WEBマガジン, Watches and Wonders Geneva 2024 現地から速報!, 田中拓郎, ゼニス
速報!2022年ゼニス新作モデルを発表!by Watches & Wonders Geneve
最終更新日:
出典:https://www.zenith-watches.com/ja_jp
自社の伝統をベースに、意欲的に革新的なモデルを発表し続けるゼニス。
Watches and wonders Geneve 2022では、新型のクロノマスターシリーズをリリース、大きく注目されています。
この記事では、ゼニスの2022年新作モデルについてご紹介いたします。
目次
2022年ゼニス新作①クロノマスター オープン
出典:https://www.zenith-watches.com/ja_jp
クロノマスターオープンは、一足先にLVMHウォッチウィーク2022でいくつかのコレクションを発表していたゼニスが、最後に放った秘蔵の1本です。
2017年にコレクションの大幅なリ・ポジショニングを行うことを決め、2021年はクロノマスターが大きく変革を迎えた年になりました。
クロノマスターのリ・ポジショニングを進めたゼニスでは、さまざまなモデルのクロノマスターをリリース。
その目論見は成功し、ゼニスにとって2021年は躍進の年となり、良い状態で今を迎えることになります。
そして新たにスタートしたクロノマスターシリーズの変革の、フラッグシップモデルとして位置付けられたのがクロノマスターオープンです。
ファンの多いエル・プリメロが外から見えるオープンハートは、2003年にオリジナルが登場しました。
初のオープンハートモデルであり、世界最高レベルのムーブメントを常に見ることができるデザインとして、腕時計ファンの心を常につかみ続けてきたデザインです。
この数年に行われているコレクションの合理化で、クロノマスターは同社のクロノグラフコレクションと位置付けられました。
そして、登場から20年間愛され続けるオープンハートを、フラッグシップモデルとして発表するとともに、W&Wではマスター・オブ・クロノグラフ展を開催。
機械式クロノグラフの発展を語る上で欠かせないゼニスの偉業と、数々の名機たちを知ることができるとともに、その集大成であるクロノマスターオープンが堪能できます。
出典:https://www.zenith-watches.com/ja_jp
新作クロノマスターオープンは、1969年に発表されたA386のアイコニックな3色のミニダイヤルを備え、9時位置がスケルトンになっています。
しかし今回はスケルトンであるというだけでなく、ヘサライトクリスタルを使用することでミニダイヤルとしての機能もしっかり果たしています。
使用されているエル・プリメロはエル・プリメロ 3600に改良を重ね、5Hzのハイビートを持つエル・プリメロ3604 自動巻クロノグラフムーブメントです。
文字盤からは脱進機とガンギ車、アンクルの動きを見ることができ、シリコン製の紫紺のガンギ車(中央に星マークを備えた)もしっかり見えます。
従来42mmだったケースサイズは39.5mmまでサイズをしぼり、象徴的なベゼルも廃して、オリジナルと比べるとかなりシャープで視認性の高い印象になりました。
オープンハートダイヤルを備えた腕時計は数あれど、あのエル・プリメロ、しかも5Hzのハイビートを目で楽しむことができるのは新作クロノマスターオープンのみです。
スペック
外装
ケースサイズ: | 直径39.5mm×厚さ13.1mm |
素材: | ステンレススティール/ローズゴールド |
文字盤: | ブラック/シルバー |
ムーブメント
ムーブメント: | エル・プリメロ 3604 |
駆動方式: | 自動巻き |
パワーリザーブ: | 約60時間 |
機能
発売予定: | 2022年 |
予価: | ステンレススティールモデル:1,100,000円(税込)~/ローズゴールドモデル:2,365,000円(税込)~ ベルトにより価格が変わります |
2022年ゼニス新作②クロノマスター スポーツ オンライン&ブティック エディション
出典:https://www.zenith-watches.com/ja_jp
W&Wの「マスター・オブ・クロノグラフ」展を記念し、ゼニスでは2021年にジュネーブ時計グランプリ(GPHG)でクロノグラフ賞を受賞したクロノマスター スポーツの新モデルも発表しました。
特に注目したいデザインは、クロノグラフのベゼルに、エル・プリメロクロノグラフの象徴である、グレー・アンスラサイト・ブルーの3色を使用しています。
グレー・アンスラサイト・ブルーの3色は、エル・プリメロクロノグラフのインダイヤルのカラーとしておなじみですが、セラミック製のベゼルに使用したのは初の試みです。
グラデーションも美しいデザインは印象的で、文字盤のベースはシルバーのサンレイ仕上げになっています。
さらに総ローズゴールドデザイン、ローズゴールドとステンレススティールのコンビモデルもリリース。
総ローズゴールドデザインは文字盤をホワイト・ブラックからセレクトできます。
コンビモデルはシルバー文字盤に、ローズゴールドベゼルです。
搭載するのは5Hzのハイビートを誇るエル・プリメロクロノグラフムーブメントで、パワーリザーブは60時間です。
シースルーバック仕様になっているので、五芒星のオープンローターなどを見て楽しむことができます。
出典:https://www.zenith-watches.com/ja_jp
スペック
外装
ケースサイズ: | 直径41mm |
素材: | ステンレススティール/ローズゴールド |
文字盤: | ブラック/シルバー |
ムーブメント
ムーブメント: | エル・プリメロ 3600 |
駆動方式: | 自動巻き |
機能
発売予定: | 2022年 |
予価: | ステンレススティール3色モデル:1,408,000円(税込)~/ローズゴールドモデル:4,403,300円(税込)~/コンビモデル:1,980,000円(税込) ベルトにより価格が変わります |
2022年ゼニス新作③デファイ スカイライン
出典:https://www.zenith-watches.com/ja_jp
ここからは、LVMHウォッチウィーク2022でお披露目された新作達になります。
LVMHは本拠地をパリに置くコングロマリットで、タグホイヤーやウブロ、ブルガリなどを傘下に置きます。
ゼニスもLVMHにおいて注目されるウォッチブランドのひとつ。
LVMHは2022年1月に、W&Wに先駆けてLVMHウォッチウィークを開催、タグホイヤー、ブルガリ、ウブロ、ゼニスが新作を発表しました。
今回、ゼニスが発表したモデルはデファイです。
反抗する、挑戦するという意味のデファイは、2017年にコレクションのポジショニングが整理され、ゼニスを代表するモデルとなりました。
そもそもゼニスといえばエル・プリメロと答える方が多いと思いますが、エル・プリメロはムーブメントであって、モデル名ではありません。
実は2017年まで、ゼニスではエル・プリメロ搭載の腕時計というだけでブランド価値がつき、コレクションやモデルの方向性がぼやけているという欠点があったのです。
そこで2017年に大改革が行われ、W&Wで注目されたクロノマスターをはじめ、デファイ、パイロット、エリートを4本柱として整理されました。
そして今回、LVMHウォッチウィーク2022にて、デファイの新作が花開くようにリリースされました。
出典:https://www.zenith-watches.com/ja_jp
デファイは、ゼニスでもっとも多方面のモデルを総合的にまとめるコレクションです。
結局ゼニスの多様性がデファイに移行しただけ、という意見もありましたが、今回登場したデファイ スカイラインがそのイメージを払拭します。
デファイ スカイラインは、デファイのフラッグシップモデルとしてリリースされた、ハイクオリティスポーツウォッチです。
デファイ スカイラインは、1969年の「デファイ A3642」をベースとして、当時高く評価されたデファイたちを現代的に再解釈したデザインが特徴です。
似ているようで細かな違いがあり、たとえば14角形だったベゼルは12角形になりました。
8角形のケースはよりシャープになり、12角形のベゼルと同化するようにスマートなデザインです。
さらにベゼルのエッジを鏡面仕上げにすることで、サテン仕上げのベゼルとラグとの間に光の遊びが入る、優雅なフォルムとなりました。
ラグジュアリースポーツウォッチのステレオタイプともいえるブレスレット一体型のフォルムをとりながら、インターチェンジャブルストラップを装着しています。
また昨今のラグジュアリースポーツウォッチの常としてラバーストラップも付属しており、チェンジャブルストラップの存在感をアップさせました。
出典:https://www.zenith-watches.com/ja_jp
搭載されたムーブメントはエル・プリメロ 3620です。
クロノグラフムーブメントのエル・プリメロ3600をベースとして、3針モデルへと進化させました。
3万6000振動/時のハイビートで、10振動、5Hzという振動数を活かしたミニダイヤルを備えています。
デファイ スカイラインは3針の腕時計ですが、ミニダイヤルでは針が10秒に1回回転し、1/10秒をカウントすることが可能です。
1/10インジケーターをもつインダイヤルを備えた腕時計は、ゼニスによればスイスメゾンでは初とのこと。
スケルトンのケースバックからはゼニスのマークである五芒星を大胆にあしらったローター、そして鮮やかなスカイブルーのシリコン製ガンギ車が見えます。
よく見るとガンギ車も五芒星をあしらっており、精密機器ファンの心をキュンとさせてくれます。
ゼニスは星マーク、というイメージですが、ゼニスという名前が「天頂」を表すのです。
現在は五芒星が良く使用されていますが、ダブルZと呼ばれる、四方手裏剣のような四芒星もデファイのケースバックに使用されていました。
今回、デファイ スカイラインには文字盤に、四芒星をつなげたパターンを使用しています。
たくさんの円形が連なっているように見えますが。実は溝部分の手裏剣マークがメインなんですね。
カラーバリエーションはスカイラインの名に合わせるようなブルー、そしてシルバー、ブラックの3色です。
スカイラインは日本人に馴染み深い言葉ですが、大地と空との境界、山や建物の稜線と空との境界線を指します。
デファイというモデルが世界へとさらに大きく羽ばたく、その一瞬をとらえた位置づけを象徴するネーミングなのかもしれません。
スペック
外装
ケースサイズ: | 直径41mm |
素材: | ステンレススティール |
文字盤: | シルバーカラー(サンバーストパターン)/ブルーカラー(サンバーストパターン)/ブラックカラー(サンバーストパターン) |
ムーブメント
ムーブメント: | エル・プリメロ 3620 |
駆動方式: | 自動巻き |
機能
発売予定: | 2022年 |
予価: | 968,000円(税込) ラバーインターチェンジャブルストラップ |
2022年ゼニス新作④デファイ リバイバル A3642
出典:https://www.zenith-watches.com/ja_jp
ゼニスのCEOであるトルナーレ氏は、2202年をデファイのリ・ポジショニングの年と位置付けています。
先にご紹介したデファイ スカイラインと同じ源流を持ち、よりオリジナルに忠実に再現されているのが、デファイ リバイバル A3642です。
ゼニスCEOトルナーレ氏は、1969年の「デファイ A3642」を、腕時計製作華やかなりし時代、ゼニスを代表するモデルと捉えました。
そこで、デファイのリ・ポジショニングを行うことを年頭に掲げたゼニスは、1969年「デファイ A3642」の復刻版を2モデル、リリースしたのです。
ひとつがデザインも現代的解釈を加え、新たな機能も追加されたデファイ スカイライン。
そしてもうひとつが、デファイをゼニスの大きな柱として位置付けるに相応しい、1969年「デファイ A3642」をより忠実に再現したデファイ リバイバル A3642です。
デファイの原点と最先端を同時に、そして同じモデルをベースにして打ち出すことで、デファイがメゾンにとっていかなる意味を持つコレクションかの再定義が狙いです。
デファイはゼニスにとってクリエイティブ上、最も重要なモデルのひとつであると確認したメゾンは、過去と改革してつかみ取るべき未来の橋渡しとして、2本のデファイをリリースしました。
出典:https://www.zenith-watches.com/ja_jp
デファイ リバイバル A3642は、1969年の「デファイ A3642」を忠実に再現したデザインです。
同じオリジナルをベースにしていますが、デファイ スカイラインと並べるとかなり違うことが分かります。
八角形のケースに14面のベゼルを乗せ、中央に向けて色が薄くなるグラデーションのグレーブラウン文字盤は、オリジナルそのままです。
さらにファセットカットのバーインデックスでシャープな印象のスカイラインとは異なり、ボーダーを重ねた正方形のアワーマーカーが独特です。
当時のゼニスに多く採用されたパドル型秒針も仕様し、塗布されたスーパールミノバの色味までが、当時のトリチウムのグリーンに近い色に合わせられています。
まさに見た目だけならシースルーバックケースだけ、サファイアクリスタルと夜光塗料が進化しただけの違いしか感じられません。
搭載するのはエル・プリメロではなく、同じくマニュファクチュールのエリート670で、ケースバックから見ることができます。
4Hzの高振動ムーブメントを見られるようになったことは、オリジナルに忠実な姿を持つリバイバルでも変化が嬉しいポイントですね。
スペック
外装
ケースサイズ: | 直径37mm |
素材: | ステンレススティール |
文字盤: | グラデーションブラウン |
ムーブメント
ムーブメント: | エリート670 |
駆動方式: | 自動巻き |
機能
発売予定: | 2022年 |
予価: | 803,000円(税込) 250本限定 |
2022年ゼニス新作⑤デファイ エクストリーム カーボン
出典:https://www.zenith-watches.com/ja_jp
過酷な環境下でも使用に耐えるよう設計されたデファイ エクストリームから、初のカーボンケースバージョンが登場しました。
スペック
外装
ケースサイズ: | 直径45mm |
素材: | カーボン&チタン(マイクロブラスト仕上げ) |
文字盤: | サファイアクリスタル |
ムーブメント
ムーブメント: | エル・プリメロ9004 |
駆動方式: | 自動巻き |
機能
発売予定: | 2022年 |
予価: | 2,893,000円(税込) |
2022年ゼニス新作⑥デファイ21 クロマ
出典:https://www.zenith-watches.com/ja_jp
スペック
外装
ケースサイズ: | 直径44mm |
素材: | ホワイトセラミック |
文字盤: | ホワイトスケルトン |
ムーブメント
ムーブメント: | エル・プリメロ9004 |
駆動方式: | 自動巻き |
機能
発売予定: | 2022年 |
予価: | 1,705,000円(税込) 200本限定モデル |
2022年ゼニス新作⑦デファイ ミッドナイト サンセット &デファイ ミッドナイト ボレアリス
出典:https://www.zenith-watches.com/ja_jp
スペック
外装
ケースサイズ: | 直径36mm |
素材: | ステンレススティール |
文字盤: | レッド&イエローグラデーション/ブルー&グリーングラデーション |
ムーブメント
ムーブメント: | エリート670SK |
駆動方式: | 自動巻き |
機能
発売予定: | 2022年 |
予価: | 1,320,000円(税込) |
当記事の監修者
田中拓郎(たなか たくろう)
高級時計専門店GINZA RASIN 取締役 兼 経営企画管理本部長
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
当サイトの管理者。GINZA RASINのWEB、システム系全般を担当。スイスジュネーブで行われる腕時計見本市の取材なども担当している。好きなブランドはブレゲ、ランゲ&ゾーネ。時計業界歴12年