「ロレックスのおすすめモデルはどれ?」
「資産価値の高いロレックスが知りたい」
時計初心者にも腕時計愛好家にも断然おすすめのロレックスウォッチ。
オメガやタグホイヤーなどと比較されることが多いですが、ステータス性・資産価値・かっこよさどれをとってもロレックスが一歩抜きんでているのは間違いありません。
でも、ひとくちにロレックスと言っても、様々なシリーズやデザイン、旧型新型、材質、文字盤色、装飾とたくさんの違いがあります。
そんなロレックスのおすすめモデルが知りたいという人は多いのではないでしょうか。
この記事ではロレックスのおすすめモデル厳選7本を、GINZA RASINスタッフ監修のもと紹介します。
ロレックスの人気モデルは買って損はしないという魅力的なものばかりです。
各モデルの人気の理由や資産価値についても解説しますので、ロレックスの購入をお考えの方はぜひ参考にしてください。
目次
ロレックスで所有しておきたいモデル①コスモグラフ デイトナ
ロレックスの最上級スポーツラインであり、スポーツウォッチの最高峰であるデイトナ。 超人気機種で常に品薄、正規店での購入は難しいと言われています。 当店でも、もちろん売れ筋ナンバーワン。「いつかは手に入れよう!」そんな風に思っているロレックス派は少なくないでしょう。
正式名称オイスターパーペチュアル コスモグラフ デイトナは、1963年にロレックスがモーターレースのために製造しました。
24時間耐久カーレースで有名なデイトナ・インターナショナル・スピードウェイの名にちなんで命名されています。
ちなみに「コスモグラフ」はCosmic(広大な,宇宙の)とchronograph(クロノグラフ)を組み合わせた造語と言われています(当時は宇宙開発が盛んであったため、そこを視野に入れていたと思われます)。
デイトナはロレックス唯一のクロノグラフモデルです。 クロノグラフ(ストップウォッチ機能)はどのブランドでも人気がありますが、デイトナのかっこよさは随一と言っていいでしょう。
直接タキメーターが刻まれたベゼル。 横目やインデックスが均等とれたダイアル。 高いつくり込みによる高級感。 そして自動巻きながら薄型ですっきりとしたフォルム。
一切の武骨さのない、完成されたスポーツウォッチなのです。
詳細をご紹介いたします。
ロレックス デイトナ 116500LN
型番:116500LN
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:40mm
文字盤:ブラックまたはホワイト
駆動方式:自動巻き(Cal.4130)
デイトナは誕生から50年以上が経過しているだけあり、過去、様々なモデルがスペックアップを経つつラインナップされてきました。
一番人気のデイトナの中でもさらにトップ売れ筋であり、まずご購入を検討されるであろうモデルが現行の116500LNでしょう。
初出は2016年と結構最近ですが、これまでデイトナに使われてこなかったセラクロムベゼルを搭載させたことで、他モデルにはない独創性や高級感を獲得。
ちなみにこの高級感の秘訣は、ベゼルに特殊プラチナコーティングが施されているところにあります。デイトナはもともと人気の高いモデルでしたが、さらにその勢いを伸張することとなりました。
こういった「外装面のかっこよさ」は時計を選ぶうえで大変重要ですね。事実、デイトナをご試着されたお客様は皆さま「すごくいい」「スーツにも私服にも合う」とおっしゃいます。
もちろんただデザインがかっこいいだけに留まらないのが王者ロレックス。
実用クロノグラフとしても高い評価を得ており、先代116520より自社製ムーブメントCal.4130を搭載。高い精度と優れた操作性,そして末永く安心して愛用できるメンテナンス性を獲得しました。
このCal.4130は初出から20年が経過しますが、今なお「完成されたクロノグラフ」の呼び声を欲しいままにしています。
さらにもう一点、デイトナを揺るぎない人気商品とした要因があります。
それは、スイス時計屈指の「資産価値」です。
デイトナ 116500LNの価格と資産価値
デイトナは、現在定価を超える実勢価格を記録しています。その相場たるや、白文字盤が420万円台~、黒文字盤が350万円台~。定価を鑑みると、その3倍以上であることがおわかりいただけるでしょう。
これは、世界的にデイトナに過度な需要が集中しており、正規店では全く手に入らない・予約もできないという超品薄状態が作り出した相場です。
もちろん相場は常に変動するものなので、一時期下がったり上がったりを繰り返してきました。しかしながら現行デイトナ 116500LNが発売されて以降、定価を下回ったことは一度としてなく(最安値でも180万円台)、「常にプレミア価格」を維持してきました。
昨今は新型コロナウイルスの影響でロレックス工場が一時休業したり、ロレックスが人気モデルの購入制限を行ったりした影響で、新品流通量が減少しています。これが品薄に拍車をかけており、デイトナ相場は新品・中古問わず過去最高の高騰を記録するほどです。
なぜならまだまだデイトナ人気は健在であるためです。供給が減っても、需要が止む気配がないのです。
普通、相場が上がりすぎてしまうと一般ユーザーが手が出しづらくなり、買い控えが起きるものなのですが、デイトナは飛ぶように売れる…デイトナ人気の凄まじさには舌を巻くばかりです。
こういった背景がさらにデイトナ人気を押し上げることとなり、デイトナそのものが欲しい、という方はもちろん、投機目的などでご購入される方々が増えてきました。
「今高くても買っておけば、将来的にイニシャルコストを上回る価格で売却できるかも」というわけです。
そしてその需要がさらに相場を上げ・・・
定価での購入ならいざ知らず、現在の並行相場で購入して売却時に大きな利益を手にすると言うのはやや難しいでしょうが、それでも使って親しんだ後にも高い買取率で手放せるのはデイトナの強みですね。
なお、この資産価値の高さは「デイトナがかっこいいから」「デイトナが欲しい人が多いから」も挙げられますが、もう一点「ロレックスが長持ちするから」というものもあります。
と言うのも、デイトナに限った話ではありませんが、ロレックスがそもそもここまでの支持を得た理由は、「最高の実用時計」であるためです。常用に適した使いやすさ、長持ちする堅牢設計、精度面での信頼性の高さ・・・
こういった高い実用性は、大きな二次流通市場(中古市場)の形成に繋がります。長持ちするから、年式の古いモデルであっても価値がつくのです。
例えば現行デイトナのセラクロムベゼルは、プラチナコーティングによって、フェイスに大きなアクセントを加えるだけではなく、高い耐衝撃性・耐傷性を獲得しました。通常ベゼルは傷やヘコミが付きやすく、中古市場では大幅減額の対象となるのですが、そこが解消されたと言えます。
機械式時計は精密機器ですので、経年によって価値は下がります。パソコンやカメラなどと一緒ですね。「最新こそ最高」であることに間違いありません。
しかしながらブランド価値のある時計メーカーの製品であれば、実は使った後もある程度の値段で買い取ってもらえる、というメリットを持ちます。
このブランド価値のある時計メーカーの代表格がロレックスです。さらにデイトナは前述の通り過度な需要で相場を大幅に上げているので、資産価値に大きく拍車をかけることとなりました。
実用性の追求に余念がなかったことが、結果として今の王者たるロレックスの地位を確立したと言えるでしょう。
初心者がぽんっと買うには勇気のいる価格ですが、そのかっこよさ、そして資産価値としてのポテンシャルは他のブランドとは一線を画します。
最初のロレックスにデイトナを購入し、その後パテックフィリップやオーデマピゲと言ったワンランク上の一本が欲しくなった。そんな時に元手となるので、長期的に見ればお得と言えます。
もちろん、一生の相棒としても間違いありませんね。
ロレックスで所有しておきたいモデル②エクスプローラーI
シンプルでベーシック。それゆえ、「ロレックスの中で最も使いやすい」と評価されるのがエクスプローラーIです。
当店でもロレックス、そして全体のメンズ腕時計の中で例年売上トップの人気を誇っており、スポーツシーンにもスーツスタイルにも着用できる汎用性の高いモデルとして不動に位置づけられます。
そんなエクスプローラーのモデル名は「探検家」。 1953年に初代モデルが誕生しています。
この探検家としてのイメージを確立した逸話があります。
それは、エクスプローラーIのプロトタイプが、英国ヒマラヤ遠征隊の世界初エベレスト登頂へ携行された、と言うもの。
後年、実はこの携行された時計はオイスターパーペチュアルだったのでは、と囁かれることになるのですが、当時からロレックスの「堅牢なケース・ブレスレットの製造技術」は健在であったことがおわかり頂けるでしょう。
そんなエクスプローラーIですから、「過酷な試練や偉業に挑戦する冒険家が、どんな状況下であっても時刻を知ることのできる時計」。これを一身に訴求されています。
そのため視認性を最優先しており、カレンダー表記すら持たない3針のみの、もはや改良の余地のない洗練されたシンプルさが特徴です。
文字盤カラーはブラック、ケースもステンレスのみと、視認性・汎用性を追求したシンプルウォッチの究極と言えるでしょう。
詳細をご紹介いたします。
エクスプローラーI 214270
型番:214270
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:39mm
文字盤:ブラック
駆動方式:自動巻き(Cal.3132)
こちらは2010年に誕生したエクスプローラーIです。
デイトナ同様、エクスプローラーIもまた1953年以来の長い歴史を持ちますが、大きく外装を変えていません。
ずっとシンプルさを守りぬいてきた形です。 2021年新作として124270が発表されたことで旧型となりましたが、39mmのモデルという個性を持つことから、まだまだ人気モデルであり続けることでしょう。
なお、214270は2016年にランニングチェンジが行われており、時分針が太く長く、そしてインデックスの3・6・9にクロマライト夜光が塗布され、より探検家らしく利便性が向上しています。
上:新型文字盤 / 下:旧型文字盤
搭載するムーブメントはやはり自社製のCal.3132。
ロレックスが独自開発したパラクロムヒゲゼンマイおよびパラフレックス・ショックアブソーバーが採用されており、高度な耐磁性・耐衝撃性を獲得。さらに探検家としての優れたポテンシャルを有することとなりました。
エクスプローラーIの魅力と価値
エクスプローラーIの魅力は、何よりもそのシンプルさです。
装飾がゴテゴテした時計は少なくありません。時代時代のトレンドもあるでしょう。
しかしながらエクスプローラーIは、あくまでシンプル一辺倒。武骨さすら感じさせますが、その実、ロレックスが得意とするスタイリッシュさや男心をくすぐるかっこよさは健在です。
前述の通り、こういったシンプルさ・スタイリッシュさは、どんな年齢層の方からも支持率が高い、という魅力に繋がります。
どの年代がつけても嫌味がないし、かといって20代の方が30代・40代・50代・・・と、年を経ても使い続けていけることも意味しますね。
こういったシンプルさ・汎用性の高さは、価格にも反映されます。
すなわち、機能や装飾がシンプルなためロレックスの中では比較的リーズナブルで、定価は687,500円となっております。
もっともそこは人気のロレックス。やはりデイトナ同様に正規店ではなかなか買えない程品薄であり、実勢相場も上がり続けています。
現在の新品並行相場は130万円台~。
「スポーツロレックスは100万円出さなくては買えなくなった」と言われること昨今、まだお安く買えるモデルではありますが、新作の発表と共にこちらも高嶺の花になってしまいました。
今後さらに高騰する可能性もあるので、買うタイミング非常に難しいモデルです。
「シンプルゆえの汎用性の高さ」が、底堅い人気を作り上げているのが分かります。
ちなみに214270の2016年より前に製造されていた旧型はインデックスに夜光塗料がないため、ブラックアウトと言ったりもしますが、スペックは大きくは変わりません。
2021年の新作124270は114270をベースにブラッシュアップが図られました。
外装面で違いがなかったことから、214270は高騰。114270はやや落ち着いた相場となっています。
そのため「予算に限りがある」という方は、旧型114270,14270を狙う、というのもアリです。
繰り返しになりますがロレックスは早い段階から堅牢な時計を製造してきた歴史を持つため、年式が古くともメンテナンスをしっかり行えば、十分現役で使える個体が多いのです。
一方で「生産終了したロレックスは値上がりする」という方程式があることも事実。
現在はアンティーク世代を除いて歴代エクスプローラーIの相場は落ち着いていますが、今後の動向から目を離すことはできません。
ロレックスで所有しておきたいモデル③サブマリーナ
デカくて厚い、スーツスタイルや普段使いにはちょっと向かないかも・・・ そんな印象を持たれがちなダイバーズウォッチですが、サブマリーナは別格。
ケース径40mm、厚さ13.2mmとメンズウォッチとしては標準的なサイズでスーツの袖口を邪魔しません。
にもかかわらず300mと高い防水性を誇る秘訣-それはロレックスが他社に先鞭をつけた技術のうち、とりわけ画期的で有名なオイスターケースにあります。 と言うのも、ロレックス史に防水性能の追求は欠かせません。
世界が油田調査など海洋へとその技術を伸ばし始めた1953年。
ロレックスは史上初の水深100m防水と、潜水時間を管理する回転ベゼルを備えた世界初のダイバーズウォッチ・サブマリーナを発表したのです(ちなみにエクスプローラーIと同期!)。
2019年、カナダのブリティッシュコロンビア州の近くの太平洋で釣りをしていた男性が、サブマリーナを海に落っことしてしまい、14ヶ月後に無事発見された時、リューズを巻くとそのサブマリーナは動き始めたとか・・・あくまで一例ですが、サブマリーナの防水性の高さを裏付けるエピソードに他なりません。
このようにビジネスユースOK、実用性OK、ハイスペックはピカイチとあって、他社と比較してもスポーツウォッチの中で抜群に高い人気を誇ります。
ロレックスファンでなくとも、一度は購入を検討されたことがあるのではないでしょうか。
大人気モデルゆえ、街中でも着けている方をよく目にします。 ダイバーズウォッチのまさに永世定番と言えるでしょう。
さらにこのサブマリーナへの注目度を、一気に高める出来事がありました。2020年9月、ロレックスから公式に、サブマリーナのモデルチェンジが発表されたのです。
詳細は後述しますが、これによってサブマリーナ需要が一気に高まり相場も高騰。今、熱いロレックスと言っていいかもしれません。
サブマリーナ 116610LN
型番:116610LN
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:40mm
文字盤:ブラック
駆動方式:自動巻き(Cal.3135)
ロレックス デイトナ 116500LN
型番:116610LV
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:40mm
文字盤:グリーン
駆動方式:自動巻き(Cal.3135)
こちらは2010年から2020年にかけて、長らく現行サブマリーナ デイトとして君臨してきた116610系です。
サブマリーナは多くのバリエーションをラインナップしています。
ケース・ブレスレットともに金無垢を使用したハイエンドライン、コーポレートカラーであるグリーンをまとった斬新な一本、SSとイエローゴールドのコンビ・・・あらゆる層の「サブマリーナが欲しい」のニーズに応えた商品展開を行っています。
そんな中でもやはり定番はステンレススティール。精悍な黒基調の116610LN、グリーンが鮮やかな116610LVです。
デイトナ同様、ベゼルにはセラクロム素材が採用されており、実用性の観点のみならず高級感は最上級です。
冒頭でも述べたように、ダイバーズウォッチというとどうしても武骨さゴリゴリのデカ厚となってしまうものも少なくありません。
しかしながらサブマリーナであれば、そういった無粋さとは一切無縁と言っていいでしょう。
この10年間愛され続けてきたサブマリーナですが、前述の通りモデルチェンジを果たしています。
2020年新作としてリリースされた新型モデルがこちらです。
サブマリーナ 126610LN
型番:126610LN
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:41mm
文字盤:ブラック
駆動方式:自動巻き(Cal.3235)
一見116610LNも126610LNも何ら変わりがないように思うかもしれません。
しかしながら大きな変化が二つ加えられています。
一つ目は、ケース直径が40mmから41mmへと変更されたこと。
サブマリーナは初期個体を除き、歴代でケース直径40mmを受け継いできました。
しかしながらここへきて、1mmのアップサイジングが図られることとなったのです。
変化の二つ目は、「新世代」とロレックスが自負するムーブメントCal.3235へと移行したことです。
画像引用:Rolex
繰り返しお伝えしてきたように、ロレックスは実用時計の王者です。
そのため日常で使いやすく・末永く愛用していける製品であり続けることがロレックスにとっての命題の一つなのでしょう。
その心意気は、ムーブメント開発で垣間見ることができます。
ロレックスはムーブメントパーツから自社製造する生粋のマニュファクチュールメーカーですが、進化に余念のないブランドとしても知られています。
と言うのも、独自の高い耐磁性を有したヒゲゼンマイや耐衝撃装置を開発し、実用性を高め続けているのです。
そんな進化の過程の一つとして、近年Cal.31から32系への移行が始まっています。
この移行によってシードゥエラーやGMTマスターII等がモデルチェンジしているのですが、2020年はサブマリーナに白羽の矢が立った形となります。
ロレックスが「新世代」と自負するだけあり、その信頼性や機能性はいや増します。
また、パワーリザーブが従来の48時間から約70時間へとアップデートしたことも見逃せませんね。
サブマリーナ 126610LV
型番:126610LV
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:40mm
文字盤:ブラック
駆動方式:自動巻き(Cal.3235)
126610LVに関しては、116610LVとは異なり、文字盤がブラックに変更。
16610LV時代にデザインに寄せることで、注目を浴びました。
グリーンサブに関しては新型と旧型で大きくデザインが異なるため、人気を分け合っているのが現状です。
旧型となった116610LVもグリーンダイアルという強い個性も持つため、いまだ高値をキープしています。
ますます「最強のダイバーズウォッチ」となったサブマリーナ。
新旧併せて人気が高まることは必至です。
人気と言えば気になる相場動向。次項で解説いたします。
サブマリーナの価格と資産価値
サブマリーナの実勢相場は、以下の通りです。
- 116610LN:145万円前後~
- 116610LV:230万円台~
- 126610LN:165万円前後~
- 126610LV:220万円台~
最新作の相場が高いのは通常運転ともいえますが、驚くべきは旧モデルの高騰ですね。
これは、前述した新型サブマリーナの存在が大きいです。
2020年8月末頃にロレックスからティザー広告が出ると一気に116610系のサブマリーナの価格が上がり、定価をはるかに超える実勢相場を叩き出しました。
サブマリーナは「抜群の人気モデル」ということを鑑みれば比較的価格は落ち着いていました。
特に黒ベゼルの116610LNは長らく120~130万円台で推移しており、サブマリーナ人気の割には「お値打ち」とまで言われていたほど。
グリーンサブ 116610LVの方は一時期相場が落ち着いていた時期もありましたが、2019年に入ってから相場が急上昇し、2021年に入ることには200万円台が当たり前の相場となりました。
116610LVに補足を付け加えると、もともと定番と言うわけではありませんでした。
と言うのも、一世代前にあたる16610LVが、2003年にサブマリーナ誕生50周年を祝してローンチし、その後レギュラー入りした、という経緯があります。
グリーンをあしらうという斬新さ・独創性が受け、現在では116610LNを超える相場を描きます。
こういった相場形成を描いてきたサブマリーナですが、生産終了とともに「今後の資産価値」に対して期待度が上がり、買いが集中。結果として驚くような急騰を遂げた形です。
もっとも、外観はサイズ以外は大きく変わっておらず、今後新型が流通し始めればまた相場が変わってくるでしょう。
サブマリーナ ノンデイト 114060
型番:114060
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:40mm
文字盤:ブラック
駆動方式:自動巻き(Cal.3130)
サブマリーナ ノンデイト 124060
型番:124060
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:41.0mm
文字盤:ブラック
駆動方式:自動巻き(Cal.3230)
ちなみに生粋のロレックスファンであれば、ノンデイトを選ぶかもしれません。オリジナルのサブマリーナに近いのはノンデイトであるためです。
なお、ノンデイトの方が実勢相場は100万円台~とお値打ちと長らく言われてきましたが、こちらも新型124060がリリースされたことで現在の並行相場は114060が140万円前後〜、124060が150万円前後〜と大きく高騰しています。
デイト系と同じく、今後の動向を見守りましょう!
ロレックスで所有しておきたいモデル④GMTマスターII
デイトナに次ぐ人気・相場・話題性を誇ると言えば、GMTマスターIIで間違いありません。
GMTマスターは航空機のパイロットやジェットセンター、そして世界中を旅する人々に向けて作られた、ロレックス唯一のパイロットウォッチです。
24時間針(GMT針)と24時間目盛によって、世界標準時をはじめ、いくつかのエリアの時間帯を同時に表示できる機能があしらわれており、コンプリケーションとして優れた機能性を発揮しています。
もともとエクスプローラーやサブマリーナほどの人気は無かったシリーズですが、2007年に登場した116710LNにより人気が急上昇、さらに2013年の116710BLNRの発表によりその地位を確たるものとしました。
デイトナ同様、プラチナコーティングをしたセラクロムベゼルが高級感を押し上げ、人気に火をつける形となったのでしょう。
詳細をご紹介いたします。
GMTマスターII 116710LN
型番:116710LN
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:40mm
文字盤:ブラック
駆動方式:自動巻き(Cal.3186)
GMTマスターII 116710BLNR
型番:116710BLNR
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:40mm
文字盤:ブラック
駆動方式:自動巻き(Cal.3186)
GMTマスターはもともと1955年から1990年代まで第一シリーズが、1983年から現在まで第二シリーズ(GMTマスターII)がラインナップされてきました。
Iは第二時間帯まで、IIは第三時間帯までの表示ができる、といった機能の違いなのですが、この歴史の中で様々なベゼル・素材・文字盤カラーのモデルがラインナップされてきています。
過去モデルはいずれも非常に高い評価を得ているのですが、やはり定番はステンレススティールモデル。とりわけ前述のように、GMTマスターII人気を押し上げることとなったこちらの116710LNと116710BLNRが王道と言えるでしょう。
とりわけツートンベゼルの116710BLNRは「バットマン」の異名でも知られています。昔のアルミベゼルの時代はツートンカラーが珍しくなかったのですが、セラクロムは黒以外の色付けに高い技術力がいるとあって、なかなか実現に至りませんでした。
そのため2013年に満を持して116710BLNRが発表された時は、時計業界全体で大きな話題になったものです。
ちなみに116710系もまた、2018年以降、「新世代」ムーブメントが載せ替えられてアップデートされました。
GMTマスターII 126710BLRO
型番:126710BLRO
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:40mm
文字盤:ブラック
駆動方式:自動巻き(Cal.3285)
GMTマスターII 126710BLNR
型番:126710BLNR
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:40mm
文字盤:ブラック
駆動方式:自動巻き(Cal.3285)
外装面では大きくは変わりませんが、オイスターブレスレットからジュビリーブレスレットに変更になったこと。
さらに、かつてGMTマスターのアルミベゼルではおなじみであった赤青ベゼル―通称ペプシ―がセラクロムベゼルでリバイバルされたことが、大きな話題を呼びました。
現在116710系は生産終了となったため、今後新品で購入する場合は126710の選択肢が大きくなるでしょう。
とは言え116710系の流通量は決して少なくありませんので、状態の良い中古を見つければ現状ではお値段的にもお求めやすく、またオーソドックスなGMTマスターIIを味わえることとなります。
GMTマスターIIの価格と資産価値
冒頭でもご紹介したように、GMTマスターIIはデイトナに次ぐ実勢相場を築いています。
現在のだいたいの価格はこちらです。
- 116710LN:170万円程度~
- 116710BLNR:180万円程度~
- 126710BLRO:230万円台~
- 126710BLNR:210万円台~
※116710系は中古相場を掲載しており、状態や付属品の有無によって大きく変動します。
126710BLROは2018年、126710BLNRは2019年の初出であるため、他モデルに比べると相場は高めです。
新しいモデルはご祝儀価格を記録する時期があり、ローンチされてからしばらくは高値が続くものなのです。
しかしながら126710BLROは別格。一時期よりかは落ち着いてきたと言うものの、まだまだ200万円超えの相場を記録しています。
それに合わせ、126710BLNRも高騰傾向にあり、GMTマスター全体の相場も上がっています。
これは、GMTマスターII自体の人気に加え、ジュビリーブレスの美しさや赤青ベゼルの話題性が今なおロレックスファンの心をつかんで離さないためでしょう。
現在のロレックス人気や品薄と相まって、今後の資産価値は高いままキープしていくと思われます。
とは言え116710系も生産終了したため、今後価値がますます上がる可能性も否めません。
そのため、新旧どちらにせよ、ロレックス派は最も買いなモデルと言えるのではないでしょうか。
ロレックスで所有しておきたいモデル⑤シードゥエラーディープシー
サブマリーナの上級モデルとして1971年に誕生した、シードゥエラー。
海洋調査会社コメックスとの共同開発により610m防水に成功、1980年代~90年代のダイビング熱真っ盛りの時代に、16600では1220m防水を実現しました。
そのシードゥエラーにさらに改良を加え、2008年に生み出したモデルがディープシーです。
ロレックス独自の革新的なケース構造のリングロックシステム。
そして窒素合金製ステンレススティールのヘリウム排出バルブが組み込まれており、驚くべき防水性と防圧性を確保。
その数値、なんと3900m防水。まさにディープシーの名にふさわしい機能を備えました。
なお、ディープシーには黒文字盤とD-BLUEと呼ばれる、深みのあるブルー文字盤とがラインナップされております。
詳細をご紹介いたします。
シードゥエラー ディープシー 126660 ブラック
型番:126660
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:44mm
文字盤:ブラック
駆動方式:自動巻き(Cal.3235)
シードゥエラー ディープシー 126660 D-BLUE
型番:126660
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:44mm
文字盤:D-BLUE(ディーブルー)
駆動方式:自動巻き(Cal.3235)
ディープシーもまた、2018年に「新世代」ムーブメントに載せ替えてモデルチェンジを果たしました。
ただ、前世代の116660と外装は本当にほとんど変わっていないため、あまり新旧で大きな価格差は見られません。
そう、現行モデル126660もまた、従来のディープシーの良さが踏襲されているのです。
3900m防水はもちろん、これだけのハイスペックを裏打ちするボリューミーなケースが何よりの特徴です。
同じダイバーズモデルのサブマリーナと比べるとかなりのボリュームですよね。
44mm径に17mm厚のケース、重量は220g!普段使いにはあまり向かないのでは?と思っていましたが、例年とてもよく売れています。
このサイズ感が好き!という方が多いのはもちろん、デカ厚ながら高級時計として美しさへの妥協がないことも人気の理由でしょうか。
特筆すべきはカラー。 ブラック文字盤もありますが、やはり人気と言えばD-BLUEです。
D-BLUEと呼ばれる、12時側がブルー・6時側がブラックのグラデーションになっており、浅瀬からやがて太陽の届かぬ深海の神秘を表したかのような色使いです。
大きさなどの面で賛美両論あったのは今は昔。
揺るぎないロレックスの人気機種であり、かつロレックスの防水技術の集大成モデルと言えます。
シードゥエラー ディープシーの価格と資産価値
繰り返しになりますが、ロレックスがここまでの相場を描く大きな要因となったのは、「末永く使える品質」にあります。
そういった意味では、ディープシーはロレックス随一と言っても過言ではありません。
3900mもの深海に潜ることはそうそうないとは思いますが、日常でガンガン使っても、汗や水ではびくともしない気密性を保持しています。
とは言え、ディープシーはこれだけのスペックを有しているにもかかわらず、コストパフォーマンスに優れます。
新品並行相場は黒文字盤が150万円前後、D-BLUE文字盤が180万円程度となります。
ハイスペック機はどうしても定価が高くなる傾向にあり、126660は130万円超え。であれば、値上がり率はデイトナやサブマリーナに比べれば緩やかと言えるでしょう(もっともディープシーも相場上昇を続けており、とりわけD-BLUE文字盤の高値傾向は続いていますが)。
旧型の116660 黒文字盤であれば、コンディションにもよりますが120万円前後から手に入れられるモデルもあります。
加えて前述の通り長持ちするため、長期的に見ればお得と言えます。
また、中古であってもコンディションに問題のない個体が多く(気密性が高いため内部機械に影響を与えているものが少ない)、よりお手頃価格なお買い物がしやすい、という魅力もあります。
確かに大きさがあるので、着ける人を選ぶかもしれません。でも、一度試着してみませんか?そのずっしりとした重量感にハマってしまう方、結構多いです。
ロレックスで所有しておきたいモデル⑥シードゥエラー
2017年バーゼルワールドにて、屈指の話題性と人気を誇った新型シードゥエラー 126600。
ディープシーの誕生とともに惜しまれつつもいったん生産終了しましたが2014年に復活。さらに誕生50周年を機に、さらなる進化を遂げてきたモデルです。
シードゥエラーの魅力は、なんといっても機能美。これまた非常にハイスペックな1220m防水を誇り、さらにムーブメントにはロレックスが「新世代」と自負するCal.3235を搭載します。
これは、時計製造技術を牽引する最先端のもので、約70時間にも及ぶパワーリザーブ、高いエネルギー効率と信頼性、耐磁性、そしてカレンダーをどの時間帯でも日付変更可能にしたことなど、今までの腕時計業界の常識を覆すかのようなムーブメントです。
順番が前後してしまいましたが、新世代ムーブメントはGMTマスターIIなどに搭載されるより前にこちらのシードゥエラーに搭載されて話題となりました(初出は2015年のデイデイト)。
詳細はこちらです。
シードゥエラー 126600
型番:126600
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:43mm
文字盤:ブラック
駆動方式:自動巻き(Cal.3235)
前世代のシードゥエラーよりケース径43mmと大型化されたものの、ゴツゴツした感じはありません。
防水性確保のため裏蓋にボリュームはあるものの、腕にフィットする仕様のケースはスタイリッシュで防水性を鑑みればスリムと言えます。
一方でケースサイズの大型化は、非常にスポーティーなルックスであるこのモデルを大きめのサイズで着けたい方にとっては嬉しい変更点ですね。
さらに、初代モデルを受け継ぎ、ダイアル6時位置の「SEA-DWELLER」の文字が赤色で表記され、ロレックスファンにとっては溜まらない意匠となったことも必見。赤シードの異名がロレックス愛好家間で使われています。
今後ますます注目度が上がる定番コレクションのうちの一つですね。
シードゥエラーの価格と資産価値
ロレックス相場を考えれば高すぎも安すぎもしない、といった印象ですが、実は時計業界では「今後価格高騰するのでは」と言われているモデルでもあります。
と言うのも、2019年の夏前に一時期相場高騰を遂げ、180万円台という実勢相場を記録しました。
これは、文字盤一部で仕様変更があったり、夏前でダイバーズウォッチ人気が高まったり、あるいはロレックス相場全体が上がったりしたことが要因なのですが、やはり126600の時計としての完成度の高さ、そして赤シードをリバイバルしたというマニア受けの背景も一つの理由と思われます。
こういった背景があるモデルは価格が落ちづらい傾向にあります。
つまり、今買っておけば、今後使った後に売ろうと思った時、元手になる可能性が高いということ!ロレックス派であれば、持っておいて損のない一本と言えるでしょう。
ロレックスで所有しておきたいモデル⑦エアキング
ロレックスに詳しくない方だとあまり聞きなれないエアキング。 実際、売上ランキングで堂々1位!といった話題性のあるシリーズではありません。
しかし実はロレックスを語るうえで外せない存在・エアキング。
2014年に一度生産終了するも、2016年にリニューアルのうえで再登場、高い注目を集めるモデルなのです。
エアキングは1946年に誕生し、ロレックスの中で最も古いペットネーム(商品の愛称のこと。ダイアルに表記され正式なモデル名となったのはエアキングのみ)を持ちます。
1930年代、ロレックスと航空業界とは密接な関係を持ち、パイロットウォッチとして誕生したのがエアキング。 デイトジャストなどを凌駕する超ロングセラーなのです。
防水性同様、高度などにも耐えるオイスターケース。 シンプルで視認性高く、また飛行時間の計測が可能なミニッツスケール。 1950年代当時のままのエアキングの印字。
オリジナルのデザインを誠実に守り、デイト表示すら持たない一切の無駄を削ぎ落としたシンプルさ、視認性に特化した実用性はどの年代・シーンにも対応してくれます。
2007年のリニューアルで一度ダイアルデザインにラインナップが増えましたが、「視認性の高さ」は変わりません。
↑2007年にリニューアルされたエアキング 114200
2016年にはシンプルな116900に一元化されましたが、やはり「エアキング」の名を踏襲する歴史深いモデルとして、ロレックス派の中でもさらに愛好家から支持を集めています。
エアキング 116900
型番:116900
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:40mm
文字盤:ブラック
駆動方式:自動巻き(Cal.3131)
こちらが現行エアキングとなります。
エクスプローラーIに通ずるシンプルな外観である一方で、かなり個性的な文字盤デザインをしていますね。
黒文字盤をベースに12・3・6・9時以外の二桁のアラビアインデックスがスタイリッシュに並び、さらに秒針にはロレックスのコーポレートカラーである緑がカラーリング、王冠マークも黄色に彩られました。
実は誕生当初のコンセプトに立ち返ったのではないか、とも言われています。
と言うのも、そもそもはパイロットウォッチとして誕生したエアキング。 新生エアキングにあたるRef.116900の発表時期、ロレックスは
「ブラッドハウンドSSC」というプロフェクトをスポンサードをスタートさせていました。
これは、航空ジェットエンジンを搭載した超音速のスポーツカーで、ロレックス製のスピードメーターとクロノグラフが搭載されているのですが、そのクロノグラフ計器と新生エアキングの文字盤が酷似しているのです。
画像引用:WIKIMEDIA COMMONS
なお、ムーブメントにはミルガウス(ロレックスの超耐磁モデル)と同じく耐磁性能に特化したCal.3131を搭載しています。
パイロットウォッチに必須の耐磁性を備えたことでも、誕生当初の「空」へのイメージを強く意識したのではないでしょうか。
エアキングの価格と資産価値
発売当初は品薄が続き価格も高騰していましたが、現在は落ち着いてきており、90万円台~。ちなみにほんの1年前は70万円前後で買える個体が出回っていました。
確実に相場高騰しているとは言え、スポーツロレックスの中ではリーズナブル。堂々のスペックを有しているにもかかわらずこのお値段はロレックス派としては嬉しいところですね。なお、高級時計入門機としても大変お勧めできる手軽さです。
エクスプローラーと通ずるものがありますが、エアキングの持つ歴史ゆえ、時計愛好家はエクスプローラーではなくエアキングを選ぶ、という方も少なくありません。
エアキングとは、言わば不朽の名作なのです。
廉価でありながらもロレックスが誇る技術の数々は健在。 ムーブメントにCal.3131を搭載していますが、これは、パイロットウォッチが避けて通れない帯磁の影響を抑える工夫が成されているのです。
こういったストーリー性は、赤シードと同じように永遠不滅。今後も価値が落ちづらい一本と言えるでしょう。
価格や資産価値は抜きにしても、ロレックス史の象徴とも言うべきエアキング。 まさに「ロレックス派」なら所有しておいてほしい一本です。
まとめ
世界中のメンズを魅了し続けるロレックス。 所有しておくなら断然おすすめの7選をご紹介しました。
しかしこの他にも、デイトジャストやヨットマスターなど、まだまだ魅力的なロングセラーを展開し続けており、どれがいいのかまた迷ってしまうかもしれません。
知れば知るほど欲しくなるのが、ロレックスウォッチなのですから。
当記事の監修者
池田裕之(いけだ ひろゆき)
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 買取部門 営業企画部 MD課/買取サロン 課長
39歳 熊本県出身
19歳で上京し、22歳で某ブランド販売店に勤務。 同社の時計フロア勤務期に、高級ブランド腕時計の魅力とその奥深さに感銘を受ける。しばらくは腕時計販売で実績を積み、29歳で腕時計専門店へ転職を決意。銀座ラシンに入社後は時計専門店のスタッフとして販売・買取・仕入れを経験。そして2018年8月、ロレックス専門店オープン時に店長へ就任。時計業界歴17年