フランクミュラーの真髄とも言うべき特殊機能。
インデックスがバラバラに並ぶクレイジーアワーズや表裏で異なる機構を有するダブルフェイスクロノグラフなど傑作を挙げると枚挙に暇がありません。
しかし、「それってどんな機能なの?」といったご質問をいただくこともしばしば。
確かに名称だけではわかりづらいですよね。
そこでこの記事では、フランクミュラー特有の機能を徹底解説いたします!
時計界をうならせる、同社の「粋」をお楽しみください。
出典:https://www.facebook.com/FranckMullerJapan/?ref=page_internal
フランクミュラーの特殊機能、クレイジーアワーズとは
デジタルにしろアナログにしろ、通常1時~12時に整列された数値を、針が順番にそして連続的に移動し時を刻むことが時計にとっては常識だと思います。
「時計回り」という言葉があるほど。
その「時計回り」から覆してきた機構が、クレイジーアワーズです。
バラバラに並べられたインデックス上を、針が瞬時にジャンピング。その瞬間のいい意味で「裏切られた」感は、時計を見るのも楽しくさせてくれます。
バラバラとは言っても、実際には長針が1回転すると短針が5時間分一気にジャンプ!
この仕組みは、150度ジャンプする時針が4回移動で1周となり、そして元の位置にまた戻る、といったもの。
ジャンピングアワーという機構の応用で、今までなかったものではありません。
しかし、ブレゲやジェラルドジェンタなど一部の天才時計師によってわずかながら製造されていたもので、その複雑さゆえの繊細さ・故障の際の修理の難しさから、あまり一般的とは言えない手法です。
フランクミュラーのすごいところは、この時計屋にとって難易度の相当高い機構を、シリーズとして定着させてしまっているところ。
トノーカーベックスやロングアイランドに始まり、カラードリームスやブラッククロコなど、近年人気を博したシリーズにも搭載されており、カラーリングや素材、サイズを含めるとそのバリエーションは本当に豊富。
難点を挙げるとすれば、やはり機械そのものが繊細になりがちなところ。
しかし、時計の趣味性をとことん追求したこの機構を愛して止まないファンは決して絶えないでしょう。
搭載モデル
一大シリーズを築いているため一部には留まりますが、クレイジーアワーズを搭載したモデルをご紹介いたします。
ロングアイランド カラードリームス 1200CH CD AC
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:縦44.7mm×横32.3mm
優雅な美しさが魅力のロングアイランド。
ケースや風防のカーブは、見た目の麗しさだけでなく手首へのフィット感も考えられた設計です。
2004年以降始まった「カラードリームス」シリーズの華やぎと合わせて、フランクミュラーらしさを最も感じられる一本ではないでしょうか。
トノーカーベックス クレイジーアワーズ 7851CH OG
素材:ホワイトゴールド
ケースサイズ:縦48.5mm×横35.0mm
文字盤にもビザン数字がプリントされ、クレイジーアワーズの持つ摩訶不思議なテイストがよく表現された一本です。
ちなみにこのビザン数字はフランクミュラー特有のインデックスで、一目で同社のものだとわかる外観がフランクミュラー好きにはたまりませんね。
ロングアイランド クレイジーアワーズ 1200CH OG
素材:ホワイトゴールド
ケースサイズ:縦45.0mm×横32.5mm
ギョーシェ彫りのコパー文字盤(カッパー、銅)が渋い味わいを出した一本。
独特の艶が、いかにも高級機らしい味わいを感じさせます。