「サブマリーナ114060と124060の違いって何だろう?」
「サブマリーナ114060と124060だったらどちらを選んだら良い?」
ロレックスの数あるモデルの中でもトップクラスの人気を誇るサブマリーナ ノンデイト。
これまでは2012年に発売された「Ref.114060」が現行モデルとして愛されてきましたが、2020年新作モデルとして次世代機「Ref.124060」が発表されました。
サブマリーナ ノンデイトとしては実に8年振りのモデルチェンジでしたが、114060と124060の違いについて知りたいという人は多いのではないでしょうか。
ロレックスのスポーツモデルは生産が終了すると価値が高騰する傾向があります。
この記事ではロレックス サブマリーナ ノンデイト114060と124060の違いを、GINZA RASINスタッフ監修のもと解説します。
定価の違いと今後の相場についても解説しますので、ロレックス サブマリーナの購入をお考えの方はぜひ参考にしてください。
出典:https://www.rolex.com/ja
目次
サブマリーナ ノンデイト114060と124060の違い
サブマリーナはこれまでに幾度もモデルチェンジを果たしてきたモデルですが、デザイン性やコンセプトは初代モデルから殆ど変わっていません。114060と124060に関しても大きな見た目の変化は見受けられず、ぱっと見た感じはどちらも同じ時計に見えるでしょう。
しかし、細部までよく確認すると大きな違いがあることがわかります。
製造期間:2012年 ~ 2020年
搭載ムーブメント:Cal.3135
まずは旧型となった114060をチェックします。
114060はノンデイト仕様のサブマリーナとしては7作目にあたります。見た目がシンプルであることからどんなシーンでも使いやすく、ロレックス初心者から上級者まで幅広く愛用されています。ベゼルの質感や針のデザイン、ダイバーズウォッチらしい堅牢性。すべてにおいてバランスのとれた名作として評価され、8年間に渡り現行ノンデイトとしてサブマリーナ人気を支えてきました。
ケースサイズは40mm、ベゼルには独特の光沢感を持つロレックスの特許取得素材セラクロムが使用され、5桁リファレンスのノンデイトよりも高級感が増しています。
出典:https://www.rolex.com/ja
製造期間:2020年 ~ 現在
搭載ムーブメント:Cal.3230
114060の発売から8年。世界中の時計ファンが待ち望んだサブマリーナ ノンデイトの2020年新作がRef.124060です。
300m防水という優れた防水性能を備えながらも厚みを抑えた設計、他の金属よりも耐久性があるセラクロム素材の採用、そしてデイトを持たないクラシカルなデザイン。124060においても過去の名機の魅力を見事に受け継いでいます。
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一見瓜二つに思える114060と124060ですが、実は多くの変更点が存在します。
- ケースサイズの大型化
- ラグ幅が細くシャープに
- ブレスレットの幅が1mmアップ
- コマ数の変更
- 文字盤6時位置の「SWISS MADE」表記
- ドットインデックス
- ムーブメントの変更
※同時期に発表された「新型サブマリーナデイト126610LN」と「旧型116610LN」の違いもほぼ同様になります。
①ケースサイズが41mmにサイズアップ
114060と124060の最大の違いはケースサイズにあります。
サブマリーナノンデイトは1989年に発売された14060から、14060M、そして114060まで約40年にわたり40mmケースを採用し続けてきた歴史を持ちます。
このサイズ感は完成されたケースサイズと呼ばれ、長きに渡りサブマリーナの定番として親しまれてきました。
しかし、124060これまでの歴史を大きく変える41mmケースを採用。
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ケースの大型化が行われると厚みも増えがちですが、新型124060は旧型114060とほぼ同様の厚みを保っています。
41mmになってもノンデイトらしいクラシカルな印象は失われていません。
懸念されたケースと文字盤のバランスも全く崩れることなく、絶妙なバランスで進化を遂げています。
②ラグ幅が細くシャープに
124060はケースサイズの大型化に伴い、ラグのデザインも変更されました。
ラグ幅が約1mm細くなっており、リューズガードも弧をより強調としたデザインとなっています。
ラグのシャープ化は近年のロレックスのトレンドともいえます。ディープシーが116660から126660に進化した時も同様の変更が行われており、124060のみならず今後ラグ幅が変更されるモデルは増えていくでしょう。同時発売されたデイト付きの126610LNやグリーンサブ126610LVも同じ変更が加えられており、今後はこのラグデザインがロレックスのスタンダードになっていくと思われます。
③ブレスレットの幅が1mmアップ
新型124060はケースの大型化とラグのデザインが変更されたことに伴い、フラッシュフィットとブレスレットのバランスも調整されています。
それに合わせてコマの幅の変更も行われ、旧型114060よりも幅が1mm広くなりました。
今回は解説のために細かく項目分けをしましたが、「ケースの大型化・ラグの変更・コマ幅の変更」は全てひっくるめて、ノンデイトのシルエットをより美しくするための変更と感じます。
なお、124060を手にするにあたり、旧モデルのコマと互換性がなくなったことを覚えておく必要があります。
ロレックスはコマの幅が同一であれば異なるモデルのコマであっても使用することができましたが、124060はそもそもコマのサイズが変更されてしまったので、以前のコマを用いることはできません。
今のところ、コマを別途購入する際には新型用のコマを選ぶ必要があります。
④コマ数の変更
新型124060は旧型114060よりもコマが1つ少ない設計となっています。
6時側の仕様は114060と幅以外はほぼ同様ですが、12時側に関しては外せないコマと外せるコマに違いがあり、コマの数も異なります。
殆どの方にとって大きな問題にはならないかと思いますが、調整できる幅が狭まっていることには注意してください。
12時側 外せないコマ4つ、外せるコマ(大コマ2、小コマ1)
6時側 外せないコマ3つ、外せるコマ(大コマ2、小コマ0)
12時側 外せないコマ3つ、外せるコマ(大コマ4、小コマ1)
6時側 外せないコマ3つ、外せるコマ(大コマ2、小コマ0)
⑤文字盤6時位置の王冠マークの有無
ロレックスの文字盤は年式によって様々な違いがありますが、新型124060は旧型114060と比較すると文字盤6時位置の「SWISS MADE」のデザインが異なります。
特筆すべきは王冠マークの有無です。
旧型はシンプルな「SWISS MADE」表記ですが、新型はSWISSとMADEの間に王冠マークが配されています。
左:114060 右:124060
なお、114060は目盛りの上に「SWISS MADE」を配置していますが、124060は目盛りの下に「SWISS MADE」を配置されています。
⑥ドットインデックスのフチの太さが違う
「SWISS MADE」表記だけでなく、新型ノンデイト 124060 ではドットインデックスのフチの太さも変更されています。
124060はこれまでのドットインデックスよりも若干フチが太いデザインとなっており、クッキリとして輪郭を持つようになりました。
左:114060 右:124060
遠目からでは決してわからない誤差ともいえる違いではありますが、ルーペで見ると仕様が異なることがわかります。
間違い探しのようですが、これもロレックスの遊び心なのかもしれませんね。
⑦新型ムーブメント Cal.3230を搭載
114060と124060では搭載ムーブメントが違います。スペックが大きく異なるので、ノンデイトを購入する際にはスペックの差を踏まえて検討してください。
114060に搭載されるムーブメントは完全自社製ムーブメントCal.3130。
デビュー時はノンクロノメーターでしたが、2007年にクロノメーター化が図られ、114060が発売された2012年には耐磁・耐衝撃性に優れるパラクロム製ヒゲゼンマイが採用されました。
精度・耐久性・メンテナンス性。どれをとってもハイスペックであり、今尚ロレックスの定番3針ムーブメントとして高い評価を得ています。
時分秒、ハック機能
クロノメーター認定(2000年~2007年までのモデル除く)
パワーリザーブ約48時間
28,800振動/時
製造年:2000年~
出典:https://www.rolex.com/ja
対して、新型124060には「新世代ムーブメント」と称される Cal.3230が搭載されています。
Cal.3230はブルーパラクロム・ヘアスプリングによる高耐磁性、日差-2 ~+2 秒の優れた精度、そして約70時間のロングパワーリザーブを誇るロレックスの新たなるスタンダードです。
土日に腕時計を外していても時間が止まらない実用性が評価されており、Cal.3230を搭載したメリットは大きいといえます。
サブマリーナの新作発表に伴いムーブメントが一新されるという予想は前々からありましたが、見事にそれが的中した形となりました。
Cal.3130とCal.3230。どちらも素晴らしいムーブメントであるのは間違いありませんが、パワーリザーブの長さに拘りたいのであれば、新型Cal.3230を選ぶのがよいでしょう。
時分秒、ハック機能
クロノメーター認定
パワーリザーブ約70時間
28,800振動/時
製造年:2020年~
定価の違いと今後の相場
基本性能が向上したことに伴い、124060は114060よりも定価が上がっています。
114060の定価は832,700円(税込)。それに対し新型124060は税込854,700円(税込)。約2万円値上がりしました。
ただ、デイトナやGMTマスターといった他のスポーツロレックスと同様、正規店で手に入れることが難しいことから実売価格はプレミアが付いています。
既に海外では200万円前後で取引されている例もあり、国内においても100万円台後半で販売される可能性が高いです。
40mmと41mmという僅か「1mm」のケースサイズの差が今後どのように価格に影響を与えていくのか、長期的なスパンで見極めていく必要があります。
新型124060の発売に伴い114060の相場も気になるところです。
ロレックスのスポーツモデルは生産が終了すると価値が高騰する傾向があり、すでに114060も新作発表前よりやや高値(中古で130~140万円程度。※新作発表前は120~130万円程度)で取引されています。
114060の売却をご検討されている方には朗報ではないでしょうか。
当記事の監修者
池田裕之(いけだ ひろゆき)
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 買取部門 営業企画部 MD課/買取サロン 課長
39歳 熊本県出身
19歳で上京し、22歳で某ブランド販売店に勤務。 同社の時計フロア勤務期に、高級ブランド腕時計の魅力とその奥深さに感銘を受ける。しばらくは腕時計販売で実績を積み、29歳で腕時計専門店へ転職を決意。銀座ラシンに入社後は時計専門店のスタッフとして販売・買取・仕入れを経験。そして2018年8月、ロレックス専門店オープン時に店長へ就任。時計業界歴17年