「ディープシー 116660の文字盤の表記はモデルによって違うの?」
「ディープシー 116660のマイナーチェンジについて知りたい」
ロレックスの人気ダイバーズウォッチ シードゥエラー「116660」。
通称ディープシーと呼ばれるこのモデルは「ブラックダイヤル」と「Dブルーダイヤル」という2種類の文字盤タイプがあり、幅広い層に支持を受け続けています。
ディープシーは発売開始されてから、もうすぐ10年が経とうとしているロングセラーモデルですが、変化がないように見えて非常に細かいところにマイナーチェンジが施されていることも特徴です。
そんなディープシー 116660のマイナーチェンジについて知りたいという人は多いのではないでしょうか。
仕様の変化は文字に関する細かな違いであり、作られた工場の違うことで生まれたとされています。
この記事ではディープシー 116660のマイナーチェンジについて解説します。
ディープシー Dブルーについての基礎知識も解説しますので、ロレックスに興味がある人はぜひ参考にしてください。
目次
1.ディープシー Dブルーについて
まずはディープシー Dブルーについておさらいしましょう。
ディープシーは2008年に登場したシードゥエラーの中で最も高い防水性を誇るオーバースペックウォッチです。シードゥエラーの基本モデルは1220m防水が主流ですが、ディープシーはそれを大きく凌ぐ3900m防水を実現。この驚異の数字にはロマンが溢れます。
そして何といっても直径44mm、厚み18mmのド迫力な存在感は魅力的。男らしい力強さを見事に体現しています。
カラーバリエーションは2種類。馴染みのある「ブラックダイヤル」と深いブルーグラデーションの「Dブルー ダイヤル」が用意されました。特にディープシーならではのカラーであるDブルーはディープシーの象徴とされ、非常に人気が高いです。
■モデル名 Ref.116660 ディープシー
■製造年代 2008年~現在
■ケースサイズ 直径 44mm 厚み 18mm
■ベゼル 回転ベゼル
■ベルト オイスターブレス
■素材 SS
■ムーブメント Cal.3135 自動巻き28,800/時
2.ブラックダイヤルには3種類の文字盤がある
ディープシーのマイナーチェンジは主にブラックダイヤルに施されています。現在ブラックダイヤルの文字盤は「マーク1・マーク2・マーク3」の3種類が存在し、それぞれに細かな違いがあります。
【マーク1 ダイヤル】
発売開始した2008年から約1年間のみ流通したマーク1。王冠マークの突起部が特徴的で、現行の王冠マークよりも長さの差が大きくなっています。
また、非常に細かい差ですが「SEA-DWELLER」文字の「S」の書体が現行よりも角ばっていることも特徴です。
【マーク2 ダイヤル】
2009年頃~2013年頃に製造されたブラックダイヤルで見受けられたマーク2ダイヤル。王冠マークが現在採用されている形になっていることが最大の特徴です。
細かな文字では「-」や「=」の記号が短くなったことや、ftの大文字「F」が小文字「f」に変更されていることもポイント。
【マーク3 ダイヤル】
2013年頃~現行モデルに使われているマーク3。微妙に横長くなったような印象を受ける程度の違いです。また、肉眼で見てもわかりづらいですが、文字に跳ね装飾が加えられています。
どちらにせよマーク2と3の違いは微々たるものといえます。
強いて言えば、マーク2に比べると「=」がだいぶft側に寄っていることが目立つ違いでしょうか。
Dブルーは基本的に1種類
マーク1~3の3種類があるブラックダイヤルですが、Dブルーダイヤルは基本的にマーク1の1種類。なぜDブルーだけマイナーチェンジが行われなかったのかは謎です。
ただ、中には「パンチラ」「ライムグリーン」「ゲッコーグリーン」という激レア文字盤も存在します。
■パンチラ・・「DEEPSEA」の印刷が少しだけズレていて縁が白い
■ライムグリーン・・「DEEPSEA」が太く、SEA-DWELLERより下の文字が細い
■ゲッコーグリーン・・「DEEPSEA」が細く、SEA-DWELLERより下の文字が太い
いずれも文字に関する細かな違いであり、作られた工場の違うことで生まれたとされています。
3.クラスプがマイナーチェンジ
左:マイナーチェンジ前 右:マイナーチェンジ後
2015年にクラスプがマイナーチェンジ。これはブラックダイヤル・Dブルー共に変更されています。
そこまで大きな違いではありませんが、仕上げ方に変更が加えられたことが特徴です。マイナーチェンジ前の方がマットな仕上がりで、マイナーチェンジ後は鏡面仕上げ風となっています。
また、カチッと留めるツメの部分が小さめに変更されました。
左:マイナーチェンジ前 右:マイナーチェンジ後
ちなみにクラスプの中板が5mm伸びるという変更も加えられています。文字盤といいクラスプといい、ディープシーのマイナーチェンジは結構地味です。
4.Dブルーのダイヤルがマイナーチェンジ
これまでクラスプ以外に目立った仕様変更がなかったDブルーですが、2017年の5月~7月にかけて密かにマイナーチェンジが行われました。
今回の変更点を一言でいうと「グラデーションの変更」です。
ロレックスのマイナーチェンジはいつの間にか行われているので、今回も仕様変更時期はいつだったのかは定かではありません。
ただ、当店で春先(3.4月ごろ)に入荷したDブルーはこれまでと同じグラデーションだったため、恐らく5月から7月くらいにマイナーチェンジされたのではないかと推測されています。
ロレックス ディープシー D-BLUEダイアル 116660
これまでのDブルーは文字盤の下半分が深いブルー色となっていることが特徴でした。
実物を見ると確かに上半分と下半分でブルーの濃さが違うことがわかります。下半分のインデックス付近はもうブルーというよりもブラックです。
https://www.rolex.com/ja/watches/sea-dweller/m116660-0003.html
マイナーチェンジされた新Dブルーを見てみましょう。
今回のマイナーチェンジの最大の特徴は「明るいブルーのエリアが増えた」ことです。
今までのDブルーは上半分と下半分で大まかにブルーの明るさが異なっていましたが、マイナーチェンジ後のDブルーは明るい青のエリアが広がっています。5:5の割合が6:4の割合となった感じでしょうか。ちなみに上半分のブルーが以前よりも鮮やかになっています。
尚、暗いブルーは「DEEPSEA」ロゴより下から広がるようになりました。
Dブルーの変化をまとめると、マイナーチェンジ後のDブルーはこれまでのDブルーよりも「明るく」なったことにつきます。明るいエリアの鮮やかさと面積が増えたのですから、当たり前といえば当たり前ですが。
また、Dブルーダイヤルという名が付くほどの「深く渋みのあるカラーリング」を鮮やかにしたことは賛否両論が起こる変更だと思います。鮮やかなブルーに惚れ込む方もいるでしょうし、深みが減って残念だと思う方もいるでしょう。
今後は鮮やかになったDブルーダイヤルが基本となっていくため、色の深みが強いディープシーを手に入れたい方は早めに手に入れることをお勧めします。
まとめ
今まで細かなマイナーチェンジを繰り返してきたディープシーですが、今回のマイナーチェンジではDブルーの文字盤に変更が見受けられました。
ただ、この変化によって相場が大きく変動することはなく、今のところはどちらも価値は同じのようです。そのため、好きなデザインのディープシーを購入して問題ないでしょう。
当記事の監修者
池田裕之(いけだ ひろゆき)
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 買取部門 営業企画部 MD課/買取サロン 課長
39歳 熊本県出身
19歳で上京し、22歳で某ブランド販売店に勤務。 同社の時計フロア勤務期に、高級ブランド腕時計の魅力とその奥深さに感銘を受ける。しばらくは腕時計販売で実績を積み、29歳で腕時計専門店へ転職を決意。銀座ラシンに入社後は時計専門店のスタッフとして販売・買取・仕入れを経験。そして2018年8月、ロレックス専門店オープン時に店長へ就任。時計業界歴17年