腕時計を身に着ける際、どこにつければ・どちらの腕につければ良いか分からないと思ったことはありませんか?
時計はサイズやデザイン、機能によって着け方が異なり、それぞれ最適な位置が存在します。
また、同じ時計であってもファッションやシーンによって着ける位置が変わることも知っておきたいポイントです。
この記事では腕時計を着ける位置についての基礎知識を解説致します。
手持ちの時計をどの位置につけるか迷ったときは、ぜひ参考にしてください。
目次
腕時計を着ける正しい位置はどこ?
基本的に腕時計は好みの位置・場所に着けるのが一番です。
しかしながら、実は推奨される位置・場所というものがあります。
どの位置につけるか?左右どちらにつけるか?
知っておくことで、時計をより楽しめるようになります。
腕のどの位置に着ける?
腕時計をつける位置は手首の外側にある骨(尺骨茎状突起)の出っ張りを基準に、ベルトが骨にかかる程度の位置に着用するのがベストです。
少し隙間(小指一本入る程度)を開けることで手首の締め付けを抑えることができ、長時間着用しても疲れにくくなります。
前述の通り、どの位置につけるかは個人の自由ではありますが、一番オーソドックスな位置だといえるでしょう。
時計が自然かつオシャレに見える位置でもあり、見栄えがよく腕時計を魅せることができます。
左右どちらに着ける?
腕時計のつけ方ですが、基本的に利き手と反対の手首につけます。
右利きの人は左腕に、左利きの人は右腕に腕時計をつけるのが一般的です。
利き手につけてしまうと作業の邪魔になったり、キズをつける可能性が高まるためです。
また、利き手と逆に時計をつけることで、「クロノグラフや回転ベゼルなど操作しやすい」「ゼンマイが巻きやすい」という感想を持つ方もいます。
ただし、ゼンマイが巻きやすいからといって時計を腕に巻いたままリューズを回すのはやめてください。
リューズに変な方向に負荷がかかってしまい、故障の原因に繋がります。
どちらの腕に身につけるとしても、ゼンマイ巻き上げは時計を外して行うようにしましょう。
なお、大半の時計はリューズが右側に備えられていますが、一部のモデルにはレフティモデルと呼ばれるモデルが存在します。
こちらは左利きの方が右手の手首につけるように設計されたモデルであり、リューズが左側に配置されています。
ちなみに右利きでも敢えて利き手に時計を身につける方も少なからずいます。
例えば俳優木村拓哉さんや司会者上田晋也さんなど。
利き手につけることで、時間をさりげなく確認しやすいこと等が理由に挙げられます。
女性は男性と腕時計を着ける位置が異なる?
時計は基本的に手首の外側につけますが、女性は腕の内側に腕時計を着用する方が多いです。
理由としては「女性らしい印象が与えられるから」という意見が多く、時計を魅せるためというより仕草を見せるために内側に配置しています。
この所作は和服の美意識が関係しており、内側に付ける習慣が現代に受け継がれたと言われています。
腕時計を正しい位置に着けるためには自分にあったサイズにしよう
腕時計のサイズ、これまた好みのモデルを選ぶのが一番ですが、基本的にはご自身の体格や腕周りに合ったサイズだと着けやすく、また見栄えが良くなると言われています。
一般的な腕時計のケースサイズは以下の通りです。
- 38mm(小さめ)
- 40mm~41mm(中間)
- 42mm~45mm(大きめ)
腕時計サイズと手首幅のバランスは、着用時、腕時計が手首の6~7割占めている程度にすると見栄えが良いでしょう。
さらに言うと、腕時計のベルトサイズも重要なポイントです。
ベルトサイズは着用時、腕と腕時計の間に小指一本分が入る程度が望ましいとされています。
この小指一本分は、だいたい腕周りから+5ミリ程度の内寸となります。
あまりにも緩いと時計に衝撃が伝わりやすかったり、きつ過ぎると装着時に難があります。
とは言え、ご自分の正しい腕周りを知らない・・・そんな方もいらっしゃることでしょう。
時計を装着する位置に測定シートを当てることで腕周りのサイズを計測することが可能です。
隙間なく一周計測シートを当てることで、自分の腕周りサイズが分かります。
当店WEBページにて腕周りサイズ測定用の「定規印刷用ファイル」を用意しておりますので、測定の際はこちらをご活用ください。
腕時計の機能によって着ける位置が変わる?
腕時計には様々な種類があり、機能に応じてデザインが大きく異なります。
着け心地やフィット感もモデルによって変わり、時計に合わせて着用する位置を考える必要があります。
ダイバーズウォッチ
片方向回転ベゼル機能を備える防水時計、ダイバーズウォッチ。
無骨なデザインと力強いデティールを備えるモデルが多いです。
身に着ける位置としては手首の形状に合わせて、ズレない位置を探すのがポイントとなります。
ダイバーズウォッチは大型のモデルが主流となるため、ベルトにゆとりがあると時計が動いてしまいます。
腕をアクティブに動かすことも多いので、他の時計よりもしっかり着用した方が良いでしょう。
なおダイバーズウォッチはバックル部分で微調整できる機能を搭載していることが多いのも、こういった理由に拠るのでしょう。
オシャレな時計
デザイン重視の時計に関しては見た目の美しさを魅せることが最重要になります。
文字盤をやや外側に向けることで、オシャレさを演出することができます。
また、腕周りをスッキリさせることも時計を目立たせるためのポイントです。
レフティモデル
左利き用の時計であっても、身につける位置は変わりません。
手首の外側にある骨の出っ張りを基準に、骨にベルトが骨にかかる程度の位置に着用しましょう。
リューズが肌に食い込んでしまう場合は、ベルトを緩めながら調整することで最適な位置を探すことができます。
ファッション・シーン別。腕時計をつける位置
腕時計をつける位置は「ベルトが骨にかかる程度の位置」が基本です。
ただ、身につけるファッションやシーンによって最適な位置は変わります。
TPOに合わせたつけこなしをすることで、より自分を魅力的に演出することができます。
ビジネス
スーツスタイルにはメタルまたは革バンドの腕時計が適しており、身につける位置は基本通りです。
派手なカラーリングやカジュアル過ぎる時計は避け、キッチリ時計をつけこなしましょう。
文字盤の角度は自分が見やすいことは勿論のこと、さりげなく相手に見える位置にしておくと効果的です。
商談相手が時計好きであれば、話が膨らむ可能性があります。
ワイシャツ
ワイシャツと時計の組み合わせは見え方がポイントです。
シャツの内側に隠れすぎると時間を確認しづらいですが、出過ぎると不恰好に見えます。
基本である「ベルトが骨にかかる程度の位置」の意識を一旦緩めて、不自然に見えない位置に調整しましょう。
冠婚葬祭
フォーマルシーンにおいては奇抜なつけ方はやめて、基本位置に身につけることをお勧めします。
つける位置よりもデザインや素材が重要で、基本はシンプルな3針モデル、文字盤はモノトーンが無難です。
ブレスは金属製のものだとキラキラし過ぎるきらいもあるため、ブラックの革ベルトを選ぶことが理想となります。
ニット
ニットを着る場合、せっかくの腕時計が服の下に隠れてしまいます。
また、ピッタリとしてニットを着ている場合は時計のシルエットが浮かび上がってしまうことが多いです。
このような場合は、あえて服の上から時計を巻きつけるのも良いでしょう。
時計によっては不恰好に見えてしまうこともありますが、ドレスウォッチであれば違和感を抑えることができます。
オシャレな着けこなし
時計は時間を測る計器としてだけでなく、アクセサリーとしての側面も持ち合わせます。
指輪やブレスレットといったアイテムとも相性がよく、重ねて身につけることで個性を演出することができます。
注意点としてはキズに注意しなければならないこと。
特にゴールド素材やプラチナ素材はキズがつきやすいため、他のアクセサリーと時計が擦れないように気をつけてください。
まとめ
腕時計は正しい位置に身につけることが大切です。
腕が疲れにくくなるだけでなく、時計を魅力的に魅せることができます。
本人の体格や選ぶ時計によって最適な位置や角度は変わりますが、基本は「ベルトが骨にかかる程度の位置」であることを知っておきましょう。
基本位置が分かっていれば、微調整によって自分に合った位置が掴めてくるはずです。
当記事の監修者
新美貴之(にいみ たかゆき)
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 店舗営業部 部長
1975年生まれ 愛知県出身。
大学卒業後、時計専門店に入社。ロレックス専門店にて販売、仕入れに携わる。 その後、並行輸入商品の幅広い商品の取り扱いや正規代理店での責任者経験。
時計業界歴24年