フランクミュラーの真髄とも言うべき特殊機能。
インデックスがバラバラに並ぶクレイジーアワーズや表裏で異なる機構を有するダブルフェイスクロノグラフなど傑作を挙げると枚挙に暇がありません。
しかし、「それってどんな機能なの?」といったご質問をいただくこともしばしば。
確かに名称だけではわかりづらいですよね。
そこでこの記事では、フランクミュラー特有の機能を徹底解説いたします!
時計界をうならせる、同社の「粋」をお楽しみください。
出典:https://franckmuller-japan.com/
フランクミュラー特殊機能、シークレットアワーズとは
「密かに時を刻む」。
このコンセプトをもとにフランクミュラーが開発した特別な機構がシークレットアワーズ。
文字盤を見ても、コンセプトを聞いても、なんのことだかわからないですよね。
実物でないとわかりづらいですが、なんとこの時計、オーナーが何もしなければ時分針は12時位置に留まり、秒針だけが動いているのです!もちろん秒針が一周しても、長短針は動きません。
では、一体今何時なのか?
それを知るためには、9時位置のプッシュボタンを押すこと。するとにわかに針が動き出し、現在時刻を表示するのです。
ちなみにボタンから手を離すと、再び針は12時位置に戻ります。
フランクミュラーは、「オーナーが必要な時にだけ時間を知れればよい」といった着想から、この機構を開発したとのこと。「時間に縛られるな」、と。
クレイジーアワーズと言い、フランクミュラーは稀代の時計屋なのに時間という概念に疑問を持っているのでしょうか・・・
出典:https://franckmuller-japan.com/
ちなみにエルメスのアルソータンシュスポンデュでは、プッシャーを押すと逆に時間を止めることのできる機構が展開されています。
近年では、時間の流れそのものに手を加える複雑機構が一部の愛好家で話題となっていますね。
そうは言っても、やはり一般的ではないでしょう。
フランクミュラーのシークレットアワーズは2009年に発表された機構ですが、生産数は少なく、中古市場にもなかなか出回りません。
価格帯も400万円台からと、クレイジーアワーズなんかと比べるとやはり一般ウケはしづらいですね。
しかし、フランクミュラー時計の大きな魅力のうちの一つは高い趣味性。
大人の遊び心とでも申しましょうか。時計に魅了されたもののみが楽しめる、ハイクラスなコンセプトが秘められています。
搭載モデル
シークレットアワーズモデルは数は少ないですが、ゴールド製のトノーカーベックスまたはロングアイランドに搭載されています。
トノーカーベックス ロングアイランド 7880SEH2
出典:https://franckmuller-japan.com/
素材:ピンクゴールド
ケースサイズ:縦50.4mm×横36mm
シルバーの文字盤の、センターがアワーマーカー、外周にミニッツインデックスが配された珍しいモデル。
もちろん普段時分針は12時位置に泊まります。
機構の奇抜さはもちろんのこと、ピンクゴールド製・ボリューミーなケースと合わせて非常に存在感ある逸品と言えます。
トノーカーベックス シークレットアワーズ 8880SEH1
出典:https://franckmuller-japan.com/
素材:ピンクゴールド
ケースサイズ:縦55.5mm×横39.5mm
ビッグサイズのトノーケースが非常にインパクトのある一本。
反面インデックスはビザン数字のみのシンプルなタイプですので、ギョーシェ彫りの青文字盤がよく引き立ちます。
ロングアイランド シークレットアワーズ 1300SEH1
出典:https://franckmuller-japan.com/
素材:ホワイトゴールド
ケースサイズ:縦48mm×横34.5mm
ホワイトゴールド製のロングアイランドケースが非常にエレガントな一本。
定価は513万円とフランクミュラーの中でも随一の高価格帯ですが、一生ものにふさわしい品格を感じさせます。