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人気がV字回復?復活の兆しをみせるパネライ
最終更新日:
「パネライの流行が復活するって本当?」
「パネライ人気復活の真相について詳しく知りたい」
2015年~2016年にかけて”円高”に振れていた為替は、2016年末にトランプ氏が米国大統領に就任したことにより”円安”へ大きく動き始めました。
急激な為替変動により、高級腕時計の相場は大きく上下。
2017年に入りロレックスを中心に各高級腕時計ブランドの相場は一気に高騰しましたが、中でも特に動向が注目されているのは”デカ厚ウォッチ”が特徴の「パネライ」です。
近年、国内では少し人気が落ち着いてきた「パネライ」ですが、今年に入り相場の回復はもちろん、人気も”V字回復”の兆しを見せています。
そんなパネライ人気回復の真相が知りたいという人は多いのではないでしょうか。
パネライでは近年、「47mmケース」や「薄型ケースモデル」の人気が急上昇しています。
この記事では復活を予感させるパネライの現状を、GINZA RASINスタッフ監修のもと紹介します。
注目されるモデルの紹介もしますので、パネライの購入をお考えの方はぜひ参考にしてください。
目次
①2015年 為替によるパネライの定価下落
2015年の為替は5月から9月にかけて”20円以上”の急激な円高に振れるなど、円高傾向の強い年でした。その影響は非常に大きく、高級腕時計ブランドのほとんどが「為替の下落率」とほぼ連動して「相場が低下」しました。
パネライも例にもれず、各モデルの定価が”1割~1.5割”ほど下がり、中古時計相場もそれに合わせて大きく下落。中には数十万円も値段が下がったモデルも存在します。
円高に振れることは、買い手にとっては時計を安く買える非常に「ラッキー」な状態です。しかし、時計業界全体、特に中古時計を扱う時計店にとって、デメリットは大きいものとなります。売値が下がった分、”時計買取”の「買値」も下がってしまうため、時計を手放す人が減少。その影響からか、どの時計店でも在庫不足に陥るケースもしばしば見受けられました。
飽きられ始めた?デカ厚時計
この円高で多くの時計ブランドに相場の下落が見受けられましたが、パネライの相場の下落は思ったよりも大きいといわれています。
理由の一つとして、デカ厚ブームが一段落したこと。デカ厚ブームを引き起こしたパネライですが、「デカ厚時計」ブームが落ち着いたため、”デカ厚時計の代表格”とも言うべきブランドであるパネライの相場は予想よりも下がりました。
②2016年末 円安による相場回復
2016年の年末にトランプ氏が米国大統領に就任。トランプ相場と呼ばれる「円安・株高」へ大きく動き始めました。2016年8月頃はまだ、円高により比較的安い相場となっていた高級腕時計もトランプ大統領の誕生による円高に比例し、時計の相場も再び上昇していきました。
2017年に入り、ロレックス・パテックフィリップ・オーデマピゲといった主要メーカーの相場が次々と上昇。しかしパネライの相場は非常に緩やかな回復になっており、モデルによってはまだまだ”お買い得”に購入できるチャンスが残っています。
日本と海外のパネライ人気差
日本国内と海外では「パネライ」の人気に差があります。基本的にパネライ人気は海外の方が強い傾向があり、その理由としてはケースが大きく存在感の強いパネライウォッチは、体格に優れる海外の人の方が似合うことが多いからです。
定量生産と海外流失
パネライは「定量生産」という方式を取って時計を製造しており、1年間に決めた本数しか作らないのです。したがって、人気モデルはすぐに在庫が尽きてしまう現象が起こります。
また、パネライは他のブランドよりも相場が極端に上下しやすい性質があるため、現在の円安相場ながら値段の上昇が緩やかなパネライは海外バイヤーの恰好の的になっております。
国内では人気が落ち着いてきたパネライも海外では現在も大人気!そのため、海外バイヤーがは定価下落から回復しないモデルを中心に仕入れ、自国で流通させます。国内のパネライウォッチは現在徐々に海外に流失しており、一部のモデルでは在庫不足も起こり始めています。
③復活のパネライ 再ブームの兆し
ここ最近のパネライの動きを注視していると、以前とは違う動きが出始め、再ブームの兆しがあります。その兆しとは「47mmケース」のルミノールの人気が高まっていること、加えて大きさをコンパクトにしたニューモデル「ルミノールドゥエ」が発表されたことです。
デカ厚ブームの再来 47mmケースの逆襲
リミテッドエディションに採用されていた47mmケースは日本人には大きすぎるため、敬遠されがちなモデルでした。しかし、ここにきて「47mmケース」モデルの人気が急上昇!在庫過多に喘いでいたモデルたちが次々と品薄、在庫切れ状態に。
2011年に発表されたルミノール「PAM00372」。47mmの大型ケースに最新自社手巻きCal.P.3000を搭載したモデルです。文字盤は立体感のある2層仕様。風防にサファイヤガラスではなくプレキシガラスを採用し、クラシカルな雰囲気を漂わせています。
2012年に発売された「47mm」の大型ケースモデル。文字盤は立体感のある2層仕様、Cal.P.3001を搭載したスモールセコンド3針モデルです。100m防水も備わった実用的な仕様となっています。
パネライ ルミノール サブマーシブル1950 レフトハンド 3DAYS オートマチック チタニオ
レフトハンド仕様が特徴的な300m防水モデル。直径47mmのチタン製ルミノール1950ケースに、パワーリザーブ3日間に対応した自動巻きCal.P.9000を搭載しています。逆回転防止ベゼル、夜光インデックスも備えた実用性の高いモデルです。
新たなる客層の開拓 「ルミノールドゥエ」
47mmケースモデルの人気急上昇以外にも、パネライ復活の兆しを強く感じるモデルが存在します。それは薄型ムーブメント”4000系”を搭載した「ルミノールドゥエ」。
出典:https://www.panerai.com/
ガッチリとした体格でなければパネライの時計は大きすぎる。そんな風潮の中で生まれたのが、従来のルミノール1950よりもスリムなサイズになっていることが特徴のルミノールドゥエ。ルミノールドゥエには45mmのフルサイズモデルの”PAM00674″と、さらに小振りにした42mmサイズの”PAM00676″が存在します。
出典:https://www.panerai.com/
ケースの大きさは勿論、厚みもルミノール1950より「4割程薄く」なっており、日本人にピッタリの時計に仕上がっています。
パネライを購入なら今がチャンス!?
2017年に入り、相場が上昇しているパネライですが、中には現在も相場が下がったまま値上がりしていないモデルも存在します。この場合、値上がりしていないモデルは相場の上昇傾向にある”今”なお買っても良いお買い得モデルと判断することができます。
40mmという手頃なケースサイズが人気の”ルミノールマリーナ”。ステンレスケースにブラックの文字盤で、無駄な装飾の一切を削ぎ落としたシンプルなデザイン。視認性に優れ、300mの防水性能を兼ね備えた”実用的でファッション性”に富んだスポーツウォッチです。
このPAM00050は1999年で~2011年まで生産されたモデルです。発売から年数が経過したモデルは現在も値上がりしていない傾向があり、とてもお買い得な価格になっています。
パネライは47mmケースの人気急上昇や、薄型モデルの発売により、今後”第2次パネライブーム”が起こる可能性も十分あります。そのため、まだ値上がりされていない”今”がパネライをお得に購入できるラストチャンスになるかもしれません。
まとめ
デカ厚時計のブームを作ったパネライですが、急激な為替変動により相場が下落。かつての勢いに陰りが見えています。
しかし、今年に入り「47mmケース」や「薄型ケースモデル」の人気が急上昇。パネライの国内人気はまさかの”V字回復”を見せています。
復活の兆しの先には何が待つのか。不透明な部分を持ちつつも進化を続けるパネライから今年も目が離せません。
当記事の監修者
南 幸太朗(みなみ こうたろう)
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 買取部門 営業企画部 MD課/買取サロン プロスタッフ
学生時代に腕時計の魅力に惹かれ、大学を卒業後にGINZA RASINへ入社。店舗での販売、仕入れの経験を経て2016年3月より銀座本店 店長へ就任。その後、銀座ナイン店 店長を兼務。現在は営業企画部 MD課 プロスタッフとして、バイヤー、プライシングを務める。得意なブランドはパテックフィリップやオーデマピゲ。時計業界歴13年。
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