WEBマガジン, 田中拓郎, ラグジュアリーモデル特集, ロレックス, パテックフィリップ, オーデマピゲ, リシャールミル
銀座の高級時計店GINZA RASINが販売した最高額モデルBEST10!
最終更新日:
高級ショッピング街として世界的にも知名度の高い東京 銀座。
この街を中心に高級時計専門の販売・買取を手掛けてきた当店GINZA RASINは、2021年で15周年を迎えました。おかげ様で銀座に二店舗、そして買取専門サロンを設立。また通信販売にも力を入れており、自社ホームページのみならず楽天市場やヤフーショッピングといった大手ショッピングモールで手広く展開させて頂いております。
いったい、この15年間でどれくらいの時計を販売してきたのだろう?と調べてみると、延べ8万本以上!
その中には1000万円越えの腕時計もチラホラ見受けられます。
ではいったい、この8万本以上の製品の中で最も高額な時計はいくらで、どのブランドだったのでしょうか。
この記事では当店が、過去15年間で販売した最も高額な時計BEST10をランキング形式で発表いたします!
目次
高額モデルランキングBEST10
それでは当店GINZA RASINで販売した8万本以上のうち、最も価格が高いモデル10本をご紹介いたします!
各ランキングには付属品の有無や販売価格,当店での滞留日数(仕入れから成約まで、どれくらいの日数がかかったか)も掲載しております。
ちなみにこのランキングの中には個人のお客様からのお買取りで仕入れたモデルがかなり多く…つまり、ご所有されている方がいらっしゃったら、銀座でトップクラスの買取査定額を叩き出すかも!?
ぜひチェックしてみてくださいね。
第10位 パテックフィリップ ノーチラス 5711/1R-001
素材:ローズゴールド
販売日:2021年3月
付属品:箱・ギャラ有
保証書日付:2016年2月
販売価格:1470万円
滞留日数:40日
第10位にご紹介するのは、今を時めくパテックフィリップ ノーチラスの、ローズゴールドが華やかな一本です!
長らくラグジュアリー・スポーツ市場の主役を張ってきたノーチラスですが、基幹モデルの5711/1Aの生産終了,それに伴う急激な需要増加により、近年ますます品薄を加速させていますね。正規店はおろか並行市場でも流通量は激減しており、その稀少性はいや増すばかりです。
なお、ステンレススティール製の5711/1Aは生産終了となったものの、ローズゴールドの5711/1Rはパテックフィリップのカタログに残留しています。
もっともローズゴールド製ノーチラスもまた品薄は日々加速しており、これに伴い相場も急激に上昇しております。
元来は現行ステンレススティール製モデルを中心にこの相場の狂騒曲を奏でていましたが、最近では生産終了モデル,そして金無垢モデルにも派生することとなりました。
下記は、5711/1Rの、当店での中古販売価格推移です。
※2021年は本稿でご紹介している一本のみの販売となります。2020年以前は平均価格です。
雲上ブランドの最高級スポーツウォッチと言うだけあり、もともと並行市場においてもきわめて高い相場を維持してきました。とは言え2019年に入ってより1000万円超えが当たり前になった状況は、過去類を見なかった相場感です。
そして今回ご紹介する201年3月販売個体―とても最近ですが―は、定価は6,798,000円のところ1470万円!
ちなみに今回、価格以上に驚かされたのがこのモデルの当店滞留日数です。1000万円を超える商品であるにもかかわらず、なんと滞留日数わずか40日…!これは、100万円前後の人気商材とほとんど変わらない短さです。
この個体の販売日は2016年2月。販売から何年か経過している中古個体は、必ず機械点検や精度チェックを行い、必要であればオーバーホール(分解洗浄)を施します。こちらの個体はオーバーホールは行わなかったものの上記一連の流れで店頭に並んだことを鑑みれば、異常とも言えるスピード(店頭に陳列するまで25日間、陳列後15日で完売)で成約に至ったことが伺い知れます。
「高くても買いたい」というマインド、そして「買いたいのに市場に出回らない」というレア感。
今後もノーチラス 5711/1R-001は業者・顧客間で争奪戦が繰り広げられることは想像に難くなく、もしご売却をお考えの方がいらっしゃったら大きな売り時を迎えていると言えるでしょう。
第9位 パテックフィリップ カラトラバ 黒七宝 5088P-001
出典:https://www.patek.com/en/home
素材:プラチナ
販売日:2015年1月
付属品:箱・ギャラ有
保証書日付:不明
販売価格:1475万円
滞留日数:206日
第9位にご紹介するのはパテックフィリップから、非常に珍しいカラトラバです!
カラトラバと言えば「世界の丸形時計の規範」「名門ドレスウォッチの本質」などと称されることもある、パテックフィリップの歴史的一大コレクションです。
何度かご紹介しているようにノーチラスへの需要集中が著しい昨今ですが、もともと1932年から歴史が始まるカラトラバをこそ、パテックフィリップのアイコニック・ピースに位置付ける声は少なくありません。
カラトラバは長い歴史の中で様々なバリエーションを展開してきましたが、基本はシンプル。とりわけ初代カラトラバRef.96の血統を受け継ぐ「96(クンロク)」に代表される、アプライドされたバーインデックスとドフィーヌ針を携えた端正な顔立ちがイメージしやすいですね。
出典:https://www.patek.com/en/home
しかしながらこちらのカラトラバは、直径38mmのプラチナケースにセッティングされた黒七宝の文字盤,そしてそこにアラベスク模様の彫金を施した、さながら工芸品のような一本です。ちなみに尾錠にも、同様のアラベスク模様が施されていたようですね。
出典:https://www.patek.com/en/home
このカラトラバ 5088Pは2013年頃に製造されたモデルと思われます。
特に限定販売等の文言はメーカーホームページにも記載されていませんが激レア中のレアであることは言うまでもなく、オークション級!
当時は1475万円で販売していますが、時計市場全体が高騰に傾いている今、あるいはさらに高値が付けられることでしょう。
第8位 リシャールミル バッバ・ワトソン RM055
素材:チタン・ホワイトラバー加工
販売日:2018年5月
付属品:箱・ギャラ有
保証書日付:2015年7月
販売価格:1480万円
滞留日数:43日
超高級時計ブランドとして名高いリシャールミル。
平均単価は2000万以上・モデルによっては億超えが当たり前という話題性もさることながら、エクストリームウォッチをコンセプトに、「投げても壊れないトゥールビヨン」「着用しながらテニスできる機械式時計」なとどいった革新的な時計を生み出す、時代の寵児としても高名です。
リシャールミルを愛用する超大物芸能人にも枚挙にいとまがなく、プロデューサーの秋元康さんやタレントの郷ひろみさん、俳優のジャッキー・チェンさん等がいらっしゃいますね。
そんなリシャールミル、もともとの定価が高額であること。そしてほとんどの製品が限定15本、30本などといった超少量生産であることから、並行市場であっても価格が著しく安く・お得になるといったことは稀です。むしろ、定価を超えるプレミア相場となることも珍しくありません。
こちらのホワイトが眩しいRM055も、定価は1296万円ですがそれを上回る14,800,000円での販売となりました。
ちなみに当モデルは2012年から販売されている、アメリカのプロゴルファー「バッハ・ワトソン氏」に敬意を表した一本です。リシャールミル曰く「ゴルフの美学を問い直す」と(もともと2011年にバッハ・ワトソンモデルのトゥールビヨンがリリースされており、それに後続したシリーズとなります)。
よくリシャールミルは価格の高さばかりに驚かされるものですが、実はこの価格にはきちんと理由があります。
まず、超革新素材を用いていること。
実はこのホワイト、セラミックではなくチタンにホワイトラバーをコーティングした仕様です。ただチタンを用いるだけでなく特殊コーティングを行うことで、見た目の美しさはもちろん快適な着け心地を実現しました。
ちなみにベゼルの革新素材も肝。
ATZ(イットリウムで安定させたジルコニアとアルミナによる新素材)を採用していることで、ダイヤモンドに次ぐ超硬質を獲得しています。
さらに文字盤にぽっかりと浮いたような仕様となったムーブメントも特徴的ですが、魅せるために極限まで地板・ブリッジがスケルトナイズされています。
これらはやはりチタン製のため、強度はもちろん経年劣化にも強い仕様となりました。
このように、唯一無二の技術力を発揮した「エクストリームウォッチ」であるからこそ、1000万円超えの値付けがなされているのです。
※ちなみに付属の化粧ボックスはワインダー付きで、これだけで数十万円~数百万円で売買されることがあります。
なお、こちらも当店の滞留日数はわずか43日でした。
リシャールミルの正規認定中古保証書が付属していたことも大きいかもしれません。
リシャールミルは二次流通市場(中古市場)でもブランド価値を維持するため、認定中古制度を設けています。
車業界でよく耳にするかもしれませんが、これはメーカー自身が認定した中古のこと。時計業界でもじょじょに始まっており、中古であってもメーカーが品質保証をしていること。加えてメーカーのアフターサービスを受けられることがユーザーにとっては大きなメリットとなります。メーカー側もメーカー自身が適切と判断した中古価格を付けることで、相場の著しい下落を防げるとあって、近年ではオーデマピゲやフランクミュラーといった有名ブランドでも取り組みがスタートしました。
こういった背景も手伝い、1480万円の高額販売となったリシャールミル RM055。
また入荷できるよう、当店でも頑張ってまいります!
第7位 リシャールミル RM11-02 TI
素材:チタン
販売日:2019年4月
付属品:箱・ギャラ有
保証書日付:2017年7月
販売価格:1512万円
滞留日数:262日
第7位は、同じくリシャールミルから!さらに桁が上がって、こちらは1512万円で販売となりました!
前述の通り、リシャールミルは超高価格帯で話題となりがちですが、その価格も納得の最先端テクノロジーと高度な時計製造ノウハウが詰まった製品展開を行っています。この製品を同社はエクストリームウォッチと称し、究極の一本を世に輩出してきました。
こちらのRM11-02もまた、そんなエクストリームウォッチのうちの一つ。
リシャールミルのロングセラーRM-011の後継機にあたる当モデルは、最新鋭のムーブメントCal.RMAC2を搭載していることが特徴です。
※RM-011…2007年にリリースされた定番品。F1ドライバーのフェリペ・マッサ氏とともに共同開発した、F1レーシングカーのようなエクストリームウォッチとして話題に。以降、リシャールミルは「腕時計業界のF1」とも称されるように。
高性能もさることながら、ダイナミックなトノーシェイプケースにベルトと一体型したラグ,そしてスケルトナイズされた文字盤・裏蓋から覗く最新ムーブメントも見もの。
Cal.RMAC2はフライバッククロノグラフの他、9時側ケースサイドのプッシュボタンで容易に操作可能なGMT機能、アニュアルカレンダーなど多くの複雑機構を抱えています。
さらには可変慣性モーメントローターと言う、リシャールミル特有のローターを取り付けていることがミソ。
簡単に言うとこのローター、ユーザーのライフスタイルに合わせたゼンマイ巻き上げを可能にしたもの!
例えばデスクワークメインのユーザーの巻き上げは速度を高め、運動量が多くよくローターを回すユーザーの巻き上げは速度を低減させることで高効率な巻き上げを実現しました。
本当にリシャールミルはそのインパクトある価格・デザインのみならず、高度な時計製造技術が駆使されていることにいつも驚かされます。
ちなみにこちらもチタン製地板・ブリッジがスケルトナイズされているため、機械をよく見通すことができますね。
針やインダイアル,トラックのカラーリングがビビッドで、レーシーな印象をまといます。
1500万円超えも納得の一本ではないでしょうか。
第6位 パテックフィリップ ノーチラス クロノグラフ 40周年記念 5976/1G-001
素材:ホワイトゴールド
販売日:2017年9月
付属品:箱・ギャラ有
保証書日付:2017年7月
販売価格:1546万円
滞留日数:52日
第6位にご紹介するのは、稀少中の稀少ノーチラス!40周年を記念して世界限定1300本生産された、当モデルです!販売価格は1546万円でした。
基本的にパテックフィリップは少量生産のため、歴代ノーチラスの出回りはそう多くはありません。そんな中でも―そう、5711/1Aを超えて―さらに稀少なモデルがこちらの40周年記念品と言っていいでしょう。
Ref.5976/1G-001は、2016年にパテックフィリップからローンチされました。
1976年、パテックフィリップ初のスポーツライン・ノーチラスが生み出されていますが、その生誕を祝した個体となります。この背景があるため、文字盤に「40」と「1976-2016」の文字がエンボス加工されていますね。
出典:https://www.ablogtowatch.com/patek-philippe-nautilus-40th-anniversary-59761g/
ノーチラスは30周年の節目にあたった2006年、やはり生誕を祝ってコレクション内で新たなラインを投下してきました。「初のクロノグラフモデル/プチコンプリケーションモデルの発表」「シースルーバックの採用」等です。
そのため40周年記念モデルの存在も、発表前から何かと噂と期待が絶えませんでしたが、蓋を開ければ歴代類を見ないスペシャルエディションがローンチされることに。ちなみにこちらのクロノグラフモデルと一緒に、プラチナ製3針モデルのRef.5711/1P-001が限定1300本生産で同時発売されています。
Ref.5976/1G-001ホワイトゴールド製,インデックスにはバケットカットダイヤと、きわめてラグジュアリーな造りゆえに、当時の定価は11,350,800円。
しかしながら稀少性ゆえ、そして近年のノーチラス人気の高まりゆえに、定価を上回るプレミア価格で成約に至りました。
なお、ムーブメントはノーチラス クロノグラフモデルでおなじみのCal.28-520Cが搭載されており、120m防水とスペック自体はレギュラー陣と大きく変わりません。
ちなみに1976年オリジナルノーチラス(3700-1A)発売時に採用された天然コルク材を用いた特別ボックスを忠実に復刻していることも特徴です。
↑1976年のオリジナルBOX(画像出典:https://www.ablogtowatch.com/patek-philippe-nautilus-40th-anniversary-59761g/)
こちらも現在ではオークション級の超レアモデルとして君臨しています。市場で見かけることは滅多にありませんが、またいつか実機を手に取ってみたいものです!
第5位 オーデマピゲ ロイヤルオーク コンセプト GMT トゥールビヨン 26580IO.OO.D010CA.01
素材:チタン×セラミック
販売日:2019年9月
付属品:箱・ギャラ有
保証書日付:2016年2月
販売価格:1600万円
滞留日数:11日
ついに販売価格1600万円、にもかかわらず当店で入荷してからわずか10日ほどで成約に至ったのが、こちらのオーデマピゲ ロイヤルオークのコンセプトウォッチです!ちなみに店頭出ししてから、1週間も経たないうちに売れています。
オーデマピゲはパテックフィリップ,ヴァシュロンコンスタンタンと並んで世界三大時計ブランドに名前を連ねます。
前述したノーチラスがラグジュアリー・スポーツウォッチとして高名ですが、もともとこのジャンルに時計業界で先鞭をつけたのは、オーデマピゲのロイヤルオークでした。
1972年、ジェラルド・ジェンタ氏によってデザインされた―もっともノーチラスも氏によるものですが―エッジの効いたオクタゴンケースと一体型になったブレスレット,同じくオクタゴン型のベゼル,そこに打たれたビス…独創的な外装にオーデマピゲならではの高度な仕上げが施されており、世界最高峰のスポーツウォッチとして世界中の時計愛好家から憧憬の的として語られてきました。
そんなロイヤルオーク、間もなく50年に手が届くほどロングセラーであるがゆえに、派生モデルも種々存在します。ロイヤルオーク コンセプトもまたそのうちの一つです。
2002年からスタートした当該コレクションは、まさに「コンセプト」。
デザイン・機構ともにオーデマピゲの長年培ってきた時計製造ノウハウと、革新的な発想を詰め込んだコンセプトウォッチなのです。
ちなみにロイヤルオークらしいフォルムは残しつつも、ケースが三方向にファセットカットされており、かつストラップと完全一体型となっていることから近未来的な表情を見せるデザインコードもまたコンセプトの特徴です。
ホワイトセラミックベゼルと中央のブリッジがまず目に飛び込んでくるこちらのRef.26580IO.OO.D010CA.01は、2014年にリリースされました。
外装のインパクトもさることながら、特筆すべきは搭載される手巻きムーブメントCal.2930の存在。
GMTおよびトゥールビヨンを搭載したコンプリケーションとなりますが、巨大な香箱を巧みな設計のもとダブルセッティングさせることで、約10日間もの超ロングパワーリザーブを獲得しました。
ちなみにトゥールビヨンと言うと6時位置にキャリッジが設置されることが一般的ですが、こちらは9時位置へ。代わりに6時位置にはファンクションセレクターが搭載されました。これはリューズの引き上げ位置による操作制御を選択するための機構で、Hが時刻調整、Nが通常使用時、Rがゼンマイ巻き上げを示します。
超複雑なモデルゆえにケース直径は44mmと比較的大振りです。
しかしながらケースにチタン、そしてセラミックを用いているため重量はわずか155gであることも特筆すべき点ですね。
ところで、よく「1000万円超えの超高級時計」と聞くと「プラチナかゴールドを使って、さらにダイヤモンドがたくさんセッティングされている」といったラグジュアリーな個体を思い浮かべるかもしれません。もちろんそういった超高価格帯素材を用いた時計もありますが、実は「機構」もまた価格の大きい部分を決めています。
時計という小さな宇宙で種々の機能を実現するためには非常に高度な技術力が要されるため、複雑であればあるほど価格もまた上がる傾向にあるのです。
そのためこちらのロイヤルオーク コンセプトが1600万円なのは、適正価格と言っていいでしょう。もっとも加工の難しいホワイトセラミックを、複雑形状としていることでもコストがかかっていますが…
なお、歴代コンセプトウォッチは少量生産ゆえに当店でもこのモデルの入荷は一回きり。
とは言えオーデマピゲは例年、意欲的にロイヤルオーク コンセプトの新作を発表しているので、今後も注目していきたいジャンルですね!
第4位 パテックフィリップ ノーチラス プチコンプリケーション ベゼルダイヤ 5724R-001
素材:ローズゴールド
販売日:2019年12月
付属品:箱・ギャラ有
保証書日付:2016年10月
販売価格:1672万円
滞留日数:20日
第4位でご紹介するのは、またまたパテックフィリップ ノーチラスです!
さらにはローズゴールド製ケースに大振りのバケットカットダイヤモンドがあしらわれた、見るだけで楽しいラグジュアリーな一本ですね。
ベゼルに使われたバゲットカットダイヤはゆうに32個!さらにインデックスおよびベルト接合部にも同様にセッティングされており、非常にスペシャルなジュエリーウォッチに仕上がりました。1672万円で販売されています。
なお、ラグジュアリーな素材もさることながら、プチコンプリケーションであることも大きな特徴です。
通称「プチコン」とも呼ばれるパテックフィリップの当該機構は、3針のCal.240にムーンフェイズ、パワーリザーブインジケーター、ポインターデイトといった付加機能を持たせた高名なCal.240 PS IRM C LUムーブメントを搭載させた銘品です。
文字盤を一目見れば、その多機能さがおわかりいただけるでしょう。
これだけ複雑であるにもかかわらずマイクロローターが用いられていることで、ケース厚を9mm足らずに抑えられていることがプチコンの本懐。
さらに多機能ゆえのごちゃごちゃ感はなく、端正な顔立ちで整えているところもまた、さすがパテックフィリップの所業ですね。
ちなみにこの美しくも複雑精緻なRef.5724R-001、2008年から販売されていたものの、2020年に生産終了。もともと市場でほとんど見かけることのなかったモデルですが、今後稀少性がいや増していくことでしょう。
なお、当個体は入荷リクエストをもともと頂いていたため、滞留日数20日ときわめて早い期間で完売に至っています。
第3位 リシャールミル ラファエル・ナダル RM035-02
素材:カーボン TPT
販売日:2018年7月
付属品:箱・ギャラ有
保証書日付:2018年7月
販売価格:1730万円
滞留日数:6日
いよいよ第3位、なんと1730万円という値付けであるにもかかわらず、入荷してから一週間も経たないうちに成約となったのは、リシャールミルの高名なラファエル・ナダルモデルです!
こういった高額ランキングを集計するとパテックフィリップ,オーデマピゲと並んで必ず常連入りするリシャールミルですが、とりわけラファエル・ナダル選手とのコラボレーションモデルは人気も価格も高い一本です。
何度か言及しているように、リシャールミルの製品はあらゆる環境下で「エクストリームウォッチ」。このコンセプトを体現し、リシャールミルの名を世間に周知させたのがスポーツ中に使える機械式時計です。
とりわけ2012年、ナダル選手のために製造された「テニスプレイ中に着けても壊れないトゥールビヨン」は衝撃的でした。
テニスは手首にきわめて強い負荷のかかるスポーツであることはご存知の通り。しかしながらリシャールミルはチタンと宇宙・航空産業で使われるような特殊合金でムーブメントを製造することで、この困難を克服したのです。
実際、RM027をナダル氏は「第二の肌」と称し、プレイ中も着用していました。
そして第3位にランクインしたRM035-02は、2017年に発表された3針モデルの一本です。
軽量なうえに独特の模様を実現できるカーボンTPT製ケースは5000Gの加速にも耐えうる頑丈さ!これによって着用しながらテニスをプレイできる、というわけです。
さらにはリシャールミル特有のスケルトン表裏からは、やはり極限までスケルトナイズ加工されたムーブメントをお楽しみ頂けますね。なお、こちらも可変慣性モーメントローターが搭載されており、ユーザーのライフスタイルに合わせた巻き上げ効率を提供します。
RM035-02は3針モデルゆえに、トゥールビヨン搭載機に比べるとリーズナブルな価格設定が行われました。しかしながら当時の定価は16,956,000円、そして当店でも1730万円として販売しております。
にもかかわらず1週間と経たずにソールドアウト…
リシャールミル人気、恐るべし。
第2位 パテックフィリップ パーペチュアルカレンダー クロノグラフ ベゼルバケットダイヤ 3990P-010
出典:http://precious-time-watches.com/img_1230/
素材:プラチナ
販売日:2019年1月
付属品:箱・ギャラ有
保証書日付:2005年5月
販売価格:1930万円
滞留日数:8日
いよいよ第2位!パテックフィリップの最高峰技術が光る、グランドコンプリケーションモデルです!
販売価格は1930万円…!こちらも既に入荷前からリクエストを頂いていた個体であるため店頭販売はされずに成約となりました。
ちなみにパーペチュアルカレンダー×クロノグラフモデルとしてはRef.3970がロングセラーですが、同コレクションに初めてバゲットカットダイヤモンドをセッティングしたのがこちらのRef.3990Pとなります。さらにプラチナ製ケースということもあり、デイリーユースウォッチと言うよりかは家宝のような存在感を放ちます。
もっとも搭載するムーブメントはRef.3970でおなじみの手巻きCal.27-70Qとなります。
※こちらはRef.3970の裏蓋画像を参考として提示しています
現在パテックフィリップはクロノグラフも自社で製造していますが、かつては名門レマニアをエボーシュとして使っていました。
レマニアは、名門ブランドにエボーシュ(未完成のムーブメントのこと)を提供してきた歴史を持ちます。パテックフィリップ,ヴァシュロンコンスタンタン,オメガのスピードマスターといった有名モデルに搭載されてきており、レマニアの響きに特別な想いを抱く時計愛好家も少なくありません。
現在はブレゲ傘下となったこともありパテックフィリップでは自社製ムーブメントに切り替えが行われましたが、名機として今なお語り継がれていますね。
なお、前述の通り高級時計の価格を決める要素は素材、そして機構です。
そのためバゲットカットダイヤモンドのないゴールドモデルであってもCal.27-70Qが搭載されたRef.3970は、中古であっても1000万円前後の値付けとなることも珍しくありません。
しかしながらその価格に見合った価値がある。
こういった評価ゆえに、今回の高額時計ランキングの主役・パテックフィリップは、今後もその価値を連綿と維持し続けていくことでしょう。
第1位オーデマピゲ ロイヤルオーク トゥールビヨン クロノグラフ オープンワーク 26347PT.OO.D315CR.01
素材:プラチナ
販売日:2018年9月
付属品:箱・ギャラ有
保証書日付:2017年2月
販売価格:1944万円
滞留日数:360日
いよいよ第一位!!!
オーデマピゲ ロイヤルオークから、世にも精緻なオープンワーク仕様の複雑機構モデルがラインクインとなりました!その価格、1944万円!もはや一軒家が購入できてしまう価格帯です。
ロイヤルオーク トゥールビヨン クロノグラフ オープンワーク 26347PT.OO.D315CR.01は、2016年にリリースされました。
近年、裏蓋のみならず、文字盤もスケルトナイズすることでムーブメントを意匠の一部とする試みが、時計業界に浸透しています。
オーデマピゲも御多分に漏れず、前述したコンセプトウォッチ等で自社の名機を思う存分魅せつけてくれることとなりました。
そんなスケルトン仕様のモデルの中でも、こちらは特別な存在です。なぜならトゥールビヨン、クロノグラフ、 時、 分表示、 スモールセコンドを備えた、超複雑機構であるためです。
搭載される手巻きCal.2936はまさに「魅せる」ための構造をしており、ブリッジに使われたゴールドはもちろん、トゥールビヨンと主ゼンマイが文字盤側から同時に鑑賞できるという、なんとも贅沢な仕様となりました。
プラチナ製ケースと相まって、定価は「price on request」。つまり、時価ということです。
これは流通量が少なく稀少性のある個体に対し行われる措置です。価格設定せず、需要側の希望する価格と供給する側の価格が一致したときに授受が成立する、というスタイル。稀少価値の有る個体の価格高騰を防ぐために行われています。
そのため現在の26347PT.OO.D315CR.01市場価格については一概には言えませんが、一時には3,000万円を超える価格で売買が行われたこともありました。
そんな非常に価値ある当モデル、実は個人のお客様からお買取りさせて頂いております。査定には細心の注意と考慮が必要となりましたが、ご満足頂ける買取金額をご提示することができました。
15年間の当店の取り扱い製品の中で最高額となる当モデル。トップにふさわしい一本で、ランキングを締めくくりたいと思います!
最後に…通信販売で売れた最高額時計とは?
当店では基本的に、店頭販売分とWEB上での販売分は同一です(WEB限定品はございますが)。
しかしながら今回のランキング、市場に卸した個体以外は全て店頭にてご成約頂いていました。
では、通信販売で売れた時計の中で、最高額は…?と、思って調べたところ、本稿を公開した時点ではロレックス デイトナ 116506がトップの972万円でした。
しかしながらその3日後、記録更新!
通信販売で売れた時計の中で最高額モデルは、パテックフィリップ ノーチラス 5711/1A-010でした!その金額は、1298万円です!
ノーチラス 5711/1A-010
素材:ステンレススティール
販売日:2020年4月
付属品:箱・ギャラ有
保証書日付:2012年8月
販売価格:1298万円
滞留日数:53日
何度かご紹介しているように、パテックフィリップ ノーチラスは今最も高額なステンレススティールモデルと言っていいかもしれません。とりわけ深みのある青文字盤が特徴的なこちらのモデルの相場は青天井!
もともとスポーツウォッチ人気が過熱し始めた2018年6月頃からいっきに急騰。定価3,872,000円のところ新品並行相場は常時900万円…多少のアップダウンはあったもののステンレススティール製とは思えないほどの上昇幅を描いており、にもかかわらず世界的需要が落ちないという、伝説的なモデルでもあります。
さすがにそろそろ相場は落ち着くだろう。
こう思われていた2020年、にわかに白文字盤の5711/1A-011が生産終了します。
白文字盤も急騰したものの青ほどではなく、むしろ青文字盤の5711/1A-010に需要がますます集中していきます。
そして2021年1月に、にわかに5711/1A-010の生産終了も判明すると、そこからはもう1000万円を大きく超える相場が続くこととなりました。
今回通販最高額を記録することとなったこちらの個体、2012年8月販売と年数は経過しています。
しかしながらメンテナンス済で状態も良く、かつ完品ではないものの箱・ギャラがあったため1298万円もの値付けとなりました。
ちなみにオーバーホールを施したり店頭で商談があったりしたため当店滞留日数は53日ですが、WEB出品からはわずか8日で成約に至っています。恐るべし、ノーチラスの実力!
次点は前述の通り、ロレックス デイトナ 116506です!
デイトナ 116506
素材:プラチナ
販売日:2020年9月
付属品:箱・ギャラ有
保証書日付:2020年6月
販売価格:972万円
滞留日数:14日
ロレックス デイトナもまた、相場高騰著しいモデルです。むしろ近年のスポーツウォッチ熱は、デイトナが火付け役と言って過言ではないでしょう。
ステンレススティール製116500LNは2016年の登場以来、一度も定価を下回ることがなく相場上昇を続けており、最近に至っては400万円台に…!とてもステンレスモデルとは思えない相場感ですよね。
それだけ高くなっても需要が衰えず、ノーチラス同様に相場は青天井となっています。
しかしながらSSデイトナを超えて注目度を浴び、かつ稀少性も随一なのがプラチナ製デイトナです。
デイトナコレクションの誕生50周年にあたる2013年から製造され始め個体で、ケース・ブレスレットはプラチナ、さらにセラミックベゼル・インダイアルはブラックではなくチェスナット(栗)カラー,きわめつけはプラチナモデルにしか用いられないアイスブルー文字盤を携えた、超スペシャルな一本となります。
ちなみにタレントの木村拓哉さんや人気You Tuberヒカキンさんといった、時計愛好家として知られる有名人の所有機であることからも知られています。
もともとの定価が8,013,500円(現在は「お問合せ」になっているようですが…)と高額なこともありますが、近年のデイトナ人気、そして116506自体の魅惑的なラグジュアリー感から定価を超えるプレミア価格に。
当店通販部門の歴史の中で最高額となった116506は2020年9月に販売されましたが、972万円という驚くべき価格でした。
さらに驚かされるのが、この一本の当店滞留日数はわずか2週間であったこと!ちなみにWEB掲載から数えると、わずか1週間ほどで成約に…
116506は2018年頃から定価に肉薄する並行相場を築き始め、2020年には900万円超えを果たしました。しかしながら116506は、毎回出品すると必ずと言っていいほど1か月以内には売れてしまいます。
さらには生産終了の噂もちらほらと出始める現在、今後もますますの相場高騰は必至。
2021年は業者間で116506争奪戦が激化するでしょうが、仕入れれば即売れる商品とあって、当店でも買取・販売ともに力を入れざるを得ない状況です。
まとめ
おかげさまで創業15周年。
これまで取り扱ってきた高級時計の中でも、最高額の10本をご紹介いたしました!
なお、本稿はあくまで価格で絞ったトップ10となりますが、当店GINZA RASINではパテックフィリップ,オーデマピゲ,ロレックス,リシャールミルの他にも、ヴァシュロンコンスタンタンにランゲ&ゾーネ,オメガやタグホイヤー,ウブロにグランドセイコー…様々なブランド時計を多岐に渡って展開しております。
今後もお客様にお喜び頂けるような品揃えを提供していくことはもちろん、より良い接客や各種サービス,アフターメンテナンスの充実に努めていきたいと思います!
当記事の監修者
田中拓郎(たなか たくろう)
高級時計専門店GINZA RASIN 取締役 兼 経営企画管理本部長
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
当サイトの管理者。GINZA RASINのWEB、システム系全般を担当。スイスジュネーブで行われる腕時計見本市の取材なども担当している。好きなブランドはブレゲ、ランゲ&ゾーネ。時計業界歴12年