「アンティークロレックスのレアモデルは高値がつくって本当?」
「デイトナのレアモデルについて知りたい」
米公共放送PBSの鑑定番組にて、元兵士の男性が1974年に約3万8000円で購入したロレックスに対し、「4,400万円」の価値があるという鑑定結果がでました。
アンティークロレックスには圧倒的な資産価値を誇るモデルがいくつか存在しますが、どうやら鑑定されたのはデイトナ Ref.6263 ポール・ニューマンモデルだったようです。
約35年寝かせた時計が1,150倍の価格に膨れ上がるというドラマのような展開。
そんなアンティークロレックスのレアモデルについて知りたいという人は多いのではないでしょうか。
6263はアンティーク時計においては別格のモデルではありますが、ロマンを感じずにはいられません。
この記事では高値がついたデイトナ 6263 ポール・ニューマンモデルについて、GINZA RASINスタッフ監修のもと紹介します。
高額な鑑定結果になった理由についても解説しますので、アンティークロレックスに興味がある人はぜひ参考にしてください。
出典:https://www.phillips.com/detail/ROLEX/NY080117/8
※写真の型番は「ポール・ニューマン」Ref.6239
目次
デイトナ 「ポール・ニューマン」 Ref.6263 について
27日に放送されたPBSの鑑定番組「アンティーク・ロードショー」に出演した男性。
彼が持っていたのはコスモグラフ デイトナ Ref.6263でした。
ロレックス コスモグラフ デイトナ Ref.6263
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径 37.0mm
全重量:96g
文字盤:シルバー/ブラック/ホワイトなど
インデックス:バー
ムーブメント:Cal.727
パワーリザーブ:約50時間
防水性能:50m
この時計は1970年に登場したデイトナ第3世代となるモデルであり、手巻きデイトナとしては最終型となります。
歴代のデイトナの中で最も人気が高く、どんな個体も最低500万円を超える価値を持ちます。
ポール・ニューマンが1969年の映画「レーサー」で着用していたことからポールニューマンモデルの1つとして数えられ、コレクター垂涎の一本として常にアンティーク市場をにぎわせています。
Ref.6263の特徴
6263はムーブメントにはバルジュー社製のクロノグラフムーブメントCal.72をベースにロレックスが改良を加えたCal.727を搭載した名機です。前作から防水性能は50mに上げられ、オイスターケースの称号を得ました。
同じリファレンスでもデザインとカラーバリエーションが異なる個体があり、それぞれに魅力を秘めています。
DAYTONAのモデル名表記の無い「デイトナ表記なし」と、DAYTONA表記の大きい「ビッグデイトナ」の2種類が存在しますが、男性が持っていたデイトナは「デイトナ表記なし」のホワイト文字盤です。
Ref.6263の中でも非常に珍しい個体であり、それが評価に繋がったのでしょう。
高額な鑑定結果になった理由
今回の鑑定結果は、ただポール・ニューマン・モデルであったことだけではありません。
新品同様の状態で保管していたからこそ、これ程までの価値が付きました。
元兵士の男性は空軍基地の交換所を通じて1974年にデイトナ Ref.6263を購入しましたが、高価な時計であったことから普段使いはせず、40年近く金庫に保管していたようです。
時々取り出して眺めてはいたようですが、使用感は殆どなく、保証書・説明書・領収書・箱といった付属品まで当時のまま保管されていました。
鑑定士は「ポール・ニューマン・モデルの中でも特に希少性が高い。世界中探してもこれ以上良い状態のものはないだろう」とコメントを残しており、4,400万円よりもさらに価値が上がり、6,000万円以上の評価を受ける可能性もあるとも言っています。
当記事の監修者
池田裕之(いけだ ひろゆき)
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 買取部門 営業企画部 MD課/買取サロン 課長
39歳 熊本県出身
19歳で上京し、22歳で某ブランド販売店に勤務。 同社の時計フロア勤務期に、高級ブランド腕時計の魅力とその奥深さに感銘を受ける。しばらくは腕時計販売で実績を積み、29歳で腕時計専門店へ転職を決意。銀座ラシンに入社後は時計専門店のスタッフとして販売・買取・仕入れを経験。そして2018年8月、ロレックス専門店オープン時に店長へ就任。時計業界歴17年