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WEBマガジン, 南幸太朗, パネライ, アンティーク時計, その他

P.1000を搭載した薄型パネライを徹底分析!

最終更新日:

パネライ P1000搭載モデル

「薄型のパネライにはどんな種類があるの?」 
「キャリバーP.1000を搭載した薄型パネライの魅力について知りたい」

パネライといえば、とにかくデカくて厚い。

多くのモデルがケース径44mm以上の大きさとなっており、厚みに至っては15mmを超えるものもあります。

そのため、がっしりとした体格の方でないと似合わない時計と思われる方も多いです。

しかし、2016年に開発された「キャリバーP.1000」を搭載したモデルはその常識を覆す驚異の薄型設計となっており、パネライファンや時計愛好家に衝撃を与えました。

そんなキャリバーP.1000を搭載した薄型パネライの魅力について知りたいという人は多いのではないでしょうか。

この記事では新たなるパネライの価値観を作り上げた「キャリバーP.1000搭載モデル」の魅力について、GINZA RASINスタッフ監修のもと紹介します。

薄型設計パネライの種類についても紹介しますので、パネライの時計は気になってたけど、大きすぎて自分には合わないなと思っていた方はぜひ参考にしてください。

1.新キャリバーP.1000の発表

パネライ P.1000

https://www.panerai.com/ja/in-house-movements/hand-wound-movement/p1000-calibre.html

キャリバーP.1000は2016年に発表された「 3日間パワーリザーブ(72時間)」を備える新しい自社製手巻きキャリバーです。

3針に9時位置のスモールセコンドというシンプルな設計で作られており、厚さが3.85mmとパネライのムーブメントとしては驚異の薄型設計で作られました。

P.1000は152個の部品と21石によって構成され、薄型設計でありながらも非常に頑丈であることが特徴。しかしながら薄いからといってパネライならではの耐久性は失われていません。

 

2.パネライ ルミノール PAM00676ってどんなモデル?

P.1000ムーブメントを搭載したモデルで最も注目を浴びたのは、何といってもこの「ルミノール PAM00676」でしょう。これまでにもパネライの薄型モデルは僅かながら発売されてきましたが、その全てがラジオミールでした。

そのため、PAM00676は現在「唯一の薄型ルミノール」という特徴を持つ非常に個性的な一本として注目されています。

 

パネライ ルミノール ドゥエ PAM00676

パネライ ルミノール ドゥエ 3デイズ アッチャイオ PAM00676

PAM00676は2016年に発売されたパネライ ルミノールシリーズのニューモデルです。このモデルの特徴はなんといっても「薄さ」。新自社製ムーブメントP.1000を搭載したことにより、驚異の薄さを誇るパネライウォッチとして誕生しました。

見た目はこれまで通りのシンプルなデザインですが、ケースサイズが42mm、厚み10.5mmと非常にコンパクトになっております。

 

パネライ ルミノール ドゥエ PAM00676

左:PAM00104 右:PAM00676

人気モデルのPAM00104と比較してみると、厚みの差は歴然です。PAM00104は44mmケース径、厚み15mmという設計で、薄型のPAM00676とは5.5mmも厚みが違います。

PAM00676はスマートになりすぎてルミノールらしくないとも言われていますが、華奢な体形の方には非常に喜ばれています。

 

パネライ ルミノール ドゥエ PAM00676

また、PAM00676はシースルーバックとなっているので、P.1000の精密な動きを覗くことができます。加えてスタイリッシュな十二角形デザインも魅力的です。

振動数は28,800回/時。時刻設定時にテンプを停止させ、時報に合わせて秒針をゼロ位置に戻す「ゼロリセットセコンド機構」も搭載されています。

 

3.パネライ ラジオミール PAM00574ってどんなモデル?

P.1000搭載モデルはルミノールだけではなく、ラジオミールにも展開されています。

 

パネライ ラジオミール 1940 PAM00574

パネライ ラジオミール 1940 3DAYSアッチャイオ PAM00574

ラジオミールはリューズガードが付いていないシンプルなパネライ。デザイン的にも薄型設計によく合うため、P.1000が開発されるまでは薄型パネライはラジオミールのみでした。

そして、その流れを引き継いだのがP.1000搭載薄型ラジオミール”PAM00574″。ルミノール PAM00676と同じく、ツインバレル構造により3日間(72時間)のパワーリザーブに対応しています。

 

パネライ ラジオミール 1940 PAM00574

P.1000を搭載しているため、ルミノール PAM00676と同様にケース径42mm、厚み10.5mmの設計となっています。リューズガードがない分、さらにシャープに見えますね。ちなみにルミノール PAM00676のベージュ系夜光塗料とは異なり、ラジオミール PAM00574は緑色の夜光塗料がインデックスと針に配されています。

 

パネライ ラジオミール 1940 PAM00574

ベルトには夜光塗料と同色の「ライトグリーン アリゲーターストラップ」を採用。統一感を重視したベルトが選ばれています。

ただ、個性が強いカラーですので、自分の好みに合ったベルトに交換しても良いと思います。

 

4.【1世代前】P.999/1の薄型パネライ PAM00512

P.1000が開発される前はP.999/1というムーブメントを採用した”PAM00512″が薄型パネライウォッチの定番として君臨していました。P.1000は振動数28,800回/時でしたが、P.999/1は振動数21,600回/時とロービート設計になっていることが特徴です。

 

パネライ ラジオミール 1940 PAM00512

パネライ ラジオミール 1940 PAM00512

ピアジェ製の薄型ムーブメントをベースに作られた手巻きP.999/1を搭載した“ラジオミール 1940”。

ルミノール・ラジオミールの両モデルが発売されたP.1000に対し、P.999/1はラジオミールモデルのみ発売されました。厚みは11mmとこちらもパネライとしてはかなりの薄型設計。現在は生産終了してしまっていますが、未だに根強い人気を誇ります。

 

パネライ ラジオミール 1940 PAM00512

P.1000搭載モデルと同じく、こちらもシースルーバックが採用されています。パワーリザーブは60時間。ロングパワーリザーブとなっていますが、最大72時間のP.1000には若干劣ります。

また、P.999/1は「ゼロリセットセコンド機構」が搭載されていないため、やはりスペックは新型ムーブメントのP.1000に軍配が上がるでしょう。

 

パネライ 薄型ムーブメント

左:P.1000 右:P.999/1

同じ薄型ムーブメントでもP.1000とP.999/1は結構デザイン性が違います。P.1000の方が性能が上でも、「P.999/1の機械的なフォルムがカッコいい!」「P.999/1搭載モデルの方がヴィンテージ感がある」といった理由からPAM00512を選ばれる方も意外と多いです。

 

パネライ ラジオミール 1940 PAM00574

横から”PAM00512″を覗くと、パネライらしからぬ薄さがお分かりいただけると思います。また、薄型パネライはビジネスシーンでも使いやすいため、他のパネライよりもベルトの付け替えが楽しいモデルです。

 

パネライ ラジオミール 1940 PAM00574

上の写真はベルトカラーをアンティークカーフブラウンレザーに変えた”PAM00512″です。ベルトを変えるだけでも、大きく印象は異なります。

飽きのこないデザインに加え、腕回りに程よくフィットする厚み。PAM00512に限らず、薄型ムーブメントモデルなら細身の方でも十分にパネライを着けこなすことができます。

 

5.その他の薄型設計パネライ

薄型設計のパネライは実は2010年から展開されており、現在までに幾つかのモデルが発売されています。最後にこの記事の締めくくりとして「薄型パネライの系譜」を辿ってみましょう。

 

【2010年発表モデル】

薄型パネライの歴史は2010年から始まりました。発表されたモデルはPAM00336(ゴールドモデル)、PAM00337(ステンレスモデル)、PAM00338(チタンモデル)の3つで、デカ厚であることが当たり前だったパネライの常識を大きく覆すことになりました。

 

パネライ ラジオミール オロローザ PAM00336

パネライ ラジオミール オロローザ  PAM00336

世界500本限定で発売されたPAM0036は薄型パネライの元祖ともいえる存在。ムーブメントには2010年初登場した自社製手巻きムーブメント「P.999」が搭載され、大きな話題を生みました。この「P.999」は「P.999/1」と同一のスペックを誇りますが、「スワンネック緩急針」が付け加えられているという特徴をもつムーブメントです。

 

パネライ ラジオミール オロローザ PAM00336

薄型パネライは全て裏蓋がスケルトンになっているため、P.999のスワンネック緩急針を確認することが出来ます。ちなみにスワンネック緩急針が取り付けられたP.999を搭載したモデルは、この「PAM0036」と2013年に発売されたPAM00513のみです。

 

【スワンネック緩急針とは…】

スワンネック緩急針
白鳥の首の形に似ている緩急針で、微調整装置が付属していることが特徴です。バネとネジで緩急針のレバーを抑えており、ネジを回すことで微調整が出来る仕組みになっています。美しい形状から装飾的な意味合いもあり、18kゴールドモデルやプラチナモデルに採用されることが多いです。

 

パネライ ラジオミール PAM00337

パネライ ラジオミール PAM00337

SSケースを採用した最初の薄型パネライがこのPAM00337。文字盤デザインは近年の薄型パネライとほど同一ですが、ラグが細くなっています。ムーブメントはピアジェベースのP.999/1。今ではほとんど市場で見かけなくなりました。

 

パネライ ラジオミール PAM00338

パネライ ラジオミール PAM00338

ケースにチタン素材をつかった2010年モデルです。このPAM00338は2011年に生産終了となっており、現在は非常に希少なモデルとして知られています。ムーブメントはPAM00337と同じくP.999/1が使われました。

ちなみに2010年モデルは全て12mmケース設計となっています。

 

【2013年発表モデル】

2013年にはPAM00512(SS)とPAM00513(ローズゴールド)が発売。どちらも人気があり、P.1000が発売されるまでは薄型パネライの定番モデルとして君臨しました。

 

パネライ ラジオミール 1940 PAM00513

パネライ ラジオミール 1940 PAM00513

P.999/1と同時に開発されたP.999ムーブメントを搭載したPAM00512のローズゴールドバージョンです。2010年モデルよりもラグが太く分厚い仕様に変更されています。

 

【2016年発売モデル】

2016年に発売されたのが最初に紹介したP.1000ムーブメント搭載モデルです。厚みは徐々に薄くなっており、2010年モデルでは12mm、2013年モデルでは11mm、そして2016年に発表されたP.1000ムーブメント搭載モデルは10.5mmとなりました。

パネライ 薄型モデル

出典:https://www.panerai.com/ja/in-house-movements/hand-wound-movement/p1000-calibre.html
左:ルミノール PAM00676(SSモデル)
中央:ラジオミール PAM00574(SSモデル)
右:ラジオミール PAM00574(ローズゴールドモデル)

 

まとめ

薄型ムーブメントP.1000、P.999/1。どちらも通常のパネライウォッチの2/3程の薄さで作られており、幅広い層にマッチする仕上がりとなっています。
この薄型モデルたちは「デザインは好みだけど大きすぎて自分にパネライは似合わない、、」と敬遠していた方々にうってつけの一本です。

是非、ご検討されてはいかがでしょうか?

当記事の監修者

南 幸太朗(みなみ こうたろう)

(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 買取部門 営業企画部 MD課/買取サロン プロスタッフ

学生時代に腕時計の魅力に惹かれ、大学を卒業後にGINZA RASINへ入社。店舗での販売、仕入れの経験を経て2016年3月より銀座本店 店長へ就任。その後、銀座ナイン店 店長を兼務。現在は営業企画部 MD課 プロスタッフとして、バイヤー、プライシングを務める。得意なブランドはパテックフィリップやオーデマピゲ。時計業界歴13年。

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