みなさまこんにちは
12月に入り寒くなってきて風邪もはやってますのでみなさま体調管理にはお気をつけください。
さて、今回は時計の見えないトラブル・・・磁気について少し書こうと思います。
年間通して多い時計の不具合現象の一つに磁気による精度不良があります。
家庭の電化製品、磁気ネックレス、PC、バッグのマグネットなど磁気の発生する製品はたくさんあります。
機械式時計・アナログクォーツも磁気の影響を受けると「止まり」「進み」「遅れ」などの原因になります。
機械式時計は強い磁気を受けてしまうと磁気から遠ざけてもムーブメント内部に磁気が残ってしまい特にヒゲゼンマイに悪影響を与え精度が狂ってしまうことがあります。
クォーツ時計はステップモーターという磁石を使っているパーツに悪影響を与えてしまうために止まったり遅れたりする現象がおこることがあります。
磁気帯のチェックは簡単にできます。
方位磁石を用意して、時計を近づけます。
時計を近づけたときに方位磁石が激しく反応するなら磁気帯の可能性が高いです。
この時計は磁気帯びではないですね。
この不具合がおきてしまった場合「脱磁器」による脱磁を行います。
この機械です。
時計を置いてこれをポチって押すと…
磁気が抜けるようになっています。
もし、かなり強い磁気で脱磁器でも抜けない場合、部品を一つ一つ分解して磁気を抜くという作業になるので注意が必要です(オーバーホールになります)
時計を保管されるときはちょっと注意していただけると防げると思いますのでみなさまも一度見直してみてください。
当記事の監修者
廣島浩二(ひろしま こうじ)
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチ コーディネーター
一級時計修理技能士 平成31年取得
高級時計専門店GINZA RASIN 販売部門 ロジスティクス事業部 メンテナンス課 主任
1981年生まれ 岡山県出身 20歳から地方百貨店で時計・宝飾サロンで勤務し高級時計の販売に携わる。 25歳の時時計修理技師を目指し上京。専門学校で基礎技術を学び卒業後修理の道に進む。 2012年9月より更なる技術の向上を求めGINZA RASINに入社する。時計業界歴19年