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南幸太朗, ブライトリング, その他

徹底比較!ナビタイマーとモンブリランの違い

最終更新日:

ブライトリングにはナビタイマーとモンブリランという非常によく似たモデルが存在します。

あまりにも似ているために「おなじモデルじゃないの?」と思われている方が多いですが、よく調べると明確な違いがあることがわかります。

そこで今回は、ナビタイマーとモンブリランの違いについて検証していきたいと思います。

なぜ見た目がそっくりなのに別のシリーズとして展開されたのか。その理由はデザインと年代に隠されているようです。

ナビタイマー モンブリラン 比較

 

ナビタイマーについて

文字盤に「航空用計算尺」を持つナビタイマーは1952年に誕生したブライトリングのフラッグシップモデルです。

世界パイロット協会の公式時計を担うなど、パイロットウォッチの代名詞的存在であり、現在ヘリテージ、オールドナビタイマー、ナビタイマー01、アビエーターにモンブリランなど様々なバリエーションが発売されています。

ブライトリング ナビタイマー

航空用計算尺は航空機のパイロットが飛行中に速度・距離・時間・燃料を計算するための機器です。フライトコンピューターとも呼ばれ、航空機のコックピット上に設けられています。

ナビタイマーに航空用計算尺を備えることで、万が一アクシデントで航空用計算尺が使えなくなった際にも、腕時計で飛行することが可能となります。

「時計ではない、計器である」。ブライトリングが掲げる理念をまさに体現したモデルだといえます。

ブライトリング ナビタイマー

1952年に誕生したナビマイマーは常に時代と共に進化を果たし、今ではそのデザインからカラーバリエーションまで多種多様なモデルが販売されています。

「時代に合う最新のスタイル」こそがナビタイマーの特徴であり、これこそが後述するモンブリランとの大きな違いとなります。

モンブリランについて

時代に合わせて進化を重ねるナビタイマーに対し、モンブリランは1940年代~1950年代のスタイリングを備えたクロノグラフという明確なコンセプトがあります。

1940~50年代のクラシックを表現しており、航空用計算尺を持つことはナビタイマーと同じでも、デザインは古き良きパイロットウォッチを彷彿とさせるヴィンテージデザインです。

1942年に誕生した初代クロノマットと1952年に誕生した初代ナビタイマーのデザインを取り入れた設計となっており、現在のナビタイマーにはない幾つかの特徴を持ち合わせます。

ブライトリング モンブリラン

ちなみにモンブリランという名称は1892~1979年の間、ブライトリングの本社があったスイス ラ・ショード=フォンのモンブリラン通りに由来します。

コレクションとしては1995年に初登場し、約20年の歴史の中で色々な仕様変更が行われました。

 

モンブリランの特徴1.サイズが小さい

多くのモデルで40mmを超えるナビタイマーに対しモンブリランは38mmが基本とサイズが小さいです。

現代のクロノグラフにおいてこのサイズ感は珍しく、モンブリランの大きな個性となっています。

ブライトリング モンブリラン

直径だけでなく、厚みに関してもナビタイマーよりも薄いモデルが多く、細身の方でもシックリ決まります。

 

モンブリランの特徴2.赤いデシマルメーターをもつ

モンブリランの文字盤には1940年代デザインの復刻として、初代クロノマットにも採用されていた赤いデシマルメーターが備えられています。

ナビタイマーには赤いデシマルメーターを持つモデルがないため、両モデルを分ける決定的な違いとなっています。

ブライトリング デシマルメーター

デシマルメーターは1/100時間計として活用でき、60進法の時間を統計計算などに適用させる為1/100に変換しないで直読できる様になっています。

プロフェッショナルなパイロットの為に作られたメーターで、暗算でも処理しやすくなっていることがポイントです。

回転計算尺と共に親しまれ、計器として役立ちました。

 

モンブリランの特徴3.ロゴが筆記体

初期のモンブリランは、文字盤の「BREITLING」が筆記体で印字されています。

このロゴは1940年代~1950年代のスタイリングを表現したレトロなデザインです。

モンブリラン ロゴ 筆記体

 

ブライトリング ナモンブリラン  ロゴ

左:モンブリラン 右:ナビタイマー

※ただし最近は、筆記体ではないモンブリランも多く発売されています。

 

モンブリランの人気モデル

1995年に誕生したモンブリランは年式ごとにそれぞれ特徴があります。

クラシカルなデザインはそのままに、日付表示やロゴのデザイン、サイズやムーブメントなど、様々なモデルが展開されました。

 

モンブリラン 38mm A417G34KBA

ブライトリング ナビタイマー モンブリラン A417G34KBA(A41370)

素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径 38.0mm
全重量:133g
文字盤:シルバー
インデックス:回転式計算尺
ムーブメント:自動巻き ブライトリング41
防水性能:30m

モンブリランの第4世代に当たるA417G34KBA。このモデルは赤いデシマルメーターをもちますが、ロゴが筆記体ではなくなりました。

ただ、裏蓋にクロノメーター表記が入り、ムーブメントの機能性が大きく向上しています。

直径38.0mmにシルバーダイヤルというモンブリランらしいデザインに、美しいブラウンレザー。

これぞパイロットウォッチといえる王道モデルです。

 

モンブリラン 38mm A400G89NP

ブライトリング ナビタイマー モンブリラン38 ジャパンエディション A400G89NP(AB0131)

素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径 38.0mm
全重量:133g
文字盤:シルバー
インデックス:回転式計算尺
ムーブメント:自動巻き ブライトリング41
防水性能:30m

筆記体のロゴに赤いデシマルメーター、直径38.0mmに上品なシルバーダイヤル。

わずかに段差のついたインダイヤルやケースバックのブライトリング刻印など、伝統的なパイロットウォッチの意匠が楽しめます。

デザインはレトロですが、ドーム型サファイアクリスタル(両面無反射コーティング)やクロノメーター認定機であるブライトリング41を搭載するなど、実用性は抜群。

2018年に惜しまつつ生産終了となりましたが、その人気は今でも健在です。

 

モンブリラン 38mm L30030.1

ブライトリング ナビタイマー モンブリラン L30030.1

素材:プラチナ
ケースサイズ:直径 38.0mm
全重量:99g
文字盤:ブラック
インデックス:回転式計算尺
ムーブメント:自動巻き
防水性能:30m

ケース素材にプラチナを使用したラグジュアリーなモンブリランです。筆記体のロゴに赤いデシマルメーター、デイトは省かれ、3カウンターとなっています。

 

モンブリラン 42mm A483B76KBA

ブライトリング モンブリラン エディション A483B76KBA(A48330)

素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径 42.0mm
全重量:104g
文字盤:ブラック
インデックス:回転式計算尺
ムーブメント:手巻き
防水性能:30m

クラシカルな回転式計算尺を備えた落ち着いた佇まいをもつモンブリラン。

直径42mmのステンレススティールケースに手巻きムーブメントを搭載した「A483B76KBA」は裏蓋に“FABRIQUE D’ HORLOGERIE(時計工場)”のレリーフが刻印されたレトロ感溢れる一本です。

6時位置にデイト表示を備え、各種針はヴィンテージ加工が施されています。

 

モンブリラン 42mm スパシオグラフ A36030

ブライトリング ナビタイマー モンブリラン スパシオグラフ A36030

素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径 42.0mm
全重量:90g
文字盤:ブラック
インデックス:回転式計算尺
ムーブメント:自動巻き
防水性能:30m

ヘリコプターのパイロット用に開発されたモデルです。現行モデルにはない、独特のデザインと機能性を備えた1本です。

エンジンの暖機運転に掛かる時間として10分間のカウントダウンタイマーが9時位置に配されています。

 

まとめ

1940年代~1950年代のスタイリングを現代に蘇らせたモンブリラン。

ヴィンテージなデザインとクラシカルな意匠を楽しめることから、40代・50代の男性を中心に人気を博しています。

クロノマットやナビタイマーも好きだけど、さらに個性のある時計を探しているという方にもオススメの一本です。

是非この機会に一度ご検討されてみてはいかがでしょうか?

当記事の監修者

南 幸太朗(みなみ こうたろう)

(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 買取部門 営業企画部 MD課/買取サロン プロスタッフ

学生時代に腕時計の魅力に惹かれ、大学を卒業後にGINZA RASINへ入社。店舗での販売、仕入れの経験を経て2016年3月より銀座本店 店長へ就任。その後、銀座ナイン店 店長を兼務。現在は営業企画部 MD課 プロスタッフとして、バイヤー、プライシングを務める。得意なブランドはパテックフィリップやオーデマピゲ。時計業界歴13年。

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