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バーゼルワールド2019新作!ロレックス GMTマスターII 126710BLNRを徹底解説!
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年々来場者数や出展企業数の減少が騒がれていますが、時計業界ではここ一番の大盛り上がりを見せたバーゼルワールド2019。
パテックフィリップやタグホイヤー、グランドセイコーにチューダー(チュードル)といった、人気ブランドのブースは常時賑わいを見せていました。
そんな中でも特に注目度が高いのはロレックスでしょう。昨年に引き続いてGMTマスターIIの新作を発表しております。
新作GMTマスターII、もともとのモデルを劇的にブラッシュアップしていて本当に素晴らしい逸品ですが、何やらまたロレックスの相場高騰の起爆剤にもなりそうなのです。
この記事では、GMTマスターIIの2019年新作について、そしてこの新作が2019年のロレックス相場に与える影響を徹底解説いたします!
出展:https://www.rolex.com/ja
目次
バーゼルワールド2019 新作GMTマスターII 126710BLNR スペック
GMTマスターIIはベゼル・24時間針を駆使して3か所の異なるエリアの時刻を一目で把握できる、ロレックスきっての高機能モデルです。
ロングセラーでありながらもデイトナやエクスプローラーと比べるとやや慎ましやか―もっと言うとわき役的―な存在でしたが、セラクロムベゼルを採用した116710LNが2007年に、次いで2013年に青黒ベゼルの116710BLNRが登場したことによって、大人気商品へと躍進。
そして、近年ロレックスの最先端技術を駆使した進化がとても華々しい一大シリーズでもあるのです。
今回の新作は、上記116710BLNRと同様に青黒ベゼルを用いて、126710BLNRとして誕生した形です。
スペックは以下の通りです。
型番:126710BLNR
モデル:GMTマスターⅡ
素材:オイスタースチール
文字盤:黒
ケースサイズ:40mm
ムーブメント:キャリバー3285
パワーリザーブ:約70時間
防水性:100m
バーゼルワールド2019 新作GMTマスターII 126710BLNRの特徴
2019年新作GMTマスターIIのディテールをご紹介いたします。
ムーブメント
出展:https://www.rolex.com/ja
新作GMTマスターIIで最も注目すべきはその内部機構です。
あのロレックスが自身で「新世代」とまで自負する自社製ムーブメントCal.3285が新たに搭載されました。
「新たに」と申し上げましたが、ムーブメント自体は2019年の今年が初出ではありません。
バーゼルワールド2018で赤青ベゼル―通称ペプシ―を復活させたとロレックスファンの間で大きな話題となった新作126710BLROにて、初めて世に送り出されました。
今回青黒ベゼル―こちらの通称はバットマン―に搭載され、Cal.3285にとっては第二弾ということになります。
出展:https://www.rolex.com/ja
この新ムーブメントCal.3285の最も特筆すべきところは、70時間にも及ぶロングパワーリザーブです。
伝統的にGMTマスターIIに搭載されていたCal.3186は48時間ですので、約1日分の延長を可能にしたことになります。
また、従来「COSC(クロノメーター)相当」であった精度がその二倍へと飛躍。
そして、パラクロムヒゲゼンマイやパラフレックスショック・アブソーバ等、最先端の素材や新設計を用いることによって、正確性だけでなく耐衝撃性に耐磁性、15%ものエネルギー効率アップしているというのです。
「エネルギー効率アップ」が実はミソで、現在ムーブメントの省エネは多くのブランドの課題です。
もちろんロングパワーリザーブのため、というのもあるのですが、パワーリザーブと時計の精度を両立するためには省エネが絶対不可欠なのです。
「ロレックスの技術の粋を尽くし、時計製造の最先端」とはロレックスの言葉ですが、どのブランドよりも先駆けて三大発明-オイスターケース、パーペチュアル、デイトジャスト―を開発したように、技術躍進に対して余念のない同社らしい名ムーブメントと言えるでしょう。
※2015年にロレックスで初めて新世代ムーブメントを搭載させたデイデイト40の新作のうちの一つ 223285A
この新世代ムーブメントは今ロレックス内で推進が進めらています。
2015年、デイデイト40mmにCal.3255が搭載されたことを皮切りに、3200番台ムーブを続々強化。
今回126710BLNRが登場したのも、その方針の一環なのでしょう。
しかしながら多機能がアピールポイントのGMTマスターIIで採用されると、さらにパワーアップした感が強調され、話題性の高さも頷けます。
青黒ベゼル×ジュビリーブレスレット
出展:https://www.rolex.com/ja
もう一点、従来のSSモデルと新作126710BLNRの大きな違いとして、ジュビリーブレスレットに装いを変えた、ということも気になっている方が多いのではないでしょうか。
スポーツロレックスでは、歴史的に「3列のオイスターブレスレット」を採用してきました。
116710BLNRでは、ポリッシュとヘアライン仕上げを組み合わせた高級感のある、それでいて男らしさも両立している精悍なブレスレットが印象的ですね。
しかしながら2019年の新作で出された126710BLNRで5連ジュビリーブレスレットを採用し、昨年に引き続きその流れを踏襲したのです。
左が2018年新作GMTマスターII 126710BLRO
ジュビリーブレスレットはデイトジャストなどロレックスのドレスウォッチに採用されてきました。
細めのコマがエレガントに5列並んだタイプで、GMTマスターの5桁品番で使われたことがありましたが、定番化はしませんでした。
2018年にジュビリーブレス版GMTマスターIIを見て、変わり種か?と騒がれたものですが、これが実は「かっこいい」とそこかしこで人気に。
ジュビリーブレスレットは「いかにもロレックス」といった印象ですので、人気が出ないはずはないですよね。
2019年も、再びこのデザインで押し出されましたが、青黒ベゼルの、どこか控えめな気品ある雰囲気とよくマッチしていますね。
青黒ベゼル116710BLNRはGMTマスターIIの人気の火付け役的な立ち位置でした。
今回ジュビリーブレスレット版が誕生したことによって、今ですら常時品薄・デイトナ並みの人気高騰を遂げているGMTマスターIIの人気を、さらにさらに押し上げるであろうことは想像に難くありませんね。
2019年新作GMTマスターIIがロレックス相場に与える影響とは
例年新作発表が行われるたびに話題になる今年のロレックス相場。
2019年、新作GMTマスターIIの影響で、どのような動向を見せるのでしょうか。
新作126710BLNRがさらなる相場高騰の起爆剤へ
先ほど、「青黒ベゼル116710BLNRはGMTマスターII人気の火付け役的な立ち位置」とお話しました。
そして、ジュビリーブレスレットのひとしおのかっこよさが昨年新作の126710BLROで十二分に証明されている今、新作126710BLNRの人気が出ないはずがありません。
現在ロレックスは世界各国で需要が集中しており、ほとんどのスポ―ツモデルで相場を爆上げしていますが、赤青ベゼルの126710BLNRはさらなる高騰の起爆剤になる可能性が高いです。
もちろん、新作は初出年は高い相場を維持します。
これは何もロレックスだけの現象ではありません。「ご祝儀価格」とでも言いますか、SIHH・バーゼルワールドなどで発表されたモデルは、入荷が始まってしばらくは高い価格で売り買いされます。
多くの時計店や愛好家が入荷時は在庫を確保し、ある程度行き渡ったら落ち着く・・・当然の流れですよね。
でも、ロレックスはちょっと様子が違います。
2018年に登場した赤青ベゼル126710BLROは、初出から一年以上経てなお200万円前後で推移している現状があります。
ちなみに国内定価は950,400円です。
そして、特定のモデルが高値となると、ロレックス全体の相場が上がる、という傾向が目立ってあるのです。
話題性のある新作が出たことによって、さらにそのブランドの注目度が上がったり、その新作が品薄で変えなかった購入者が、同ブランド内の他モデルに流れていったり。こういった流れで、ブランド全体の需要が相対的に上がります。
新作126710BLNRも、赤青ベゼル126710BLRO同様に話題性があり、しかも同じように魅力的な逸品です。
基本スペックは同じで、どちらもツートンカラーベゼル。ロレックス人気を上手に二分しそうな勢いが感じられます。
つまり、126710BLNRの入荷が始まると、またロレックス相場が跳ね上がる、というシナリオは十分考えられるということです。
116710系がディスコン!?
加えて、バーゼルワールド2019の影で、2007年以来10年以上に渡って愛され続けてきた116710系が生産終了しているという噂が立っています。
前述の通り、ロレックスは新世代ムーブメントの採用に意欲的で、順次搭載を始めています。
GMTマスターII 126710系のように外装を一新するものもあれば、シードゥエラー 126600や今回一緒に発表されたヨットマスター40シリーズのようにデザインを変えないものもあります。
この流れから、今年もGMTマスターIIが新ムーブ搭載の新作として発表されるとずっと取沙汰されており、青黒ベゼルか黒ベゼルのどちらかが変わるのではないか、と言われていました。
そのため新作で出たことは驚きはしませんが、実は116710系のGMTマスターIIがロレックス公式ホームページから姿を消しているのです。
もし116710系が生産終了だとしたら、GMTマスターIIのSSモデルから3列ブレスレットが消えた、ということも意味します。なぜなら、3列タイプとジュビリータイプで、互換性がないようなのです。
多くのサイトでは116710系の生産終了を報じていますが、決めつけるのは早計のようです。
と言うのも、当店で日本ロレックスへ問い合わせたところ、まだ生産終了かはわからないという回答でした。
秘密主義のロレックス。今の時点では「わからない」と答えるように本社から通達が来ているのかもしれませんが、断言していないところから見ると即生産終了、とは言えません。
実際、今の時点ではロレックスの公式ホームページから姿を消した、というだけです。
一方で生産終了だとしても不思議ではありません。ロレックスは、こういった「演出」が本当に上手なためです。
ロレックスが自社製品の稀少価値を落とさないよう巧みに製造本数をコントロールしていることは有名な話ですが、そこそこ人気のあるラインを生産終了させることによって話題性を呼び、同時に新モデルを追加してさらなる話題を喚起しているのです。
実際、GMTマスターシリーズはIも含め、新品・中古市場で全体的に値上がりしています。
また、SSほどは値上がりしない、と言われている金無垢モデルやSS×ゴールドのコンビモデルもなかなかの値上がりを続けています。
例年、ロレックスの新作の国内入荷が始まるのは5月~6月頃。
126710BLNRのみならずバーゼルワールド2019新作が続々入荷してきたら、この値上がりはより顕著になることでしょう。
現在は116710BLNRおよび116710LNが品薄と言えど、新品並行市場にて出回っています。
今後の動向を考えればあるいは、今はまだ「お得に買える」時期、と言えるのではないでしょうか。
まとめ
GMTマスターIIのみならず、金ロゴがオシャレなシードゥエラーやアップサイジングされたヨットマスター42、そして毎年恒例のデイトジャストやデイデイトの新デザインなどがバーゼルワールド2019では発表されました。
こういった力強い新作の数々を見ていると、まだまだ高級時計人気は健在だな、と改めて感じさせられます。
新たな装いとなって生まれ変わったバットマン126710BLNR。
はやく実機を手にとってみたいものですね!
各ブランド2020年新作 速報ページはこちら!
※当店ではバーゼルワールド2020の、現地レポートを予定しておりました。
展示会自体は中止とはなりましたが、各ブランドの新作を順次発表させて頂きます!
当記事の監修者
南 幸太朗(みなみ こうたろう)
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 買取部門 営業企画部 MD課/買取サロン プロスタッフ
学生時代に腕時計の魅力に惹かれ、大学を卒業後にGINZA RASINへ入社。店舗での販売、仕入れの経験を経て2016年3月より銀座本店 店長へ就任。その後、銀座ナイン店 店長を兼務。現在は営業企画部 MD課 プロスタッフとして、バイヤー、プライシングを務める。得意なブランドはパテックフィリップやオーデマピゲ。時計業界歴13年。