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WEBマガジン, ミドルクラスのモデル特集, ブライトリング

ブライトリング スーパーオーシャンを徹底解説!~ヘリテージから新作まで~

最終更新日:

高性能パイロットウォッチとして、人類と空との関係に多数の功績を残してきたブライトリングですが、海の分野にも死角はありません。スーパーオーシャンは同じく高性能なダイバーズウォッチとして、60年前の発表当初から200mというきわめて高い防水性を実現していました。この長い歴史の中で、プロダイバー、軍人、そして時計愛好家から高い評価を得てきたことはもはや言わずもがなですね。
そんなスーパーオーシャンはロレックスのサブマリーナやオメガのシーマスター、パネライのルミノールなどの有名ダイバーズウォッチと並び立つ名機です。とは言えブライトリングのフラグシップが有名すぎるクロノマットあるいはナビタイマーであるためか、実はどんな時計かわからない、これまでノーマークだった。そんな方々もいらっしゃるかもしれません。
そこでこの記事では、ブライトリング スーパーオーシャンの歴史や特徴、そして魅力を余すことなくご紹介していきます!

ブライトリング スーパーオーシャン

 

ブライトリング スーパーオーシャンってどんな時計?

冒頭でも触れたように、ブライトリングと言うとクロノマットやナビタイマーという「パイロットウォッチ」が有名すぎますね。事実、この二機は当店のメンズ時計の中でも高い売れ筋となっており、ブライトリング自身も小まめにチューニングアップを図ってきました。
とは言えもちろんスーパーオーシャンもまた、同社が誇る傑作機。近年では続々とハイスペックな新作を打ち出しており、高い評価を得てきました。
本項ではまず、そんなスーパーオーシャンの辿ってきた沿革と、代表ラインナップを解説いたします。

 

①ブライトリング スーパーオーシャンの沿革

ブライトリング スーパーオーシャン

出典:https://www.instagram.com/breitling_japan/

プロトタイプは既に1930年代には製作されていたようですが、「スーパーオーシャン」としてローンチされたのは1957年です。
この1957年というのは時計業界にとっては非常に意義深い年でもあります。オメガのスピードマスターやレイルマスター、シーマスター。ロレックスのGMTマスターなど、現代にも続く人気モデルが多数輩出されました。

ブライトリングのスーパーオーシャンもそんな「スポーツウォッチの黎明」に誕生したダイバーズウォッチです。しかも、誕生当初から200mというハイスペックを兼ね備えていたことも特筆しなくてはなりません。既に1953年初出のロレックス サブマリーナが200m防水を実現していましたが(現在の300m防水は1989年の第五世代以降)、もちろんそこまでの高防水性能は一部のブランドに限られていました。
加えて、スーパーオーシャンはダイビングタイム計測のうえで欠かせない幅広の回転ベゼル、視認性高い文字盤やしっかりとした時分針を有した、当初から完成されたダイバーズウォッチでもありました。
ちなみに二年後の1959年にクロノグラフを搭載したスーパーオーシャンが登場しています。

ブライトリング スーパーオーシャン ファーストモデル

出典:https://www.vintage-breitling-watches.com/breitling-articles/superocean-family/

その後も、ブライトリング屈指のハイスペックシリーズとして連綿とラインナップされ続けていく中で、500m~1500mと防水性にアップデートが加えられていったり、現代風のスタイリッシュなデザインにアップグレードされたり、進化を遂げていきます。

その進化の中で大きな節目であり、スーパーオーシャンの代表的なラインナップが生まれました。
そちらは「代表シリーズ」の項で後述させていただきます。

 

②ブライトリング スーパーオーシャンの魅力

スーパーオーシャン M275C-1CMA

スーパーオーシャンが発表された1950年代当時に比べると、多くのブランドがダイバーズウォッチをラインナップしています。
他の産業と同様に、時計製造技術がますます進化していく中で、高い防水性や堅牢性を確保することがより容易になったためでしょう。
しかしながらそんな中でもスーパーオーシャンは魅力が一歩抜きんでています。その理由をご紹介いたします。

まず第一に、「防水性」以外の面、すなわち時計としてのスペック自体がきわめて優れていることが挙げられます。
その最たるものは、ブライトリングが公言している「100%クロノメーター宣言」にあるでしょう。
クロノメーターとは、スイス公認クロノメーター検定協会(COSC/:Controle Officiel Suisse des Chronometres)が規定するムーブメントの精度規格のこと。ムーブメントの「時間のズレ」がいかに少ないかの証明なのですが、決してどの時計も認定されるものではありません。年間180万台の時計が精査されて、選ばれるのはその中の3%ほどとか。
そのクロノメーターを全てのモデル(クォーツモデルにも!)に搭載させているというのは、世界的に見ても非常に稀有です。また、ブライトリングがいかに時計製造技術が高いかがおわかりいただけるでしょう。

ブライトリング クロノメーター証明書

※ブライトリングが製品に付属しているクロノメーター証明書

さらなる魅力としてはデザインが挙げられます。
ナビタイマーやクロノマットと比べると、スーパーオーシャンはよりシンプルな印象が強いかもしれません。
しかしながらそのディテールは、しっかりこだわりぬかれています。
と言うのも、ただ時計を堅牢にするだけなら、比較的どのブランドでも簡単にできます。でも、ブライトリングは、そこに高級感をしっかり盛り込ませているのです。もちろん武骨な時計もかっこいいものなので、前者のような堅牢性に特化した時計はそれはそれで「あり」だと思います。
とは言え30代、40代を迎えた男性は、やはり高級時計のステータス面も気にしたいところですよね。

ブライトリング スーパーオーシャン

出典:https://www.instagram.com/breitling_japan/

丁寧な仕上げ,流麗なケースライン,作り込まれたインデックスや時分針・・・そんな、高級機としてなくてはならない高い作り込みがなされており、そこがブライトリングの、そしてスーパーオーシャンの強みと言えるでしょう。

ちなみにスーパーオーシャンは、体操の内村航平選手や俳優の大谷亮平さんの愛機でもあります。
一流に愛される。そんなところも、スーパーオーシャンの魅力を象徴するエピソードですね。

 

 

ブライトリング スーパーオーシャンの代表ラインナップ

60年以上にも及ぶ歴史の中で進化を続けてきたスーパーオーシャン。現在の代表シリーズも、この歴史の中で生み出されたものとなります。
それぞれをご紹介いたします。

 

①スーパーオーシャン ヘリテージ

スーパーオーシャン ヘリテージ A172B68OCA

スーパーオーシャン ヘリテージ A172B68OCA 

 

まず一つ目にご紹介したいのが、2007年、誕生50周年を記念して発表されたスーパーオーシャン ヘリテージ。
「ヘリテージ」という名がつくように、1957年当時のファーストモデルをリバイバルしたモデルとなります。
なお、このヘリテージシリーズは今でもブライトリングの人気一大コレクションとなっております(スーパーオーシャンだけでなく)。

46mmというボリューミーなケースながらシンプルでヴィンテージな風合い溢れる文字盤デザインが何よりの魅力。また、ステンレスとアルミの合金によって形成されたベゼル、そのベゼルのバースケール(メモリ)、アロー型時針なども初代の意匠が継承されています。ちなみにメッシュブレスレットも、ヘリテージラインのために新たに設計されました。

スーパーオーシャン A172B68OCA

1990年代のスーパーオーシャンはモダン・デザインに特化したモデルも少なくなかったのですが、ヘリテージはエレガントテイストの強さも特徴です。

 

②スーパーオーシャンII

ブライトリング スーパーオーシャンII

ヘリテージがラインナップされたその三年後の2010年、ブライトリングはスーパーオーシャンIIを発表します。

当シリーズはヘリテージとは打って変わってかなり新しい試みが随所に見られます。
特大アラビア数字のインデックスがまず目に飛び込んでくるかと思いますが、さらに逆回転防止ベゼルのスケールにも15分ごとにアラビア数字を配し、どこかメカニカルな印象に。

また、同シリーズにはラバーストラップも一緒にリリースされているのですが、そのストラップ自体もIIの発表にあたって新しくデザインされたと言い、中央部のレリーフが他社のどのラバーストラップとも異なる意匠を醸し出しています。

ブライトリング スーパーオーシャンII

ケースサイズは42mmとダウンサイジングされているにもかかわらず(後に44mmサイズも追加)、もちろんスーパーオーシャンらしい精悍さ、それに見合ったハイスペックは健在です。

ちなみにスーパーオーシャンIIのファーストデリバリーは、1500mという驚くべき防水性能を誇っていました。もっとも、その翌年には2000m防水のスーパーオーシャンを実現しており、ブライトリングにとっては進化の一つに過ぎなかったのでしょう。

 

③スーパーオーシャン ヘリテージII

スーパーオーシャン ヘリテージII

出典:https://www.breitling.com/us-en/

2017年の誕生60周年には、さらなるリニューアルが加えられました。新シリーズは、スーパーオーシャン ヘリテージIIです!
こちらも従来の無印ヘリテージ同様、1957年当時のオリジナルデザインが踏襲されていますが、ブライトリングにお馴染みの翼のロゴがなくなったこと。また、秒針のお尻のBが取り払われたことなどから、「ブライトリングらしさ」という面で賛否両論ありました。
同年にイギリスの投資会社CVCキャピタル・パートナーズ傘下に加わっていることから、刷新の意味合いもあったのかもしれません。

しかしながら、より無駄を配した文字盤や秒針、デイト窓といったディテールはヴィンテージらしさ満点。時針やベゼルのゼロポイント(逆▼になっているところ)のハッキリとした夜光や堅牢なケース(200m防水は堅持)といった、ダイバーズウォッチとしてのスペックも申し分ありませんね。
ちなみに上記で挙げた画像は新たに自社製ムーブメントB01を搭載したモデルで、よりハイレベルなスペックに。往年の傑作を、最先端技術で味わえることとなりました。

 

スーパーオーシャン ヘリテージII B13搭載モデル

ヘリテージIIは現在42mm、44mm(2018年より)、46mmをラインナップ。3針またはクロノグラフ搭載モデルの二展開となります。このようにヴァリエーションが豊富なので、ヴィンテージ好き、ブライトリング好きはもちろん、単純にシンプルで使いやすいダイバーズウォッチが欲しい、という方にもお勧めです。

 

④スーパーオーシャン オートマティック 2019年新作

スーパーオーシャン オートマティック 2019年新作

出典:https://www.instagram.com/breitling_japan/

スーパーオーシャンは今年2019年にも、新作を意欲的に発表しています。
厳密には「新シリーズ」ではなくチューンアップの一環ですが、これまた同社にはなかった新しい試みがなされています。

まず、当シリーズ初となる46mmサイズが登場。また、女性も使える36mmサイズも同時ラインナップされています。
ラグやケースは従来のスーパーオーシャンよりもスタイリッシュとなりながらも、2000m防水を獲得しました(44mmは1000m防水、42mmは500m防水、36mmは200m防水)。

スーパーオーシャン オートマティック46 2019年新作

出典:https://www.breitling.com/us-en/

また、ケース9時方向にベゼルロックシステムが追加されより安全性が増したり、軟鉄製インナーケースを備え、耐磁が強化されたりと確実なアップデートを図っているところも見もの。

一方で文字盤デザインはポップな印象が強くなり、オレンジなどのNEWカラーも登場。
ますますバリエーションが豊富となり、スーパーオーシャンのラインナップがなんだかすごいことになっている昨今です。

今後もクロノマットやナビタイマー同様、様々な試みがなされていくのでしょう。目が離せません。

 

ブライトリング スーパーオーシャン 人気・お勧めモデル

最後に、ブライトリング スーパーオーシャンの各代表シリーズから、人気・お勧めシリーズをご紹介いたします!

 

①スーパーオーシャン ヘリテージII B01 クロノグラフ44

スーパーオーシャン A006C-1OCA

型番:A006C-1OCA
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:44mm
ムーブメント:自社製自動巻きクロノグラフB01
パワーリザーブ:約70時間
防水性:200m

2018年にリリースされた、44mmサイズ×自社製クロノグラフムーブメントCal.B01を搭載した逸品です。
ナビタイマーなどでも採用されてきた横目インダイアルは今はやりのパンダ文字盤となっており、メッシュブレスレットと合わせてかなりクラシカルな印象に。よりヘリテージ感が強まったと言えるでしょう。

スーパーオーシャン A006C-1OCA

ちなみにシースルーバックが採用されているところも見もの。
B01は、チューダーの自社製ムーブメントCal.MT5813のベースにもなっていますが(チューダーとブライトリングはムーブメントを共同開発している)、その信頼性の高い名機を裏蓋から鑑賞できるのは嬉しい仕様ですね。

初代スーパーオーシャンのヴィンテージ感はそのままに、技術面では大幅なブラッシュアップが加えられた最新作です。

なお、これだけ改良が加わっているので定価は993,600円とハイエンドラインですが、実勢相場は60万円台~。
かなりお値打ち感の強いダイバーズウォッチとも言えます。

 

②スーパーオーシャン ヘリテージ II B13 クロノグラフ

スーパーオーシャン A275B-1OCA

型番:A275B-1OCA
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:44mm
ムーブメント:自動巻きクロノグラフB13
パワーリザーブ:約42時間
防水性:200m

同じく2018年にヘリテージIIに追加された、クロノグラフモデルです。
こちらは、ETA7750をベースにチューンアップされたB13搭載機。ちなみにIWCやチューダー、パネライにウブロ、タグホイヤーといった数々の名門がこの名機を
エボーシュとして使用してきた歴史あるキャリバーでもあります。

デイデイト表記となったことでより使いやすく、より独創性の増すスーパーオーシャンとなりました。
もちろん従来から大切にされてきた200m防水も堅持されています。

 

③スーパーオーシャン ヘリテージII B20 オートマチック 42

スーパーオーシャン A201B-1QRC(AB2010)

型番:A201B-1QRC(AB2010)
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:42mm
ムーブメント:自動巻きオートマティックB20
パワーリザーブ:約70時間
防水性:200m

同じく2018年にリリースされた、シンプルな3針スーパーオーシャンです。
ケース厚は14mmとややボリューミーですが、ケースが洗練されており、あまりその武骨さは感じません。
ちなみに搭載されるムーブメントB20は、チューダーのMT5813がベースになっています。
シースルーバックではありませんが、その性能の良さは使ってみて実感できるところでしょう。

 

④スーパーオーシャンII 42 ブルー

スーパーオーシャン A182C15OPR(A17365)

型番:A182C15OPR(A17365)
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:42mm
ムーブメント:自動巻きオートマティックB17
パワーリザーブ:約40時間
防水性:500m

先ほどご紹介した、2010年に登場したすーぱオーシャンIIのモデルです。
アラビア数字が全面に押し出された文字盤は、かなりダイナミックな印象ですね。

今は現行ラインにはラインナップされていませんが、長らくブライトリングの基幹ムーブメントを務めたETA2824がベースになっており、往年のブライトリングファンにはたまらない逸品と言えるのではないでしょうか。

 

⑤スーパーオーシャン A188B79PRS(A17391)

スーパーオーシャン A188B79PRS(A17391)

型番:A188B79PRS(A17391)
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:44mm
ムーブメント:自動巻きオートマティックB17
パワーリザーブ:約40時間
防水性:2000m

2011年に発表された、2000mという驚異のハイスペックを有したスーパーオーシャンです。
ダイバーズウォッチには欠かせない、ケース内外の圧力差が約3気圧を超えた時点で自動的にケース内のヘリウムガスを排出する「ヘリウムガスエスケープバルブ」を備えています。回転ベゼルは鍛造ステンレスとラバーという異素材を高温高圧で一体化。「プロのための時計を創る」というブライトリングの精神が具現化された逸品です。

 

 

まとめ

ブライトリングが誇るダイバーズウォッチ・スーパーオーシャンについて解説いたしました。

60年以上もの長い歴史の中で、スーパーオーシャン、スーパーオーシャンII、ヘリテージ、ヘリテージIIといくつかの節目・代表シリーズがあること。いずれもブライトリングらしいハイスペックと、ディテールまでこだわりぬかれた同社の精神性が宿った名機であることがお伝えできていれば幸いです。

文中でもご紹介しましたが、ブライトリングは現在スーパーオーシャンを絶賛売り出し中(もともと代表的なシリーズですが)!

当店でも2019年新作を含め、入荷を頑張ってまいりますので、気になる方はぜひお問合せくださいませ!

 

TEXT by C.Tsuruoka

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