これまではスマートフォンを時計代わりにしていたけど、社会人になったことや上司が良い時計を身に着けているのを目にしたことをきっかけに、高級時計を買ってみよう!そんな風に思う方は多いですよね。
ロレックスやオメガ、セイコーにブライトリングなど、腕時計業界には数々の人気ブランドがありますが、「一本目の時計」の第一候補にタグホイヤーを検討する方は多いのではないでしょうか。
タグホイヤ―は、間もなく創業160年を迎える、スイスきっての名門ブランド。男心をくすぐるかっこよさと時計としての高い性能を両立しており、非の打ちどころがない逸品を製造し続けています。にもかかわらず価格帯が幅広く、10万円台から購入できるモデルもラインナップされてるとあって、20代~30代の男性陣を中心に人気を博してきました。
また、テニスの錦織圭選手やサッカーのクリスティアーノ・ロナウド選手、タレントの相葉雅紀さんに小栗旬さんなど、男性が憧れるような芸能人・著名人が愛用していることも有名ですね。
そんなタグホイヤー、一本目はどのモデルを購入するのが正解なのでしょうか?また、それぞれどのような魅力があり、価格はいくらくらいなのでしょうか。
この記事では、カレラやフォーミュラ1、アクアレーサーにモナコなど、タグホイヤーの数々の人気モデルを解説するとともに、初心者におすすめの一本をご紹介いたします!
目次
タグホイヤーのおすすめ①カレラ
カレラはタグホイヤーのフラグシップです。初めてタグホイヤーを購入する方からも、既に何本か所有している方からも支持を集める一大コレクションで、迷ったらとりあえずカレラを選んでおけば間違いないと言っても過言ではないでしょう。
その詳細を解説いたします。
カレラってどんなモデル?
カレラはスペイン語で、「レース」や「情熱」を意味します。1964年、ロードレース「カレラ パンアメリカーナ・メキシコ」とF1チャンピオン「ファン・アニュエル・ファンジオ」の二大レースへのオマージュとして誕生しました。つまり50年以上もの歴史を持つ、超ロングセラーということになります。
1950年代~1960年代というのは、現在にも続く人気スポーツウォッチが続々と誕生しました。とりわけこのカレラのようにカーレースをインスパイアしたモデルに、この当時生まれた名作が少なくありません。ロレックスのデイトナやオメガのスピードマスターなどがその一例ですね。こういった名作とカレラは同期になります。
そんな歴史を持つカレラ、実は長らく今ほどの代表モデルではありませんでした。しかしながら2000年代より順次デザインを当世風に変更していったこと。加えて2004年に俳優のブラット・ピットさんを起用したことで人気に火が付き、同社きっての一大コレクションとなりました。
1999年にLVMH傘下に加わったため、政治的な方向転換もあったのかもしれませんが、以降カレラは従来からの知名度をさらに押し上げることとなります。
モデル:カレラ キャリバー1887 CAR2110.BA0720
こういった変遷を経て、カレラはある「強み」を獲得することとなります。それは、「スポーツウォッチなのにエレガント」「スーツスタイルにもカジュアルファッションにもマッチする」といったもの。事実、カレラはレーシングモデルですので、「レーシー感」をフィーチャーしているのですが、ケースをオーソドックスなラウンドフォルム×優美なラインとエッジを両立することで、ラグジュアリーテイストをも持ち合わせています。
こういった「エレガンス」と「オンオフ使える」と言うのが、初めて高級時計を購入する若い男性陣のニーズを見事くみ取ることとなりました。まだ若手だと、仕事用、オフ用と何本も時計を買うことは難しいもの。まずはスーツから悪目立ちしないもの。次にオフスタイルでも映えるもの、といったようにご選択される方が多くなる、というニーズをくみ取った、ということです。
加えて、タグホイヤーは価格帯が幅広く、カレラに限らず10万円台から購入できるものもラインナップされています。しかも、価格は安いですが、意匠やディテールは高級機そのもの。ここがタグホイヤーのすごいところなのですが、パッと見て作り込まれていることがわかります。
着用モデル:カレラ キャリバー16 CV2A1AB.BA0738
タグホイヤーは優れた生産ラインを確保することで安定した供給を行っていますが、ただの量産ではないことがミソ。とりわけ加工技術に一家言持っており、高度な加工・切削・仕上げ技術を確立することで、10万円台のエントリー機であるにもかかわらず、さらに上のプライスレンジのモデルと遜色ないラグジュアリーテイストを獲得することとなりました。
こういったタグホイヤーならではの強みが存分に活かされたのが、カレラという時計なのです。
カレラの人気モデル
ひとくちに「カレラ」と言っても、実は色々なデザインバリエーションがあります。
シンプルな3針タイプ、文字盤がスケルトナイズされたメカニックなタイプ、往年のヴィンテージを思わせるクロノグラフ・・・しかも素材にも違いがあり、「全部カレラなの!?」と思ってしまうかもしれませんね。
カレラは―と言うかタグホイヤーは―、同シリーズでも「キャリバー」で区分することが多いです。
キャリバーというのはムーブメントのリファレンスのようなもので、後述しますが「キャリバー5」「ホイヤー01」などと言った番号がついています。機能や製法で違いがあり、「キャリバー5」が最もシンプルで安価、タグホイヤーの自社製ムーブメント「ホイヤー02」(ホイヤー01は2019年に生産終了している)といったラインナップになります。
カレラ キャリバー5 WAR211A.BA0782
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:39mm
駆動方式:自動巻き
パワーリザーブ:約38時間
防水性:100m
定価:291,600円
前述した「キャリバー5」搭載モデルがコレ!3針+デイト表示のみというシンプルさが、スーツスタイルにも合いやすいということで20代、30代の若手サラリーマンから絶大な人気を誇る一本です。
定価は291,600円ですが、新品並行相場(正規店ではなく並行輸入店で購入した場合の価格帯のこと)では17万円台~。初めて高級時計を購入する方の予算としては適切ですよね。
ケースはステンレスが使用されていますが、同社が誇る加工技術によって、エッジと流麗なケースラインが融合しており、ポリッシュ仕上げと相まってメリハリのある光沢を醸し出しています。
こういった完成度の高さから、お客様に「初めてタグホイヤーを購入するんだけど、何がいい?」と聞かれた時は、まずはキャリバー5搭載機をおすすめします。
なお、キャリバー5搭載モデルには様々な色合いが存在します。
一番人気は最初に画像でご紹介したブラック文字盤ですが、ブルー、グレーなど多彩なカラー展開がなされており、いずれも高い人気を誇ります。
カレラ キャリバー5 WAR211C.BA0782 / WAR211A.FC6180
いずれも並行輸入店であれば20万円以下で購入できるものがほとんどですので、お好きなお色を選ぶと良いでしょう。
カレラ キャリバー5 デイデイト WAR201E.BA0723
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:41mm
駆動方式:自動巻き
パワーリザーブ:約38時間
防水性:100m
定価:313,200円
同じくキャリバー5を搭載しておりますが、こちらは曜日表示機能が追加された一本です。
外装はサイズが2mm大きくなってはいますがデイトタイプと大きくは変わらず、同じくらいの人気カレラとなります。
新品並行相場も大きくは変わらず、18万円前後~。
カレラ キャリバー5 デイデイト WAR201E.FC6292 / WAR201C.BA0723
文字盤カラーにもバリエーションがあるので、こちらも好みで一本をお選びいただけます。
カレラ キャリバー16 クロノグラフ CBM2110.BA0651
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:41mm
駆動方式:自動巻き
パワーリザーブ:約42時間
防水性:100m
定価:518,400円
こちらは「キャリバー16」搭載モデル。クロノグラフ機能(ストップウォッチのこと)が付加されているのが当キャリバーの特徴です。ケースやブレスレットは「カレラシリーズ」であるためキャリバー5と大きくは変わりませんが、かなり印象が異なりますね。
ちなみにキャリバー16のベースムーブメントはETAというムーブメントメーカーが手掛けているのですが、ブライトリングやオメガ、チューダー(チュードル)、パネライなどといった名門でも使用されてきた、紛れもない名機となります。
縦三つ目のインダイアルに精悍なポリッシュ仕上げを施したブラックセラミックベゼルが、男らしさ抜群。この時計を見て「タグホイヤー」と認識する方もいらっしゃいます。
なお、ロレックスのデイトナやオメガのスピードマスターなどもブラックセラミックのベゼルを自社クロノグラフに採用しておりますので、そのかっこよさというのは世間が墨を付けていることがおわかりいただけますね。
こちらは2019年に発表された新バージョンで、やはり文字盤カラーなどにバリエーションがあります。
カレラ キャリバー16 CBM2112.BA0651 / CBM2110.FC6454
ちなみに新品並行相場は33万円~。キャリバー5と比べるとややお値段高めですが、人気のクロノグラフモデルと考えればかなりお値打ち。ちなみに先ほどご紹介したオメガのスピードマスターは50万円~。ロレックスのデイトナに至っては270万円~となっております。
カレラ キャリバー16 デイデイト クロノグラフ CV2A1R.BA0799
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:43mm
駆動方式:自動巻き
パワーリザーブ:約42時間
防水性:100m
定価:545,400円
キャリバー16搭載モデルの、デイデイトバージョンです。デイトのみのタイプと比べて、かなりレーシーな印象が強くなりました。サイズも43mmと大きめで、いかにもレーシングモデルといった様相です。
このように機能性の高いモデルであるにもかかわらず、31万円前後と非常にリーズナブル。
前述の通りキャリバー16自体が名機で、通好みなムーブメントとなります。そのため既に高級時計を何本か所有している方からも支持率の高い一本となります。
カレラ ホイヤー02 クロノグラフ CBG2A10.FT6168
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:45mm
駆動方式:自動巻き
パワーリザーブ:約80時間
防水性:100m
定価:626,400円
これまでご紹介してきたカレラとは、どこか様相が違ったこちらのモデル。搭載するキャリバーは「ホイヤー02」で、タグホイヤーが自社製造を行った機械となります。
この「ホイヤー02」を搭載したモデルのアイコンは、スケルトナイズされた文字盤となります。キャリバー5やキャリバー16搭載機でも裏蓋がシースルー仕様でムーブメントを鑑賞することができるのですが、ホイヤー02では文字盤もスケルトンに。こうすることで、SFチックで、どこか近未来的な様相を呈しました。
なお、2018年までは「ホイヤー01」が自社製ムーブメント搭載機として主流でしたが、2019年よりそちらは廃止され、「ホイヤー02」に一本化。外装面に大きな違いはないのですが、パワーリザーブが約50時間⇒約80時間へと大幅延長されることとなりました。ちなみにタグホイヤーの自社製ムーブメント第一陣は「キャリバー1887」で、そちらも現役で活躍していますが、やはりスペックといった面でナンバーワンは「ホイヤー02」でしょう。
このように、かつてないほどブラッシュアップしているにもかかわらず、新品並行相場は40万円前後~。
ホイヤー01搭載機の相場と大きくは変わりません。
なお、同じくホイヤー02搭載機で、43mmモデルもラインナップされています。
45mmだとちょっと大きすぎる、あまり目立ちすぎる時計はちょっと・・・そんな方々は43mmモデルをお選びいただくと良いでしょう。
人と違ったカレラが欲しい方へ
基本の5機種をご紹介いたしましたが、「通好みの一本が欲しい」「あんまり人とかぶりたくない」そんな方におすすめしたい、定番を外したカレラのモデルをご紹介いたします!
カレラ ホイヤー02 アイルトン・セナ スペシャルエディション CBG2013.BA0657
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:43mm
駆動方式:自動巻き
パワーリザーブ:約80時間
防水性:100m
定価:691,200円
「音速の貴公子」「史上最速・最高のF1ドライバー」「マジック・セナ」などと呼ばれてきた、アイルトン・セナ氏をご存知でしょうか。1980年代後半~1990年代にかけて数々のF1レースを総なめにし、ワールドチャンピオンを3度獲得した、ブラジル出身のレーシングドライバーです。
1994年5月、レース中に34歳の若さで衝突事故により夭逝しますが、今なおその伝説的な活躍は語り継がれるようになりました。
そんなアイルトン・セナ氏の偉業を称え、タグホイヤーは氏へのオマージュモデルを制作しています。カレラだけではないのですが、これがまた非常にかっこよくて、F1ファン・時計ファンたちの心をわしづかみにしてきました。
先ほど「ブラットピットがカレラ人気の火付け役」と申し上げましたが、2001年~2004年までアイルトン・セナモデルが輩出され、タグホイヤーの知名度が一気に上がったことを鑑みると、セナが「タグホイヤー人気の火付け役」と言っていいでしょう。
出典:https://www.instagram.com/tagheuer/
基本スタイルは従来のカレラを踏襲していますが、セナを象徴するレッドカラーが随所に使われていることが特徴です。
ケースは丸みが意識されており、ブレスレットもS字リンクとなって、装着感・存在感が増していることも必見。かなり存在感が上がっており、スペシャルエディションらしさを感じますね。なお、裏蓋にはセナの頭文字「S」が赤字でプリントされています。
セナモデルにも、いくつかのバリエーションが存在します。
カレラ ホイヤー01 アイルトン・セナ スペシャルエディション CAR2A1L.BA0688
素材:ステンレススティール(PVDコーティング)
ケースサイズ:45mm
駆動方式:自動巻き
パワーリザーブ:約50時間
防水性:100m
定価:739,800円
こちらはホイヤー01搭載モデルです。
さらにベース素材はステンレススティールなのですが、PVDコーティングを施していることが特徴。PVDとは、金属の表面処理技術のひとつで「physical vapor deposition」の頭文字からきた略称になります。ある金属に別素材を蒸着する手法なのですが、これによってきわめて高い耐傷性を獲得しました。
また、ブラックカラーにすることで、セラミックなどとはまた違った質感の黒味を帯びることも魅力の一つです。
セナモデルは通常カレラに比べてそう製造本数は多くないのですが、新品並行相場は43万円~44万円台とかなり良心的。
特別な一本が欲しい、といったファッショニスタたちの所有欲を満たしてくれるでしょう。
カレラ キャリバーホイヤー02 GMT CBG2A1Z.FT6157
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:45mm
駆動方式:自動巻き
パワーリザーブ:約80時間
防水性:100m
定価:685,800円
ホイヤー02は自社製ムーブメント、とお話しましたが、こちらはGMT機能を搭載した一本です。
GMTとはGreenwich Mean Time(世界標準時)の略称で、24時間針を使って複数の時間帯を表示できる機能のことです。
一般的には今いる場所の時間帯と、時刻の時間帯などを表示させられるもので、グローバリゼーションが進む昨今、ますますの注目度を浴びる時計機能となっております。ロレックスのGMTマスターなど、人気モデルでGMTが入ったものは少なくありません。
そんなGMTを自社製造ムーブメントに載せた逸品がこちらです。
2018年に登場し、このモデルからホイヤー02の認知度が高まることとなりました。
出典:https://www.instagram.com/tagheuer/
通常のホイヤー02とは異なる青黒バイカラーベゼルで、昼夜時間帯を区別できることもミソ。
価格帯は44万円前後と、価格は大きくは変わりません。
一方で最新世代のスペックを備えたことで一生ものとしてもふさわしい時計に完成されておりますので、現在20代、30代の方が40代、50代になっても使い続けていける逸品と言えるのではないでしょうか。
タグホイヤーのおすすめ②フォーミュラ1
フォーミュラ1もまた、タグホイヤーを代表するシリーズです。
こちらも入門機として、タグホイヤー愛好家が何本か所有する時計としてもおすすめの逸品となります。
詳細をご紹介いたします。
フォーミュラ1ってどんなモデル?
F1から名前をとっているように、カレラと同じくレーシングモデルとして誕生したフォーミュラ1。
1986年登場と、カレラよりは新しいシリーズですが、タグホイヤーは1971年~1979年にわたってF1の公式計時を担当していました。その後F1を代表するチーム「マクラーレン」とスポンサー契約(2003年まで)をしたといった背景を経て、一製品として誕生します。
カレラ同様にラウンドフォルムを採用していますが、カレラよりもレーシーな印象が強く、また、素材などに実際にF1レースカーで使われるものなどを利用する、といった試みがなされていることも特徴です。
一方でエッジよりも柔らかいラインを強調しており、レーシーですがスーツでも悪目立ちしない定番さをも感じさせます。
着用モデル:フォーミュラ1 クロノグラフ CAZ1011.BA0843
また、タグホイヤーきってのコスパ最強シリーズとしても有名で、ものによっては新品並行相場が10万円以下のものもラインナップされているとあって、カレラと並んで高級時計の入門機としての地位を担ってきました。
なお、フォーミュラ1はレディースも豊富です。テニス選手のマリア・シャラポワさんがプロデュースしたこともあり、オシャレな本格ウォッチとして女性陣からも愛されてきました。こういった経緯もあって、カップルやご夫婦でペアウォッチとして使うことも可能です。
フォーミュラ1の人気モデル
フォーミュラ1はカレラほどバリエーションはなく、比較的シンプルです。
しかしながら機能やデザインで遊び心を感じさせるものも多く、幅広い年齢層から支持を集めるに至っています。
その代表モデルをご紹介いたします。
フォーミュラ1 WAZ1118.BA0875
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:41mm
駆動方式:クォーツ
防水性:200m
定価:151,200円
3針+デイト表示のみを携えた、最も基本的なフォーミュラ1です。さらに駆動方式はクォーツですので、使いやすさもポイント!
クォーツは電池が切れない限り時分針が止まるということがありません。そのため機械式時計よりもメンテナンスフリーで済む、という利点があります。
機械式時計はゼンマイが止まってしまったら巻いたり、小まめなオーバーホールが必要。もちろんクォーツであってもオーバーホールや時刻合わせなどは必要ですが、機構がシンプルなため、ぐっと手間いらずで済みますね。
なお、クォーツの方が価格が安い、ということも特徴です。
前述の通り機構がシンプルですので、製造にコストがかからないという利点があるのです。
事実、こちらのモデルは定価151,200円、並行輸入店であれば10万円以下で購入することが可能です。
機構に違いはありますが、外装はタグホイヤーご自慢の最先端加工技術が用いられているため、高級感はカレラの上位モデルと遜色ありません。
フォーミュラ1 クロノグラフ CAZ1011.BA0842
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:43mm
駆動方式:クォーツ
防水性:200m
定価:185,000円
同じく使いやすいクォーツフォーミュラ1の、クロノグラフモデルです。
カレラとはかなり違った印象ですね。
ガッシリと厚みのあるケース・ブレスレットに、大きめサイズの43mmと、かなりスポーティーな仕上がりとなりました。
ちなみにポリッシュ仕上げのチタンベゼルも厚みがあり、全体的にボリューミーです。
当モデルの新品並行相場は15万円程度。
クォーツという使いやすく・手に入れやすい価格から、オフスタイルで使用するサブ機としても高い人気を誇ります。
フォーミュラ1 クロノグラフ CAZ1014.BA0842 /CAZ1014.FC8196
ちなみに同シリーズで、ブルー文字盤×ブルーベゼルタイプもラインナップされています。ブラックはオーソドックスな印象ですが、清涼感あるブルーも魅力的ですね。
ファブリックストラップがついたタイプはスーツスタイルではちょっと勇気がいりますが、メタルブレスと使い分けることでオンオフ両用が可能です(ファブリックストラップなど異なるタイプのベルト・ブレスは要別途購入)。
フォーミュラ1 キャリバー16 クロノグラフ CAZ2015.BA0876
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:44mm
駆動方式:自動巻き
パワーリザーブ:約42時間
防水性:200m
定価:324,000円
クォーツを中心にご紹介いたしましたが、自動巻きモデルも存在します。機械が好き、本格的な時計が欲しいといった方は、こちらがおすすめとなります。
こちらは、カレラの項でもご紹介した、キャリバー16を搭載したモデル。そのためスペックは同一となります。
ただし、フォーミュラ1全てに言えることですが、200mというしっかりとした防水性を有しており、水仕事をする方や汗が気になる方はフォーミュラ1をお選びいただくと良いでしょう。
フォーミュラ1 キャリバー5 WAZ2011.BA0843
素材:ステンレススティール×セラミック
ケースサイズ:43mm
駆動方式:自動巻き
パワーリザーブ:約38時間
防水性:200m
定価:237,600円
自動巻きであるキャリバー5を搭載したモデルとなります。
カレラと一緒で3針+デイト機能のみとなりますが、外装面では遊び心が溢れますね。
このブレスレットはポリッシュ仕上げを施したステンレススティールとセラミックをコンビネーションにした形となります。
セラミックは軽量で傷つきやすさが魅了の素材。実際のF1カーなどでも用いられてきました。
こういった遊び心は、フォーミュラ1ならでは。
まるで実際のレースを走る車の、色とりどりのボディを見ているような気分になります。
新品並行相場は15万円前後~。
人と違ったフォーミュラ1が欲しい方へ
フォーミュラ1はシリーズを通して斬新なデザインが多いため、どのモデルでも一味違った様相を楽しむことができます。
一方でレーシング・チームへのオマージュも多く、人と被りづらい一本を手に入れやすいのではないでしょうか。
フォーミュラ1 アイルトン・セナ スペシャルエディション CAZ1019.FT8027
素材:ステンレススティール(PVDコーティング)
ケースサイズ:43mm
駆動方式:クォーツ
防水性:200m
定価:194,400円
フォーミュラ1にも、セナモデルがあります!
しかも、カレラよりもリーズナブルとあって、アイルトン・セナ氏を知らない世代からも高い人気を博します。
こちらは2017年に発表されたスペシャルエディションです。
ブラックラバーベルトにセナのカラー・レッドが差し色になっているのが、とてもかっこいいですね。
ラバーベルトの耐水性およびフォーミュラ1の高い防水性と併せて、アウトドアシーンでも活躍してくれる一本となっております。
相場はだいたい14万円前後~。
フォーミュラ1 キャリバー7 GMT WAZ211A.BA0875
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:41mm
駆動方式:自動巻き
パワーリザーブ:約42時間
防水性:200m
定価:237,600円
先ほどタグホイヤーの自社製GMTムーブメント搭載カレラをご紹介しましたが、こちらはETAをベースに使ったキャリバー7を搭載したモデルとなります。
もともとフォーミュラ1の方がリーズナブルなこと。加えて「自社製ムーブメント」は多くの時計メーカーにとって付加価値であるため、ホイヤー02は40万円を超えるモデルがほとんどであることに対して、当モデルであれば15万円前後~。もちろん、自社製でないからと言って信頼性に足らない、などと言うことはありません。
昼夜判別が可能な青黒ベゼルと相まって、洗練されたGMTウォッチといった様相を呈します。
タグホイヤーおすすめ③アクアレーサー
アクアレーサーはタグホイヤーのダイバーズウォッチです。
タグホイヤーというとレーシングモデルに特化したクロノグラフの大家、といったイメージを持つ方もいらっしゃいますが、19世紀後半から既に懐中時計用の防水ケースで特許を取得していたり、1969年に世界初の角型防水時計モナコ(詳細は次項に記載)を発表したりと、実は防水時計メーカーとしても長い歴史の中でその名を馳せてきました。
詳細をご紹介いたします。
アクアレーサーってどんなモデル?
前述のモナコなどを輩出したその10年ほど後にあたる1979年、タグホイヤーは300m防水を備えた1000シリーズ(1000フィート=約300m防水、ということからこのネーミング)をローンチします。その後さらに防水性・気密性を高めた2000シリーズ、3000シリーズがラインナップされますが、このシリーズのスペックと意匠を引き継いで2000年代に誕生したのがアクアレーサーです。
ダイバーズウォッチはその名の通り、ダイビングのためのスポーツウォッチとなりますが、その成立にはいくつかの条件があります。
例えば高い防水性はもちろんですが、逆回転防止ベゼル(ダイビングタイムを計測するための機能で、誤ってずらしてしまうことのないよう一方向にしか回らない仕様となっている)、光の届かない深海でも時刻視認ができる夜光インデックス、水が時計内部に入らないためのねじ込み式リューズなどがこれに当たりますが、アクアレーサーではこれら全てを備えています。
と言うのも、アクアレーサーは実際のプロダイバーがデザインや製品開発を手掛けており、ダイバーズウォッチとして必要な機能全てを備えていると言っても過言ではないでしょう。
現行アクアレーサーでは全てのモデルで300m以上の防水スペックを有しており、タグホイヤー唯一のダイバーズウォッチとして、一大コレクションを築いています。
なお、フォーミュラ1同様にレディースラインでも幅広い商品展開がをしていますので、こちらもペアウォッチとして楽しむことも可能です。
アクアレーサー人気モデル
アクアレーサーもまたバリエーションが多岐にわたりますが、基本は前者二つと同じくキャリバー・機能・素材などで分類することができます。
アクアレーサー キャリバー5 WAY2010.BA0927
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:43mm
駆動方式:自動巻き
パワーリザーブ:約38時間
防水性:300m
定価:243,000円
タグホイヤーではおなじみのキャリバー5。そのため3針+デイト表示のみのシンプルさが特徴となります。
機構がシンプルな分、文字盤にあしらわれたエレガントな横縞模様が際だって、海辺だけでなくタウンユースでも存在感を発揮する一本となりました。
加えてこちらは、オーソドックスなステンレススティール製の一本のため、スーツスタイルでもしっくりと着けこなすことができるでしょう。オンオフ両用のオールマイティモデルと言えます。
ちなみに同じキャリバー5でも、やはりバリエーションがあります。
アクアレーサーはカレラよりもその差が大きく、好みが反映しやすいという魅力もあります。
アクアレーサー キャリバー5 WAY201B.BA0927/WBD2111.BA0928
価格帯はいずれも15万円前後~17万円台ほど。
ダイバーズウォッチは潜水を前提に作られているため、その分気密性や堅牢性は抜群。普段からガンガン使っても長持ちするため、コストパフォーマンスという点でも見逃せない逸品です。
アクアレーサー クオーツ WBD1110.BA0928
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:41mm
駆動方式:クォーツ
防水性:300m
定価:178,200円
アクアレーサーにも、使いやすいクォーツがラインナップされています。
サテン仕上げの面が多く精悍な印象をまとったステンレス製ボディに、同素材を使った逆回転防止ベゼル、視認性を意識しつつもシンプルで悪目立ちしない文字盤デザインが非常にタグホイヤーらしい一本と言えるでしょう。
新品並行相場は10万円台~。かなりお値打ちですよね。
アクアレーサーほどのスペックや高級感で、このお値段を実現できる時計メーカーはなかなかありません。もし既にビジネス用途の時計を一本持っている、という方も、気軽にサブ機として手に入れることができますね。
アクアレーサー WBD1112.BA0928/WBD1110.FT8021
なお、アクアレーサー クォーツモデルにもカラーバリエーションが存在します。
ダイバーズウォッチが欲しいけど、あまりにもスポーティーなものはちょっと・・・そんな方はオーソドックスなブラック文字盤がおすすめです。
アクアレーサー クロノグラフ CAY111B.BA0927
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:43mm
駆動方式:クォーツ
防水性:300m
定価:264,600円
やはりタグホイヤーの真骨頂と言えばクロノグラフですね。
クロノグラフ自体が人気機構です。実際に日常生活で使うことはそう多くはないでしょうが、高級機に採用されることも多く、「時計に詳しくないけどクロノグラフのデザインが好き!」といった方は少なくありません。
そんなクロノグラフと、ハイスペックなダイバーズウォッチが融合したこちら。当店でも人気の高い逸品となります。
新品並行相場は16万円台~。きわめて優れたコストパフォーマンスを発揮しています。
人と違ったアクアレーサーが欲しい方へ
アクアレーサー ナイトダイバー WAY108A.FT6141
素材:ブラックチタン(PVDコーティング)
ケースサイズ:43mm
駆動方式:クォーツ
防水性:300m
定価:243,000円
ナイトダイバーは2018年に新たに加わったアクアレーサーの新モデルです。
「ナイトダイバー」のモデル名通り、なんと、インデックスのみならず文字盤全体に夜光塗料が付されているのです。
光の届かない深海での視認性確保はほとんどのダイバーズウォッチに必須の機能ですが、文字盤全体を光らせてしまうという発想はなかなか出てこなかったのではないでしょうか。
潔いまでの白・黒基調のカラーリングが、アクアレーサーの洗練された美を強調しているように思います。
新品並行相場は15万円前後~。
アクアレーサー キャリバー7 GMT WAY201F.BA0927
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:43mm
駆動方式:自動巻き
パワーリザーブ:約42時間
防水性:300m
定価:334,800円
GMT機能を付加した、キャリバー7搭載の一本です。
アクアレーサーらしいデザイン性はそのままに、赤や青というビビッドな色合いを使ったことによって、スポーティーテイストが強まりました。
何度かご紹介しているように、GMT機能はグローバル社会が進む昨今、非常にニーズのある機能です。
かつてフォーミュラ1やカレラのツインタイムには同ムーブメントが搭載されたことがありましたが、アクアレーサーでは初となるので、喜んだファンも多かったでしょう。
自社製ムーブメントのホイヤー02ではなく汎用機を使用したことで、新品並行相場が21万円台~と、価格を抑えられているのも嬉しいところですね。
タグホイヤーおすすめ④モナコ
本稿は初めてタグホイヤーを身に着ける方に向けて、あらゆるシーンで着けやすく・手に入れやすいモデルを中心にご紹介しています。
でも、タグホイヤーにはマニア受けする時計が少なくありません。一本目のカレラからタグホイヤー愛好家へと転身し、以降40代・50代を迎えてもタグホイヤー愛を高める・・・そんな方々も多いです。
そんな「マニア受け」のタグホイヤーの一つがモナコです。「初心者だから、あんまりマニアックな時計はちょっと・・・」といった方もいらっしゃるでしょうが、モナコのすごいところが、スペック面やデザイン面を洗練させ、マニアにも時計初心者にも受けるような仕様を確立していること。
加えて、モナコは誕生から50年を迎えたタグホイヤーのベテランシリーズですが、現在1950年代~1960年代に製造された時計のリバイバル―いわゆるクラシック回帰―が流行しているため、上手にトレンドを取り入れられる、といった魅力もあります。
そんなモナコはどのようなモデルなのか、なぜマニアにも初心者にも受けるのか、をご紹介いたします。
モナコってどんなモデル?
アクアレーサーの項でも言及しましたが、タグホイヤーは防水性の確立にも早い段階から成功させていた時計メーカーです。
その技術力を活かし、1969年、世界初の角型(スクエア=正方形)スポーツウォッチとしてモナコを爆誕させました。なお、「モナコ」は世界三大カーレースと言われるモナコグランプリへのオマージュといったコンセプトを持ちます。
今でこそフランクミュラーだハリーウィンストンだと、角型フォルムは珍しくありません。しかしながら1969年当時はどのメーカーもラウンド時計オンリーです。そもそも丸いムーブメントを搭載するのに、角型ケースは非合理的です。
しかしながらタグホイヤーは「デザインの面白さ」に着目し、スクエアウォッチの開発を試みました。
しかも、角型ケースに防水性を持たせることは、きわめて困難な試みでした。と言うのも、防水の要であるパッキンが丸形しかなかったこと。さらに角型だと裏蓋の構造をねじ込み式にすることができず、どうしても気密性が弱くなってしまうといった事情があったためです。
そこを角型パッキンを用い、かつそのパッキンを精密な蓋でガッチリと挟み込むことで、水に強い仕様にすることとなりました。
モデル:モナコ キャリバー11 ガルフ スペシャルエディション CAW211R.FC6401
さらに言うと、世界初の自動巻きクロノグラフのうちの一つ(同年、ゼニスのエルプリメロなども輩出されており、1969年は同機構のファーストウェーブが到来した年と言える)であり、かつ珍しい左リューズ仕様といった唯一無二の特徴を持つ時計でもあります。
このように華々しい時計として市場に降臨したモナコですが、その後、長らく不遇の時代を過ごしました。1969年にセイコーからクォーツ時計が市販化され、機械式時計のニーズが著しく落ちたこと、スクエアケースがそこまで一般受けしなかったことが大きな要因となります。
しかしながら1970年代、映画スターのスティーブ・マックイーンが有名なカーレース映画「栄光のル・マン」でモナコを着用していたことで、一気に知名度を引き上げます。
この時点では「知る人ぞ知る」といった印象がまだ強かったのですが、その後1998年に本数限定でリバイバル。ここで大ヒットを受け、2002年以降にレギュラー化を果たし、一大人気コレクションとして一世を風靡することとなりました。
出典:https://www.tagheuer.com/ja-jp
こういった歴史や背景だけでなく、どのメディアでも言われるのが、「モナコ自体のデザインが良かったから人気が返り咲いた」というものがあります。
確かにスクエアフォルムのケースは後年のカレラなどにも通ずるようなエッジの利かせ方、およびエレガンスが上手に両立しています。一方で二つ目インダイアルに円状のミニッツサークル、ブルー文字盤をベースに随所にレッドがあしらわれているなど、「オンオフ使える」と「よくそのデザインを思いついたな、といった独創性」が備わっております。
つまり、マニアにとっては「独創性」が、初心者にとっては「オンオフ使える」が受けている、ということ。
初めてタグホイヤーを買う方で、今現在タグホイヤーに惹かれている、というのであれば、モナコのようなマニアックな時計を選んで通を演出してみてはいかがでしょうか。モナコを着けている若手がいたら、時計に詳しい・あるいはレース映画好きのオジサンは「良い時計知ってるな!」と一目置いてくれるでしょう。
モナコ人気モデル
モナコは一見似たようなモデルが多数ラインナップされているように見えますが、大きく分けると「スティーブ・マックイーンが着用した時計のリバイバル」「それ以外」となります。
詳細をご紹介いたします。
モナコ キャリバー11 スティーブ・マックイーン CAW211P.FC6356
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:39mm
駆動方式:自動巻き
パワーリザーブ:約40時間
防水性:100m
定価:680,400円
「栄光のル・マン」でスティーブ・マックイーンに使用されたオリジナルモナコには下記のような特徴があります。
■オリジナルの文字盤は光沢感の少ないブルーカラー
■オリジナルは2時、5時、7時、11時のインデックスが横棒デザイン
■インデックスと針に赤色が使用されている
■ロゴがTAG表記のない旧ブランドの「ホイヤー」表記
■ガラスにはプラスチック風防が使用されている
そして、この特徴を忠実に再現したモデルが、こちらです。2015年にローンチされました。
文字盤の特徴を忠実に守って作られており、往年のヴィンテージ感をたっぷりと楽しむことができるでしょう。
なお、このリバイバルは、左リューズになっていることも大きな特徴です。
なぜ左側にリューズが付いているのかというと、映画「栄光のル・マン」でスティーブ・マックイーンが右手にモナコを着けていたからです。
ヨーロッパの車は左座席の左ハンドルが基本。そのため、シフトレバーを右手で操作することになります。かなりのスピードを出し競うカーレースでは、左手は常にハンドルを握った状態となるため、実は腕時計を右手に装着した方が時間を確認しやすいのです。
厳密にはオリジナルは右リューズですが、今ではモナコと言えばレフトハンドを思い浮かべる方も多くなってきました。
定価は680,400円、新品並行相場が44万円前後とややお高めですが、その価値は十二分に有しています。
モナコ キャリバー12 スティーブ・マックイーン CAW2111.FC6183
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:39mm
駆動方式:自動巻き
パワーリザーブ:約40時間
防水性:100m
定価:621,000円
パッと見は先ほどご紹介したスティーブ・マックイーンモデルと変わらないこちらは、右リューズ仕様のモデルとなります。
初出は2009年と、こちらの方が実は最初にマックイーンモデルとしてリバイバルされていました。
ちなみに左リューズの方が「キャリバー11」、こちらは「キャリバー12」とムーブメントに違いがありますが、キャリバー11は初代モナコに搭載されていた名機すら復刻させたものにあたり、キャリバー12はその進化版です。
事実、精度や信頼性は後者の方が上回ります。
しかしながらこの往年のキャリバー11がイイ!というマニアは、左リューズを選ぶようです。
特にこだわりがないようであれば、新品並行相場37万円台~と比較的お値打ちなこちらのモデルを選択すると良いでしょう。
モナコ クォーツ WAW131A.FC6177
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:37mm
駆動方式:クォーツ
防水性:100m
定価:199,800円
「モナコの雰囲気は味わいたいけど、もう少し安いモデルを探している」
そんな方に向けて、クォーツモナコもラインナップしています。
新品並行相場は14万円台~と、機械式モデルと比べて半分以下のお値段。また37mmと小さめサイズのため、腕の細い方にもおすすめできる逸品です。
タグホイヤーおすすめ⑤リンク
出典:https://www.instagram.com/tagheuer/
1999年、エレガンス・スポーツウォッチというコンセプトで誕生したのがリンクです。
カレラやアクアレーサーほどのメインストリームではありませんが、バーゼルワールド2016のリニューアルで一層の注目を集めつつあるコレクション。
時計雑誌などでも最近とみにリンクの特集を組んでおり、タグホイヤーの新たなる定番としての地位を確立しつつあります。
リンクってどんなモデル?
リンクは、もともとは1987年に誕生したS/eL(セル)という名前のシリーズでした。これはSports/Eleganceを略したものです。ただ、セルが大受けした理由は、「人間の背骨」をイメージしたS字型コマのブレスレット。セルにもまた派生モデルが多いですが、このS字コマタイプが最も有名かつ人気商品として成立しました。そのヒットの累計たるや、150万本にも及ぶとか。
ちなみにアイルトン・セナ氏が着用したことも、人気に大きく貢献したのでしょう。
※デザイン変更前のリンク CJF2115.BA0594
この背骨のS字ブレスを継承したのがリンクです。1999年のことでした。
その後、ウブロでビッグバンを大ヒットの導いたジャン・クロード・ビバー氏がタグホイヤーのCEOに就任すると、リンクが一新します。
1999年からラインナップされていたリンクは、どちらかと言えばエレガンスよりスポーティーに拠ったものでした。当時、デカ厚ブームの真っただ中であったことも無関係ではないでしょう。
しかしながらビバーさんは、リンクの「エレガンス」に着目します。
オーソドックスなラウンドフォルムに、独特のS字ブレスはそのまま継承されていますが、外装の加工技術が従来とは全く異なるレベルに仕上がっています。
出典:https://www.instagram.com/tagheuer/
何度か言及していますが、タグホイヤーの高い加工技術はもちろんカレラやフォーミュラ1でも目を見張るものがあります。しかしながら、リンクのエレガンスを表現するようになってその本領が開花したと言えるのではないでしょうか。
具体的に言うと、S字のコマはポリッシュとサテン仕上げが交互になされており、立体感が際立ちます。ちなみにリンクは比較的スリムなのですが、この立体感によってスーツの袖口からもハッキリとわかる存在感があることもミソ。
なお、見た目の高級感のみならず、人間工学に基づいて製造されているため、装着感にも定評があります。背骨がインスピレーション源なだけあり、同社ではここに特に力を入れているようです。
こういった魅力に加えて、タグホイヤーらしくリーズナブルな価格帯で提供されてきました。
自社製ムーブメント搭載モデルはありませんが、それが逆に「ラグジュアリーな時計を安価に手に入れられる」ことに繋がっており、これまではカレラやフォーミュラ1に多かった「若い世代」のファンを増やすこととなりました。ビバーさんのブランド戦略の巧みさを感じさせます。
リンク人気モデル
リンクの人気モデルをご紹介いたします。
リンク キャリバー5 WBC2112.BA0603
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:41mm
駆動方式:自動巻き
パワーリザーブ:約38時間
防水性:100m
定価:345,600円
カレラなどでお馴染み、キャリバー5を搭載したリンクです。
スペック自体は大きく変わりませんが、リンクの外装となることで、かなりドレッシーな印象となりましたね。
ケースの厚みは11.5mmほどと、カレラよりスリムとなっており(カレラのキャリバー5搭載機は約13.5mm)、丁寧に仕上げされたS字コマリンクと相まって、スーツスタイルにこそマッチするスポーツウォッチといった様相です。
文字盤デザインも非常にシンプルで余計なものが一切ないため、仕事中でも時間を確認しやすい、というメリットがあります。
黒文字盤タイプだとよりオーソドックスで、ちょっとしたフォーマルシーンやパーティーシーンにも使えそうですね。
新品並行相場はともに23万円台~。
リンク キャリバー17 クロノグラフ CBC2110.BA0603
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:41mm
駆動方式:自動巻き
パワーリザーブ:約42時間
防水性:100m
定価:523,800円
リンクにも、ややスポーティー寄りなクロノグラフモデルが存在します。
こちらは自動巻きのキャリバー17を載せており、ケース厚約14mmとややボリューミーですが、他社のクロノグラフと比べたらかなりスタイリッシュです。ケースサイズが41mmと、そこまで大きくないことも嬉しいですね。
新品並行相場は約31万円台~となります。
なお、クロノグラフモデルも二色が揃っています。
まとめ
初めてタグホイヤーを購入するけど、どれがおすすめか知りたい。タグホイヤーってどんなモデルがあるの?通好みの一本を知りたい。
そんな20代・30代の男性陣に向けて、タグホイヤーの代表シリーズとおすすめ人気モデルをご紹介いたしました。
ちなみにタグホイヤーをお選びいただくもう一つの利点として、実は「値崩れしづらい」というものがあります。
通常、高級時計のエントリーブランドにあたるものは、カジュアルウォッチの分類となることもしばしばで、使わなくなって売ろうと思った時に二束三文にしかならない、というものも少なくありません。
そこへきてタグホイヤーは超人気ブランドであること。加えて時計通からも一定の評価を得ていることから、資産価値としても注目度を浴びているのです。
もちろん「絶対に高く売れる」というお約束をするものではありませんが、初めての高級時計として使って、その後ワンランク上の一本に移行する。そんな価値を持つタグホイヤーは、まさに一石二鳥も三鳥も楽しめるブランドではないでしょうか。
この機会に、ぜひタグホイヤーをご検討ください!
当記事の監修者
新美貴之(にいみ たかゆき)
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 店舗営業部 部長
1975年生まれ 愛知県出身。
大学卒業後、時計専門店に入社。ロレックス専門店にて販売、仕入れに携わる。 その後、並行輸入商品の幅広い商品の取り扱いや正規代理店での責任者経験。
時計業界歴24年