出典:https://www.tudorwatch.com/ja/watch-family/tudor-royal
「チューダーのロイヤルって何がすごいの?」
「チューダー ロイヤルの魅力について詳しく知りたい」
ロレックスの弟分として誕生したチューダー。
かつてはロレックスの廉価ブランドと言われたこともありました。
しかし、妥協を許さない品質とカジュアルなデザイン、そして何よりその品質では考えられない良心的な価格設定を実現しており、ロレックスとは異なる独自の世界観を築き上げてきました。
2020年に発表された「ロイヤル」も、まさにそんなチューダーらしさを体現したモデルです。
そんなロイヤルの魅力について知りたいという人は多いのではないでしょうか。
ロイヤルは洗練されたスポーツシックな時計でありながら、ラグジュアリー。
一方で優れたコストパフォーマンスをも発揮しています。
この記事ではチューダー ロイヤルの魅力について、GINZA RASINスタッフ監修のもと解説します。
相場についても解説しますので、チューダーの購入をお考えの方はぜひ参考にしてください。
目次
2020年に登場したチューダー ロイヤルとは?
チューダーのブランドとしての始まりは、1926年。
ロレックスの創設者ハンスウィルスドルフによって設立されました。
当時まだ認められていなかった、ロレックスの品質を一般庶民に広めるための、デュフュージョンブランドとしてのスタートでした。
しかしロレックスと変わらない高い品質と、優れたコストパフォーマンスで、チューダーは徐々に世界的な人気を獲得していきました。
また、王家のバラをモチーフにした「チューダーローズ」や、チューダーサブマリーナに採用された「イカ針」など独自のデザインを突き詰めています。
以前は「ロレックスの廉価ブランド」と言われることもありましたが、独自の路線を貫く一大ブランドとして認められるようになりました。
その人気はもちろん日本でも根強く、2018年には待望の国内正規店ができ、本格上陸しました。
それまで「チュードル」と呼ばれることも多くありましたが、この際に公式に「チューダー」として統一されることとなりました。
出典:https://www.facebook.com/tudorwatch/photos/
そんなチューダーが2020年に発表したモデルが、「ロイヤル」です。
ロイヤルは、もともとアジアの一部地域のみで販売されていました。
それが人気を得たこともあり、全世界で販売されることとなったのです。
もともとアジア向けに作られたこともあり、38mmといった日本人の腕に馴染みやすいサイズで展開されています。
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この「ロイヤル」というモデル名は、1950年代にチューダーが使用していたネームです。
昔のモデルにつけた名前を復活させていることから分かる通り、全体的にレトロでクラシカルなデザインが強調されています。
またスポーティさとエレガンスさを絶妙なバランスで融合させたデザインは、今流行りのラグジュアリースポーツウォッチ、通称ラグスポを連想させます。
その大きな要因となっているのが、ロイヤルの大きな特徴であるベゼルとブレスレット。
1つ目の特徴であるノッチドベゼルは、交互に加工された仕上げと彫りが施されています。立体感のある加工と仕上げは、ドレッシーなロレックスのデイトジャストを彷彿とさせますね。
2つ目の特徴は、サテン仕上げとポリッシュ仕上げが交互に施された、5列のインテグレーテッドブレスレット(統合型ブレスレット。ケースと一体型になっている)。
大小のコマを組み合わせており、可動域が広く手首にフィットしやすいというメリットはもちろん、上品な雰囲気を出すことにも一役買っています。
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また、ロイヤルはケースのラグがなく、代わりにエッジに角度をつけてブレスレットが伸びるようになっています。そのためケースから途切れることなく、ブレスレットへとつながっているため、美しいラインを完成させています。
特徴的なベゼルと、流れるようなケースライン。頑強なステンレスケースに、スポーティさとエレガンスさを融合させたデザイン。
これらの要素が、時計好きの心を掴んで離さないのでしょう。
出典:https://www.tudorwatch.com/ja/watches/tudor-royal/m28600-0005
ダイアルには、放射線状に広がるサンレイ仕上げが施されています。
頑強な316Lステンレススチールケースは、100m防水を実現しています。
ムーブメントは、38mmはCal.T601、41mmはCal.T603。近年はブラックベイといったモデルで自社製ムーブメントを搭載することが多いですが、このムーブメントはセリタ社(ムーブメントメーカー)の汎用機をベースにしています。
パワーリザーブは38時間と日常使いには、十分と言えるでしょう。
さらに驚くべきはその価格。
定価は41mm250,800円、38mm245,300円、28mm233,200円(全て税込)。ケース素材やデザインなど高度な品質を保ちながらも、優れたコストパフォーマンスを実現していますね。
自社製ではなく汎用ムーブメントを用いることで製造コストを抑える。反面、浮いたリソースを外装に使う。チューダーの伝統的お家芸によって、手の届きやすいラグジュアリーなスポーツウォッチが市場に生み出されることとなりました。
チューダー ロイヤルのバリエーション
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チューダーロイヤルのサイズは、28mm、38mm、41mmの3展開です。
41mmのモデルには、12時位置に曜日表示機能が搭載されています。
38mmモデルでは曜日表示はなく、3時位置の日付表示のみ。そのためローマインデックスが目立つデザインとなり、よりクラシカルな印象が強くなっています。
ケース素材は、ステンレススティールまたはベゼルとブレスレットの一部にゴールドをあしらったコンビモデルの展開となります(コンビは今のところ、海外展開のようです)。
文字盤のバリエーションは、ブラック、ブルー、シルバーの3種類。また、まだ海外展開のみとなりますが、インデックスにダイヤモンドをセッティングしたモデルもリリースされており、非常に多彩な選択肢が用意されています。
チューダー ロイヤルの相場【2021】
チューダーロイヤルのファーストデリバリーは既に開始され、国内ブティックにも入荷されてきました。しかし正規店で見かけることが少なく、市場にもなかなか流れてきません。
今後、市場での数は増えていくことが予想されますが、コロナ禍の影響もあるため、やや時間がかかっている印象ですね。
少なくとも現時点では、「いつでも手に入る」モデルではないことを念頭に入れておくべきでしょう。
市場での数がないとなると、相場が値上がりしているのではないかと思うかもしれません。
しかし良心的な定価設定も相まって、並行相場が大幅に値上がりしているということはなく、定価である約25万円と同程度か、それよりもやや高いくらいです。
価格帯としては、オリスやオメガ、ロンジン、タグホイヤーなどのブランドのエントリーモデルが同時に候補にあがってきます。
しかしチューダーの場合、これらのブランドと比べてリセールバリューが下がりにくいと言えます。そのため、これから初めて高級時計に手を出すという方には、最適な入門機になるのではないでしょうか。
現在は、市場での出回りが少なく気軽に手に入れることは難しいですが、今後出回りが増えれば、コストパフォーマンスに優れた一大人気コレクションになるでしょう。
まとめ
チューダーのロイヤルには、印象的なノッチドベゼルとインテグレーテッドブレスレットと、細かいところにこだわりがつまっています。
今流行りのラグスポを思わせるスポーティさとエレガンスさを融合したデザインは、時計好きの求めるものに寄り添っていると言えます。
しかし流行りに乗っただけでなく、ブランドとしての魅力も体現しているのは、チューダーならではでしょう。
高品質で、時計好きなら誰もが注目するデザイン。そして優れたコストパフォーマンスを実現しているチューダーロイヤルは、高級時計を初めて購入する方の入門機に最適な時計です。
初めての高級時計を買おうと思っている方は、ぜひチューダーのロイヤルを選んでみてください。
当記事の監修者
新美貴之(にいみ たかゆき)
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 店舗営業部 部長
1975年生まれ 愛知県出身。
大学卒業後、時計専門店に入社。ロレックス専門店にて販売、仕入れに携わる。 その後、並行輸入商品の幅広い商品の取り扱いや正規代理店での責任者経験。
時計業界歴24年