機械式腕時計には「自動巻き」と「手巻き」があり、シェアの大きさは圧倒的に前者に軍配が上がります。
しかしながら手巻き式腕時計もまた、その通好みなロマンと魅力ゆえ、根強い人気を誇ります。
ブランドによってはこの趣味性へのニーズを存分に理解し、手巻き式腕時計のラインナップに力を入れるところは結構多いものです。
そこでこの記事では、手巻き腕時計の魅力や、手巻き腕時計を手掛けるブランドの人気モデルを10本ご紹介いたします。
奥深い手巻き腕時計の世界をご堪能下さいませ。
目次
手巻き腕時計とは?
腕時計の商品ページ等を見ていると、「手巻き(マニュアル・ワインディング)」「自動巻き(オートマティック)」といった文言を見かけることが少なくありません。これは、ゼンマイの巻き上げ方式による違いです。
機械式腕時計はゼンマイを巻き上げ、それがほどける力を動力源としています。ちなみにクォーツ式だと、この動力源を電池が担います。
ゼンマイは香箱と呼ばれる歯車に格納されていますが、この巻き上げをリューズを使って手動で行うのが手巻き、ローターの回転運動を利用して行うのが自動巻きです。自動巻きだと腕の動きによってローターが回転するため、すなわち着用し続けていれば、理論上はゼンマイが巻き上がり続け、時計も動き続けることとなります。
一方の手巻きは、時計が動き続けていればゼンマイもまたほどけ続け、一定時間が経過したらリューズを使って手での巻き上げ操作が必要となってきます。
※ゼンマイと香箱車。香箱車には角穴(かくあな)車が備わっており、ゼンマイ先端部がひっかかった芯と繋がっています。リューズを操作するとこの角穴車も回転し、ゼンマイの巻き上げが行われます。自動巻きはローターの回転運動によってこの角穴車を回転させることでゼンマイ巻き上げが行われているというわけです。なお、香箱車は万が一ゼンマイが切れてしまったとしても、他のパーツに影響を及ぼすことを防ぎます。
手動での操作いらずな自動巻きの利便性は言わずもがなで、現在は腕時計市場での主流になっていることは前述の通りです。もっとも、自動巻き腕時計が本格的に普及したのは、結構最近のことです。
「リューズ操作のいらないゼンマイ巻き上げ」という構想は1770年代に確立していました。
アブラアン・ルイ・ペルレによって開発され、1780年にアブラアン・ルイ・ブレゲが「ペリペチュエル」として実用化します。しかしながら懐中時計はそう動かすような代物でもなかったため普及はあまりせず、発展していくのは腕時計の時代となった20世紀以降です。
出典:https://vintagetimes.nl/product/rolex-3131-bubbleback/
「腕に巻いた時計」は、16世紀頃から存在します。こちらは女性を中心に愛されていた「時計付ブレスレット」と言って良いような装飾要素の強いものでした。一方「腕時計」が本格的に普及したきっかけの一つは第一次世界大戦です。
と言うのも第一次世界大戦は人類史上初と言われる総力戦であり、一般国民も多数徴兵されたこと。また戦車や飛行機といった、これまでにはなかった新兵器が投入されたことなどから従来よりも共通時刻の重要性が高まり、腕時計の利便性が広く知れ渡っていったことが伺えます。腕時計の意味合いがブレスレットのような装飾品ではなく、実用品としての要素が高まっていった、ということですね。
そんな中で懐中時計と違って腕の振りに合わせて大きく動く腕時計に、自動巻きの発想が根付いていくのは至極当然の流れと言えます。
1924年にイギリス人のジョン・ハーウッドが現在の自動巻き時計の原型となる、半回転式ローターによる自動ゼンマイ巻き上げシステムを開発し、特許を取得します。そして1931年にこのローターを全回転式に改良し、いっそう実用性を向上させたのがロレックスです。
ロレックスは1926年にねじ込み式リューズによって高い防水性を実現したオイスターケースを開発していたため、リューズ操作のいらない自動巻き時腕時計の開発・市販化には力を入れていたのでしょう。
1950年代に入ると、ますます自動巻き腕時計の巻き上げ効率が向上していき、市場のシェアを拡大していくこととなりました。
その一方で手巻き腕時計が廃れなかった理由は、次項でご紹介する手巻き腕時計ならではの魅力にあります。
手巻き腕時計の魅力
リューズを使って手で巻き上げる手巻き腕時計は、利便性や各社のラインナップの幅といった意味では、自動巻き腕時計に後塵を拝するかもしれません。
しかしながら手巻き腕時計ならではの魅力を知ると、この機構の人気の秘密が見えてきます。
魅力①パーツが少ないゆえの「デザインの利点」
手巻き腕時計は、この「パーツが少ない」という点で多岐に渡った魅力を備えます。
前述の通り、自動巻き腕時計はローターの回転運動によってゼンマイ巻き上げを行います。
ローターが軽量だと巻き上げ効率が低下するため、メーカーは比重の大きい金属を使ったり、外周部を分厚くしたりといった工夫をローターに凝らします。そのためローター分、ムーブメントに厚みや重量が増し、自動巻き腕時計のケースはどうしても厚くボリューミーになりがちです。またローターでムーブメントの大きい部分を隠してしまうこととなります。
その点、手巻き腕時計は薄型かつ軽量です。
現代はビッグサイズのモデルが増えてきているため自動巻き腕時計の厚みは気にならないものですが、それでも腕への装着感は薄型に軍配が上がります。またビジネススーツに腕時計をご着用になる方が少なくないと思いますが、袖口から主張しすぎない上品な薄型手巻き腕時計は、理知的な印象を深めます。
冠婚葬祭に使えるドレスウォッチが欲しい、といった方も、手巻き腕時計からご選択になるのがお勧めです。
さらに手巻き腕時計はローターがない分、ムーブメント全体を鑑賞するのに適しています。
※ローターがない分、クロノグラフの制御機構を存分に楽しむことができる手巻きスピードマスター
裏蓋をシースルー仕様にして、オーナーがムーブメントを眺められるようなモデルが増えていますが、機械の隅々を楽しみたいなら手巻き腕時計を、といった声は大きいですね。
※ただし近年では、ローターのサイズを小さくしたり肉抜きしたり、あるいはローターに装飾・仕上げを施して自動巻き機構ならではの楽しみを提供する高級ブランドも少なくありません。また薄型自動巻き腕時計も続々増えてきました。もっとも従来からの手巻きを採用した薄型ドレスウォッチの方がお手頃価格のことが多いです。
魅力②パーツが少ないゆえの「耐久性の高さ」
自動巻き腕時計はローターの他、回転運動を効率的にゼンマイ巻き上げへと変換するためのパーツが組み込まれています。
機械的なパーツが多くなるということはその分、衝撃や振動に弱いことも示唆しています。もちろん現代の腕時計は堅牢性や耐震性に富んだ製品が多いですが、強い衝撃・振動に起因するトラブル事例はおうおうにしてあるもの。一方そもそも構造がシンプルな手巻き腕時計は、自動巻き腕時計と比べて耐久面に優れています。
またブランドや機構によっても異なりますが、手巻き腕時計のオーバーホールや修理に伴うメンテナンスコストは、自動巻き腕時計に比べて安く済む傾向にあります。
なお、アンティーク市場には様々な個体が流通していますが、手巻き腕時計は低年式でも比較的安心してデイリーユースできる個体が多いことも事実です。
魅力③手でゼンマイを巻き上げる味わい
手巻き腕時計のデメリットとしてしばしば語られる「手動でのゼンマイ巻き上げ」ですが、これこそ手巻き腕時計の魅力です。
確かに一日一回、手でゼンマイを巻き上げる―ゆっくりと40回程度―ことは、手間はかかります。
しかしながら手間がかかるがゆえに愛着が湧いてくるものです。またカリカリカリ・・・といった感触を手に覚えながらリューズを巻き上げる行為はなんとも味わい深く、腕時計の世界に浸れる時間でもあります。
ちなみにこの世界観を楽しむといった意味合いのみならず、ゼンマイを巻き上げることは実用的なメリットも存在します。
それは腕時計と頻繁に接するため、不具合に気付きやすいということ。例えばこのカリカリカリ・・・の手ごたえが感じられない。あるいは巻き上げ時に異音がする。こういった時は内部に何らかのトラブルが生じている可能性が高く、すぐに修理店や購入店に相談する必要があります。
早期に故障を発見できればそれだけ腕時計への影響は少なくなります。末永く腕時計を愛用したい方は、いつも愛機と向き合える手巻き腕時計はうってつけです。
ちなみに、近年では自動巻き・手巻き腕時計ともにロングパワーリザーブモデルがトレンドです。
パワーリザーブとはゼンマイの持続時間のこと。ロングパワーリザーブモデルでは香箱の設計を見直したり二つ搭載したりすることで、従来よりもはるかに時計を駆動させるエネルギー供給を実現しました。
トレンドのロングパワーリザーブモデルは72時間(約3日間)ですが、ブランドによっては1週間以上の持続性を持つものも!
手巻き腕時計もロングパワーリザーブモデルがリリースされており、ゼンマイを手動で巻き上げるスパンは長くなりつつあります(ただしゼンマイが長くなった分、一度の巻き上げ回数がかなり多くなることもありますが・・・)。
魅力④ラインナップには「語れるモデル」多し!
確かに商品の選択肢の幅は自動巻き腕時計と比べると狭くなる手巻き腕時計。
しかしながら、そのラインナップの中には「語れる」ような名作や銘ムーブメントが多いもの!ブランド側も手巻き腕時計が通好みであることをよく理解し、製品展開にはストーリー性を持たせているのでしょう。
例えばオメガのフラグシップ・スピードマスター プロフェッショナル。
詳細は後述しますが、スピードマスターは1957年に誕生したクロノグラフモデルで、NASAの公式装備品として月面着陸を果たしたエピソードはあまりにも有名です。このスピードマスター プロフェッショナルには伝統的に手巻きクロノグラフが搭載されてきました。
このスピードマスターに搭載される手巻きクロノグラフ、なんと1942年の誕生当初から、約80年ほどに渡って基本設計を変えていないという、歴史的名機!
その他にもロレックスの手巻きデイトナ等に搭載されたクロノグラフ「ヴァルジュー」やオールドインター(アンティークウォッチのIWC)の傑作と名高いCal.89等、名作を挙げると枚挙にいとまがありません。
手巻き腕時計を製造するブランドはラグジュアリーであることが多く、通好みなステータスシンボルとしても進化を発揮してくれることでしょう。
俺の手巻き腕時計10選
特別感溢れる手巻き腕時計。どうせ買うなら、語れる一本にしませんか?
本項では、東京 銀座の高級時計専門店GINZA RASINのスタッフが、ストーリー性や人気を加味したうえで、お勧めモデルを10本ピックアップしてみました!
①オメガ スピードマスター プロフェッショナル 311.30.42.30.01.005
[駆動方式] 手巻き
[キャリバーNo.] Cal.1861等
[パワーリザーブ]約48時間
[ケース材質]ステンレススティール
[ケースサイズ]直径42mm
[文字盤]ブラック
[防水]50m
手巻き腕時計の代表格と言えばコレ!
現在の手巻き腕時計市場の、大きい部分を占めるのがこちらのスピードマスター プロフェッショナルです。
1957年、シーマスター・レイルマスターとともに誕生し、以降、オメガを代表する名作として愛され続けてきました。
もともとはモーターレースをインスパイアしたモデルとして生まれましたが、1962年にマーキュリー計画(史上初の有人宇宙飛行計画)で宇宙飛行士ウォルター・シラーが個人的に着用。その後1966年からNASAの宇宙飛行しよう標準装備品に認定されたことから、スピードマスターは人類の宇宙開発計画を象徴する腕時計となっていきます。
なお、1969年にはアポロ11号が月面着陸を果たし、スピードマスターも当然ながら携行されていたことから、「ムーンウォッチ」の称号を獲得しています。
スピードマスターは初代モデルからデザインが踏襲されており、ブラック文字盤にタキメータースケールを直接印字したベゼル,そしてバーインデックスにペンシル針といった精悍な顔立ちも魅力の一つです。
一方でムーブメントにもロマンがたっぷりと溢れることから、時計愛好家にとって特別な存在としても語られます。
スピードマスター プロフェッショナルの手巻きクロノグラフは、1942年に製造されたレマニア製Cal.27 CHRONO C12に遡れますが、以来基本設計は大きく変わっていないという「生ける伝説」的な傑作機なのです。
ちなみにレマニアとは、かつてスイスにあったムーブメント専業メーカーで、パテックフィリップやヴァシュロンコンスタンタンといった名門ブランドへ銘クロノグラフを多数輩出したことでも知られています。現在はオメガと同じくスウォッチグループ傘下にあるブレゲに吸収されていますが、レマニアの偉大さは今なお語り継がれるところです。
Cal.27 CHRONO C12は、懐中時計用ムーブメントがまだ主流であった当時において、腕時計サイズを実現していたことで大きな話題となりました。その後1946年にCal.321となり、1957年の初代スピードマスターに搭載。
その後耐久性や量産性の改良でキャリバー名は変わっていくものの、2022年に新世代手巻きクロノグラフCal.3861がリリースされるまで、オメガを代表する傑作機として活躍してきたのです。
手巻きクロノグラフの美しいデザインを存分に楽しめるのも、スピードマスターならではですね。
※2019年にオメガによって復刻されたスピードマスター Cal.321。
このように時計好きにとっては堪らないストーリー性を持つスピードマスター プロフェッショナル、長らく生産されてきたため流通量が多く入手しやすいというのもお勧めできるポイントです。
2021年にモデルチェンジを果たしていますが歴代モデルでよく流通しており(ただし第五世代以降)、またメンテナンスノウハウもよく出回っています。そのため初めて機械式腕時計をご購入になる方にとっても扱いやすく、有力な選択肢になるのではないでしょうか。
なお、スピードマスターはバリエーションが豊富で、「レーシング」を始めとしたいくつかの派生モデルは自動巻きとなります。「プロフェッショナル」は基本的に手巻きとなりますので、機構にこだわってご購入になる方はチェックしてみてくださいね。
②ノモス タンジェント
[駆動方式] 手巻き
[キャリバーNo.] α(アルファ)
[パワーリザーブ]約43時間
[ケース材質]ステンレススティール
[ケースサイズ]直径35mm,38mm等
[文字盤]シルバー
[防水]3気圧
ノモスはドイツ ザクセン州グラスヒュッテを拠点とする時計ブランドです。
海外ブランド時計と言うとスイス製がまずイメージに浮かぶかもしれませんが、実はドイツも時計大国です。
中でもグラスヒュッテと呼ばれる、東部ドイツのチェコやポーランド国境とほど近い街は、高級時計の聖地と言って良いでしょう。独自の伝統工法や機能美を大切にしたデザイン性が長い歴史の中で培われてきており、スイスとはまた異なる魅力を備える製品群を特徴とします。
とは言えグラスヒュッテは第二次世界大戦やその後の東西分裂に翻弄された土地でもあります。
ノモスも1906年創業となるものの、一度廃業。1992年に同名会社をデザイナーであったローランド・シュヴェルトナー氏が再興し、以降、グラスヒュッテ工法とデザインを継承する高級時計を輩出してきました。ちなみに「グラスヒュッテ」という称号は、同地の品質基準をクリアした個体にのみ使用が許可されます。
そんなノモスは、現代時計ブランドでは珍しく手巻きモデルを多数ラインナップしていることも大きな魅力です。
フラグシップのタンジェントは、手巻きらしい薄型上品なケースに、スモールセコンドを配した王道にして正統派スタイル。飛びアラビアと青い針が、上質さに一役買ってくれますね。
小径ケースのタンジェント35と38mmというベーシックサイズのタンジェント38がラインナップされており、フォーマルシーンにも最適なシンプルさを湛えます。
シースルーバック(ソリッドバックもあり)からはペルラージュやストライプが装飾された3/4プレートが鑑賞でき、いかにもグラスヒュッテ・スタイルです。
※3/4プレート・・・グラスヒュッテ工法のムーブメメントに見られる、ムーブメントの4分の3を覆う一体型の受けのこと。堅牢性を高めることに加えて、ムーブメント内部にゴミが侵入してしまうことを防ぎます。
このように美しく伝統に即した手巻き腕時計が味わえるノモスですが、さらに嬉しいのは良心的な価格設定です。
手巻き腕時計を生産するメーカーはハイエンドが多く、100万円以上~が価格帯といったところも少なくありません。しかしながらノモスのタンジェントであれば、定価は20万円台半ば~(デイト付きだと30万円台~)。並行輸入店であれば新品でも20万円以下が実勢相場となっており、お手頃価格と言えますね。
③ユンハンス マックスビル ハンドワインド
[駆動方式] 手巻き
[キャリバーNo.] Cal.J805.1
[パワーリザーブ]約38時間
[ケース材質]ステンレススティール
[ケースサイズ]直径34mm
[文字盤]シルバー,ブラック他
[防水]防汗
ユンハンスもまた、ドイツ時計ブランドです。1861年にドイツ南西部のシュランベルクで創業しました。
ユンハンスの腕時計の特徴は、バウハウススタイルを取り入れていることです。
バウハウスというのはドイツ発祥の建築用語の一つで、過度な装飾を避け、実用重視のシンプルな機能美を大切する哲学を意味します。事実、ユンハンスのほとんどのモデルは無駄の一切を省いたシンプルデザインで、視認性や正確性,扱いやすさといった実用時計に必要とされる美学を、とことん訴求していることが見て取れます。
そんなユンハンスの人気コレクションは、マックスビルです。
アート・建築・インダストリアルといった多方面のデザインで名声を博した同名のデザイナーによってデザインされたコレクションとなり、バウハウスの最後の巨匠とも呼ばれた氏による、傑作機にDNAを受け継ぎます。
極限まで引き絞られたベゼルにドーム型風防、そして一切の無駄が感じられないインデックス・針は、まさにバウハウスの意志を感じさせます。基本的に薄型設計のため着用感にも優れており、あまり腕時計を着けてこなかったといった方にとってもデイリーユースに適したモデルと言えますね。
マックスビルも現代時計ブランドとしては珍しく手巻きモデルを多数ラインナップしています。
価格も並行輸入店であれば10万円以下で購入できる個体がほとんどですので、手巻き腕時計の最初のステップとしてもお勧めですよ!
④ジャガールクルト レベルソ
[駆動方式] 手巻き
[キャリバーNo.] Cal.822/2等
[パワーリザーブ]約42時間、他
[ケース材質]ステンレススティール他
[ケースサイズ]縦42.9mm×横25.5mm(モデルによる)
[文字盤]シルバー,ブルー他
[防水]3気圧
時計ブランドとしての名声もさることながら、ムーブメントに一家言持ってきたジャガールクルト。
パテックフィリップやオーデマピゲ,ヴァシュロンコンスタンタンといった雲上ブランドにもムーブメント供給してきた歴史がありますが、ジャガールクルトの薄型ムーブメントがなければ実現しえなかったであろうモデルも存在するほどです。
もっとも近年では時計ブランドとしても存在感をいや増しており、年々新作の数々を意欲的に投入しています。
そんなジャガールクルトで最も人気の高いコレクションと言えばレベルソです。
レベルソは、文字盤がくるっと裏返るギミックが大きな特徴です。
1931年、スポーツ競技「ポロ」の競技者より、「ポロの競技中の衝撃にも耐えられる時計が欲しい」という要望から開発されました。
競技中に文字盤を裏返すことで風防を守る、といった発想となりますが、この前衛的な発想もさることながら、実現しえた高い設計力や技術力には恐れ入るというものです。
現在ではサファイアクリスタルガラスが普及したため「風防を守る」といった意味合いは薄れましたが、このギミックは大きな魅力!1991年、レベルソ誕生60周年として復刻を果たし、以降、時計愛好家から親しまれてきました。
レベルソは本当に多数のモデルがあるため自動巻きもラインナップされてきましたが、手巻きもまたよく出回っています。
中には「デュオ」と名付けられたモデルのように、表裏で異なる顔を湛えているものも!
ちなみにこういったレクタンギュラーケースの時計は、ラウンドケースとムーブメントを共有していることが少なくありません。しかしながらレベルソでは専用ムーブメントを自社製造しており、こういったこだわりの深さから「技術屋」などと称されることもあります。
人と違った時計を探している方はもちろん、時計の機械に魅力を感じる方も、ぜひレベルソをお手に取ってみて頂きたいと思います。
⑤パネライ ルミノール PAM00112 ,PAM00111等
[駆動方式] 手巻き
[キャリバーNo.] OPXI,OPX等
[パワーリザーブ]約56時間
[ケース材質]ステンレススティール
[ケースサイズ]直径44mm
[文字盤]ブラックまたはホワイト
[防水]300m(当時)
そのファンを「パネリスティ」と称するほど、熱狂的な愛好家の多いパネライ。軍用時計にルーツを持つダイナミックなケースに特徴的なリューズ周り、そして視認性を最優先しつつも同社のアイコニック・デザインに一役買っている文字盤に魅せられる男性陣は少なくないでしょう。
もともと軍用時計のサプライヤーとして歴史を築いてきたブランドですが、1993年から民生市場での販売を開始し、今では高級時計を代表するブランドへと成長しています。
そんなパネライ、現在では自社製ムーブメントをラインナップの中心に据えていますが、かつて「ユニタス」と呼ばれる、高名なムーブメントを採用していました。
このユニタスは通称で、キャリバーナンバーとしてはETA6497またはETA6498です。1950年頃から、懐中時計用ムーブメントとして製造されてきました。
ETAは現在スウォッチグループに属するムーブメントサプライヤーで、エボーシュ(半完成品ムーブメント)を非常に多くのブランドへ卸してきました。過去、流通する機械式時計のほとんどがETA製と言われるほどのシェアを誇っていたことは事実です。現在ではスウォッチグループの施策によって供給が制限されており、各社で自社製ムーブメント製造や他社のエボーシュを用いる向きも増えてきましたが、それでも中古市場に出回る多くの腕時計の信頼性・メンテナンス性を、ETAが下支えしていると言って過言ではありません。
このETAは、時計業界内の組織再編で各サプライヤーを吸収してきたことも特徴です。そして話を戻してユニタスとは、ETAが吸収したオーガスト・レイモンド社内で製造されていた手巻きムーブメントとなります。現在この社名は市場からはなくなりましたが、ETA6497・6498は親しみを込めて「ユニタス」と呼ばれているのです。
そんなユニタスは懐中時計用ムーブメントであったため、大振りです。そのためパネライのような、ミリタリーにルーツを持つ腕時計との相性は抜群。
また良好な精度を叩き出し、多数のブランドで採用されてきた歴史も頷けます。
パネライではユニタスをチューンアップし、「OP I」「OP II」(後にOP X,OP XIにアップデート)キャリバーとしてフラグシップのルミノールコレクションでラインナップしました。
9時位置にスモールセコンドのある「ルミノール マリーナ」のPAM00111やPAM00113,スモールセコンドのない「ルミノール ベース」のPAM00112やPAM00114が代表的です。ここで挙げたモデルはシースルーバックからユニタスを鑑賞できるのもお勧めポイントの一つです。
なお、ユニタスはよく生産されたため、パネライの搭載機も出回りは少なくありません。
しかしながらパネライが自社ムーブメントへシフトしていく中で、ユニタス搭載機は続々生産終了に。じょじょに状態の良い個体が市場から少なくなっていっているので、本当に欲しい方は早めに購入しておきましょう!
⑥IWC ポルトギーゼ ハンドワインド
[駆動方式] 手巻き
[キャリバーNo.] Cal.98295
[パワーリザーブ]約46時間
[ケース材質]ステンレススティール
[ケースサイズ]直径44mm
[文字盤]シルバー他
[防水]3気圧(当時)
次にご紹介するのは、IWCのポルトギーゼです!
IWCはスイスの名門時計メーカーですが、ドイツ寄りのシャフハウゼンに本拠を構えていること。またスイス時計でありながらも、アメリカ人の時計技師フロレンタイン・アリオスト・ジョーンズが創業者であることから、「インターナショナル・ウォッチ・カンパニー」という英名を持つという、珍しいブランドでもあります。
そんなIWCのフラグシップ・ポルトギーゼは、もともと1939年にポルトガル商人からの依頼で作成した時計に端を発します。「航海中にあっても高精度の腕時計」という要望を叶えるために誕生した一大コレクションで、懐中時計用のムーブメントをそのまま腕時計として転用したことから、腕時計としては大振りなサイズであることが大きな特徴です。1993年、IWC創業125周年を祝して復刻が果たされますが、その際も大振りなケースは踏襲されることとなりました。
この存在感溢れる大きさはアイコニックであるのみならず、堅牢性や安定性の大きな秘訣ともなっています。
そんなポルトギーゼの人気モデルは自動巻きクロノグラフがまず挙げられますが、手巻きモデルもまた傑出していると言わざるを得ません。
2008年にコレクションに加わった「ポルトギーゼ ハンドワインド」は、初代ポルトギーゼを彷彿とさせる、スモールセコンドを湛えたクラシカルなノンデイトモデル!実用性高い自動巻きモデル・日付付モデルの多い昨今、これほどまでにクラシカルを全面に押し出した腕時計というのは大変珍しく、IWCだからこそ仕上げられた逸品と言えるでしょう。ポルトギーゼらしいリーフ針やアラビアン・インデックスも、正統派スタイルに一役買っています。
シースルーバックも、ドイツにほど近いIWCならではの3/4プレートや丁寧な仕上げが鑑賞でき、機械好きにもたまらない仕様ですね。
ちなみに「SLOW/FAST」は精度調整に使う緩急針のことです。これだけ長い緩急針を見られるのも、この手巻きモデルゆえ。現在はフリースプラング方式(同じく精度調整機構ですが、テンプのテンワの慣性を変えることでこれを行います)にシフトしつつあるためこの針は現行ポルトギーゼにはミニッツリピーターモデルを除いてありませんが(2022年2月現在)、針がまた機械の面白さを感じられる一幕と言えるでしょう。
ちなみに、2013年にリリースされた8日間もの超ロングパワーリザーブを有した手巻きポルトギーゼも存在します。
「朝、手巻きする時間がない」という方は、こういったロングパワーリザーブモデルをぜひご検討下さい!
⑦ウブロ ビッグバン メカ10
[駆動方式] 手巻き
[キャリバーNo.] Cal.HUB1201
[パワーリザーブ]約10日間
[ケース材質]チタン,セラミック等
[ケースサイズ]直径45mm
[文字盤]スケルトン
[防水]100m
クラシック・デザインであることが非常に多い手巻き腕時計ですが、思い切りモダンかつアヴァンギャルドな同機構を手掛けるブランドがあります。それは、ウブロです。
ウブロはイタリア人のカルロ・クロッコ氏によって1979年に創業したスイス時計メーカーです。誕生当初から高級時計にラバーストラップを組み合わせるという前衛的な発想でヒットしたブランドでもありますが、当時はまだイタリア市場を中心とした人気でした。しかしながら2005年に誕生した一大コレクション「ビッグバン」によって、ウブロの人気がいっそう高まるとともに、時計業界にもビッグウェーブを巻き起こすこととなりました。なぜならウブロは「異素材」を巧みに高級時計に落とし込んだため。セラミックやカーボンといった、これまで高級時計としては決して定番ではなかった「異素材」をステンレススティール製時計に融合させており、機能面でもデザイン面でも、新しい風を業界に吹き込むこととなりました。
マーケティングもまた卓越しており、スポーツ界を始めとした各種産業と上手に繋がったことも、ファンを大いに増やす背景として挙げられるでしょう。
そんなウブロですから、手巻きモデルも一筋縄ではいきません。2016年に発表された「メカ10」をご覧下さい。
アイコンであるビッグバン(スピリット・オブ・ビッグバンにも同様の機構が搭載されていますが)に渾身の手巻きムーブメントHUB1201を載せていますが、スケルトナイズされた文字盤からは、メカニカルな雰囲気が漂いますね。
この「メカ10」は、その名の通り10日間もの超ロングパワーリザーブを備えていることがまず大きな特徴です。さらにゼンマイが巻き戻ると12時位置のラックギアがスライド。ここと連動した6時位置がインジケーターとなっており、10日間のフル巻きから日数を経るごとに数字が変わっていくこととなります。そうして3日を切ると、3時位置のインジケーターが赤く染まるという・・・機構としても「デザインの面白さ」としても、時計業界で頭一つ抜きんでていますよね。
裏蓋もシースルーなため、独特のブリッジで守られたムーブメントをご確認頂けます。
ウブロはムーブメントのパーツ一つひとつを丁寧に色付けおよび仕上げしているため、本当に眺めていて飽きない腕時計の一つですが、ローターのない手巻きだといっそうこの醍醐味を味わえるのではないでしょうか。
なお、メカ10は手巻きですが、巻き止まりはない設計となっております。
⑧パテックフィリップ カラトラバ 5196
[駆動方式] 手巻き
[キャリバーNo.] Cal.215PS
[パワーリザーブ]最小44時間
[ケース材質]ゴールド
[ケースサイズ]直径37mm
[文字盤]スケルトン
[防水]3気圧
世界最高峰の腕時計ブランドと名高いパテックフィリップ。オーデマピゲ,ヴァシュロンコンスタンタンと並んで世界三大時計ブランドなどと称されることもありますが、その中でもパテックフィリップは頭一つ抜きんでていると言って良いでしょう。
そんなパテックフィリップ、近年ではラグジュアリースポーツウォッチというジャンルに分類されるノーチラスが絶大な人気を誇っています。あまりの人気にセカンドマーケットですら品薄となっており、さらに生産終了によって人気が激化。今では2,000万円の値付けがなされる個体もあるほどの熱狂ぶりを博しています。この人気につられて、同じくスポーツラインのアクアノートもまた実勢相場を高騰させ続けています。
しかしながらパテックフィリップのアイコンと言えば、ドレスウォッチのカラトラバではないでしょうか。
カラトラバは、1932年に誕生しました。今なお「ドレスウォッチのお手本」「丸形時計の規範」として、特別な存在感を放つ一大コレクションです。
12世紀の十字軍スペイン・シトー修道会「カラトラバ騎士団」の紋章として用いられたカラトラバ十字からその名を取っており、パテックフィリップの象徴的ロゴでもありますね。もっとも誕生当初はカラトラバという名称はなく、このモデル名が出回ったのは1980年代頃からとなります。
このカラトラバ、初代Ref.96からバウハウスの影響を受けた、シンプルかつ上品なデザインを特徴としていました。ちなみにバウハウスはユンハンスの項でもご紹介したように、ドイツ発祥の機能美を訴求したデザイン哲学です。そのためカラトラバもまた無駄の一切は排除されており、2針+スモールセコンドのみというシンプル機能を基調としています。シンプルなプロダクトほどデザイン的な美しさを出すには、高度な技術力や設計力が要されます。その点カラトラバは歪みのなく仕上げられたケースに美しい針・インデックスはまさに最高峰。なぜカラトラバがドレスウォッチのお手本と称されるかは、カラトラバそのものを手に取ってみるとおわかり頂けるでしょう。
とは言えカラトラバは、長い歴史の中で多岐に渡ったモデルが展開されていきます。
しかしながらリファレンス(型番)に「96」が付くモデルは初代Ref,96の系譜を受け継いでおり、バウハウスらしい美しきシンプルを体現しています。ちなみにこの96にちなんで「クンロク」と呼ぶこともあります。
そしてRef.5196は、2004年から生産されている世代です。ケース直径37mmとクンロクカラトラバの中ではモダンな大きさとなっており、一方で薄くフラットなベゼルやオビュ(砲弾型)の植字インデックス,ドフィーヌ針といった初代の系譜を色濃く受け継いだデザインを持つことも特筆すべき点です。
サイズが現代的なことはもちろん、比較的流通量も豊富なため入手しやすいパテックフィリップの一つです。
もっとも2021年に新型手巻きムーブメントがパテックフィリップからローンチされたため、Ref.5196系は2022年に生産終了するといった噂があること。また近年パテックフィリップ相場が全体的に急騰しており、カラトラバも御多分に漏れないことから、気になる方は早めに買っておくのが吉でしょう。
⑨ランゲ&ゾーネ サクソニア フラッハ
[駆動方式] 手巻き
[キャリバーNo.] Cal.L093.1
[パワーリザーブ]約72時間
[ケース材質]ゴールド
[ケースサイズ]直径37mmまたは40mm
[文字盤]シルバー
[防水]日常生活用防水
世界三大時計ブランドに名前こそ連ねていないものの、パテックフィリップに追随すると言われているのがランゲ&ゾーネです。
前述したノモス同様、ドイツ グラスヒュッテで創業したランゲ&ゾーネは、この地の時計産業を盛り立てた立役者となります。
19世紀、かつて栄えた銀鉱山が枯渇しており、街全体が貧困に直面していたグラスヒュッテ。産業奨励は、急務といって良い課題でした。1845年にフェルディナント・アドルフ・ランゲ氏が同地に時計工房を始めたことで、世界を代表する高級時計の産地として成長していきました。ちなみにランゲ&ゾーネは「ランゲとその息子たち」を意味しています。
もっともランゲ&ゾーネも、第二次世界大戦とその後の冷戦の混乱で、一時期市場からその名を消すこととなります。1989年、ベルリンの壁が崩壊してドイツ東西統一がなされて後、四代目のウォルター・ランゲ氏が復興しました。ちなみにこの復興に助力したのが、IWCでもCEOとして手腕を振るった故ギュンター・ブルームライン氏です。
こうして復活を遂げたランゲ&ゾーネは、きわめて高度な時計製造技術を強みに、至高のコレクションの数々を輩出してきました。工芸品とも捉えられる美しきその名作の数々に魅せられる時計愛好家は少なくありません。
サクソニアは、そんな至高のうちの一つです。
出典:https://www.facebook.com/LangeSoehne/?ref=page_internal
グラスヒュッテが位置するザクセン州にその名をちなんでおり、1994年、ランゲ&ゾーネ復活後初のコレクションとしてリリースされた4モデルの中にも含まれていた、特別なコレクションとなります。
2011年にコレクションに追加された「フラッハ」は約72時間のロングパワーリザーブを実現しながらも、ケース厚わずか5.9mmに抑えた優れもの。2針のみとシンプル一辺倒なところも、ランゲ&ゾーネの美しい造形を存分に感じられる魅力となっています。
グラスヒュッテらしく、美しく仕上げられた3/4プレートやエングレービングの施されたスワンネック緩急針を裏蓋から垣間見ることができ、手巻き腕時計の醍醐味が存分に込められています。
惜しむらくはランゲ&ゾーネ自体が大量生産とは無縁のブランドであるため、流通量があまり多くないこと。またサクソニアはランゲ&ゾーネのコレクションの中ではエントリークラスとなるものの、それでも中古であっても150万円台~が当たり前。
しかしながらお値段以上の価値ある手巻き腕時計となっており、一度所有すれば一生涯に渡って寄り添ってくれるパートナーとなってくれることでしょう。
⑩ヴァシュロンコンスタンタン パトリモニー コンテンポラリー 81180
[駆動方式] 手巻き
[キャリバーNo.] Cal.1400
[パワーリザーブ]約40時間
[ケース材質]ゴールド
[ケースサイズ]直径40mm
[文字盤]シルバー,ブルー等
[防水]3気圧
最後にご紹介するのは、ヴァシュロンコンスタンタンのパトリモニーです。
パテックフィリップ,オーデマピゲと並んで世界三大時計に名を連ねるヴァシュロンコンスタンタン。1755年創業と、最古の歴史を持つ時計ブランドの一つとなります。
世界三大時計ブランドらしく、高度な時計技術と熟練した職人仕事によって生み出される腕時計の数々は、うっとりとする出来栄えです。
なお、ヴァシュロンコンスタンタンもラグジュアリースポーツウォッチを製造しており、そのコレクション名はオーヴァーシーズ。細部にわたって考え抜かれたカッコいい意匠が本当に見事で、御多分に漏れず人気が過熱しています。
しかしながらヴァシュロンコンスタンタンもまた、ドレスウォッチに定評のあるブランドです。
中でも2004年に発表されたパトリモニーは、ヴァシュロンコンスタンタンの伝統をも体現した一大コレクションです。1957年に同社が手掛けていたドレスウォッチをリバイバルしており、その古典的なまでの正統派の顔立ちからは、控えめながら鮮烈なまでの美を感じさせます。
出典:https://www.vacheron-constantin.com/jp/home.html
ケース直径40mm×厚さわずか6.7mmとなっており、スーツの袖口からさりげなく発揮する存在感は、手巻き腕時計ならではです。
ヴァシュロンコンスタンタンの歴史はもちろん、腕時計の伝統をも感じられる、一大コレクションではないでしょうか。
まとめ
ロマンたっぷりの手巻き腕時計についてご紹介いたしました!
手巻きは薄く美しいのみならず、ゼンマイの巻き上げで機械の面白み・ロマンを存分に感じられる機構です。確かに自動巻きモデルと比べると各社でラインナップは少ないですが、逆に手巻き腕時計に自信あり、のブランドは素晴らしいところばかり!
一本、手巻き腕時計を所有してみませんか?
当記事の監修者
廣島浩二(ひろしま こうじ)
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチ コーディネーター
一級時計修理技能士 平成31年取得
高級時計専門店GINZA RASIN 販売部門 ロジスティクス事業部 メンテナンス課 主任
1981年生まれ 岡山県出身 20歳から地方百貨店で時計・宝飾サロンで勤務し高級時計の販売に携わる。 25歳の時時計修理技師を目指し上京。専門学校で基礎技術を学び卒業後修理の道に進む。 2012年9月より更なる技術の向上を求めGINZA RASINに入社する。時計業界歴19年