ブライトリングのフラッグシップモデル「ナビタイマー」。文字盤にあしらわれたメカニックな「航空用計算尺」が何よりの特徴ですね。
1952年誕生とブライトリングの中でも非常に長い歴史を持ちますが、世界パイロット協会の公式時計を担うなど、パイロットウォッチの代名詞的存在となっております。ちなみに『銀河鉄道999』の松本零士先生が、若かりし頃最初に買った腕時計はナビタイマーだったとか。
現在ヘリテージ、オールドナビタイマー、ナビタイマー01、アビエーターにモンブリランなど様々なバリエーションが発売されていますが、航空用計算尺のせいでデザインが似ていたり逆に全く異なっていたり。いったいどれがどのようなモデルなのかわからない方もいらっしゃるでしょう。
そこで、これまでラインナップされてきたナビタイマーをご紹介するとともに、その違い・魅力を解説いたします。
男心をくすぐる「空」をフィーチャーした、ブライトリングの名作をお楽しみください。
※掲載する価格情報は2019年11月現在のものとなります。
出典:https://www.breitling.co.jp/
目次
ブライトリング ナビタイマーってどんな時計?
ブライトリングの時計の特徴は、「インパクト」ではないでしょうか。一目見たら忘れない。一目でブライトリングの時計とわかる。そんなハッキリとした個性を確立していますね。
中でもひときわブライトリングらしいナビタイマー。文字盤上に設けられた航空用計算尺が、「時計ではない、計器である」という同社の理念を地でいくようです。
ナビタイマーの名前がブランドの歴史上に初めて出たのは、1952年です。しかしながらもともと第二次世界大戦下の1942年、「クロノマット」として航空用計算尺が搭載された経緯があります。
この航空用計算尺が何かというと、フライトコンピューターとも言うのですが、航空機のパイロットが飛行中に速度・距離・時間・燃料を計算するための機器です。普通は航空機のコックピット上に設けられた機能ですが、万が一アクシデントでそれらが使えなくなった時に、ナビタイマーにセットされたアナログ航空用計算尺で計算すれば飛行は可能、ということになります。
つまり、ブライトリングのシリーズは基本的にパイロットウォッチのDNAを持ちますが、第二次世界大戦下において、空軍で実際に使用された軍用パイロットウォッチ・クロノマットをリバイバルし、かつアナログ航空用計算尺(フライトコンピューター)を腕時計に収めたものがナビタイマーということです。
さらに言うと、1952年誕生当時のナビタイマーは、クロノグラフ(当時は手巻き式)を搭載していたこともアイデンティティです。クロノグラフもまた、飛行時間の計測に必須の機能であり、パイロットウォッチの大切な条件の一つでした。
この初代意匠は踏襲されており、変わってスペックは現代風にアップデートされています。ちなみにケースやブレスレットも現代風ナビタイマー仕様で、特にブレスレットは7列の細かなリンクを重ねた、スタイリッシュなデザインに・・・!
航空用計算尺もクロノグラフも、一般ユーザーが日常生活で使うかと言えばそうではないでしょう。しかしながらこれらが作り出すメカニックなデザイン、およびそこに潜む背景・・・男心をくすぐるには十分すぎるくらいですね。なお、詳細は後述しますが、2018年に航空用計算尺が取り払われた新型ナビタイマーがリリースされましたが、案の定賛否両論でした。
こうして、ナビタイマーはブライトリングのフラグシップとして、そして人気シリーズとして、誕生から60年以上経つ現在では世界中から認知されています。
ブライトリング ナビタイマーのバリエーション
誰もが憧れるパイロットウォッチとして、ナビタイマーは世界中に多くの愛用者がいます。
ナビタイマーと名前のつくシリーズを大きく四つに分けると、
「初代ナビタイマーを忠実に再現したヘリテージ」
「1984年の復刻モデルを再現したオールドナビタイマー」
「最新のデザインと技術を用いたナビタイマー01」
「上記三つ以外のエントリーモデル的ナビタイマー」
に分類されます。
エントリーモデルを除き3つのバリエーションは、主に「いつの年代に発売されたモデルがベースになっているか」の違いとなっており、文字盤デザインが大きく異なることが特徴です。
それぞれをご紹介いたします。
①1952年モデルを復刻! ブライトリング ナビタイマーヘリテージ
最初に紹介するのは「ナビタイマー ヘリテージ」。
このモデルは1952年に発売された初代ナビタイマーのデザインを忠実に再現したモデルです。
「ヘリテージ」は遺産という意味を持つ言葉であり、その名の通り、初代ナビタイマーのDNAが現代に受け継がれています。
初代ナビタイマー(画像出典:https://www.facebook.com/Breitling/)
ヘリテージは古くから存在しているモデルではありません。2016年末に発売された新しいモデルです。
オメガのトリロジーコレクションやタグホイヤーのオータヴィアなど、近年は復刻モデルが流行していますが、このナビタイマー ヘリテージも発売してから非常に高い人気を集めています。
左:ヘリテージ A113B27NP 右:ヘリテージ A113C42NP
今回発売されたヘリテージは黒文字盤(A113B27NP)と青文字盤(A113C42NP)の2モデル。
初代ナビタイマーを忠実に再現したことにより、モダンでクラシカルな印象となりました。
また、主なヘリテージの特徴は以下の通りです。
■先端が細くなった時針・分針。
■12時、9時、6時にインダイヤルを配置した縦目クロノグラフ
■3時位置にロゴとデイト
■文字盤と同系色に配されたインダイヤル。
一番重要なのはインダイアルと文字盤の色が同じだということです。
この特徴こそ、旧型ヘリテージとの違いとなります。と言うのも、ナビタイマー ヘリテージは2005年にも発売されたことがあります。つまりこのヘリテージは、新作というより13年ぶりのリニューアルと言った方がいいかもしれません。
では、旧型ヘリテージはどのようなモデルだったか。
旧ヘリテージは1952年に発売された初代ナビタイマーを忠実に再現したモデルではなく、「針・クロノグラフ」といった一部のディテールが再現されたモデルに過ぎませんでした。
そのため、新・ヘリテージとは全くの別物です。
ナビタイマー ヘリテージ A354B54NP / A355B54NP / A355C38NP
旧作の主なラインナップはこちら。どれもインダイヤルにホワイトカラーが配されており、中央にインダイヤルが密集した横目のクロノグラフです。
新旧ヘリテージともに現在は生産終了していますが、新型の方はまだ新品も流通しています。並行相場は平均して50万円台半ば~となっております。
②1986年モデルを再現! ブライトリング オールドナビタイマー
オールドナビタイマーはもともとはヘリテージと同じく、1952年に発表された初代ナビタイマーの特徴を再現したモデルです。
ナビタイマーの原点とも言えるモデルであり、デザイン性はクラシカルな意匠に溢れています。
出典:https://www.breitling.co.jp/products/navitimer/old_navitimer/
ヘリテージの登場は2000年代に入ってからですが、オールドナビタイマーの初登場は1986年。
当時、安価なクォーツ時計の普及により一時経営難に陥っていたブライトリングですが、古くからの時計愛好家のために”初代ナビタイマー”のデザインを再現したモデルを発売しました。
このデザインは2003年にモデルチェンジを果たすまで、長らくナビタイマーの顔としてのその役目を果たしてきた歴史があります。50代・60代の方にとってのナビタイマーは恐らくこのデザインのイメージが強いでしょう。
オールドナビタイマーからは様々な限定モデルやバリエーションが発売されましたが、「初代ナビタイマーのデザイン性を持つ」というコンセプトは共通となります。
なお、オールドナビタイマーは2003年に廃盤となったため、現行ラインナップに姿はありません。
ただ、定期的に「オールドナビタイマー」の名を冠した復刻モデルが発売されており、いずれも高い人気を誇ります。数量限定のことが多いので、どの時計店でも置いてある、というものではないのが難点ですが・・・
しかもこの定期的に出る復刻モデルで、現在出回っているものとしては「オールドナビタイマー A132BJAWBD」「A132GJANP」などが挙げられるのですが、厳密にはオールドナビタイマーが持っていた「初代ナビタイマーのリバイバル」ではなくなってきています。と言うのも、「1986年に発表されたオールドナビタイマーのリバイバル」にシフトしたためです。
もっとも、デザインの基本は初代ナビタイマーなので、針の形・デイト表示・縦目インダイヤルといった特徴は殆ど同一ですが・・・
左:オールドナビタイマー 右:ヘリテージ
また、オールドナビタイマーとヘリテージの違いもよく聞かれますが、どちらも初代ナビタイマーを踏襲しているのでそこまで大きな違いはありません。ただ、インダイアルの色が違います。
現行オールドナビタイマーは1986年に復刻されたモデルを元としているため、インダイアルは白となっていますが、初代ナビタイマーを忠実に再現したヘリテージは、前述の通りインダイアルがベースカラーと同一です。
また、ヘリテージには6時位置の12時間積算計の上に赤い印字が刻まれており、3時位置のロゴ部分の文字が4列になっています。
これはオールドナビタイマーには無い特徴です。
左:オールドナビタイマー 右:ヘリテージ
オールドナビタイマーはインダイヤルの色が白であることにより、文字盤との強いコントラストを生んでいます。加えて、ブライトリングロゴがより立体的になりました。ちなみにこういったオールドナビタイマーが採用しているような、ベースとインダイアルでカラーやトーンを変えるクロノグラフを「パンダ顔」などと言い、時計界の一つのトレンドとなっております。
対して、ヘリテージは文字盤とインダイヤルが馴染んでいて、モダンな雰囲気です。
③最新のデザインと最先端の技術! ブライトリング ナビタイマーB01
今、最も人気の高いナビタイマーシリーズと言えば、「ナビタイマーB01」です。
過去のモデルを復刻したオールドナビタイマーとヘリテージに対し、ナビタイマーB01は最新デザイン、そして最新スペックのナビタイマーであるといえます。
まずは定番中の定番「A022B01NP」を例に、ナビタイマー01の特徴を見てみましょう。
「航空計算尺」はこれまで同様に白色で配されており、インダイアルは3時位置に30分積算計、6時位置に12時間積算計、9時位置にスモールセコンド秒針が配された横目タイプクロノグラフとなっています。
赤色のクロノグラフ針、ペンシル型の針、時計が美しく見えるよう拘りぬかれたインダイヤルの配置。全てにおいてクロノグラフのお手本と呼べる仕上がりとなっています。
ただ、このデザイン面の変更を行い、さらにスペック面で大きな進化を遂げる契機となったのが、搭載されるB01です。これはブライトリングの自社製ムーブメント。もともとナビタイマーやクロノマットではバルジュー社製7750(1966年まではヴィーナス社製。同社はバルジューに統合されており、現ETA)やその他ETAムーブメントをベースにした機械が搭載されていました。
このバルジュー7750は、パネライのルミノールやIWCのポルトギーゼなどのベースにもなっている、時計界では非常に有名なクロノグラフムーブメントなのですが、ついに2009年にブライトリングは自社製クロノグラフの開発に成功しました。
伝統的に機能性を最重視してきたブライトリング。B01も、ただ自社製というのをブランド価値として利用しているだけでなく、従来のクロノグラフから大きくスペックアップしていることが特徴です。
それを象徴するのが、70時間のロングパワーリザーブを持つコラムホイール式クロノグラフ。コラムホイールは高級クロノグラフに採用されている機能で、精密な制御が可能に。また、安定した精度を誇り、耐磁性にも優れています。
そして何よりも、日付調整を常時可能(24時間早送りを可能)にするカレンダー機構を搭載していることが特徴です。
通常機械式時計は夜8時~早朝4時の間に日付調整を行うと破損する恐れがありますが、Cal.B01はいつ調整しても問題ありません。
ちなみにB01を搭載したモデルはシースルーバックが採用されていることも、時計好きにはたまらないポイントです。
ナビタイマーB01では、同一シリーズの中ではケースがアップサイジングされていることもまた特徴。基本サイズが43mm、大型ケースで46mmと、かなり大きめですよね。ちなみにヘリテージは42mmサイズ、オールドナビタイマーは41.5または42mmが主流です(ただしコンプリケーションは大型モデルもあり)。
なお、多くのブランドに言えることですが、自社製ムーブメント搭載機はハイエンドの位置づけとなるため、お値段は高くなります。ステンレススティール製の基幹モデルであっても定価は100万円超え、並行輸入店での新品価格は革ベルトタイプで62万円台~・メタルブレスレットタイプで67万円台~となります。
④その他のナビタイマー
ヘリテージや自社製ムーブメントを搭載した以外のナビタイマーは、比較的低価格帯でリリースされていることもあり、エントリーモデル的立ち位置です。
まずご紹介するのがCal.13を搭載したナビタイマー1 クロノグラフ。ちなみにこの「1」はB01の1ではありません。2018年頃に暫定的に付けられており、次項でご紹介するナビタイマー8(現在はアヴィエーター8)と区別するためのナンバーでした。
Cal.13は前述したバルジュー7750をベースに改良したクロノグラフムーブメントで、オールドナビタイマーやヘリテージもこれに当たります。
現行品はヘリテージに近い意匠で、インダイアルは文字盤のベースカラーと同一。また、41mmと小径ケースであることも相まって、ナビタイマーB01がモダンであることに対し、ヴィンテージテイストを楽しめることが特徴です。
ちなみにエントリーモデルとは言え、新品並行相場は40万円台~。ただ、初めてブライトリングをご購入される、という方にとってはちょうど良い価格帯でしょう。
次にご紹介するのは、ナビタイマー1 オートマティック。なんとナビタイマーのアイデンティティの一つでもあったクロノグラフがなくなり、シンプルになったモデルです。
実はブライトリングは2017年に投資会社に買収されたこともあり、経営体制が大きく変わりました。そんな新生ブライトリングの第一弾として2018年に、既存の人気シリーズにメスを加えた新作が続々と打ち出されたのですが、こちらもそのうちの一つとなります。
「オートマティック」の名前の通り自動巻き3針ムーブメントCal.17を搭載したモデル。ちなみにこの17番はブライトリングの基幹ムーブメントで、スーパーオーシャンやコルトシリーズなど多くの人気作に搭載されています。
出典:https://www.facebook.com/Breitling/
ナビタイマーからクロノグラフが消えたことにも驚かされましたが、特筆すべきは38mmというケースサイズ!ブライトリングは「デカ厚」とも称される、ボリューミーなケースをラインナップすることが従来は多かったのですが、このナビタイマー1 オートマティックを契機に小径ケースを打ち出すこととなりました。ブライトリングが欲しいけど、サイズ感がちょっと心配・・・そんなファンを購入層に引き込むことに成功し、実はかなり評価の高い逸品でもあります。41mmケースも追加されましたが、やはり厚みはなく洗練された印象です。
シンプルなためお値段もクロノグラフ搭載機と比べるとリーズナブルで、定価は54万円~、新品並行相場は32万円~となっております。
ブライトリング ナビタイマーの進化形~アビエーター,コスモノート,モンブリラン~
「ナビタイマー」の名前は冠していないものの、ナビタイマーから派生したシリーズも少なくありません。
それらはナビタイマーの意匠やコンセプトを継承しつつ、独自の価値観を打ち出しており、時計愛好家やブライトリングファンはもちろん時計コレクターなどからも熱視線を浴びています。
①新生ブライトリングが打ち出したアビエーター8
先ほど、ブライトリングの経営体制が変わり、多くの新モデルが追加された、ということに言及しました。その流れの一つがアビエーターです。2018年発表、当初はナビタイマー8と名乗っていましたが、ナビタイマーと全く意匠もコンセプトも変わっていたからか?2019年頃にはアビエーターシリーズとして打ち出されることとなりました。
アビエーター(aviator)とは、英語でパイロットを意味します。そのためナビタイマー同様にパイロットウォッチにはなり、やはり当初は派生モデルとしてリリースされたのですが、なんと、最もナビタイマーらしいと言える航空用計算尺がありません!7連ブレスレットもありません。
ちなみに「8」―フランス語でHUIT―は1938年に設立されたHUIT Aviation部門にちなみます。
軍民両用のパイロットウォッチを製造するための部署で、それらのほとんどが8日間ものロングパワーリザーブを有したとのこと。翼ロゴ、針のお尻のBもなくなっており、すっきりしました。
これには賛否両論ありましたが、実はナビタイマーが生まれた1950年代に、飛行機乗りたちが実際に着用していたパイロットウォッチに近いデザインで、ヴィンテージ感という意味では最高。確かにナビタイマーと言うには違和感がありますが、現在は古き良き時代の時計が流行っていることもあり、今ではブライトリングの新たなる定番として君臨しています。
ラインナップとしては、自社製ムーブメントB01を搭載したモデル。
Cal.13を搭載したモデル。
Cal.17を搭載したオートマティックモデルがメインとなります。
ケースサイズはそれぞれで43mm・42mm・41mmおよび43mm。サイズもこれまでのナビタイマーを踏襲しており、ちょうど良い感じですよね。
現在ブライトリング自身もアビエーターに力を入れているようで、もしかしたら今後、さらなる新作をリリースしてくるかもしれません。今ブライトリングで最も目が離せない時計と言えるのではないでしょうか。
②宇宙飛行士のためのコスモノート
出典:https://www.breitling.co.jp/products/
「コスモ(宇宙)」の名前の通り、宇宙飛行士に向けて開発されたコスモノート。スペースウォッチと聞くとオメガのスピードマスターがまず思い浮かぶものですが、実は当コスモノートもまた、1962年に宇宙飛行に携行されたという歴史を持ちます。
一見するとナビタイマーとあまり変わらないように感じるかもしれませんが、アワーマーカーが24時表記になっていることがおわかりいただけるでしょう。
この時計は、24時間で時針が一周するという、大変ユニークな機構が採られています。
宇宙空間では昼夜の判別がつきづらいため、一目でAM/PMを確認できるようにした、とのこと。また、実際に携行したスコット・カーペンター少佐からの要望で、クロノグラフのタキメーターを文字盤上から取り払いました。
ちなみに手巻きクロノグラフが使われていることもミソ。宇宙空間ではローターが回りづらく巻き上げ効率が良いとは言えないため、手巻きが採用されることが少なくありません。なお、オメガのスピードマスター プロプロフェッショナル同様、レマニアベースとなっております。
現在は生産終了していますが中古市場で本当に根強い人気を博しており、年々高まる稀少性がコスモノートをさらに特別な存在に押し上げています。
③正統派リバイバル作品・モンブリラン
モンブリランをご存知でしょうか?ナビタイマーの派生であり、かつ非常によく似た外観をしていますが、これは、現在のナビタイマーが生まれる以前、1940年代~1950年代のオールドパイロットウォッチをリバイバルした、正統派とも言うべき逸品です。ちなみにモンブリランとは、かつてブライトリングの本社があったスイス ラ・ショード=フォンのモンブリラン通りに由来します。
ナビタイマーと言うよりも「初代クロノマット(現行クロノマットではなく、初代航空用計算尺を搭載したナビタイマーの原型のこと。現行クロノマットの初出は1984年)」をリバイバルしたモデルで、何よりの特徴はデシマルメーター(100分割計)がついていること。
文字盤中央の赤く彩られたサークルがデシマルメーターに当たります。ちなみに初代クロノマットをやはり踏襲しています。これは航法計算を十進法にし、より容易に計算ができるようにしたメーター。距離が十進法ですので、時間の60進法もそれに合わせれば、暗算でも処理しやすいですよね。
モンブリランは1995年にラインナップに加わり、約20年の歴史の中で色々な仕様変更が行われましたが、基本理念は上記の通りです。また、40mmあるいは38mmという小径ケースで、より1940-1950年代当時の古き良きパイロットウォッチを模していることがおわかりいただけるでしょう。
生産終了はしていないようですが製造本数は多くはなく、なかなか市場に出回りません。一方でブライトリングらしい堅牢な設計から中古であっても状態の良い個体が結構出回っており、二次流通品として高い人気を博しています。
まとめ
ヘリテージ・オールドナビタイマー・ナビタイマー01などなど・・・お気に入りのナビタイマーは見つかったでしょうか?
それぞれ異なる時代のデザインが採用されており、いずれも最高品質のパイロットウォッチです。
デザインや搭載ムーブメント、そして価格。総合的に比較して、是非自分に最適のナビタイマーを探し出してみてくださいね。
当記事の監修者
南 幸太朗(みなみ こうたろう)
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 買取部門 営業企画部 MD課/買取サロン プロスタッフ
学生時代に腕時計の魅力に惹かれ、大学を卒業後にGINZA RASINへ入社。店舗での販売、仕入れの経験を経て2016年3月より銀座本店 店長へ就任。その後、銀座ナイン店 店長を兼務。現在は営業企画部 MD課 プロスタッフとして、バイヤー、プライシングを務める。得意なブランドはパテックフィリップやオーデマピゲ。時計業界歴13年。