ロイヤルオークは世界屈指の大変魅力的な腕時計です。
その高額な価格には、ブランド力や希少性、職人の手による精密な製造工程が背景にあります。なぜロイヤルオークが高いのか紐解いていきたいと思います。
目次
ロイヤルオークはなぜ高いのか
ロイヤルオークは、世界三大ウォッチブランドの一つであるオーデマピゲが製造しているため、そのブランド価値が価格に大きく影響しています。
三大時計ブランドにはパテックフィリップ、ヴァシュロン・コンスタンタンも含まれ、それぞれの時計は250万円以上が一般的です。
特にオーデマピゲの平均単価は約450万円程度で(※当サイト調べ)、ロイヤルオークはその中でも特別な存在です。
そんなロイヤルオークが高い理由を細かく見ていきましょう。
製造コストが高い
ロイヤルオークのケースは独特な八角形の形状を持ち、その製造工程は非常に難易度が高いことが想像できます。
八角形のベゼルを磨く際には、各辺を均等に美しく磨く必要があり、これには高度な技術と手間がかかります。
少し磨き過ぎただけでバランスが狂ってしまうのです。よって、ロイヤルオークは製造コストが高く、その分価格も上昇します。
需要が供給数を上回っているため
オーデマピゲの年間生産数は約4万本といわれ、ロレックスの年間生産数124万本と比べると非常に少ないです。
ロレックスでも人気が高く正規店での入手が難しいことを考えると、オーデマピゲのロイヤルオークがいかに希少かがわかります。
そのためロレックス同様、ロイヤルオークも需要が供給を大きく上回っているため価格が高騰している状況です。
一個体ずつ職人が丁寧に仕上げているため
ロイヤルオークが高価である理由の一つに、各時計が職人の手によって丁寧に仕上げられている点があります。
特に12時位置にあるオーデマピゲのロゴは、その例として挙げられます。
このロゴは、多くの場合印刷ではなく立体的な形状をかたどったもので、ダイアルに植えられています。
Galvanic Growthと呼ばれる特殊な工程で作られたこのロゴは、金属切削や型で叩く製法では再現できない精密さを誇ります。
ロゴは非常に細かく作られていますが、ダイアルに接着剤で固定されているわけではありません。
ロゴの底面には「足」と呼ばれる棒が突出しており、その棒がダイアルに開けられた穴に挿さることで固定されます(足をかしめる、接着する、または足を切断したバリで固定するかはメゾンによって異なります)。
このように繊細な部品を取り付けるのは、人間の手による作業です。
この工程を想像するとわかりますが、非常に手間がかかり、大変な作業です。
これは一例に過ぎず、他の多くの製造局面でも人間の手が加わっているため、ロイヤルオークの値段が高くなるのも納得です。
公式ホームページによれば、新しいステンレススチールのブレスレットには、最初のデザインから装飾、組み立てまで約100人の人間が関わっているとのことです。
このような膨大な工程が、1本の時計が完成されるまでに必要とされているのです。
素材をこだわりつくしているため
ロイヤルオークは、その素材にも徹底的にこだわり抜かれています。
ステンレススチール製のモデルが広く知られていますが、オーデマピゲは他の素材の研究でも非常に高い評価を受けています。
製造に使用される素材は多岐にわたり、ステンレススチール、チタン、ゴールド、プラチナ、カーボン、セラミックなどがあります。
特に注目すべきはBMG(バルクメタリックガラス)です。
このパラジウムベースの金属は、光沢を保ちながら傷つきにくい特徴を持っています。
購入する際、多くの人は美しくて長持ちするものを選びたいと考えます。
そのため、オーデマピゲは顧客の視点に立って最適な素材を選び、BMGのような素材を使用しています。
このような素材へのこだわりが、ロイヤルオークの大きな強みとなっています。
実用性やデザインなど様々な観点で評価されているため
シリーズには、ロイヤルオーク、ロイヤルオーク オフショア、ロイヤルオーク コンセプトの3種類があります。
中でもロイヤルオークは、薄型スポーツウォッチとして高く評価されています。
防水性は50mありながらも薄さを保ち、スーツにも合わせやすいデザインなのにアクティブな印象も与えます。
ロイヤルオーク オフショアは、100m防水を基本としており300mのダイバーも用意されています。
日常生活での使用に十分な耐久性を持つため、安心感が高く人気です。
唯一のデザインも選ばれる理由
前述した実用性の高さもこの時計が選ばれる理由の一つですが、唯一のデザインについても長らく愛されています。
ロイヤルオークを最初にデザインしたのは、ジェラルド・ジェンタという天才デザイナーです。
彼は、ロイヤルオーク以外にも、パテックフィリップ ノーチラス、オメガ コンステレーション、日本のクレドール ロコモティブなどの有名モデルを手がけました。
これらのデザインは当時としてケースとバンドを別々に買ってきて組み合わせることも珍しくない中で、時計全体として一体感があるデザインは革新的であり、現在でもその魅力が色褪せることはありません。
ロイヤルオークの何がすごい?
ロイヤルオークの魅力はその独創的な形状にあり、見る者を魅了することは間違いありません。
しかし、それだけでなく、歴史的にも素晴らしいモデルです。
具体的に説明します。
1972年当時の高級時計市場ではオーソドックスな丸型ケースに金無垢が定番でした。
その中でオーデマピゲは、八角形のベゼルを持つステンレススチール素材のロイヤルオークを発表し、高級時計市場に大きなインパクトを与えました。
ステンレススチールは貴金属に比べて硬く、傷つきにくい特性があり、当時としては非常に実用性に優れており、それを世に知らしめたのがロイヤルオークの登場がきっかけといっても過言ではありません。
ただ、数十年前は普及価格の腕時計では真鍮やアルミといった傷つきやすさや耐食性に難のある材質もまだまだ多かったのです。
ステンレススチールが一般化した現代のイメージとは異なると思いますが、それでも当時ロイヤルオークがステンレススチールの価値を上げたことは確かです。
ロイヤルオークは、その革新的なデザインと実用性により、時計業界の歴史を変えた一品です。
薄型時計が主流の時代にデカ厚時計ブームを作り出した
ジェラルド・ジェンタがデザインした初代ロイヤルオークが1972年に発売された当時、高級時計といえば金やプラチナを用いた貴金属のドレスウォッチが主流で、32mm以下の薄型時計が好まれていました。
その中で、39mmの大口径を持つロイヤルオークが登場し、大きな衝撃を与えました。
このモデルが登場したことで、デカ厚時計が評価されるブームが生まれたのです。
当時、ロレックスのサブマリーナが定価20万円弱とされていた中で、ロイヤルオークはステンレススチール製ながら3300スイスフラン(現在の約55万円)で販売され、上流の選ばれた人々の時計として位置づけられました。
さらに約20年後の1993年には、エマニュエル・ギュエによってデザインされたロイヤルオーク オフショアが登場し、再びトレンドを変えました。
このモデルは防水性と耐久性を高めるために厚さ16mm、42mm径という大きなサイズになり、ラグジュアリースポーツウォッチというカテゴリーをアップデートしました。
この変化には、元祖デザイナーのジェラルド・ジェンタがエマニュエル・ギュエに対して怒鳴り込んだという逸話もあるほどです。
ロイヤルオークは2度も時計業界の流行を変えるインパクトを与え、腕時計のデザイン史においてターニングポイントとなった時計ともいえます。
スポーツウォッチとしての優れた機能
ロイヤルオークのベゼルに配置されたビスは、一見装飾のように見えますが、実はスポーツウォッチとしての機能を強化する重要な役割を果たしています。
このビスは裏蓋まで貫通しており、しっかりと締め付けることで防水性を高めています。
ダイアル側のビスは六角形(八角形のベゼルとは異なり)で、ベゼルに埋め込まれており、回転しない設計になっています。
一方、裏蓋側から見ると、ベゼルのビスの位置に丸型のビスが配置されています。
この丸型のビスは回転させて締め込むことができ、受けネジがしっかりと固定されます。
この構造は、ロイヤルオークの外観に独特の存在感を与えると同時に、防水性能を強化し、スポーツウォッチとしての信頼性を高めています。
クォーツショックから救った伝説の時計
1969年にセイコーがクォーツ(電池式)時計「アストロン」を発表すると、その高精度により機械式時計は窮地に立たされました。
オーデマピゲも機械式時計を主力としていたため、大きな打撃を受けたことが想像されます。
同時期に、有名なブランドであるブランパンも1970年代に休眠状態に追い込まれました。
しかし、クォーツショックの真っ只中である1972年に、ロイヤルオークがデビューしました。
このモデルは瞬く間に人気を博し、オーデマピゲのブランドの顔となりました。
その後もロイヤルオークは一度も途絶えることなく、独立ブランド(どのグループ会社にも属さない)としてのオーデマピゲを支え続けてきました。
ロイヤルオークは、クォーツショックという危機を乗り越えた伝説の時計と言えるでしょう。
ロイヤルオークは正規店で買える?
ロイヤルオークは正規店で、すぐに買えない状況と言えます。
製造数が少なく、また工程の多い作りであるロイヤルオークは製造にそれ相応の期間がかかることが考えられ購入するにはいくつかのハードルがあります。
正規店での購入は難しい
現状として正規店でロイヤルオークを購入するのは非常に難しいです。
オーデマピゲの購入履歴がある方や社会的な地位がある方、転売目的ではないことが明らかな方が予約で優先的に購入できると言われています。
また、店員との関係性を構築し、新作予約のタイミングを逃さないようにするなど、非常に根気のいるプロセスが必要です。
ロレックスの正規店購入に状況が似ているともいえるでしょう。
新作モデルは2~3年待ちが通常といわれる
ロイヤルオークの新作モデルは熟練の技術者が作り上げるため、それなりの製造時間がかかります。
また、需要が非常に高いため、世界中で順番待ちをしている人が多く、数ヶ月から数年待ちの覚悟が必要です。
ロイヤルオークの定価と市場価格の差はどのくらい?
ロイヤルオークの定価と市場価格には大きな差があります。
例えば、オーソドックスな3針日付のモデル「Ref. 15510ST.OO.1320ST.06」の定価は396万円(2024年6月現在)ですが、中古の未使用品をWeb検索すると933万円という価格が表示されます。
その差額は実に537万円にもなります。
これだけの差があるため、転売目的で購入する人が後を絶たないのも理解できます。
ロイヤルオークの他モデルの定価を知りたい人は、以下の記事も参考にしてみてください。
定価300万円程度のモデルが2000万円以上になるケースもある
ロイヤルオーク ジャンボと呼ばれるモデル「15202ST」は、2011年当時の定価が約200万円でした。
しかし、その後一時期は中古販売価格が2000万円にまで上昇しました。
価格変動はありますが、人気モデルの中古品が値上がりする傾向はまだまだ続いているようです。
このように、定価と市場価格の差が非常に大きくなるケースもあるため、ロイヤルオークは投資対象としても注目されています。
ロイヤルオークの最高値はいくら?
これまでお話しした通り、非常に高価な価格で中古市場でも取り扱われるロイヤルオークです。最高価格も気になるところです。
もはや一般の方は当然、上流階級の方であっても購入できない領域かと思われますが、情報としてお楽しみください。
オークションで約1億4100万円となる「ヴィンテージロイヤル オーク ロット8」
世界三大オークションハウスの1つである「フィリップス」とオーデマピゲの協力によって開催されたオークション「The Royal Oak 50th」では、ロイヤルオークのヴィンテージモデルが注目を集めました。
特に、バーゼルフェアで公開された4本のうちの1本、「ヴィンテージロイヤル オーク ロット8」が約1億4100万円で落札され、2022年にヴィンテージロイヤルオークの最高額を更新しました。
この結果からも、ロイヤルオークが時計コレクターや投資家にとって非常に価値のある時計であることがわかります。
ロイヤルオークの人気モデル
ロイヤルオークは、ヴィンテージモデルから現行品まで、幅広い選択肢があります。
ロイヤルオーク オフショアやロイヤルオーク コンセプトなども含め、その豊かな歴史に基づいた多様なモデルが揃っています。
以下に、現行品からロイヤルオークの人気モデルを3つご紹介します。
①ロイヤル オーク”ジャンボ” エクストラ シン Ref. 16202ST.OO.1240ST.02
型番:16202ST.OO.1240ST.02
ベルト素材:ステンレススティール
ケース素材:ステンレススティール
ケースサイズ:39 mm
文字盤:ブルー
駆動方式:自動巻き
ムーブメント:Cal.7121
パワーリザーブ:約52時間
防水性:50 m防水
このモデルは、1972年に登場したオリジナルのロイヤルオークへのオマージュとされています。
ロイヤルオークとしてオーソドックスな外径39mmのケースを持ち、シーンを選ばずに装着できるコストパフォーマンスの高いモデルです。
秒針がないため、薄さを保つことができ、8.1mmの薄さを実現しています。
ロイヤルオーク全般に言えることですが、メタルブレスレットは短い駒で繋がれており、部品が多くコストがかかりますが、その分装着感が非常に良くなっています。
よく「腕なじみが良い」と言われますが、まさにこのブレスレットに対して使う言葉です。
ロイヤルオークのアイコンとも言える「プチタペストリー」と呼ばれるダイアルの模様は、職人によって細密に掘り込まれています。
このモデルは、ロイヤルオークらしさを真正面から表現した一品です。
②ロイヤル オークオートマティック Ref. 77450ST.OO.1361ST.02
型番:77450ST.OO.1361ST.02
ベルト素材:ステンレススティール
ケース素材:ステンレススティール
ケースサイズ:34mm
文字盤:シルバー
駆動方式:自動巻き
ムーブメント:Cal.5800
防水性:50m防水
このモデルは外径34mmの小型ケースを持ちます。
男性にはやや小さく感じるかもしれませんが、小型でありながらしっかりとロイヤルオークの魅力を感じさせるモデルです。
製品全体が小さくなると、各部の寸法のバランスを取るのが難しくなります。
例えば、ケースのガラスが乗る面の幅が最小1mmだとしましょう。
39mmのケースではその幅が細く見えますが、34mmのケースでは同じ幅でも太く見え、鈍重な印象を与えることがあります。
しかし、このモデルは完璧なバランスを保ちながら小型化されており、オーデマピゲの卓越した技術とデザインのノウハウが感じられます。
このようなバランスの取れたデザインは、オーデマピゲの魅力を存分に楽しむことができる最適な一本です。
③オーデマピゲ ロイヤルオーク オフショア クロノグラフ 26470ST.OO.A104CR.01
型番:26470ST.OO.A104CR.01
ベルト素材:ステンレススティール
ケース素材:ステンレススティール
ケースサイズ:42mm
文字盤:グレー
駆動方式:自動巻き
ムーブメント:Cal.3126/3840
防水性:100m防水
2021年に登場したこのモデルは、雑誌やファッション誌にも頻繁に取り上げられ、そのミリタリールックを思わせるデザインが特徴です。
グレイッシュなグリーンとベージュを組み合わせたダイアルと回転リングのマッチングが秀逸で、ロイヤルオークのDNAであるダイアルの「メガタペストリー」模様が、スポーツウォッチにふさわしい大柄な表現となっています。
グリーンのラバーストラップは、カジュアルな印象を高めており、レジャーやプライベートに最適なモデルです。
このモデルは、そのデザインと機能性で、多くのファッション愛好者や時計愛好家に支持されています。
ロイヤルオークの選び方
ロイヤルオークを選ぶ際には、いくつかの要素を考慮する必要があります。
装着シーンや時計の大きさなど、自分の使用目的に合わせて選ぶことが大切です。
以下に各要素ごとのポイントを紹介します。
ロイヤルオークの装着シーン
時計をどのシーンで使用するかは、時計選びにおいて重要な要素です。
ビジネスシーンでスーツを着ている時に装着するのか、カジュアルな服装でレジャーに出かけるのかによって適したモデルは異なります。
しかし、ロイヤルオークは、スポーツテイストとラグジュアリーテイストを併せ持っているため、オールマイティに使える点が魅力です。
ビジネスシーン
スーツに合わせるなら、シャープな印象のモデルが最適です。ケースは薄すぎず、メタルブレスレットが組み合わされたモデルはビジネスシーンで理知的で頼り甲斐のあるイメージを演出できます。
例:ロイヤル オーク オートマティック Ref. 15510ST.OO.1320ST.06
秒針がないエクストラ シンはケース厚8.1mmですが、このモデルは10.5mmとやや厚くなりますが、その厚みが安心感と秒針があることできめ細やかな印象がもてます
フォーマルシーン
結婚式などのパーティーシーンではよりエレガントなモデルが好まれるため貴金属を採用したモデルが挙げられます。
またシックな印象に抑えたい場合は貴金属とレーザーバンドを組み合わせたモデルがお勧めです。
例:ロイヤル オーク オートマティック Ref. 15510OR.OO.D002CR.02
ダイアルのグランドタペストリーは標準的な大きさの模様で程よい表情を讃えています。
またピンクゴールドは上品で華やかでありながら、黒の皮革バンドでしっかりと引き締まった印象に昇華されています。
カジュアルシーン
:
プライベートやレジャーに出かける際には、よりスポーティなモデルが適しています。
防水性が高く、クロノグラフやラバーバンドも似合うシーンです。
例:ロイヤル オーク オフショア クロノグラフ Ref. 26420SO.OO.A600CA.01
100m防水の安心感とグレイッシュな色味が入ったダイヤルとラバーストラップが白いTシャツ1枚でもファッションを成立させる存在感を放っています。
このように、使用するシーンに合わせて、ロイヤルオークのモデルを選ぶことが重要です。
ロイヤルオークのサイズ
時計のサイズ選びは重要です。
Tシャツなどカジュアルな服装の場合、サイズをあまり気にしなくても問題ないことが多いです。しかし服装によっては、デカ厚時計を選んでしまうとジャケットの袖に時計が入らないなどの失敗が起こりがちです。
一般的に、日本人男性には36mmから38mmのサイズが似合うとされていますが、最終的には個人の服装や好みによります。
以下の点を意識して選ぶと失敗が少なくなります。
小さめ/薄型の時計
よりフォーマルでエレガントな印象を与えます。
ビジネスシーンやドレスコードのある場面に適しています。
大きめ/厚めの時計
スポーティでカジュアルな印象を与えます。
レジャーやカジュアルな装いに適しています。
自分のスタイルや使用シーンに合わせて適切なサイズを選ぶことで、「こんなはずではなかった」という後悔を避けることができます。
ロイヤルオークの素材
ロイヤルオークには様々な素材が使用されています。以下に、代表的な素材を紹介します。
ステンレススチール
一般的に時計によく用いられる素材で、耐食性に優れ非常に硬いのが特徴です。
ロイヤルオークはステンレススチール製の初代モデルでデビューしたため、この素材は由緒正しいと捉えることができます。
チタン
軽くて金属アレルギーを起こしにくい素材として知られています。
鏡面仕上げが難しい性質がありますが(ゆず肌になりやすい)、ロイヤルオークでは職人の手により美しく磨かれています。
セラミック
傷がつきにくい素材ですが、過度な衝撃で割れや欠けが生じることがあります。
見た目が非常に美しく、その美観は長続きします。
芸能人に見られるセラミックの歯の美しさが示すように、セラミックの時計も美しい外観を保ちます。
ゴールド
高級感があり、投資価値も高い素材です。
イエローゴールド、ピンクゴールド、ホワイトゴールドといったバリエーションがあります。
貴金属のため資産価値も高く、投資としても有効ですが、日常使いには傷つきやすいので注意が必要です。
これらの素材の中から、自分のライフスタイルや好みに合ったものを選ぶことが重要です。
ロイヤルオークの機能
ロイヤルオークには様々な機能があります。
以下に代表的な機能を紹介します。
防水
ロイヤルオークには50m防水、100m防水、300m防水などのモデルがあります。
日常的な洗い物や雨などで浸水することは考えにくいので安心です。
ただし、ダイビングをする場合はダイバーモデルでないと潜れないのでご注意ください。
クロノグラフ
クロノグラフ機能は、ダイアルにサブダイアルが配置され、積算計で時間を計ることができます。
ダイアル内に多くの要素が詰まるため、スポーティで精悍なイメージを与えます。
ムーブメントとしても部品数や複雑さが増すため、複雑機構が好きな方におすすめです。
トゥールビヨン
トゥールビヨンはフランス語で「渦」を意味し、脱進器全体が回転することでゼンマイの偏りを軽減し、精度を向上させる機能です。
例えば、ロイヤル オーク フライング トゥールビヨン Ref. 26730TI.OO.1320TI.04では、6時位置にトゥールビヨンが配置され、ダイアルにグラデーションがかかっており、その表現とトゥールビヨンの相乗効果で引き込まれるような感覚を味わえます。
ダブル バランスホイール
2010年にオーデマピゲが発表した機構で、二つのゼンマイを同軸上に配置することで精度を安定させます。
これはメゾン独自の機構であり、所有欲を満たしてくれる機能です。
これらの機能は、ロイヤルオークの魅力をさらに高め、所有する喜びを提供します。
ロイヤルオークのバンド
ロイヤルオークには、さまざまなバンドのオプションがあります。
以下に代表的なバンドの種類とその特徴を紹介します。
メタルブレスレット
ロイヤルオークのメタルブレスレットは、小さな駒が繋がっており、その短い駒が腕に沿って装着されるため、非常に装着感が良いです。
職人が手で筋目をつけているため、工芸品としての価値もあります。
皮革バンド
メタルブレスレットでは主張が強いと感じる方には、皮革バンドがおすすめです。
特に高級品によく使われるアリゲーターの皮が使用されており、よりドレッシーな印象を与えます。
ラバーストラップ
ロイヤルオーク オフショアに多く見られるラバーストラップは、カジュアルな印象が強いバンドです。
プライベートな使用に最適で、ファッションによってはスーツにも合わせることができます。
また、水に強く、腕の太さによって駒を調整する必要がないため、腕の太さがわからない相手へのプレゼントにも最適です。
これらのバンドの中から、自分のスタイルや使用シーンに合ったものを選ぶことで、ロイヤルオークの魅力を最大限に引き出すことができます。
まとめ
ロイヤルオークが高額である理由は、オーデマピゲというブランド力、需要が供給を上回る希少性、職人の手による丁寧な製造過程、素材へのこだわり、そしてデザインと実用性の高さにあります。
1972年に登場し、その革新的なデザインと機能性で時計業界に衝撃を与えたロイヤルオークは、今でも多くの時計愛好家を魅了し続けています。
正規店での購入が難しい一方で、中古市場では高額取引が続き、その価値は揺るぎないものです。
この記事が、ロイヤルオークを選ぶ際の参考になれば幸いです。
当記事の監修者
南 幸太朗(みなみ こうたろう)
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 買取部門 営業企画部 MD課/買取サロン プロスタッフ
学生時代に腕時計の魅力に惹かれ、大学を卒業後にGINZA RASINへ入社。店舗での販売、仕入れの経験を経て2016年3月より銀座本店 店長へ就任。その後、銀座ナイン店 店長を兼務。現在は営業企画部 MD課 プロスタッフとして、バイヤー、プライシングを務める。得意なブランドはパテックフィリップやオーデマピゲ。時計業界歴13年。