シンプルかつ洗練されたデザイン性を持つドイツ・グラスヒュッテの一流メーカー「ノモス 」。
今回はそんなノモスの型番の読み方について説明いたします。
型番を読み解くことで、モデル名やケース素材、ムーブメント、文字盤の色といった情報を知ることができます。

目次
ノモスの型番は「TN1A1W」のように、基本的には6桁の数字とアルファベットで構成されています。
シンプルであるため、型番の法則を覚えやすいブランドといえます。
型番から読み解ける情報はモデルナンバー、ケース素材、文字盤の色、ケースバックの4つです。
ただ、桁数はモデルによって大きく異なり、6桁のモデルもあれば、9桁のモデルもあり、中には10桁を超えるモデルも存在します。
例外も存在しますので、参考程度にご覧ください。
ノモスの型番は日本国内と海外で異なります。
先ほど例に挙げた「TN1A1W」ですが、こちらは国内のみで通用する型番です。
海外では「139」と数字3桁の非常にシンプルな型番が採用されています。
それに伴い日本ではTN1A1W(139)と併記されることが多いです。

ノモスの型番 冒頭2桁のアルファベットが示すのは「モデルナンバー」です。
各シリーズの英字を用いているため、モデルが連想しやすいナンバーとなっています。
| アルファベット | モデル名 |
|---|---|
| TN | タンジェント |
| TN | タンゴマット |
| AH | アホイ |
| MT | メトロ |
| MM | ミニマティック |
| CL | クラブ |
| LD | ラドウィグ |
| ZR | チューリッヒ |
| TT | テトラ |
| OR | オリオン |
| LU | ラックス |
| LA | ラムダ |
タンジェントとタンゴマットについては、どちらも「TN」が採用されています。
そのため、冒頭2桁のアルファベットでは見分けることができません。
両モデルの違いはムーブメント(手巻きor自動巻き)にあるため、後述するムーブメントナンバーにて判別することになります。

型番3桁目の数字が示すのはケース素材です。
ただ、ノモスの時計はステンレススティールが大半を占めるため、殆どのモデルで「1」が採用されています。
| 数字 | ケース素材 |
|---|---|
| 1 | ステンレススティール |
| 3 | ローズゴールド、ステンレススティール(限定モデル) |
| 4 | ホワイトゴールド |
ステンレススティール以外ではローズゴールド「3」やホワイトゴールド「4」が存在します。
ちなみに「3」に関しては、ステンレススティール(限定モデル)に用いられることもあります。
なお、理由は不明ですが、「2」は使われていないようです。

型番4桁目のアルファベットが示すのはムーブメントの種類です。
搭載されているムーブメントによって、それぞれ固有の英数字があてがわれています。
また、ムーブメントの種類は1桁とは限らず、種類によっては2桁や4桁になることもあります。
例えばノモスの主力ムーブメントである「Cal.UW3001」は、あえてアルファベットを使わず、「3001」の4桁の数字を型番に採用しています。
| 英数字 | ムーブメント |
|---|---|
| A | α(アルファ) |
| E | ε(イプシロン) |
| B | β(ベータ) |
| Z | ζ(ゼータ) |
| 3001 | DUW 3001 |
| DR | DUW 1001 |
| DT | DUW 2002 |
| D | DUW 4401 |
| G | DUW 4301 |
| B | DUW 4101 |
| X | DUW 5201 |
上記が型番の英数字とムーブメントの関係性ですが、こちらは絶対的なモノではなく、一部例外も存在します。
また、ムーブメントのアルファベットの後に数字「1」「2」「3」「4」のいずれかが入るモデルも存在しますが、この数字に関しては法則性が見当たりませんでした。ただ、傾向としては、タンジェントに「1」、ラドウィグに「2」、オリオンに「3」が用いられることが多いです。

ノモスの型番末尾2桁目(3桁目)のアルファベットによって示されるのは「文字盤の色」です。
「W(ホワイト)」が採用されることが多く、グレーには「G」、ブルーには「BL」が用いられています。
なお、こちらもムーブメントナンバーと同じく例外も多いです。
| 英数字 | 文字盤の色 |
|---|---|
| W | ホワイト |
| G | グレー |
| SB | シグナルブルー |
| SR | シグナルレッド |
| AT | アトランティックブルー |
| CH | シャンパンゴールド |
| UG | アーバングレー |
| BL | ブルー |

ノモスの型番末尾の数字はケースバックの仕様を示します。
用いられる数字は「1」と「2」のいずれか。
「1」であればステンレス製の裏蓋、「2」であればシースルーバックが用いられます。
なお、限定モデルに関しては、ケースバックに関する記載はありません。
当記事の監修者

南 幸太朗(みなみ こうたろう)
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 買取部門 営業企画部 MD課/買取サロン プロスタッフ
学生時代に腕時計の魅力に惹かれ、大学を卒業後にGINZA RASINへ入社。店舗での販売、仕入れの経験を経て2016年3月より銀座本店 店長へ就任。その後、銀座ナイン店 店長を兼務。現在は営業企画部 MD課 プロスタッフとして、バイヤー、プライシングを務める。得意なブランドはパテックフィリップやオーデマピゲ。時計業界歴14年。