマピゲのロイヤルオーク、A.ランゲ&ゾーネのランゲ1などをコレクションしているそうで、かなりの時計好きであることが伺えます。
ヴァシュロンコンスタンタン パトリモニーラージサイズ 81180/000J-9118 未使用 メンズ

素材: イエローゴールド/YG
ケース:直径 40.0mm (リューズ含まず)
駆動方式: 手巻き/Hand-Winding
くっきーさん/オーヴァーシーズデュアルタイム
動画引用:くっきーyoutubeチャンネル「【時辰儀集】くっきー!の時計コレクション大公開!」
お笑いタレントのくっきーさんは、ご自身のYouTubeチャンネルの中で、オーヴァーシーズデュアルタイム(Ref.47450/B01A-9226)を愛用していることを語っています。
こちらは、デュアルタイム機能、パワーリザーブインジケーター、デイ&ナイト表示機能を搭載した多機能モデル。
クラシック感と爽やかさを合わせ持った文字盤が、プライベートからビジネスまで幅広く使えそうな1本です。
42mmの大型ケースが、クッキーさんのがっしりした腕にとてもよく似合いそうです。
ヴァシュロンコンスタンタン オーヴァーシーズ デュアルタイム 7900V/110A-B333 中古 メンズ

素材: ステンレススティール / SS
ケース:直径 41mm (リューズ含まず)
駆動方式: 自動巻き / Self-Winding
サッカー選手:遠藤航さん/オーヴァーシーズクロノグラフ
WE ARE THE CARABAO CUP WINNERS 😁❤️
I’m so proud of this team 👏‼️#CarabaoCupFinal #winners pic.twitter.com/lcLhNfE60V— 遠藤 航 (Wataru Endo) (@wataru0209) February 25, 2024
サッカー日本代表のキャプテンにしてプレミアリーグでも活躍している遠藤航さんは、ファッションメディアのインタビュー企画の中で、オーヴァーシーズクロノグラフ(Ref.5500V/110A-B481)を愛用中であることを語っています。
こちらは42.5mmの大型ケースと、逆パンダダイヤルの引き締まったデザインが、男性受け間違いなしの1本。
シースルーバックからは22Kゴールドのローターやジュネーブシールを堪能でき、150m防水を誇るなど実用性にも優れています。
遠藤選手はこちらが2本目のヴァシュロン・コンスタンタンとのことで、1本目はオーヴァーシーズトゥールビヨンを購入したそう。
どちらもスポーティなデザインが、遠藤選手のイメージと完璧にマッチしている感じがします。
ヴァシュロンコンスタンタン オーヴァーシーズ クロノグラフ 5500V/110A-B481

素材: ステンレススティール / SS
ケース:直径 42.5mm (リューズ含まず)
駆動方式: 自動巻き / Self-Winding
ヴァシュロン・コンスタンタンに購入制限はある?
ヴァシュロン・コンスタンタンには、ロレックスのような厳格な購入制限はありません。
ロレックスの場合、できるだけ多くのユーザーが時計を手に入れられるように、1回の買物で1人1点しか購入できなかったり購入後6か月以内は他のモデルを購入できなかったり、他にもさまざまなルールが設けられています。
一方、ヴァシュロン・コンスタンタンの場合、店頭に在庫がある商品は転売目的でもない限り、基本的にはいつでも誰でも購入できるはずです。
ただ、オーヴァーシーズやフィフティーシックスなどの人気モデル、あるいはアート作品のような超高額モデルは、入荷待ちや受注生産などの理由から店頭に並ぶことは少ないでしょう。
場合によってはオーダーから納品まで2年以上かかり、その間に値上げが実施されるなど、思い通りに購入するのは難しいでしょう。
ヴァシュロン・コンスタンタンは正規店で買える?
画像引用:ヴァシュロン・コンスタンタン公式サイト
ヴァシュロン・コンスタンタンの時計はどれも生産本数が限られており、特にオーヴァーシーズなどの人気モデルは、需要が供給を上回る状況が続いています。
そのため、正規店に在庫がない場合が多く、購入希望者は予約待ちや入荷情報をこまめに確認する必要があります。
また、過去の購入実績が入手難易度に影響を及ぼすことがあり、人気モデルの割り当ては上顧客が優先される傾向にあるため、新規客は予約から納品まで年単位の時間がかかるか、そもそも予約すら受け付けてもらえない可能性もあります。
とはいえ、国内に13店舗あるブティックや正規取扱店では、それぞれに方針や対応が違うことも考えられるため、まずは気になる店舗に問い合わせてみるのが良いでしょう。
まとめ
ヴァシュロン・コンスタンタンは、その卓越した品質や芸術性、資産価値の高さから多くの時計愛好家に支持されています。
「買ってはいけない」との意見もありますが、それは誤解であり、むしろ長期的に価値を見出せるブランドといえるでしょう。
オーヴァーシーズなどの人気モデルは中古市場でも需要が高く、リセールバリューも期待できます。
その一方で、正規店での購入は納品まで数年かかったり予約ができなかったりする場合もあるため、並行輸入店で購入するのも1つの選択肢です。
ぜひこの機会に、お気に入りのヴァシュロン・コンスタンタンを選んでみてはいかがでしょうか。