「タグホイヤー カレラは何がすごいの?」
「カレラの魅力や人気モデルについて詳しく知りたい」
ロレックス・オメガと並ぶ花形ブランド「タグホイヤー」。
老若男女問わず幅広い層から人気を得ており、スイス老舗高級時計メーカーでありながらも抜群のコストパフォーマンスを誇るブランドとして有名です。
今回紹介するカレラは、そんなタグホイヤーの中で最も人気のあるシリーズです。
レーシングウォッチとして生まれ、様々な進化を遂げながら今では世界中の男性から高い評価を獲得している「カレラ」。
そんなカレラの魅力や人気モデルが知りたいという人は多いのではないでしょうか。
カレラはコストパフォーマンスに優れ、ステータス性も抜群であることから、20代30代のビジネスマン向けの時計としても人気です。
この記事ではカレラの魅力や人気モデルの解説を、GINZA RASINスタッフ監修のもと解説します。
カレラの種類についても解説しますので、タグホイヤーの購入をお考えの方はぜひ参考にしてください。
目次
タグホイヤー カレラの魅力とは?
タグホイヤーのフラグシップ カレラ。
デザイン・コストパフォーマンス・ステータス性・機能性、全てにおいてハイレベルに纏まっており、50万円以下のブランド時計の中ではオメガを凌ぎ、最も人気が高いモデルです。
スペイン語で「情熱」という意味も持つカレラは1964年にロードレース「カレラ パンアメリカーナ・メキシコ」とF1チャンピオン「ファン・アニュエル・ファンジオ」の二大レースへのオマージュとして誕生しました。
50年以上もの歴史を持つ超ロングセラーであり、まさにタグホイヤーの歴史を象徴するモデルといえるでしょう。
レーシングモデルではありますが、エレガントなデザイン性を持ち、スーツスタイルにもカジュアルファッションにもマッチするのが魅力です。
オシャレな時計として若い世代を中心に爆発的な人気を博しています。
優れたコストパフォーマンス
タグホイヤーのブランドコンセプトは「手の届くラグジュアリー」です。
ラグジュアリービジネスとひと口に言っても、その市場はプライシングの高低によっていくつかに分類でき、その中でも「アクセシブル層」(エントリー高級)をターゲットにしています。
アクセシブルとは「手が届く」という意味であり、財布やアクセサリーではコーチやバーバリーなどが挙げられます(※5~10万円の誰でも手に入れられる価格帯の高級品が該当します。高級時計においては5~40万円の価格帯が該当するでしょうか)。
アクセシブル層に該当する顧客は若干背伸びをして購入することが多く、価格に敏感であることが多いです。
そのため安易に高い価格設定はせず、同じカテゴリーにある他社ブランド(オメガなど)の価格がどの程度の幅で動いているかをモニタリングしたうえで、サイエンスを駆使してプライシングをする傾向があります。
カレラにおいては、オメガのスピードマスターやシーマスターが競合モデルに該当しているでしょう。
スピードマスターやシーマスターがおおむね40~60万円のレンジで販売されているのに対し、カレラは20~40万円。
高級商材ゆえに多くのメーカーがスキミングプライシング(初期高価格政策)を行う中、タグホイヤーはややペネトレーションプライシング(初期抵価格政策・・新製品の市場への導入時、低価格を設定し早期の市場占有を狙う)とも思える政策を打ち出しています。
価格弾力性が非常に高い商材であり、また価格に非常に敏感な層をターゲットとしていることからプライシングで差別化を図っているように見受けられます。
しかしながら、安く買えるからといって品質が劣ることはありません。
タグホイヤーは他社ブランドと比べると非常に効率的な生産ラインを持っており、質を落とさずに大量生産をすることが出来ます。その強みを生かしながら、併せて巧みな広告戦略(主にF1やサッカーで活躍するアスリートとのパートナーシップ)を行うことでノンラグジュアリー商品との差別化をしたうえで、価格を下げています。
この価格帯でこれ程までにエレガントな時計を手に入れることは他のブランドでは難しく、カレラが人気を博している最も大きな理由と言えるでしょう。
革新的な機能性
絶えず新境地を切り拓くタグホイヤーは、常に革新的な機能性を取り入れています。
ブラックセラミックやチタン、カーバイドコーティングといったケース素材への拘り。独自のスケルトン文字盤の開発や実用性を追求したラバーベルトの製造。
時計の隅から隅まで革新的な技術が組み込まれており、その完成度の高さは価格以上のモノがあります。
特に近年のムーブメント製造技術の進化は凄まじく、自社製ムーブメントであるホイヤー02やキャリバー1887は業界関係者の中でも非常に高い評価を受けています。
カレラ ホイヤー02T CAR5A8Y.FC6377
なお、最近は複雑機構搭の製造にも力を入れており、トゥールビヨンを搭載したコンプリケーションウォッチも発売されています。
高いステータス性
タグホイヤー カレラは数ある高級時計の中でも圧倒的なステータス性を持つモデルです。
前述の通りタグホイヤーはスポーツ界における広告戦略が巧みで、サッカー選手の香川真司さんクリスティアーノ・ロナウドさんといった「ブランドアンバサダー」の影響もあり、タグホイヤーというブランドイメージは向上し続けています。
ステータス性の高い時計といえばロレックスやパテックフィリップといったブランドが浮かびますが、これらのブランドは安くとも100万以上の価格で取引されています。
またブランディングに長けておらず、一部の時計ファンにしかその価値がわからない高級ブランドも数多く存在します。
しかし、タグホイヤーは世界的にブランディングに成功しているため、安価なモデルであっても「成功者が身に付ける時計」というステータス性を得ることができます。
キャリバー別タグホイヤー カレラの種類
カレラはキャリバーによってデザインと機能性が定められており、予算や好みによって幅広いモデルから選ぶことができます。
ホイヤー02
出典:https://www.instagram.com/tagheuer/
カレラ ホイヤー02はその名の通りタグホイヤー社製ムーブメント「ホイヤー02」を搭載した新型カレラです。
裏蓋だけでなく文字盤もスケルトンにすることで、機械自体を「魅せる」仕様にした近未来的な意匠を持ちます。
他のカレラと比較すると、ホイヤー02は「派手さ」が目立つモデルであり、上品な時計というより、カッコイイ時計という印象を持つ方が多いのではないでしょうか。
タグホイヤーは高品質の機械式時計がリーズナブルな価格で手に入ることも人気の秘訣とお伝えしましたが、ホイヤー02はカレラシリーズの中においては高価格帯となります。
後述するキャリバー5、キャリバー16、キャリバー1887は30万円台のモデルが多いのに対し、ホイヤー02の相場は40~50万円ほど。
ケースやベゼルに異素材を採用することでデザインを一新、表裏共にスケルトン仕様、レーシーなラバーベルトを採用するなど他モデルとの差別化を図っています。
廉価な汎用ムーブメントではなく自社開発ムーブメントを搭載したことから製造コストが上がり、安価な価格帯での販売が出来なかったと思われますが、上記の差別化を行うことで価格プレミアムを実現しています。
なお、ホイヤー02の1世代前にあたるホイヤー01に関しても人気があります。2015年に発表されたホイヤー01はスペックに関してはホイヤー02にやや劣りますが、その分相場が安くなっている為、お得に購入することができます。デザイン性はホイヤー02とほぼ同一なので、コスパ重視でホイヤー01の方を選ばれる方も多いです。
キャリバー5
キャリバー5を搭載したカレラはまさにシンプル&エレガンス。
カレラの基幹モデルであり、「3針+デイト」とスタンダードな機能を持ち合わせています。
どのブランドでもいえることですが、非常に人気の高いモデルはシンプルなデザインであることが多いです。ロレックス エクスプローラー、オメガ スピードマスター、どちらもブランドを代表するモデルですが、特別な機能は付加されておらず、外観は非常にシンプルです。
タグホイヤー カレラにおいてはこの「3針+デイト」であるキャリバー5を搭載したモデルが最も人気が高く、ここ数年断トツでNO.1の人気を誇っています。
並行新品で20万円前後とリーズナブルな価格設定がされており、そのコスパの高さも魅力と言えるでしょう。
なお、キャリバー5搭載モデルには様々なバリエーションが存在します。
ブラック、ブルー、グレー、ホワイトなど多彩なカラー展開がなされており、いずれも高い人気を誇ります。
ロレックス エクスプローラーが白黒の2色展開であるのに対し、ご自身の好みに合わせて選べるのも人気の理由ではないでしょうか。
キャリバー16
キャリバー16シリーズはレーシングウォッチとしてのDNAを追求したモデルです。
近年のタグホイヤーはホイヤー02を近未来的なデザインのモデルを主力としていますが、伝統的なカレラらしさを持つキャリバー16シリーズも幅広い世代から支持を集めています。
縦目に配置されたスポーティーなインダイアルに控えめながら実用性の高いデイト表示。
統一感のある文字盤・ベゼルや100m防水対応のステンレススティールケース。
キャリバー16シリーズは、まさにクロノグラフのお手本といえるデザインです。
キャリバー16のベースムーブメントは老舗ムーブメントメーカー ETAが手掛けていますが、ブライトリングやオメガ、チューダー、パネライなどといった名門でも使用されてきた名機となります。クロノグラフ機能(ストップウォッチのこと)が付加されているのが当キャリバーの特徴で、キャリバー5と比べて、レーシーな印象が強いです。
キャリバー1887
キャリバー1887はタグホイヤー創業150周年の2010年に発表された高精度な自社キャリバー1887を搭載するカレラです。
スタイリッシュな初代カレラのデザイン性を色濃く受け継いだこのモデルは、カレラ史上の最高のデザインとも言われ、製造が終了した今なお高い人気を誇ります。
サイズ感も程良く、洗練されたそのフォルムはまさにレースの雰囲気タップリ。数あるカレラの中でも最も王道のレーシングモデルといえるのではないでしょうか。
出典:https://www.tagheuer.com/ja/
Cal.1887はセイコームーブメントのTC77/78の基本設計を買い取り、そこから独自の技術を詰め込むことで、高性能でありながらもリーズナブルな価格で自社製ムーブを作り上げることに成功しました。
部品数320と通常のクロノグラフよりも多くの部品を使用した緻密なムーブメントになっているのが特徴で、 1887という数字は創業者のエドワードホイヤー氏が振動ピニオンで特許を取得した年にあたる1887年に由来します。
また、コラムホイールの採用により絶妙な押し心地と正確性を両立していることも見逃せないポイントです。
カレラを買うならコレ。人気モデルBEST3
タグホイヤー カレラはバリエーションに富んでいます。
ここではそんなカレラの中でも特に人気のあるモデルをピックアップしてみました。購入を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
①タグホイヤー カレラ キャリバー5 WAR211A.BA0782
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径 39.0mm
全重量:132g
文字盤:ブラック
インデックス:バー
ムーブメント:キャリバー5
パワーリザーブ:38時間
防水性能:100m
WAR211A.BA0782はここ数年タグホイヤーすべてのモデルの中で最も人気が高いモデルです。
どんなシーンにおいても身につけやすいシンプルなデザイン性をもち、新品が20万円前後と非常にリーズナブルであることから圧倒的なコスパを誇ります。
レーシングモデルでありながら上品さも兼ね備え、39mmサイズのステンレスケースは使い勝手抜群。100m防水を備えているので、アウトドアシーンにも向いています。
キャリバー5 シリーズは3針とデイト表示と機構がシンプルであるが故に、メンテナンスにかかる費用も比較的安価となります。
購入後の維持費も抑えられることも大きな魅力であるといえるしょう。シンプル且つ上品な時計をお探しの方は、このWAR211A.BA0782を選んでおけば間違いありません。
②タグホイヤー カレラ キャリバー5 WAR201A.BA0723
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径 41mm
全重量:167g
文字盤:ブラック
インデックス:バー
ムーブメント:キャリバー5
パワーリザーブ:約38時間
防水性:100m
WAR201A.BA0723は3針とデイト表示に曜日表示を加えたデイデイトモデルです。
こちらもキャリバー5シリーズ 屈指の人気を誇ります。
ホワイトやグレー、ブルーといったラインナップが存在しますが、王道カラーであるブラックは特に人気。裏蓋はシースルーバックになっており、美しく仕上げられたムーブメントをご覧いただくことができます。
サイズは41mmと前項で紹介した「WAR211A.BA0782」よりも2mm大きな設計です。100m防水と高い実用性も維持しており、実用性の高い時計を求める方から大きな支持を集めています。
並行新品における価格は20万円台前半となっており、コストパフォーマンスの高さも相変わらずです。
③タグホイヤー カレラ キャリバー ホイヤー02 CBG2010.BA0662
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径 43.0mm
全重量:199g
文字盤:スケルトン
インデックス:バー
ムーブメント:ホイヤー02
パワーリザーブ:80時間
防水性能:100m
スケルトン文字盤が特徴的なホイヤー02の定番モデル「CBG2010.BA0662」。
ホイヤー02には様々なモデルがありますが、ステンレス×ブレスレットの王道な組み合わせが最も人気です。
近未来的なデザインも人気の秘訣ですが、80時間パワーリザーブ、100m防水といった充実の機能性を持つことも見逃せません。
ラバーベルトタイプや他のカラーバリエーションも存在しますので、自分好みの一本をぜひ探し出してみてください。
まとめ
世代を超えて愛されるタグホイヤー カレラ。レーシングウォッチとしての意匠を守りつつも常に革新的な進化を続け、製造開始から50年以上が経過した今なお時計ファンを魅了続けています。
コストパフォーマンスに優れることから特に20代30代からの評価が高く、ステータス性も抜群であることからビジネスマン向けの時計としても人気です。
メイン機はもちろんのこと、サブ機としても需要がありますので、この機会にぜひカレラを検討されてみては如何でしょうか?
当記事の監修者
新美貴之(にいみ たかゆき)
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 店舗営業部 部長
1975年生まれ 愛知県出身。
大学卒業後、時計専門店に入社。ロレックス専門店にて販売、仕入れに携わる。 その後、並行輸入商品の幅広い商品の取り扱いや正規代理店での責任者経験。
時計業界歴24年