1952年にパイロット用の時計として誕生したナビタイマー。
飛行機のコックピット内に使われた計器から着想を得たデザインが特徴的で、世界初の航空計算尺付きクロノグラフを搭載した時計です。
初代ナビタイマーはRef.806で、誕生から現在までその姿を大きく変えることなく、今も多くの方に愛され続けています。
非常にバリエーションが豊富なモデルでもありますので、今回はそんなナビタイマーの違いやそれぞれの魅力についてご紹介します。
目次
様々な種類のナビタイマー。どう違うの??
まずはナビタイマーの4つの種類オールドナビタイマー、コスモノート、ナビタイマー01、ヘリテージについてご説明致します。
オールドナビタイマー
クオーツ全盛期に窮地に陥っていたブライトリングが、1986年に「オールドナビタイマー」という名前で復活させたモデルで初代ナビタイマーを再現したデザインが特徴です。
2003年のモデルチェンジを期に、ナビタイマーという名称に統合されることとなりますが、今も愛好家に人気のあるモデルで、ジャパンエディションとして現在も販売されています。
コスモノート
ナビタイマー コスモノート D122B13LBA(D12022)
1962年に誕生したコスモノートは、昼夜の区別がつかない宇宙でも時間が判別しやすいように、ダイヤルが24時間表示になっています。24時間で短針がダイヤルを一周する非常に珍しい時計です
ナビタイマー01
ブライトリングの完全自社開発自社製造によるキャリバー01を搭載したモデルです。
レッドのクロノグラフ秒針と、立体的な植字インデックスにより高級感が増しています。
ナビタイマー ヘリテージ
ナビタイマー ヘリテージ A113C42NP(A13324)
ナビタイマーの長い歴史を讃えるモデルとして登場したモデルです。
オールド ナビタイマーに通ずる縦目のダイヤルデザインを採用し、サブダイヤルを同色に揃えた文字盤が特徴的です。
ナビタイマーが欲しいけどサイズが・・・。そんな方にモンブリラン!
1995年に誕生したモンブリランは1940年代〜1950年代のスタイリング取り入れたモデルです。
ナビタイマーとは非常に似ていますが、現在はナビタイマーとは別ラインとして展開されています。
ケース直径38mmから最近のものでも40mmとナビタイマーに比べ一回り小さく、手首が細めの方でも違和感なく着けられるサイズ感が魅力です。
ケースサイズ38mm 腕周り16cmの場合
また、ロゴはブライトリングお馴染みの翼ロゴではなく、クラシックな雰囲気の筆記体ロゴとBREILINGの「B」の文字をかたどったロゴがあり、翼ロゴとは違った落ち着いた雰囲気もモンブリランの魅力かもしれません。
ちなみ「モンブリラン」という独特な響きの由来は当時ブライトリング社があった“モンブリラン通り”に由来します。
パクリではない!?ジンSinn903との関係
https://www.sinn-japan.jp
1979年にクォーツショックの影響からブライトリング社が清算廃業した際に、ストック部品とデザインの権利をSinn社に売却。そこから誕生したのが「Sinn903」です。
当時のブライトリングから購入した部品で作られていたので、当然デザインは当時のナビタイマーにそっくりです。
2018年の新作「ナビタイマー8」は、今までのナビタイマーとは異なった雰囲気に!!
https://www.instagram.com/georgeskern/?hl=ja
https://www.instagram.com/georgeskern/?hl=ja
2017年にCVCキャピタル・パートナーズの傘下に入り、新体制となったブライトリング。
CEOにはIWCで長年にわたり指揮を振るっていたジョージ・カーンが就任した影響か、いい意味で男くさい雰囲気が魅力だったナビタイマーが、一転エレガントでスタイリッシュな雰囲気に。
また、ナビタイマーとしては初のクロノグラフを搭載しない3針モデルもラインナップ。回転計算尺や翼ロゴ、針のお尻のBもなく、特徴的な7連ブレスレットではなく3連に。
ナビタイマーのアイデンティティとも言える部分の多くに変更が加えられたことは賛否が分かれそうです。
しかし、こういった変化は新体制のブライトリングによって、ナビタイマー8を皮切りに、他のラインナップでも起こる可能性が十分考えられます。
この大きく変化を遂げたナビタイマー8は、2018年3月に行われるバーゼルワールドでお披露目となります。
バーゼルワールドのレポートも随時更新していきますのでお楽しみにお待ちくださいませ!!
当記事の監修者
南 幸太朗(みなみ こうたろう)
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 買取部門 営業企画部 MD課/買取サロン プロスタッフ
学生時代に腕時計の魅力に惹かれ、大学を卒業後にGINZA RASINへ入社。店舗での販売、仕入れの経験を経て2016年3月より銀座本店 店長へ就任。その後、銀座ナイン店 店長を兼務。現在は営業企画部 MD課 プロスタッフとして、バイヤー、プライシングを務める。得意なブランドはパテックフィリップやオーデマピゲ。時計業界歴13年。