フランクミュラーの真髄とも言うべき特殊機能。
インデックスがバラバラに並ぶクレイジーアワーズや表裏で異なる機構を有するダブルフェイスクロノグラフなど傑作を挙げると枚挙に暇がありません。
しかし、「それってどんな機能なの?」といったご質問をいただくこともしばしば。
確かに名称だけではわかりづらいですよね。
そこでこの記事では、フランクミュラー特有の機能を徹底解説いたします!
時計界をうならせる、同社の「粋」をお楽しみください。
フランクミュラー特殊機能、ヴェガス・カジノとは
ギラギラとしたネオンに大量のドル札をイメージさせるヴェガス・カジノシリーズ。
その名の通り、ラスベガスのカジノからインスピレーションを得た機構で、特許取得済。
機構とはいっても、直接時計には関係のない機能となります。
文字盤中央にルーレットを設け、リューズに組み込まれたプッシュボタンを押すことによってルーレット専用の針がものすごいスピードで回転。
さらにプッシュボタンを離すとルーレット上の数字に針を止めるといった仕組みです。
ルーレット機能に動力を別途設けはせず、リューズと同軸とするところにフランクミュラーの設計力の高さを感じます。
この全く実用性のない機能。
しかし、フランクミュラーによるあるコンセプトが仕掛けられているのです。
それは、時計の「正確性」とルーレットの「偶然性」という相反する二つの要素を文字盤上におさめた遊び心。
1999年に発売されるやいなやこれが大ウケし、カサブランカやコンキスタドールと並んでフランクミュラー人気の火付け役を担いました。
現在は、トノーカーベックスやロングアイランドなどフラグシップシリーズに搭載された「ヴェガス」が主流となり、同社にとって特別な存在として君臨します。
出典:https://www.facebook.com/FranckMullerJapan/?ref=page_internal
また、ヴェガスの新型として同機構を搭載した「カジノ」も人気があります。
カジノはダイナミックなケースシェイプを持つ「マスタースクエア」を主軸に展開されており、直線×曲線の融合が最大の魅力。
さらにデザインには1910~1930年代にアメリカやヨーロッパで流行したアールデコ様式が取り入れられており、ギャンブルにまつわるどこか妖艶な雰囲気を上手に醸し出していますね。
ステンレス製も過去には生産されていましたが、やはりヴェガス・カジノはゴージャスの象徴。
ホワイトゴールドやイエローゴールドケースが多く出回ります。
中にはダイヤモンドをあしらったハイエンドラインもあり、約15年の歴史の中で世界中のセレブたちを魅了してきました。
トノー型ケースがヴェガス、スクエアケースがカジノとなりますが、機能・人気ともにどちらも変わりはありません。
搭載モデル
ヴェガスを搭載したモデルをご紹介いたします。
ヴェガス 5850VEGAS OAC
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:縦45mm×横32mm
ステンレス製のトノーカーベックスヴェガス。
スタンダードな一本と言えますが、それでもやはり価格帯は高め。中古で80万円台が相場です。
一方でフランクミュラーを代表するシリーズだけあり、知名度やステータスは抜群。
青文字盤も爽やかでおしゃれですが、ギョーシェ彫り×シルバータイプの方がフランクミュラーらしさを感じますね。
ヴェガス ベゼル・センターダイヤ 5850VEGAS D 3N
素材:イエローゴールド
ケースサイズ:縦45mm×横32mm
イエローゴールドのケースに、ダイヤモンドをセッティングしたゴージャスなモデルです。ダイアルの中心や尾錠にもダイヤが施されています。
ロングアイランド ヴェガス 1250VEGAS OG
素材:ホワイトゴールド
ケースサイズ:縦45mm×横32.5mm
優雅でゴージャスなアメリカの避暑地を彷彿とさせるロングアイランドシリーズ。
角形ながらもケースが絶妙に湾曲しており、見た目の美しさだけでなく腕へのフィット感も考えられています。
ギョーシェ彫りが施された青文字盤とルーレットが程よくマッチした逸品と言えます。
マスタースクエア カジノ 6050K CSN AC
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:42mm
マスタースクエアシリーズの中に新星のごとく現れたカジノ。シリーズの中でも一辺が42mmの最も大きなキングモデルです。
アールデコ調のフランクミュラーらしいデザインを持ちながらも、「定番外し」のためなかなか人と被らない一本と言えます。