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ポストヴィンテージ 5桁品番のスポーツロレックスが面白い。

最終更新日:

「ロレックスのポストヴィンテージって何?」
「スポーツロレックスの5桁品番について知りたい」

いまだ衰えを知らないヴィンテージロレックス。

4桁リファレンスの相場がまた上がり始めています。

そんな中、密かに注目集めるのが「ポストヴィンテージ」と呼ばれる1980~90年代頃に製造された5桁リファレンス。

スポーツロレックスのポストヴィンテージについて知りたいという人は多いのではないでしょうか。

時計業界ではロレックスの中で将来のお宝が眠っているのが5桁モデルと言われています。

この記事ではスポーツロレックスのポストヴィンテージについて、GINZA RASINスタッフ監修のもと解説します。

5桁品番と6桁品番の違いについても説明しますので、ロレックスの購入をお考えの方はぜひ参考にしてください。

ポストヴィンテージ ロレックス

ポストヴィンテージとは

6263や6265は500万円を超え始め、1675や5513や1016などの一般的なモデルも100万円を超えたところで落ち着いていたのが、最近は120万円位の相場感になり始めています。
正直なかなかヴィンテージに手を出すのが難しくなってきてしまっているこの状況で、今密かに注目を集めているのが「ポストヴィンテージ」。

定義は決まっていませんが、1980-1990年代頃に製造された時計をそう呼ばれることが多いようです。
もっと広く見て、すでに生産終了している5桁のリファレンスを(期待も込めて)ポストヴィンテージと捉える人もいます。

現状ヴィンテージほどのプレミアは付いてませんが、すでに30年ほど経過したことによるエイジングや、現行モデルにはないデザインやサイズ感を楽しめるダークホース的存在。

単純にファッションとして時計を楽しんでいただけますし、使っていく中で将来的に値上がりを期待・・・なんていうユーザーの夢も現実味を帯びています。

 

ヴィンテージの雰囲気を楽しめるオススメモデルを紹介

ヴィンテージロレックスといえばレアな珍しいモデルを紹介するのが普通なのでしょうが、今日は多くのユーザーに楽しんでもらうために、あえて値ごろ感のある一般的なモデルを紹介します。あまりマニアックになってしまうと付いていけなくなっちゃうと思うので・・・
それでは簡単ではありますが、ヴィンテージの雰囲気を楽しめるおすすめモデルを紹介したいと思います。

 

ポストヴィンテージ① サブマリーナ デイト

サブマリーナ アンティーク 16800
ロレックス サブマリーナ デイト 16800 フチなし

Ref.16800  1980頃-1989年

ポストヴィンテージとして有力なのが、このモデル。
その理由は「フチなしモデルが存在している」こと。

4桁モデルの大きな特徴の一つとして、フチなしインデックスが挙げられます。
このモデルは1985年頃までは、フチなしインデックスで製造されていました。
この世代のインデックスは焼けやすいようで、良い飴色に変色した個体が散見されます。
焼け色のバランスが良い個体が高く評価されます。

またダイヤルにきれいなヒビが入ったモデルを「スパイダーダイヤル」と呼び、これもプレミアが付きます。
なんとダイヤルが割れてるのが高いんです!

ロレックス スパイダーダイヤル
ただしただ割れてればいいわけではなく、きれいにヒビが入っていることが重要です。変な話ですね。

なお、168000というリファレンスはケースに刻印がされていても、メーカーでは保証書や修理明細書に16800と表記される謎の個体です。
個人的に高くなるんではないかと目を付けて早10年。今のところ全くその兆しはありません。笑

 

ポストヴィンテージ② GMTマスター

ロレックス GMTマスター 赤青ベゼル 16750 フチなし
ロレックス GMTマスター 赤青ベゼル 16750 フチなし

Ref.16750 1980頃-1988年

サブマリーナ16800と同じ理由でこちらもおすすめです。
GMTの赤青ベゼルはサブマリーナもベゼルよりも変色が目立つため、1本1本の個性が出るのが楽しいポイント。
またスポーツモデルでは数少ない、ジュビリーブレスが似合う時計でもあります。
この時計もスパイダーダイヤルが存在します。

美容師さんやファッション関係の方に人気があります。オシャレさん御用達です。

 

ポストヴィンテージ③ エクスプローラーⅡ

ロレックス エクスプローラー 比較

【左:Ref.16550 1984-1988年頃】【右:Ref.16570 1991-2001年】

この2つは見た目はほとんど一緒ですが、ベゼルの書体は16550の方が太いです。
あとは搭載しているムーブメントが違います。
16550は日付単独早送り機能が付いており、16570は短針単独操作機能が付いていてGMTとしても使用できます。

16570の方が複雑で高級な感じはしますが、16550の方が使いやすくて好きです。
あ、すみません。ごく個人的な話でした。

16550も16570も白文字盤が変色したアイボリーダイヤル(クリームダイヤルとも呼ばれる)が存在しますが、こちらはすでにプレミアが付いています。まだ値上がりはするのでしょうが、180-200万位でちょっと今回の趣旨からは外れてしまいますね。

エクスプローラーⅡ アイボリー 16550
ロレックス エクスプローラーII R番 16550 アイボリー 

また16550の黒文字盤にはセンタースプリット(またはレイルダイヤル)と呼ばれる6時側の2行のクロノメーター表記がきれいに真ん中で分かれているダイヤルもプチプレミアが付いております。

エクスプローラーⅡはどのリファレンスでも、スポーツモデルの中で異色のデザインです。
特徴(クセ)の強いモデルはすぐには人気が出ませんが、数十年後にジワっと人気が出ることが多いので、気長に価値が上がるのを楽しむのも良いかと思います。

ちなみに16570の方が新しくて相場が安いので、こちらの方がお求めやすいと思います。

 

5桁品番と6桁品番の違い

5桁から6桁へ移行した時期はモデルによって異なるので一概にまとめることはできませんが、大まかな感じでいくと以下のような違いがあります。よろしければ参考にしてみてください。

 

ポストヴィンテージの重要な要素① 夜光

夜光はポストヴィンテージを語るうえで、最も欠かせない要素です。1998年頃-2000年頃にかけて夜光の素材がトリチウムからルミノバへ変化します。

「インデックスの焼け」と呼ばれる変色は今のところトリチウムでしか確認されていないので、ヴィンテージを楽しむうえで見た目にもかなり重要な要素となります。

ビンテージロレックス 夜光

製造から数十年経ってメーカーにメンテナンスを出すと、ダイヤル交換されることがあります。
2000年以降の修理だとダイヤル交換された場合、ルミノバ夜光になっている可能性大です。
また針は高確率で交換されるので、針だけルミノバという個体もたくさんあります。

オリジナルを重視する人はここを注意しましょう。

しかしメーカーは実用品として時計を修理をしてるので、逆に安心感があって良いではないかという人もいます。
この辺の見解(好み)は人によって違うので、何が正解というのはありません。

自分の感覚で楽しめればいいと思います。

 

ポストヴィンテージの重要な要素② サイズ感

6桁リファレンスになってからは全体にラグが太くなり、ケースも厚くなりました。
これにより装着した時のサイズ感が増したのですが、この変更については賛否両論あるようです。

また、エクスプローラー2(216570)やシードゥエラー(116660)のように、明らかにケース径が大きくなったモデルもあります。
大きい時計もかっこいいですが、日本人の腕には36-40mmが似合うサイズと言われており、こういった理由から古い型式を選ぶ人もいるようです。

またケースの仕上げが鏡面仕上げが多様されるようになったことで高級感が増し、スポーツモデル特有のカジュアル感が好きだった人も古い型式を選ぶ場合もあるようです。

 

ポストヴィンテージの重要な要素③ ブレス

1999年頃にフラッシュフィットとブレスが分離型から一体型に変わりました。パッと見に大きな違いはありませんが、ケースとブレスの付け根の部品の立体感が異なります。

ロレックス ブレスレット

またクラスプにブレス型番以外にクラスプコードと呼ばれる記号が打たれていて、それにより年式が特定できます。ブレスの年式とケースの年式が合っていると、よりオリジナリティが高まります。

またメーカーで交換されていると、クラスプコードの横にSの刻印が入ります。

 

ポストヴィンテージの重要な要素④ ガラス

モデルによりますが、1998年頃から2000年以降の時計には6時位置に王冠マークの透かしが入ります。
なかなか肉眼では見えづらいですが、ルーペなどを使って注視するとうっすら見ることができます。

ロレックス 旧透かし王冠マーク

本来、透かしが入っていない年式の時計でも2000年以降メーカーでガラス交換されている場合、透かしが入ることもあります。

 

まとめ

スポーツモデルはすでに6桁に移行済み。捉え方によっては5桁モデルはただの古い中古品ですが、それをそのまま型落ちの時計として見るか、あるいは4桁モデルのように投機筋としてと見るかは、いわゆる「あなた次第」というやつです。

考え様によっては将来のお宝が眠っているのが5桁モデル。また機会があれは、今度はもっとマニアックで投機的なモデルを紹介したいと思います。

当記事の監修者

池田裕之(いけだ ひろゆき)

(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 買取部門 営業企画部 MD課/買取サロン 課長

39歳 熊本県出身
19歳で上京し、22歳で某ブランド販売店に勤務。 同社の時計フロア勤務期に、高級ブランド腕時計の魅力とその奥深さに感銘を受ける。しばらくは腕時計販売で実績を積み、29歳で腕時計専門店へ転職を決意。銀座ラシンに入社後は時計専門店のスタッフとして販売・買取・仕入れを経験。そして2018年8月、ロレックス専門店オープン時に店長へ就任。時計業界歴17年

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