「オメガ60周年記念トリロジーコレクションって何がすごいの?」
「トリロジーコレクションの魅力について詳しく知りたい」
圧倒的な知名度を持ち、30~40代の男性を中心に支持されるオメガの時計。
オメガのアイコンである「スピードマスター」と「シーマスター」は2017年に誕生60周年を迎えました。
そこでオメガはスピードマスターとシーマスターに加え、同じく1957年に誕生したクラシックタイムピースとして名高い「レイルマスター」の60年周年記念モデルを発表。
オメガファンの心を熱く揺さぶる時計、通称”トリロジーコレクション”を作り上げました。
そんなトリロジーコレクションの魅力について知りたいという人は多いのではないでしょうか。
トリロジーコレクションはどのモデルもクラシカルでモダンな魅力に溢れ、オメガファンの注目を集めています。
この記事ではコレクションの3つの時計を、GINZA RASINスタッフ監修のもと紹介します。
セット販売についても紹介しますので、オメガの購入をお考えの方はぜひ参考にしてください。
目次
1.オメガ スピードマスター 1957 トリロジー60周年リミテッド
オメガ スピードマスター 1957トリロジー 60周年リミテッドエディション 311.10.39.30.01.001
まず最初に紹介したいのはオメガの象徴であるムーンウォッチ「スピードマスター」です。
このモデルは1957年に誕生し、ベゼルにタキメーターを配した世界初のクロノグラフ腕時計である「オリジナル スピードマスター」のデザインを忠実に再現した一本。現行のスピードマスターとは雰囲気が大分違います。
60周年モデルの1番の特徴はなんといっても「ブロードアロー針」でしょう。
このブロードアロー針はスピードマスターではごく一部のモデルにしか使われていないレアな特徴です。
出典:https://www.omegawatches.jp
上の画像は月に到達した初期のスピードマスターです。時計ファンにとってはオリジナルスピードマスターといえば、この時計のイメージが強いのではないでしょうか。
しかし、この時計を見て「60周年記念モデルってオリジナルモデルを忠実に再現した時計じゃなかったの?」と思われる方もいるでしょう。
それもそのはず、このモデルは1962年頃に開発された3rtモデルであり、1stモデルではないからです。
真のオリジナルである1stモデルは1957年に開発され、以下のような特徴を持っていました。
■ステンレス製のタキメーター
■ブロードアロー
■39mmケース
■シーホース刻印の裏蓋
■サファイアガラスではなく、プラスチック風防
そして、これらの特徴は今回発売された「オメガ スピードマスター 1957 トリロジー60周年リミテッド」に含まれているのです。
スピードマスター60周年記念モデルは1957年に誕生した1stモデルの特徴を見事に再現しています。ステンレス製のタキメーターとプラスチック風防の組み合わせはアンティークな雰囲気満載です。
ただ、ケースサイズだけは最新鋭の手巻きムーブメントムーブメント”Cal.1861″を搭載するために42mmにサイズアップしています。
※レイルマスターの裏蓋
裏蓋にはシーホース刻印が施されており、こちらも当時のデザインを忠実に再現しています。
尚、今回紹介する3モデルとも裏蓋はこのシーホース刻印デザインです。
スピードマスター1957 60周年記念モデルを装着してみました!
腕回り16.5cmの男性がスピードマスター60周年記念モデルを装着すると、このようなイメージなります。ふっくらしたプラスチック風防の内側にブロードアロー針とブラック文字盤が煌き、現行モデルにはないモダンなカッコよさを放ちます。
2.オメガ シーマスター300 1957 トリロジー60周年リミテッド
オメガ シーマスター 300 コーアクシャル マスタークロノメーター1957 トリロジー 60周年リミテッド 234.10.39.20.01.001
オメガの人気コレクション「シーマスター300」からも60周年記念モデルが発売されました。
ただ、シーマスター300自体が1957年当時のデザインを復刻させたコレクションなので、斬新さは他の2つの限定モデルと比べると少なく感じます。
しかし、スピードマスターと同じく60周年記念モデルは徹底的にオリジナルモデルを再現しています。
左:233.32.41.21.01.002 右:233.32.41.21.01.001
画像の2つのモデルはどちらもシーマスター300の復刻モデルです。基本的な雰囲気は60周年記念モデルに似ていますが、ベゼルのデザインが現代的だったり、シースルーバックを採用するなど今作と比較するとアレンジが強めです。
左:233.32.41.21.01.002 右:60周年記念モデル 234.10.39.20.01.001
次にオリジナルモデルに近い”233.32.41.21.01.002″と今作を比べてみます。
確かに”233.32.41.21.01.002″もオリジナルモデルを忠実に再現していますが、今作の60周年記念モデルには敵いません。
60周年記念モデルのポイントは何といっても「回転ベゼルのデザイン」でしょう。このデザインは1957年に誕生した1stモデルのベゼルデザインを忠実に再現しています。これは今までの復刻モデルでは見られなかったレアな特徴といえます。
ブラックトロピカルダイアルとも呼ばれる、ヴィンテージ感溢れる文字盤は非常に美しいです。インデックスには夜光塗料であるスーパールミノヴァが塗布してあり、暗闇での高い視認性を確保できます。インデックスは当時のシーマスター300よりも僅かに深めの設計です。
斜めから文字盤を除くとベゼル内側のシルバーが鏡面反射し、立体感をより一層強めます。
対磁性も抜群
シーマスター300 60周年記念モデルにはCal.8806ムーブメントが搭載されています。
出典:https://www.omegawatches.jp/
このムーブメントはパーツの摩耗を約半分に抑える「コーアクシャル機構」を搭載したハイスペックムーブメント。METAS認定のマスター クロノメーターであるため精度も抜群です。
また、Cal.8806は15,000ガウス以上の耐磁性能を持つため、エンジニアといった普段強い磁力の強い現場で働いている方でも身に着けることができます。
シーマスター300 60周年記念モデルを装着してみました!
シーマスター300の60周年記念モデルはプラスチック風防ではないため、シャープな風防デザインです。ベゼル内側のシルバー部分と文字盤のコントラストが非常に美しい仕上がりとなっています。
モダンでありながらもスタイリッシュな雰囲気なので、カジュアルにもスーツにも似合いそうです。
3.オメガ レイルマスター 1957 トリロジー60周年リミテッド
オメガ トリロジー レイルマスター 60周年リミテッド 220.10.38.20.01.002
レイルマスターは生産モデルのため、馴染みのない方もいるでしょう。このモデルを一言でいうと、「鉄道時計」です。
鉄道時計は主に懐中時計の時代に用いられた「鉄道用」の携帯時計であり、レイルマスターは鉄道時計として1957年に開発されました。
鉄道時計はとにかく正確性と視認性を重視したデザイン設計であることが基本。一分一秒を争う現場では見づらい時計を着けるなんて論外だからです。もちろんレイルマスターも視認性を重視したデザインとなっています。
文字盤のデザインは同時発売されたシーマスター300と殆ど一緒ですが、回転ベゼルがない分文字盤が大きく見えます。
加えて、レイルマスターは「対磁性」に優れているという点も特徴です。鉄道の現場は多くの磁力で溢れているため、正確性を維持するためには磁力に強い時計が必要でした。そのためレイルマスターは当時では画期的な試みであった「900ガウスの対磁時計」として開発されたという歴史を持ち合わせます。
ただ、今作の60周年記念レイルマスターのムーブメントにはシーマスター300と同じ”Cal.8806″が搭載されているため、レイルマスターだからといって圧倒的な対磁性を持つわけではありません。それだけオメガの技術が進歩したということなのでしょう。
レイルマスターはプラスチック風防が特徴!
レイルマスターは文字盤デザインも対磁性もシーマスター300と一緒ということで、あまりシーマスター300と変わらないなと思われる方もいるでしょう。しかし、レイルマスターにはプラスチック風防が使われているという最大の特徴があるんです。
プラスチック風防はその名の通りプラスチックで作られた風防です。サファイヤクリスタルガラスに比べ強度は劣るものの、「透明性が高く文字盤が見やすい」というメリットがあります。
この風防を採用したことには、鉄道時計として開発されたレイルマスターに対する強いリスペクトを感じます。
ちなみに、最初に紹介したスピードマスターもプラスチック風防だったため、「シーマスター300」以外は1957年当時の風防を再現しているといえます。さすがにシーマスター300はダイバーズウォッチなので、サファイヤクリスタルガラスにせざるを得なかったのでしょう。
レイルマスター 60周年記念モデルを装着してみました!
文字盤のデザインはシーマスター300とほぼ一緒でも、プラスチック風防とベゼルが違うだけでかなりイメージは変わります。シャープなイメージを放っていたシーマスター300に比べ、レイルマスターはどこか温かみのある雰囲気に仕上がっています。
そしてやはりレイルマスターの視認性は非常に優秀です。
4.トリロジーセットとしても販売されています
今回紹介した60周年記念モデルはトリロジーセットとして3本セットで購入することができます。
出典:https://www.omegawatches.jp/
トリロジーセットは世界限定557個で発売された超レア商品。
3つのモデルをまとめて収納できるスイス産オーク材の特別ボックスが付属され、各モデルに限定番号が刻印されるというコレクターにとって嬉しい特典が付きます。
さらにトリロジーセットには「レザー製ロールケース」、「替えベルト(レザー/NATO)」、「木製バネ棒交換ツール」「予備のバネ棒」も付属するためボリューム感満載です。
ちなみに、このトリロジーセットは2,310,000円+税という価格。3本全て欲しいという方にとってはオトクですね。
まとめ
1957年に誕生した3つのクラシックタイムピースを見事に現代に復刻したトリロジーコレクション。どのモデルもクラシカルでモダンな魅力に溢れ、オメガファンの物欲をくすぐる仕上がりとなっています。
また、今作は60周年記念モデルとしての限定生産品のため、いずれは手に入りにくくなることが予想されます。ご購入をお考えの方は早めに買ってしまったほうが良いかもしれません。
当記事の監修者
田所 孝允(たどころ たかまさ)
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 販売部門 営業物流部長/p>
1979年生まれ 神奈川県出身
ヒコみづのジュエリーカレッジ ウォッチメーカーコース卒業後、かねてより興味のあったアンティークウォッチの世界へ進む。 接客販売や広報などを経験した後に店長を務める。GINZA RASIN入社後は仕入れ・買取・商品管理などの業務に従事する。 未だにアンティークウォッチの査定が来るとついついときめいてしまうのは、アンティーク好きの性分か。
時計業界歴18年。
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