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速報!2023年カルティエ新作モデルを発表!by Watches & Wonders Geneve
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出典:https://www.cartier.jp/
Watches & Wonders Geneve 2023年も、カルティエはエレガントでラグジュアリーな新作を多数散りばめたコレクションを披露しました。
特に、サントスとタンク ノーマルはメゾンのフラッグシップモデルとして、甲乙つけがたい逸品がそれぞれローンチされています。
たたずまいだけでジュエリーのような輝きを放つ、カルティエ2023年の新作をご紹介します。
目次
2023年カルティエ新作①サントス デュモン スケルトン
出典:https://www.cartier.jp/
2023年、サントス デュモンからモニュメンタルなスケルトンモデルが登場しました。
カルティエは、毎年アイコニックなシリーズから新たなスケルトンモデルを発表しています。
サントス デュモンは、同じ名前を持つブラジル人飛行家アルベルト・サントス=デュモンのために、ルイ・カルティエが作成したパイロット・ウォッチです。
1904年に誕生したサントス デュモンへのオマージュとして、サントス デュモン スケルトンはデザインされました。
地球をはるかに見下ろしながら飛ぶ8時位置の飛行機は、1907年にサントス=デュモンが設計した愛機『ドゥモワゼル号』を模したマイクロローターです。
3つのカラーが発表されましたが、特に注目したいカラーはイエローゴールド。
イエローゴールドモデルには、カルティエが得意とする丁寧な手仕事でネイビーラッカーが施されています。
深い色味のブルーと金色の飛行機、そしてタンクシリーズを彷彿とさせるリューズのサファイアカボションが、青い空と金色の大地のようなタイムピースです。
また、サントス デュモン スケルトンには2年かけて同社が開発した、212点の部品からなる新ムーブメントCal.9629MCが搭載されていることも特筆すべきでしょう。
スペック
外装
ケースサイズ: | 直径43.5mm×厚さ8mm |
素材: | イエローゴールド/ピンクゴールド/ステンレススチール |
文字盤: | スケルトン |
ムーブメント
駆動方式: | 自動巻き |
ムーブメント: | Cal.9629MC |
パワーリザーブ: | 約46時間 |
機能
防水: | 日常生活防水 |
定価: | 6,058,800円他(税込) |
発売予定: | 2023年6月 |
2023年カルティエ新作②サントス デュモン
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サントス デュモンはスケルトンモデルだけではありません。2023年の新作は、XL・3パターンとLM・2パターンです。
XL3パターンは、プレシャスメタルのインデックスとギョーシェ装飾、色合いを合わせたリューズとストラップのバランスがあでやかです。
今年のカルティエはブルー、もしくはネイビーとイエローゴールドの組み合わせが美しく、アイコニック。
しかし、なまめかしいピンクゴールドに人気が続くグリーンを合わせる配色の妙は、昨年同様ジュエラーでもあるメゾンならではでしょう。
LMサイズはクォーツムーブメントを使用していますが、イエローゴールドとブルー文字盤の組み合わせはやはり秀逸です。
特にディープなネイビーの文字盤は深海の漆黒に近い深みを帯びて、他では見られない秀逸な仕上げに目を奪われます。
XLサイズ:3パターン
スペック
外装
ケースサイズ: | 直径43.5mm×31.4mm×厚さ8mm |
素材: | プラチナ/ピンクゴールド/イエローゴールド |
文字盤: | オフホワイト |
ムーブメント
駆動方式: | 手巻き |
ムーブメント: | Cal.430MC |
パワーリザーブ: | 約38時間 |
機能
防水: | 日常生活防水 |
定価: | レッド/3,445,200円(税込)グリーン・ブルー/2,600,400円(税込) |
発売予定: | 2023年秋 世界200本限定 |
LMサイズ:2パターン
スペック
外装
ケースサイズ: | LM直径43.5mm×31.4mm×厚さ7.3mm |
素材: | イエローゴールド/イエローゴールド&ステンレススチール |
文字盤: | ブルー/シルバー |
ムーブメント
駆動方式: | クォーツ |
ムーブメント: | – |
機能
防水: | 日常生活防水 |
定価: | ブルー/1,900,800円(税込)シルバー/880,000円(税込) |
発売予定: | 2023年夏 |
2023年カルティエ新作③サントス ドゥ カルティエ
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サントス ドゥ カルティエは、MMサイズとLMサイズの2サイズ、2カラーの3モデルが発表されました。
昨年発表された、LMサイズのブルーとセットになるようにラインナップされています。
ブルーとグリーンの2色は文字盤のカラーとして一般的で、特にグリーンは昨年からどのメゾンもこぞって出している人気色です。
しかし、カルティエのラッカー仕上げの粋を、グリーンモデルで味わうことができます。
熟練の職人による卓越したラッカーが生み出すグリーンは、天然石の持つ色味のように私たちを魅了してやみません。
光の加減で透明感を増すラッカーは、それだけでジュエリー。
色めく文字盤を包み込むケースはポリッシュ仕上げとサテン仕上げを組み合わせ、無骨なビスが優美すぎるタイムピースを引き締めています。
デイト機能を搭載したLMサイズと、あますところなくラッカーの美しさを堪能できるMMサイズ、あなたはどちらを選びますか。
スペック
外装
ケースサイズ: | MM直径41.9mm×厚さ8.83mm LM直径47.5××厚さ9.38mm |
素材: | ステンレススチール |
文字盤: | グリーン/ブルー |
ムーブメント
駆動方式: | 自動巻き |
ムーブメント: | Cal.1847MC |
パワーリザーブ: | 約40時間 |
機能
防水: | 日常生活防水 |
定価: | LM/1,122,000円 MM/1,029,600円(ともに税込) |
発売予定: | 2023年夏 |
2023年カルティエ新作④タンク ノーマル スケルトン【プリヴェ】
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2023年のカルティエ プリヴェは、タンク ノーマルにスポットを当てました。
カルティエ プリヴェは、メゾンが受け継いできたアイコニックなモデルに焦点を当て、限定品としてローンチする特別なシリーズです。
タンクは最も知名度の高いカルティエウォッチのひとつで、1919年に誕生しました。
第一次世界大戦で活躍した戦車からデザインされた、最初のタンクが「タンク ノーマル」です。
2023年新作には、スケルトンモデルとアリゲーターストラップモデル、ブレスレットモデルがローンチされました。
スケルトンモデルは特に注目される1本です。
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スケルトンモデルは24時間ムーブメントで、通常とは逆に0時が下、12時が上にあります。
時計の上部は太陽を、下部は三日月をあしらったデザインになっているのです。
黄昏時になれば、プラチナモデルは時針が夕日のようなルビーカボションを指します。
ゴールドモデルは、宇宙色に染まり始めた空色のようなサファイアカボションを時針が指す設計です。
「さらに上のラグジュアリーを」という方には、ダイヤモンドをびっしりとはめ込んだ、ジェムセットモデルも限定20本で販売されます。
スペック
外装
ケースサイズ: | 35.2mm×27.8mm×厚さ:8.15mm |
素材: | プラチナ/イエローゴールド |
文字盤: | スケルトン |
ムーブメント
駆動方式: | 手巻き |
ムーブメント: | Cal.9628MC |
パワーリザーブ: | 約36時間 |
機能
防水: | 非防水 |
定価: | 11,682,000円他 |
発売予定: | 2023年春 |
2023年カルティエ新作⑤タンク ノーマル【プリヴェ】
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カルティエのタンク ノーマルには、アリゲーターストラップがセットされたモデルと、一分の隙もなくセッティングされたブレスレットモデルがあります。
存在するすべてのタンクの始祖であるタンク ノーマルは、設計から106年経過した「メゾンの神話」ともいえるモデルです。
その歴史に敬意を払い、美しい書体のローマンインデックスの7時には、設計年である「1917」の文字があしらわれています。
実は、タンク ノーマルは長く眠りについていたモデルでした。
今回世界中のカルティエファン、タンキストが注目する中で脚光を浴びたタンク ノーマルは、歴史と最先端を天秤にかけた女神のようなたたずまいを見せてくれました。
メゾンが威信をかけて仕上げた文字盤の上品な輝き、シェイプカットされた風防のなめらかな曲線美は言うに及びません。
また、ブレスレットモデルのマイヨンブレスレットは、ブランカードにも施されている丁寧なサテン仕上げが見事です。
特に、ラグ部分はブレスレットとシームレスに繋がるよう工夫されており、ディティールの精巧さにこそジュエリーメゾンの真価が表れると言えるのではないでしょうか。
アリゲーターストラップモデル
スペック
外装
ケースサイズ: | 32.6mm×25.7mm×厚さ6.85mm |
素材: | プラチナ/イエローゴールド |
文字盤: | サテン仕上げグレー |
ムーブメント
駆動方式: | 手巻き |
ムーブメント: | Cal.070MC |
パワーリザーブ: | 約38時間 |
機能
防水: | – |
定価: | 5,068,800円または4,514,400円(ともに税込) |
ブレスレットモデル
スペック
外装
ケースサイズ: | 32.6mm×25.7mm×厚さ6.85mm |
素材: | プラチナ/イエローゴールド |
文字盤: | サテン仕上げグレー |
ムーブメント
駆動方式: | 手巻き |
ムーブメント: | Cal.070MC |
パワーリザーブ: | 約38時間 |
機能
防水: | – |
定価: | 7,788,000円または6,798,000円(ともに税込) |
2023年カルティエ新作⑥タンク アメリカン
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カルティエのアイコン・タンクのなかでも、もっともモダンで軽やかな印象のあるタンク アメリカンも新たに登場しました。
近年の流行そのままに、薄手かつ小さなケースで、かなり細長い形状をあまり感じさせません。
丸みを帯びたレイルウェイトラックとブルースチール針がエレガントなアクセントになっています。
細長い形状には、よく見ると「動き」「流れ」が感じられます。
実は、ケースにほんの少し、腕になじむカーブがつけられているのです。
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縦ラインであるブランカードのポリッシュ仕上げが放つ光線のゆらめきや、文字盤にほんの少し落ちる柔らかなラインの影に、カーブがあることが見てとれます。
ミニは小さくて文字盤にサンレイ仕上げが施されているため、あまり目立たない変化です。
しかしサイズが大きく異なるLMは、文字盤にもヘアライン仕上げが施されており、一層なめらかさを感じられるのではないでしょうか。
小さなミニとSMには、それぞれブランカードにダイヤをあしらったデザインがあります。
さらにミニには、ケースからブレスレットまでパヴェダイヤで埋め尽くしたゴージャスなモデルもありますよ。
アリゲーターストラップでほんの少しレトロモダンなアメリカンテイストを楽しむことも素敵ですが、ミニ・SMでは同素材のブレスレットもセレクトできます。
よく磨き込まれたブレスレットと、曲線と直線が光と影で遊ぶようなケースの組み合わせは、タンク アメリカンの違った魅力を引き出してくれそうです。
なお、ケースサイズは以下の通りです。
ミニ:28mm×15.2mm×厚さ6.5mm
SM:35.4mm×19.4mm×厚さ6.8mm
LM:44.4mm×24.4mm×厚さ8.6
スペック
外装
ケースサイズ: | 本文参照 |
素材: | ゴールドまたはステンレススティール |
文字盤: | シルバー |
ムーブメント
駆動方式: | 自動巻き クォーツ |
ムーブメント: | LM/Cal.1899 MC ミニ・SM/クォーツ |
パワーリザーブ: | – |
機能
防水: | 日常生活防水 |
定価: | 1,122,000円他(税込) |
発売予定: | 2023年秋 |
2023年カルティエ新作⑦タンク ルイ カルティエ
出典:https://www.cartier.jp/
タンクシリーズからは、タンク ルイ カルティエも新作がリリースされました。
昨年話題となったブラックラッカーのみのシンプルなデザインに、カラードタイプが加わりました。
カルティエの格調高い色彩の美を堪能できる、ボルドーとグリーンです。
芳醇なボルドーと、サントス ドゥ カルティエの輝かしさとは異なるトーンのグリーンには、メゾンの超絶技巧の奥底を垣間見せられるようです。
イエローゴールドのケースと針とロゴ。そしてブルーのリューズ。基礎は何も変わらない2本だからこそ、色彩の妙が味わえるでしょう。
2021年に登場したタンク マストと同色のモデルですが、SS&クォーツからイエローゴールド&手巻きマニュファクチュールに変わり、一層文字盤が引き立てられています。
そして、あと2本はうって変わってきらびやかな文字盤を備えています。
出典:https://swisswatches-magazine.com/blog/watches-wonders-2023-cartier-tank-americaine-and-tank-louis-cartier/
いずれもホワイトゴールド・イエローゴールド・ピンクゴールドの3色のゴールドがあしらわれていますが、雰囲気は大きく異なります。
小さなスクエアゴールドをグラフィカルに散りばめながら、ホワイトからピンクへとグラデーションを描くトライゴールドモデル。
規則的なマイヨンブレスレットのように3色のゴールドを敷きならべたスリーゴールドモデル。よく見ると丁寧なサンレイ仕上げが施され、きらめきのなかにも気品があふれていることがわかります。
よりきらびやかなトライゴールドモデルは、1970年代のモデルへのオマージュとして誕生しました。規則性のあるスリーゴールドモデルは、100周年を迎えるカルティエのアイコン・トリニティコレクションを記念したデザインです。
いずれも世界的に注目されている、1970年代~80年代の熱気あるファッション・アート・ミュージックシーンをイメージさせますね。
同じタンク ルイ カルティエシリーズでも、シックなボルドー&グリーンとは、まったく違った顔を見せています。
スペック
外装
ケースサイズ: | 33.7mm×25.5mm×厚さ6.6mm |
素材: | イエローゴールド/ピンクゴールド |
文字盤: | イエローゴールド/ボルドー・グリーン・トライゴールド ピンクゴールド/スリーゴールド |
ムーブメント
駆動方式: | 手巻き |
ムーブメント: | Cal.1917MC |
パワーリザーブ: | 約38時間 |
機能
防水: | – |
定価: | 1,900,800円他(税込) |
発売予定: | 2023年秋 |
2023年カルティエ新作⑧ベニュワール
出典:https://www.cartier.jp/
2023年はベニュワールからも新作が登場しました。
ベニュワールとはフランス語で「バスタブ」を意味し、なめらかな曲線美を描く楕円形が特徴のタイムピースです。元祖となった腕時計は1912年に制作されましたが、ベニュワールとしてモデルデビューを果たしたのは1967年のことです。
様々な素材、大きさ、ジェムセッティングなどを経て、クラッシュという変わり種も生み出した人気の高いレディスモデルです。
一方で2023年新作のベニュワールは、驚くほどシンプル。
その理由は、ケースとブレスレットが一体化した、バングルスタイルとなったことでしょう。カルティエが発表したWatches & Wonders2023年のプロモーション画像では、とろけて波打つゴールドのしずくが、そのままウォッチとなったようななめらかさと美しさです。
なお、18Kイエローゴールドとピンクゴールド、ホワイトゴールドの3モデルが登場しました。いずれもケースは小型で、貴金属のバングルとして楽しめます。
イエローゴールドとピンクゴールドはシンプルなスタイルにブルーのカボションがセッティングされています。ホワイトゴールドモデルはブリリアントカットを施したダイヤモンドを、文字盤以外すべてに敷き詰めたフルパヴェダイヤモンドスタイルとなっています。
スペック
外装
ケースサイズ: | 24.6mm×18.7mm×厚さ7.2mm |
素材: | イエローゴールド/ピンクゴールド/ホワイトゴールド |
文字盤: | シルバー |
ムーブメント
駆動方式: | クォーツ |
ムーブメント: | – |
機能
防水: | – |
定価: | 1,716,000円他(税込) |
発売予定: | 2023年6月 |
まとめ
2023年のWatches & Wondersでも、カルティエはサントスとタンクをはじめ、様々な美しいタイムピースを発表しました。
「王の宝石商・宝石商の王」と呼ばれるカルティエならではの、あでやかでエレガントな腕時計の数々は、まさに眼福。ジェムセッティングがなくても十分輝く、精緻な技巧を凝らした逸品が並びました。
伝統を重んじながらも新たなスタイルにトライし、世界のファッションシーンを牽引していくカルティエに、今後も期待が高まります。
当記事の監修者
新美貴之(にいみ たかゆき)
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 店舗営業部 部長
1975年生まれ 愛知県出身。
大学卒業後、時計専門店に入社。ロレックス専門店にて販売、仕入れに携わる。 その後、並行輸入商品の幅広い商品の取り扱いや正規代理店での責任者経験。
時計業界歴24年