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廣島浩二, 腕時計修理・メンテナンス大全

時計のベルト(バンド)調整方法を解説

最終更新日:

時計店や通販で時計を購入した後、お客様の腕のサイズに合わせるため、ベルト(バンド)調整が行われます。
今回はサイズ調整をどのようにして行なっているのか。
その手順をご紹介致します。

 

 

ブレスレットは基本的に「ネジ式」と「打ち込み式」が存在します。

ロレックスは多くのモデルでネジ式を採用しており、逆にタグホイヤーは打ち込み式を採用するなどブランド・モデルによって異なります。

手順はどちらも難しくないので個人の方でも可能ですが、慣れていないとネジを破損させたり傷をつけたりしますので、時計店で調整してもらうことをお勧めいたします。

※コマ調整は自己責任でお願い致します。万が一破損しても弊社で責任を負うことができません。

 

ネジ式コマ調整の手順

片ネジ駒

今回は片側にネジのあるタイプで、一コマ外す際の手順を説明いたします。

 

ネジ式工具

最初に使用する工具の紹介です。

 

・右上にある四角いものがバンド万力。時計を支えるために使います。

・下にある紫色の工具がドライバー。ネジを外すときに使います。

・右にあるピンセットはネジ等細かなパーツをつかむ時に使います。

・クロス(布)は時計に傷がつかないよう、保護するために使います。

 

ネジは非常に小さいです。作業中に無くさないようお気を付けください。

 

手順1.

ブレスの側面部にネジの頭があります。その面を上に向けた状態で、バンド万力に挟み、固定します。
(時計に傷がつかないよう、クロスを間に挟んでいます。)

ネジ式ブレス調整

 

手順2.

ネジの頭とぴったり合うサイズのドライバーを選択し、ブレスに対して垂直にあて、反時計回りにドライバーを回してネジを外します。
ネジを外す際は回す力だけでなく、上から押す力もしっかりとかけた状態で、回すようにしてください。

ネジが固い場合は無理に回さないでください。回らない場合は無理に回さず、時計店にお持ち込みください。ネジの頭がつぶれてしまい、取り外しができなくなってしまいます。

その後駒を取り外します。

ネジ式ブレス調整

 

手順3.

2.と同じ手順で、隣接する駒のネジをもう一つ外し、駒を取り除きます。

ネジ式ブレス調整

 

手順4.

残りのブレス同士を連結させ、ネジを取り付けます。ドライバーで時計回りに回転させ、最後までしっかりと回します。
また、ネジを回す際に滑って時計や手を傷つけないように注意してください。

ネジ式ブレス調整

これで一コマの取り外しができました。

 

 

打ち抜き式コマ調整の手順

打抜駒

今回は中にパイプのあるタイプで、一コマ外す際の手順を記載します。

 

打ち抜き式工具

使用する工具の紹介です。

・中央のバンド万力は打ち込み式でも同様に使います。

・左下の打ち抜きピンを使い、ピンを叩きます。(長短2種類あります。)

・上にあるのがハンマーです。ヘッドの部分が真鍮(金色の部分)とプラスチック(黒色の部分)でできています。

・見えづらいですが右下にビニールがあります。こちらはクロス同様時計を保護するために使います。

 

手順1.

ブレスの裏側に、ピンの抜ける方向が書かれています。抜ける方向を下に向けてバンド万力に挟み、固定します。
バンド万力にある穴の部分からピンが逃げるように、中央で固定してください。
(時計に傷がつかないよう、ビニールを間に挟んでいます。)

打ち抜き式 ブレス調整

 

手順2.

打ち抜き用のピンをブレスにあて、真鍮のハンマーで叩きます。最初は力の伝わりやすい短いものを使い、ピンが動いたら長いもので叩きます。
この際、ピンが固い場合は無理に叩かないでください。
ピンが動かない時は無理に叩かず、お近くの時計店にお持ち込みください。駒が変形してしまい、取り外しができなくなってしまいます。

その後駒を取り外します。
この時パイプが出てくる事がある為、無くさないよう注意してください。

打ち抜き式 ブレス調整

 

手順3.

2.と同じ手順で、隣接する駒のピンをもう一つ外し、駒を取り除きます。

打ち抜き式 ブレス調整

 

手順4.

駒の元の位置にパイプを取り付けた後、残りのブレス同士を連結させます。
その後抜いた矢印の方向と逆側にピンを取り付けます。

打ち抜き式 ブレス調整

 

手順5.

プラスチックのハンマーを使い、駒の面手前までピンを叩き入れます。
ピンを抜く時と同様に、ピンが固い場合は無理に叩かないでください。ピンと通る穴が真っすぐになるようにコマを揃えないと、ピンが中に入っていきません。(慣れていない方は難しく感じるかもしれません。)

打ち抜き式 ブレス調整

 

手順6.

最後に短い打ち抜きピンを使い、飛び出ている部分を叩き入れます。

打ち抜き式 ブレス調整

一コマの取り外しができました。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。
時計を使用する上で、ブレス調整は必ず必要なものです。
お店の裏側ではお客様を待たせないために、店員さんの経験を頼りに時間との戦いが繰り広げられています。
購入された後でも、時計のサイズに違和感がありましたら、信頼できる時計店にお持ち込みください。

当記事の監修者

廣島浩二(ひろしま こうじ)

(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチ コーディネーター
一級時計修理技能士 平成31年取得
高級時計専門店GINZA RASIN 販売部門 ロジスティクス事業部 メンテナンス課 主任

1981年生まれ 岡山県出身 20歳から地方百貨店で時計・宝飾サロンで勤務し高級時計の販売に携わる。 25歳の時時計修理技師を目指し上京。専門学校で基礎技術を学び卒業後修理の道に進む。 2012年9月より更なる技術の向上を求めGINZA RASINに入社する。時計業界歴19年

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