「ブレゲ アエロナバルとトランスアトランティックってどこが違うの?」
「アエロナバルとトランスアトランティックの違いについて詳しく知りたい」
ブレゲは、天才時計技師として腕時計の歴史に名を刻んだ「アブラアン=ルイ・ブレゲ」の名を冠した名門ブランドで、世界5大高級時計ブランドの一つとして数えられます。
ブレゲというと“クラシック”や“マリーン”などのクラシカルなドレスウォッチのイメージが強いですが、その中でも異彩を放っているモデルが「アエロナバル」や「トランスアトランティック」です。
この2つのモデルは見た目が非常に似ていますが、違いについて知りたいという人は多いのではないでしょうか。
2つのモデルはユーザーが求める資質が異なり、別モデルとしてラインナップされている意図が感じられます。
この記事ではアエロナバルとトランスアトランティックの違いについて、GINZA RASINスタッフ監修のもと解説します。
それぞれのモデルの詳細も説明しますので、ブレゲの時計に興味がある方はぜひ参考にしてください。
目次
そもそもどんな時計なの?
アエロナバルは1950年代に海軍航空部隊のパイロットの為に開発されたのが始まりです。
フライバック機能をもったレマニア製クロノグラフムーブメントを搭載し、当時は手巻き機構のモデルでした。
そして1995年に民間用として開発され、自動巻き機構を搭載して復活したのがアエロナバルタイプXXです。この“アエロナバル”という言葉の意味は「海軍航空隊」を意味します。
1995年に発売された初期型アエロナバル タイプXX
その後、同モデルに現代的なアレンジが施され派生したモデルが「トランスアトランティック」です。
ブレゲ トランスアトランティック タイプXX 3820ST/H2/SW9
いわゆるパイロットウォッチやミリタリーウォッチと呼ばれる時計は、いい意味で男くさい“無骨なデザイン”が魅力ですが、ブレゲの同シリーズはフレンチミリタリーらしい華を感じるデザインが特徴ではないでしょうか。
それは、他モデルでブレゲの特徴的な装飾が随所に詰め込まれているからかもしれません。
ブレゲ針
ブレゲの代表的なな装飾であるコインエッジ
ドーム型風防と独特なデザインのブレスレットが美しいシルエットを演出しています。
アエロナバルとトランスアトランティック どこが違うの??
では写真を交えて具体的に違いを見ていきましょう。
左:アエロナバル 右:トランスアトランティック
まず、この二つの決定的な違いと言えるのは「デイト表示の有無」です。
オリジナルのデザインに限りなく近いのがアエロナバルでデイト表示がありません。
対して後に発表されたトランスアトランティックは6時位置にデイト機能が追加されているます。
さらに細かく違いを見ていくと、
・ベゼル
アエロナバル:つや有
トランスアトランティック:つや無
また同じトランスアトランティックでもタイプXXとXXIではデザインが変更されており、
XXIはケースサイズが39mmから42mmと大型化され、インデックスや文字盤デザインもより現代的な色が強まっています。
最後に
当時のミリタリーな雰囲気を感じるアエロナバル。現代的な解釈、高級感が加わったトランスアトランティック。
一見とても似ていると思われた2つモデルですが、以外にも少なくない違いがあることが分かったのではないでしょうか。
オリジナルの雰囲気をそのまま残したアエロナバルと、デイト機能による使い勝手の良さや、高級感が加わったトランスアトランティックでは、ユーザーが求める資質が異なり、別モデルとしてラインナップされている意図が感じられました。
いずれにしても、優れたデザイン性、敷居の高いイメージの強いブレゲを比較的リーズナブルに手に入れられることや、流通量が比較的すくないことから人と被るということも殆どない、時計好きとして優越感を与えてくれるモデルだと思います。
当記事の監修者
南 幸太朗(みなみ こうたろう)
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 買取部門 営業企画部 MD課/買取サロン プロスタッフ
学生時代に腕時計の魅力に惹かれ、大学を卒業後にGINZA RASINへ入社。店舗での販売、仕入れの経験を経て2016年3月より銀座本店 店長へ就任。その後、銀座ナイン店 店長を兼務。現在は営業企画部 MD課 プロスタッフとして、バイヤー、プライシングを務める。得意なブランドはパテックフィリップやオーデマピゲ。時計業界歴13年。
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