IWC「ポートフィノ」、ユンハンス「マックスビル」等の一部モデルに採用されている、ワイヤーメッシュタイプのブレスレットに、今じわじわと人気が集まっています。「ミラネーゼメッシュブレスレット」と呼ばれるこちらのブレスレットについて、今回はご紹介していきたいと思います。
目次
ミラネーゼメッシュブレスレットとは
細い金属が平坦に編まれたような作りで、金属の太さや編み方により微妙に印象の違ったものになります。なめらかに湾曲して肌触りが良く、手首へのフィット感は抜群。やり方を覚えれば誰でも簡単に調節できるので、体形の変化やその時の好みに柔軟に対応できます。数mm単位の細かい刻みで調節ができるので、コマを抜き差しして調節するタイプのブレスレットと比べても、よりぴったりとサイズを合わせることが可能です。
また、網目の細かさにもよりますが、通気性が良く革よりムレないので、革ベルトからこちらに付け替える方も多くおられます。ガラリと印象が変わって1本の時計でもコーディネートの楽しみが広がるとの事。革ベルトよりもスポーティに、コマタイプのステンレスブレスよりもエレガントな雰囲気を味わえます。
使い方のご紹介
さて、そんなファッション性も高く使いやすいミラネーゼブレスですが、お買い上げ後のお客様から着け方についてのお問い合わせを頂く事も。本数が少なく馴染みが薄いので、当店スタッフでも最初の内はどういじってよいのかわからず、「?」となってしまったりします。
というわけで今回はこちらのユンハンスの時計を使って、ミラネーゼメッシュブレスレットの調整方法をご紹介します。扱い方を知ってしまえば、特別な道具や技術が無くても簡単に調整できる便利なブレスレットですので、是非マスターしてみて下さい!
1.バックルを外す
購入時、バックルが接続された状態を想定してスタート。
まずはこのユンハンスロゴ部分。
下から持ち上げて外します。
この状態に。
次はこの部分を上から。
外れました。
この時点ではまだ12時側と6時側のブレスは繋がっています。
赤枠の部分で接続している状態なので、こちらを浮かせて外します。(ブレスサイズを小さめに調整した状態だと少し外しにくいのですが、うまく角度が合えば簡単に外れます)
引っかけられていた部分が外れ、ピンが見えました。※この状態で既に両端が外れているので、手でおさえています。
手を離して伸ばした状態。6時側に、スライド可能なアジャスターがついています。
2.スライドさせて調節する
この状態ではまだアジャスターが固定されており動かせません。
このパーツで押さえるように固定されているので、
この向きに持ち上げて固定を解除します。爪で起こせますが、固いときは真ん中の穴に時計フェイス側からマイナスドライバー等を差し込み、テコの原理で優しく起こしてみてください。
スルスル動くようになりました。当然、端までいくとアジャスターが抜けてしまうので注意。
今回は腕周り14cmを想定し、この辺りにします。だいぶ縮めてみました。
※この時に1点注意して頂きたいのが、必ずアジャスターの窪みがベルト裏側の刻みに噛み合っている状態で止めること。中途半端な場所で無理矢理固定してしまうと、ブレスの金属が歪んで使用できなくなる恐れがあります。
位置を決めたら、先程解除した固定パーツを……
蓋をするように戻して、アジャスターが動かないよう押し込んで固定します。
3.バックルを接続
6時側アジャスターパーツのピンに、12時側のバックルの根元にあるツメ状のパーツを引っかけます。
12時側と6時側がつながりました。
フタをして、
ロゴ部分でロック!
完了です。
腕周り14cmで試着。シンプルなバーインデックスのみの黒文字盤にぺったりしたメッシュブレス、すっきりした印象で素敵ですね。フェイス38mmは女性には少し大きいでしょうか……。
ちなみに、今回のユンハンス マックスビル 027/4701.00Mのベルトでは、最小内寸15cm弱~最大内寸20.5cm強という感じで調整可能でした。腕周りでいうと14.5cm程~20cmくらいの方に着用頂けそうです。
尚、一つ前の写真を撮ってから一度バックルを外し、腕に回して再度装着していますが、ミラネーゼメッシュブレス使用時の留意点として……着脱時に毎回ベルト上下が外れて一本になるので、落下させないよう注意! です。革ベルトと違い重みがあるので、手が滑ってズルッと滑り落ちてしまう可能性が高いので、疲れて帰宅した際などお気をつけ下さいね。
当記事の監修者
廣島浩二(ひろしま こうじ)
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチ コーディネーター
一級時計修理技能士 平成31年取得
高級時計専門店GINZA RASIN 販売部門 ロジスティクス事業部 メンテナンス課 主任
1981年生まれ 岡山県出身 20歳から地方百貨店で時計・宝飾サロンで勤務し高級時計の販売に携わる。 25歳の時時計修理技師を目指し上京。専門学校で基礎技術を学び卒業後修理の道に進む。 2012年9月より更なる技術の向上を求めGINZA RASINに入社する。時計業界歴19年
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