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WEBマガジン, 田中拓郎, グランドセイコー

グランドセイコーが新型スプリングドライブ9RA2を発表!SLGA007とSLGA008から見る最先端技術

最終更新日:

グランドセイコー スプリングドライブ 9RA2

出典:https://www.grand-seiko.com/jp-ja

「グランドセイコーSLGA007とSLGA008は何がすごいの?」
「SLGA007とSLGA008の魅力や特長が知りたい」

2017年、母体であったセイコーから独立したグランドセイコー。

これまで大切にしてきた質実剛健な技術力と、技術一辺倒に陥らない華やかなデザインを強みに、快進撃を続けてきました。

2021年はセイコーの140周年ということもあり、グランドセイコーからも特別モデルがいくつか発表されていますが、そのオオトリなのかと思わせる傑出した新作が登場しています。

それが、こちらの水面(みなも)を表すSLGA007,そして年輪のSLGA008です。

2つのモデルの魅力や特長が知りたいという人は多いのではないでしょうか。

SLGA007とSLGA008はそれぞれスプリングドライブの最新キャリバーが搭載されたことで、今、国内外で大きな話題を集めています。

この記事ではSLGA007とSLGA008の魅力や特長を、GINZA RASINスタッフ監修のもと解説します。

価格や発売情報についても紹介しますので、グランドセイコーの購入をお考えの方はぜひ参考にしてください。

2021年新作グランドセイコー SLGA007/SLGA008とは?

まず最初に、2021年8月に突如として発表された、SLGA007とSLGA008のスペックをご紹介致します。

 

①水面 SLGA007

グランドセイコー SLGA007

出典:https://www.grand-seiko.com/jp-ja

SLGA007 スペック

外装

型番: SLGA007
ケースサイズ: 直径40mm×厚さ11.8mm
素材: ステンレススティール
文字盤: ブルー

ムーブメント

ムーブメント: 9RA2
駆動方式: スプリングドライブ自動巻き
パワーリザーブ: 約120時間(約5日間)

機能

防水: 10気圧防水
予価: 990,000円(税込)

 

②年輪 SLGA008

グランドセイコー SLGA008

出典:https://www.grand-seiko.com/jp-ja

SLGA008 スペック

外装

型番: SLGA008
ケースサイズ: 直径40mm×厚さ11.8mm
素材: 18Kピンクゴールド
文字盤: ブラウン

ムーブメント

ムーブメント: 9RA2
駆動方式: スプリングドライブ自動巻き
パワーリザーブ: 約120時間(約5日間)

機能

防水: 10気圧防水
予価: 5,500,000円(税込)

 

 

2021年新作グランドセイコーに搭載されるスプリングドライブ9RA2の実力

セイコーは140周年にあたり、「日本の情感あふれる風景を表現」することを、新作のテーマとしていました。同時にグランドセイコーでは、もともとブランド哲学として”THE NATURE OF TIME”が挙げられています。

そのため今作も自然の情景を時計に落とし込んだ、見事な美しさを感じ取ることができるのですが、その美しさを語るまえにまず取り上げたいのが、新型スプリングドライブ9RA2です。

グランドセイコー 9RA2

出典:https://www.grand-seiko.com/jp-ja

そもそもスプリングドライブとは、グランドセイコーが生み出した非常に画期的な機構です。

1960年の創業以来、「最高の精度」を訴求し続けてきたグランドセイコー。

世界屈指の生産体制を強みに、数々の傑出したムーブメントを生み出してきましたが、その最たるものがスプリングドライブではないでしょうか。

ではスプリングドライブがどういった機構かと言うと、機械式時計とクォーツ式時計の「良いとこどり」をしたものとなります。

すなわち、駆動方式には電池ではなくゼンマイを。一方で精度はテンプではなくクォーツ(水晶振動子)とその振動をパルス信号に変換するIC(電子回路)で適応しているのです。これによって「機械式時計のような力強いトルクを実現しながらも、クォーツ式時計のようにきわめて高い精度」を実現し、かつテンプを持たないために衝撃に強いといったメリットを抱えることとなりました。

 

このスプリングドライブの開発には、相当の時間がかかったようでした。

発案は1977年であったにもかかわらず、市販化は2004年。この難関の一つは、「パワーリザーブ」に要因がありました。開発陣ではスプリングドライブに最低でも70時間超のパワーリザーブが必須と考えていましたが、これがなかなかどうして難しかったと。

そして発売から間もなく20年を迎えようとする今日、その技術は熟成され、ついに5日間パワーリザーブの最新世代スプリングドライブが完成するに至りました。これを実現したのが、2020年登場の9RA5です。

まさにグランドセイコー悲願と言っていいでしょう。

そして、今回の新作でリリースされた9RA2の設計は、2020年に登場した9RA5と同様です。

しかしながら、スプリングドライブのアイコンでもあった文字盤側のパワーリザーブインジケーターが、裏蓋側に搭載されることとなりました。

グランドセイコー 9RA2

出典:https://www.grand-seiko.com/jp-ja

この傑出したキャリバー9RA2(および前年リリースの9RA5)について話を続けると、特筆すべき点はデュアルサイズバレルを搭載させた、ということでしょう。これによって5日間の超ロングパワーリザーブを実現しています。

バレルとはゼンマイを収める香箱のことです。

近年ではこの香箱になるべく多くのゼンマイを積んだり、二つ備える(ツインバレル)ことでパワーリザーブを延長する向きが時計業界ではよく見られます。

グランドセイコーもまたツインバレルを採用するのですが、普通のそれとは異なるのが香箱のサイズを大小二つとしたこと。メインのエネルギー供給を大きい方の香箱が担い、こちらのトルクが下がった時に小箱の方が機能を発揮する、といった仕組みになります。

これによって限られたスペースの中で、5日間もの膨大なパワーリザーブを実現するに至りました。

出典:https://www.grand-seiko.com/jp-ja

また、グランドセイコーは高精度クォーツ9Fムーブメントも基幹機として同社ラインナップのメインを張っていますが、9F同様に水晶振動子(クォーツ)に3か月間のエイジングを施します。これによって安定した振動数を実現し、高精度を維持することに繋がるのだとか。

この選り抜きのクォーツはさらに新規開発された温度センサー内臓ICとともに搭載され、温度補正機能を備えます。

すなわち、温度変化にも耐えながらも、月差±10秒というきわめて高い精度へアップグレードされることとなりました。ちなみにスプリングドライブの従来品の月差は±15秒ですので、既に高精度であったものの、さらに追い込まれたことを意味します。

グランドセイコー 新作 SLGA007

出典:https://www.grand-seiko.com/jp-ja

加えて、セイコー伝統の高効率巻き上げパーツ「マジックレバー」を中心位置からオフセット。これによってムーブメント高を約1mmシェイプすることで薄型化を図りました。ちなみにその他パーツの見直しも功を奏しているようです。

さらに輪列をムーブメント中心位置で展開し、その上から一枚板でそれぞれの軸を支えるワンピースエンターブリッジによって、耐衝撃性をもアップデートされています。

 

なお、裏蓋側のパワーリザーブインジケーターにはブルースティール針が備わっており、9RA2の意匠と併せて、サファイアクリスタルガラス越しに豪華な景観を臨むことができるでしょう。ちなみにインジケーター部分は「信州霧氷仕上げ」なる手法で、厳寒期の信州地方で見られる霧氷を表現しているとのことです。

グランドセイコーが培ってきた技術の、集大成とも言える新型スプリングドライブです。

2021年新作グランドセイコー SLGA007/SLGA008の美しき文字盤と外装

グランドセイコー 新作 SLGA008

出典:https://www.grand-seiko.com/jp-ja

新型スプリングドライブ9RA2の素晴らしさもさることながら、外装の美しさも当新作の大きな特徴です。

今回は二点新作が発表されていますが、それぞれで本当に秀逸と言う他ありません。

 

前述の通り、日本の自然が一つのモチーフとなっておりますが、まずSLGH007の方は「水面(みなも)」の文字通り、諏訪湖の美しい湖面を表現した、とのこと。

近年のグランドセイコーは文字盤遊びが本当に秀逸で、この水面も美しい方打ちパターンが丁寧に描かれていますね。光の角度によって、その表情を変えるとのことです。

ちなみになぜ諏訪湖かと言うと、グランドセイコーのスプリングドライブやクォーツムーブメントを製造する拠点が「信州 時の匠工房」であり、諏訪湖のほど近くに立地するためです。

グランドセイコー SLGA007

出典:https://www.grand-seiko.com/jp-ja

外装もまた、グランドセイコーらしい出来栄えです。

グランドセイコーは1967年、セカンドモデルとして44GSを発表して以降、「セイコースタイル」をデザイン文法として堅持してきました。セイコースタイルにはいくつかの様式がありますが、その根底には「光と影」を巧みに取り込む、というものがあります。

例えば歪みのない美しいザラツ研磨や、丁寧にカッティングされた針,インデックスがこれに当たります。光と影でメリハリができるからこそ、燦然と輝く時計に仕上がり、結果として高級機に欠かせない風格を備える、と。

グランドセイコー SLGA007

出典:https://www.grand-seiko.com/jp-ja

SLGA007も、このセイコースタイルを存分に発揮した美しさに仕上がりました。

恐らく写真を見るよりも、実機を手にした時の方が感動はひとしおでしょう。

グランドセイコーは昔から外装の出来栄えを評価する声が多いものですが、ここへきてなおいっそうの輝きを見せています。

 

一方のSLGA008は、「年輪」が文字盤に落とし込まれました。

グランドセイコー SLGA008

出典:https://www.grand-seiko.com/jp-ja

これは、2021年明けの2月に発表された、メカニカルコレクションSLGH007でも見られたデザインコードです。ちなみにSLGH007も、新世代メカニカルCal.9SA5を搭載したことで大きな話題となりました。

この木目調の文字盤は、「グランドセイコーの進化を大樹の年輪」に見立てた、とのこと。優美なピンクゴールドケースと相まって、高級機然としながらも、どこか暖かみのある仕上がりになりましたね。

なお、こちらは革ベルトモデルとなりますので、SLGA007と比べてよりエレガントで、ドレッシーな印象を楽しめることでしょう。

 

2021年新作グランドセイコー SLGA007/SLGA008の価格と発売時期

待望の新型スプリングドライブ9RA2を載せたSLGA007/SLGA008、発売時期は前者が2021年12月10日(金)、後者が同年11月19日(金)が予定されています。

ステンレススティールモデルのSLGA007は2,021個限定で税込価格990,000円。ピンクゴールドモデルのSLGA008は140本限定で税込価格5,500,000円。どちらも強気の価格設定ですが、とりわけSLGA008の方は数あるグランドセイコーの中でも屈指のハイエンドとなっております。

もっともスプリングドライブは他機構と比べて複雑で、量産が難しい側面があります。

これだけコストがかけられた美しい外装・文字盤を鑑みれば、適正価格と言えるでしょう。

 

なお、製造本数は世界各国で、となりますので、気になる方は早めに予約を入れることをお勧め致します。

 

まとめ

2021年、夏も終わる頃、突如として発表された最新鋭の新型グランドセイコー。その実力の程をご紹介致しました!

「グランドセイコーを買うなら、スプリングドライブ」。こう思っている方も少なくないでしょう。そのため今回の新型機は、今後の量産が望まれるところですね。

また続報や当店での入荷がございましたら、随時続報していきたいと思います!

当記事の監修者

田中拓郎(たなか たくろう)

高級時計専門店GINZA RASIN 取締役 兼 経営企画管理本部長
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター

当サイトの管理者。GINZA RASINのWEB、システム系全般を担当。スイスジュネーブで行われる腕時計見本市の取材なども担当している。好きなブランドはブレゲ、ランゲ&ゾーネ。時計業界歴12年

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