フランクミュラーの真髄とも言うべき特殊機能。
インデックスがバラバラに並ぶクレイジーアワーズや表裏で異なる機構を有するダブルフェイスクロノグラフなど傑作を挙げると枚挙に暇がありません。
しかし、「それってどんな機能なの?」といったご質問をいただくこともしばしば。
確かに名称だけではわかりづらいですよね。
そこでこの記事では、フランクミュラー特有の機能を徹底解説いたします!
時計界をうならせる、同社の「粋」をお楽しみください。
フランクミュラー特殊機能、マスターバンカーとは
マスターバンカーはGMT機能のこと。
しかし、通常のそれとは一味違ったところがフランクミュラーの醍醐味です。
基本スタイルはメイン文字盤の中にさらに2つのインダイアルを納めてしまい、3つの時間帯を瞬時に読み取ることが可能になったというもの。
しかも、なんと一つの自動巻きムーブメント、つまり一つのリューズで全ての時刻合わせ操作を担うのです。
ちなみにこの独自機構はフランクミュラーの特許技術となります。
誕生は1996年と、フランクミュラー創設から10年目。
友人の銀行家―バンカー―から「世界の金融市場の時刻をすぐに確認できる時計がほしい」という要望に応えて開発したと言います。
グローバル社会が進み、日本国内でもGMTやワールドタイムは一躍人気の機能となりました。
通常、一つのリューズでメインの時針のほか、GMT針を動かして別途時間帯を確認できるものが一般的ですね。しかし、マスターバンカーでは2つの文字盤そのものを一つの時計に収めてしまったようなもの。
リューズを1段引き出し、右方向の回転で12時位置の時刻調整を、左方向で6時位置の時刻調整を行います。そしてメインの時刻はリューズを2段引き出して操作するのです。
出典:https://franckmuller-japan.com/
フランクミュラーの特殊機能の中には実際に時計に必須でないものも多く、時計好きの間では常に賛否の的になってきました。
しかし、文字盤の中にさらに二つの時計というわかりやすさ・視認性の高さというのはどうでしょう。フランクミュラーが、実用面においても決して他社に劣っていないことが一目瞭然です。
GMTは製造難度の高い機能の一つですが、マスターバンカーとクロノグラフやムーンフェイズをミックスさせたモデルも開発しています。
マスターバンカーの構造上、これは不可能だと言われていました。
しかし、異なる機能をロックする巧妙な機構の開発を行うことで実現。もちろんこの機構も、特許取得の独自技術となります。
価格帯はステンレスモデルであっても定価500万円超えですが、時計史に残る傑作であることに間違いはありません。
搭載モデル
マスターバンカーはトノーカーベックスやロングアイランドの他、フランクミュラーには珍しいラウンドケースに収められたモデルもラインナップされています。
マスターバンカー 6850MB OG
素材:ホワイトゴールド
ケースサイズ:縦46.5mm×横34.0mm
最近流行りの青文字盤が美しい一本。
大きめサイズのトノーカーベックスは視認性が非常に良いため、マスターバンカーが持つ実用性に程よくマッチしていると言えます。
ラウンド マスターバンカー 7000MB AC
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:39mm
フランクミュラー初期に生産されたラウンド型の珍しいマスターバンカー。
上品なフォルムが魅力的です。
フランクミュラーの特殊機能はメンズが主流ですが、こちらはケースサイズ39mmと大きすぎないため、メンズライクな時計がお好みの女性にもお使い頂けます。
トランスアメリカ マスターバンカー クロノグラフ
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:40mm
アメリカ大陸横断という大冒険をイメージして作られた“トランスアメリカ”。
クラシック調の多いフランクミュラーには珍しいスポーツラインです。
マスターバンカーにクロノグラフが組み込まれており、見た目のかっこよさだけでなく機構の楽しさも味わえるでしょう。
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