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WEBマガジン, 田中拓郎, エントリーモデル特集, オメガ

スウォッチ×オメガのコラボ「ムーンスウォッチ」登場!発売初日に買いに行くも・・・!?

最終更新日:

出典:https://www.swatch.com/ja-jp/bioceramic-moonswatch.html

「スウォッチ×オメガのコラボモデルって何がすごいの?」
「ムーンスウォッチの魅力について詳しく知りたい」

2022年3月下旬、突如としてローンチしたスウォッチ×オメガのコラボレーション企画。

ご存知の通り、この二社は同じ時計業界のコングロマリット「スウォッチグループ」に属するものの、前者はベーシックレンジ。

一方の後者はプレステージ&ラグジュアリーレンジ。

価格帯やコンセプト、ターゲットが大きく異なっており、これまであまり共同企画のようなものは見受けられませんでした。

しかしながらこの度新作として発表されたのは、オメガのスピードマスターをデザイン面でインスパイアしつつ、スウォッチならではの独自素材「バイオセラミック(BIOCERAMIC)」を採用した、ユニークかつ特別なモデルとなります。

そんなムーンスウォッチの魅力について詳しく知りたいという人は多いのではないでしょうか。

発売初日のスウォッチストアに行ってきましたが、混雑し過ぎて営業中止となり、後日抽選販売となったほどの人気です。

この記事ではムーンスウォッチの魅力について、GINZA RASINスタッフ監修のもと解説します。

購入方法についても紹介しますので、オメガの購入をお考えの方はぜひ参考にしてください。

※2023年最新のムーンスウォッチは下記の記事をご覧ください!

2022年 新作スウォッチ×オメガのコラボ「ムーンスウォッチコレクション」とは?

出典:https://www.swatch.com/ja-jp/bioceramic-moonswatch.html

共通スペック

外装

ケースサイズ: 直径42mm
素材: バイオセラミック
文字盤: 各種

機能

駆動方式: クォーツ
防水: 3気圧
定価: 33,550円(税込)

2022年3月24日に正式公開されたスウォッチ×オメガのコラボレーション「ムーンスウォッチ」。デザインのベースは、オメガのスピードマスターです。

 

冒頭でも簡単にご紹介しているように、スウォッチとオメガは同じコングロマリット「スウォッチグループ」傘下のブランドとなります。スウォッチグループの名前が時計市場に初めて出たのは1998年ですが、もともとスウォッチというブランドが1983年に誕生していました。

1970年代~1980年代は、スイス時計業界にとって決して明るいとは言えない時代でした。

1969年にセイコーから市販化された「アストロン」をきっかけに、高性能で大量生産可能なクォーツ式腕時計が広く普及したこと。またスイスフラン高や高度経済成長に伴う新しい消費形態に適応した生産体制で出遅れていたことなどがその背景として存在します。この時代は「クォーツショック」と称されることもあり、老舗ブランドが倒産や休眠に追い込まれることとなりました。

 

出典:https://www.swatch.com/ja-jp/bioceramic-moonswatch.html

この暗澹たる空気を変えた立役者の一つが、スウォッチと言われています。

スウォッチはクォーツ時計を購入する層に対して訴求するため、スイスメイドでありながらもプラスティック製とした、低価格で入手できる腕時計を発売。スイスメイドというブランドでありながらも良心的な価格設定というコンセプト、そしてポップでユニークなデザイン性が、幅広い世代に受け入れられていくこととなりました。

同時期、オメガもまたスイス時計業界の危機にありながらも、その魅力を伝え続けたブランドの一つです。スピードマスターやシーマスターといった名コレクションを連綿と製造し続け、時計の歴史を紡ぎ続けていきました。

※スウォッチグループについて簡単に解説を付け加えると、1930年に誕生したSSIH(スイス時計産業協会)と1931年に誕生したASUAG(全スイス時計産業株式会社)が、1980年代に合併してできたグループです。前者はオメガとティソが結成し、スイス銀行協会の出資によって設立されたグループです。一方の後者はスイス政府やスイス銀行連盟が、エボーシュSA(後にETAとして統合)やパーツサプライヤーのカルテルを管理するために設立したグループです。なお、ASUAGは後にロンジンやラドーなどを擁するGWCを設立しています。

この二大グループが生まれたきっかけは世界恐慌による大不況でした。当時時計産業ではよくカルテル体質が見られ、市場を管理することで国際競争力を高めたり不景気を乗り切ったりしてきたのですが、世界恐慌をきっかけにスイス政府がカルテルを認め、介入していくこととなったというわけです。

その後1969年にクォーツ式腕時計が発売されたことは前述の通りです。クォーツショックに伴う一連の時代を乗り切るために1980年代、SSIHとASUAGを母体に、ETAが合併して「SMH(スイス精密電子工業及び時計製造会社)」グループを設立。ちなみにスウォッチはETAから誕生したブランドでしたが、独立後SMH傘下となります。そして1998年に現在のスウォッチグループに改名されました。

 

さて、そんなスウォッチとオメガの初コラボレーションですが、こういった歴史も背景にあったようです。曰く、スイス時計業界を救った勇敢な会社と「スピードマスター ムーンウォッチ」というアイコンを世に送り出すメーカーとのコラボレーション、と。

発表された「ムーンスウォッチ」は、全部で11種類。

オメガのスピードマスター ムーンウォッチはNASAの公式装備品として月面着陸されたことで高名ですが、コラボモデルでは月に限らず、太陽系の天体をモチーフに、豊富にラインナップされることとなりました。

なお、オメガのムーンウォッチは伝統的に手巻き式クロノグラフが用いられていますが、ムーンスウォッチはクォーツ式となります。

出典:https://www.swatch.com/ja-jp/bioceramic-moonswatch.html

さらに特筆すべきは、スウォッチの特許取得素材「バイオセラミック(BIOCERAMIC)」!

バイオセラミックは3分の2のセラミックに、3分の1のヒマシ油なる植物由来の素材を混合したもので、軽量かつ滑らかな質感を有することが大きな特徴です。一方でスウォッチのモデルではお馴染みのプラスティックと比べると耐久性に優れていると言われており、非常に注目されているユニークな新素材となります。

バイオセラミックは様々なカラーリングが可能なため、ムーンスウォッチもまた各天体に合わせたイメージカラーが採用されており、唯一無二の存在感を示しています。

ストラップもVELCRO(ベルクロ)と呼ばれる、オメガも2021年にスピードマスター専用ストラップとして発売した特別な素材を採用!なお、オメガのホームページによると、NASAが月面着陸を果たした時、宇宙飛行士の腕にはスピードマスターが携行されていたことは有名ですが、そのストラップはベルクロ製だったのだとか!

調節機能があるゆえ、宇宙服の上からはもちろん、ユーザーによって微調整が可能なところが嬉しいですね。

出典:https://www.swatch.com/ja-jp/bioceramic-moonswatch.html

さらにオメガのスピードマスター ムーンウォッチならではの非対称ケースやタキメータースケールの「ドット・オーバー90」,ステップダイアル,さらにガラスにはSの字が組み込まれているなど、オメガファン垂涎のディテールもお楽しみ頂けるというのだから驚きです。

※ドット・オーバー90・・・タキメーター90のドット印字のこと。先代は数字のすぐ横に打たれていましたが、2021年にフルモデルチェンジした新型スピードマスター ムーンウォッチでは90の斜め上にドットが描かれることとなりました。この仕様は、宇宙開発時代のスピードマスターをリバイバルしたものとなります。

 

出典:https://www.swatch.com/ja-jp/bioceramic-moonswatch.html

裏蓋の電池カバーにも、それぞれの天体を彷彿とさせる意匠があしらわれています。

防水性は3気圧ですが(ちなみにオメガのスピードマスター ムーンウォッチは5気圧)、時分針には夜光塗料スーパールミノバが備わるなど、十分な機能を有した新作ですね。

価格は各種33,550円(税込)。発売は2022年3月26日(土)~。

全ショップではなく、各国で一部店舗での取り扱いに留まるとのことですが、これは行って実機を拝みたくなる逸品ではないでしょうか!

 

なお、スウォッチ×オメガ「ムーンスウォッチ」の各バリエーションは下記の通りです。

 

①Mission to the Sun~太陽~

出典:https://www.swatch.com/ja-jp/bioceramic-moonswatch.html

 

②Mission to Mercury~水星~

出典:https://www.swatch.com/ja-jp/bioceramic-moonswatch.html

 

③Mission to Venus~金星~

出典:https://www.swatch.com/ja-jp/bioceramic-moonswatch.html

 

④Mission on Earth~地球~

出典:https://www.swatch.com/ja-jp/bioceramic-moonswatch.html

 

⑤Mission to the Moon~月~

出典:https://www.swatch.com/ja-jp/bioceramic-moonswatch.html

 

⑥Mission to Mars~火星~

出典:https://www.swatch.com/ja-jp/bioceramic-moonswatch.html

 

⑦Mission to Jupiter~木星~

出典:https://www.swatch.com/ja-jp/bioceramic-moonswatch.html

 

⑧Mission to Saturn~土星~

出典:https://www.swatch.com/ja-jp/bioceramic-moonswatch.html

 

⑨Mission to Uranus~天王星~

出典:https://www.swatch.com/ja-jp/bioceramic-moonswatch.html

 

⑩Mission to Neptune~海王星~

出典:https://www.swatch.com/ja-jp/bioceramic-moonswatch.html

 

⑪Mission to Pluto~冥王星~

出典:https://www.swatch.com/ja-jp/bioceramic-moonswatch.html

【2022年3月26日】スウォッチ×オメガ「ムーンスウォッチ」、発売初日に買いに行ったが・・・!?

3月26日から世界で同時発売されるというムーンスウォッチ。

とは言え取り扱いは一部店舗に留まっており、日本国内では東京・渋谷店及び原宿店の2店舗、大阪・心斎橋筋の1店舗とのこと。ちょうど土曜日ということもあり、東京 渋谷店に足を運んでみることとしました。なんせスウォッチ自体の所有が初めてだったので、バイオセラミックの質感やストラップの手触りを確かめ、気に入ったら購入しようといったマインドでした。

 

スウォッチストア渋谷は渋谷駅 ハチ公改札口から徒歩4~5分程度です。発売の2日前から既に行列に並んでいるなどといった情報があったためか、渋谷店・原宿店ともに事前に「開店の30分前に整理券配布」「配布開始前に並んでも配布対象外」といったことを告知していました。

私は配布開始前にストアの写真を撮影しておこうと9時半頃に店に向かうと、なんと既に尋常ではない人だかりが・・・!ちなみにスウォッチストアの両端にも長い列がずらっとできており、もはやどこが最前列でどこが最後尾なのかわからないといった状態です。

過去、いくつかのブティックオープンや新作発売日に並んだことはありましたが、ここまでの混雑を目にしたのは初めてのことでした。

9時半の時点で警察官が3人ほどいましたが、応援要請などしている様子が見て取れ、いったいどうなることやら・・・と思いながら、近場のコーヒーショップで時間を潰すことにしました。

 

しかしながら開店直前、事態が一変します。

警察署からの指導によって新作発売は休止、さらに本日の営業も中止とのこと・・・!警察官が拡声器を持って呼びまわっており、混雑も極まっていたため、その場を後にしました。

どうも原宿店・心斎橋筋店も、同様の措置が採られたようです(その後、世界的に販売中止となったことが判明しました)。

 

なお、渋谷にはパルコにスウォッチのポップアップストアが入っています。3月27日までとのことですが、せっかくだからとスウォッチを拝見・・・!

バイオセラミックの手触りの滑らかさや着用感の素晴らしさにうなりつつも、プラスティック製のスヌーピーモデルを個人的に購入して、本日は撤収となりました。

 

ムーンスウォッチの今後の発売再開予定や、発売方法についてはまだ決定していないとのことです。決定次第、スウォッチのSNSで告知されるようです。

もっともムーンスウォッチはスウォッチから限定販売ではないことが強調されており、今後はオンラインストアでの発売も予定されているといった話も聞きます。スウォッチのことですから、きっとユーザーにとって入手しやすいプロダクトとして安定供給してくれると個人的に期待しています。

スウォッチからの発表を待ちましょう!

 

【2022年3月29日追記】スウォッチ×オメガ「ムーンスウォッチ」購入方法について

2022年3月29日、スウォッチより販売中止されていた「ムーンスウォッチ」の購入方法が改めて公開されました。

希望者はスウォッチが用意したフォームより必要事項を入力すると、購入権の抽選応募ができるとのことです。

 

応募期間は非常に難しく、2022年3月29日21時~同年3月30日朝9時とのこと!なかなかの短時間勝負ですね・・・私も応募いたしましたが、受取期間も2022年3月31日~同年4月3日まで。これまたあまり余裕のないスケジュールとなっております。

 

とは言え、繰り返しになりますが―そしてスウォッチも強調していますが―、ムーンスウォッチは限定品ではないとのことです。順次入荷するとのことですので、引き続き当サイトでもムーンスウォッチの動向を追っていきたいと思います!

 

まとめ

スウォッチ×オメガのこれまでにないコラボ時計「ムーンスウォッチ」についてご紹介いたしました!

発売初日は残念なことになってしまいましたが、製品としては魅力が満載!スウォッチグループの歴史とこれからを感じさせる新作として、ぜひ一度腕に装着して、楽しんでみたいなと思います。

またムーンスウォッチの販売やデリバリー第二弾などの情報が入りましたら、おってご報告いたします!

当記事の監修者

田中拓郎(たなか たくろう)

高級時計専門店GINZA RASIN 取締役 兼 経営企画管理本部長
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター

当サイトの管理者。GINZA RASINのWEB、システム系全般を担当。スイスジュネーブで行われる腕時計見本市の取材なども担当している。好きなブランドはブレゲ、ランゲ&ゾーネ。時計業界歴12年

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