「ロイヤルオーク15400STの買い時はいつ?」
「ロイヤルオークの相場はどうなっていくの?」
オーデマピゲ ロイヤルオークの看板役と言えば、SS製3針の15400STです。
2012年の発売以来、高級スポーツウォッチ市場を牽引してきました。
しかしながら、SIHH2019で突如として発表されたロイヤルオーク 15500ST。
外装は既存の15400STと大きくは変わらないものの、「開発に5年の歳月をかけた」とオーデマピゲ自身が豪語する新ムーブメントCal.4302が搭載されることとなりました。
とは言え15400STはすぐにお払い箱になったわけではなく、2019年の間は15400STと15500STで併売される形に。
そのため15400STの相場自体は激動と言うほどではありませんでした。
しかしながら明けて2020年。
ついに15400系のロイヤルオークの、生産終了が確定しました。
近年、ロイヤルオークは全体的に流通量が枯渇している状態です。
世界的に高すぎる需要に、供給が全く追い付いていないためです。
そのため実勢相場はぐんぐんと上がっており、定価はあってないようなものに・・・
そんなロイヤルオークの相場について知りたいという人は多いのではないでしょうか。
コンディションの良い15400STをお求めなら、買い時は今だといわれています。
この記事ではロイヤルオークの相場を、GINZA RASINスタッフ監修のもと解説します。
15400STと15500STの魅力についても解説しますので、ロイヤルオークの購入をお考えの方はぜひ参考にしてください。
※掲載する情報は2020年3月現在のものとなります。
※相場は日々変動しており、上昇や下落をお約束するものではありません。参考程度にお読みくださいませ。
目次
オーデマピゲ ロイヤルオーク 15400STと15500STについて
まず始めに、ロイヤルオークの15400STと15500STについて解説いたします。
■オーデマピゲ ロイヤルオーク 15400ST
ケースサイズ:幅41mm×厚さ9.8mm
素材:ステンレススティール
文字盤:黒・青・シルバー・グレー(グレーは2017年追加)
ムーブメント:自動巻きCal.3120、21,600振動/時
パワーリザーブ:60時間
防水性:50m
定価:2,035,000円(税込)
製造期間:2012年~2019年
■オーデマピゲ ロイヤルオーク 15500ST
ケースサイズ:幅41mm×厚さ10.4mm
素材:ステンレススティール
文字盤:黒・青・グレー
ムーブメント:自動巻きCal.4302、28,800振動/時
パワーリザーブ:70時間
防水性:50m
定価:2,365,000円(税込)
製造期間:2019年~
ロイヤルオークは、ご存知オーデマピゲのフラグシップです。
1972年に誕生した当モデルは、世界で初めての超高級ステンレス製スポーツウォッチ。そのため「ラグジュアリースポーツウォッチ」という概念を時計業界に打ち立てることとなりました。
さらに「直径39mm」というアイデンティティもミソです。と言うのも、36mmアンダーのケースが主流であった当時としてはきわめて大型の時計(しかも薄型でエレガンスは忘れていない)をリリースしたことを意味しています。
発売当時の賛否両論を乗り越え、今では「いつかは欲しい憧れのスポーツウォッチ」の定番として君臨することとなりました。
そんなロイヤルオークは何度かモデルチェンジを経ていますが、最も有名なものは15400ST。2012年に発表され、従来の「39mmケース」より2mmアップサイジングされたことでロイヤルオーク人気に火を付けました。
このまましばらくは15400STの一強かと思いきや、2019年、突如として新型ロイヤルオーク15500STが登場します。
左:15500STの裏蓋 / 右:15400STの裏蓋
外装自体は大きくは変わらないものの、ムーブメントが大きくスペックアップされたこと。
加えてシースルーバックから覗くムーブメントのローターが、よりオーデマピゲらしくなったことが15500STの特徴です。
そんな背景もあってか15500STは堅実に相場を上げてきました。
どのブランドにも言えることですが、新作が出て一年ほどは「ご祝儀価格」的な相場が続き、比較的高い販売価格を維持します。オーデマピゲのように大量生産とは無縁のハイブランドであれば、ロット数の少なさも相まって尚更プレミアとも言うべき相場を記録してきたと言っていいでしょう。
しかしながらこの度15400STが廃盤に。あるいは相場が逆転するシナリオもバイヤーの間では囁かれております。
次項で解説いたします。
オーデマピゲ ロイヤルオークの2020年相場はどうなる?
では、実際にオーデマピゲ ロイヤルオークの相場はどうなるのでしょうか。
GINZA RASINのスタッフが考察してみました!
①ロイヤルオーク 15400STの生産終了によってさらに流通量が枯渇する?
冒頭でもご紹介したように、2019年の間は15400STと15500STが併売されている形でした。
しかしながら在庫処分のような形があったのでしょう。そのため15400STの流通量が増えたわけでなく、むしろ世界的に高まる需要で流通量は枯渇。そんな稀少性から、ますます相場を上げるという現状です。
以下のグラフをご覧ください。
現在の並行相場は、どのモデルも中古で400万円超え。とりわけ青文字盤のRef.15400ST.OO.1220ST.03の枯渇は凄まじく、中古であっても600万円超えという急騰を描いています。
15500STの登場によって、「15400STがなくなるかも?」といった危惧から買いに走った方がいらっしゃる。あるいは高級時計市場はこのご時世でも拡大していると言いますが、そのビッグウェーブに乗ってロイヤルオーク人気がますます高まる。
こういった背景から需要が集中し、相場が上がった、ということもあるでしょう。
しかしながら流通量の枯渇も相場上昇の大きな要因です。
人気と相まって新品がなかなか流通しなくなり、正規店はおろか並行輸入店ですら在庫確保が難しい状況です。
これは中古相場でも顕著であって、状態問わず15400STを市場でなかなか見かけなくなりました。
とりわけ新品が供給されなくなったとあれば、新品あるいは状態の良い中古品が今後、ますます少なくなっていくであろうことは想像に難くありません。
とは言え、まだ生産終了したばかりと言うこともあり、コンディション良好な個体はまだ結構多いでしょう(稀少ではありますが)。
ただ、年月を経れば経るほど相場が高まる可能性は否めません。
②オーデマピゲが定価を上げた事実も見逃せない
実は2020年明け、オーデマピゲは価格改定を敢行しました。
これはオーデマピゲだけでなく、ロレックスやチューダー、パテックフィリップなどにも当てはまること。最近新型コロナウイルス(COVID-19)などの影響で高級嗜好品への消費はシュリンクしている、といった声を聞くこともありますが、むしろ前項でもご紹介したように相場は上昇。それに合わせて各メーカーが定価上げを行っており、かなり強気ともとれる戦略が垣間見えますね。
これはブランド側が「高額品を少量売って利益を得る」という狙いで以て行っている施策とも取れますが、実際に相場がジワジワ上がっていることを鑑みれば、高級時計への需要が依然として高いことは明らかです。
もっとも、金などの安全資産のように、地政学リスクが高まった今、現金化しやすい高級時計への需要が高まっている、ということもあるでしょうが・・・
話は逸れましたが、ブランド戦略にしろただ単に原価が上がったからにせよ、値上げされていることは事実です。
15400STは廃盤のため定価に縛られることはありませんが、15500STはなんと16万円アップ・・・
定価が上がれば、それと比例して実勢相場も上昇します。
となると、15500STの相場に釣られて15400STも値段が上がってしまい、予断を許さない状況に。
定価改訂がすぐに相場に反映されるわけではありませんが、やはり前項の「年々高まる流通量の枯渇」と合わせて、年月を経るほどに
③ロイヤルオーク 15400STは買いか待ちか?
では、相場が上昇傾向にある今、15400STは今のうちに「買い」でしょうか。
あるいはこのご時世。ここからどんどん相場が下落する可能性を考慮し、「待ち」でしょうか。
相場は需要と供給はもちろん、社会情勢や為替相場によっても変動します。そのため一概には言えませんが、ただ確実なことは今後、新品状態やコンディションの良好な15400STは市場から減っていくだろう、ということ。
機械式時計は精密機器であるため、当然ながら新しいほど価値を持つ傾向にあります。
「中古でも、比較的新しめのものが欲しいな」
そう思っている方もいらっしゃるでしょう。
もちろん年式の古いモデルもそれはそれで味わい深いものがありますが、「今」15400STのご購入をご検討の方は、「欲しい時にない!」といった状態を避けるためにも、お早目のご決断をお勧めいたします。
まとめ
オーデマピゲ ロイヤルオーク 15400ST系の生産終了について。それに伴う相場動向と「買い時」についてご紹介いたしました。
なお、例年春先は多くのブランドから渾身の新作が生み出される一大シーズンでもあります。
この時期は人気ブランドの全体的な相場が上がるケースが非常に多いので、動向から目を離さないようにしましょう!
なお、当店では15400STの取り扱いに力を入れております!
気になる方は、ぜひ一度お問合せくださいませ!!
当記事の監修者
南 幸太朗(みなみ こうたろう)
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 買取部門 営業企画部 MD課/買取サロン プロスタッフ
学生時代に腕時計の魅力に惹かれ、大学を卒業後にGINZA RASINへ入社。店舗での販売、仕入れの経験を経て2016年3月より銀座本店 店長へ就任。その後、銀座ナイン店 店長を兼務。現在は営業企画部 MD課 プロスタッフとして、バイヤー、プライシングを務める。得意なブランドはパテックフィリップやオーデマピゲ。時計業界歴13年。