「カルティエ マストタンク ヴェルメイユは何がすごいの?」
「マストタンク ヴェルメイユの魅力について詳しく知りたい」
言わずと知れたジュエリー・ウォッチ界の大御所、カルティエ。
大人女子にとって一本は欲しい定番ブランドですが、今回は「定番」を少し外したシリーズをご紹介いたします。
それは、マストタンク ヴェルメイユ。
カルティエのロングセラー・タンクシリーズのうちの一つですが、現行のどのタンクとも異なる趣を持ちます。
現在は生産終了しているにもかかわらず、中古市場ではまだまだ高い人気を誇ること。
さらに「持たなければならないタンク」というモデル名。
ステンレスともゴールドとも異なるケース素材。
そんなマストタンク ヴェルメイユの魅力について知りたいという人は多いのではないでしょうか。
マストタンク ヴェルメイユは、ゴールドコーティングが施されたシルバーを使用した時計です。
この記事ではマストタンク ヴェルメイユの魅力について、GINZA RASINスタッフ監修のもと解説します。
おすすめモデルの紹介もしますので、カルティエウォッチの購入をお考えの方はぜひ参考にしてください。
目次
1.カルティエ マストタンクとは
カルティエウォッチといえばタンクシリーズ。
おしゃれなタンクフランセーズ、縦長なタンクアメリカン、薄型・フラットで上品なタンクソロ・・・
ジュエラーらしく豊富に派生モデルを持っていますが、いずれもタンク―戦車―をモチーフとしたスクエアシェイプのケースが特徴です。
ルイ・カルティエ自身がデザインを手がけ、さらに自身も愛用していた「タンク・ルイ・カルティエ」シリーズ。
1970年代、ルイシリーズのうちの一角として誕生したのがマストタンクです。
カルティエというとシルバーダイアルにローマンインデックスを配したデザインが多いですが、マストタンクの魅力のうちの一つは豊富なダイアルデザイン。
インデックスのみならず、カラーバリエーションなど変化に富んだ様々な表情を楽しむことができます。
ちなみに現行のカルティエウォッチはロゴにブロック体が用いられていますが、マストタンクは筆記体。
一方でベゼルに無駄な装飾はなく、クォーツを搭載した薄型で、華やかなシーンにもシックなファッションにもエレガントな演出を可能に。
近年ではレディースであってもスポーツラインが多い中、まさに由緒正しい正統派ドレスウォッチと言えます。
カルティエが世界中の女性たちから支持を得られる理由は、こういったいつの時代にも通用する審美性のがあるからではないでしょうか。
マストタンクはタンク・ルイ・カルティエの普及版として誕生した経緯があり、中古市場では10万円以下で手に入れることもできます。
ベルトを付け替えることのできるタイプがほとんどですので、中古にありがちな使用感も少なく済み、それでいて「カルティエ」というステータス性は申し分なし。
初めてカルティエを持つ方にも、何本か所有していて、ちょっと違ったカルティエウォッチが欲しい、という方にもおすすめできるシリーズです。
2.カルティエ マストタンクにのみ使用される素材・ヴェルメイユとは
もう一つ、マストタンクにのみ特徴づけられる事柄があります。
それは、ケース素材に使用されるヴェルメイユ。
ヴェルメイユとは、ある素材に金を貼りつける加工のこと。
広義の意味では金メッキとなりますが、ヴェルメイユではスターリングシルバー(銀の含有率が92.5%以上の金属、通称SV925)に金を貼り付けるものを指すことが多いです。
ちなみにこの「金を貼り付ける」という行為、一度金を熱で溶かしてからシルバーに塗るという作業が必要となるため、非常にコストのかかる技法。
高い製造技術を持つメーカーでなくては成しえないものなんです。
また、使用される金の容量も一定以上が求められるため、オール金無垢よりは安価ではありながら、金メッキなどとは全く異なる高級感を有します。
マストタンク ヴェルメイユの裏蓋に「925」そして「PLAQUE OR G 20M」という表記があります。
これは、「スターリングシルバー925」に20ミクロンの金を貼り付けた、ということを意味します。
このスターリングシルバーというのもミソで、シルバー100%は装飾品に不向き。柔らかすぎて、実用に適さないためです。
そこで限りなく銀に近く、しかし合金によって強度を上げたスターリング(本物の、価値のある)シルバーが広く普及しました。
アクセサリーにもよく使われるので、925の表記を見たことがあるかもしれません。
ヴェルメイユは、ゴールドに比べより手の届きやすい価格で、限りなくゴールドに近い輝きを持つという日常使いの腕時計にとっては嬉しい素材。
デザインに偏りがちなレディースラインの中でより日常使いもできるドレスウォッチとして、カルティエの老舗ウォッチメーカーとしての真骨頂を垣間見るような思いです。
ちなみにコーティングせず、シルバー925のみのモデルもあります。
3.カルティエ マストタンク ヴェルメイユの使用上の注意
マストタンク ヴェルメイユはゴールドコーティングが施されたシルバーです。
シルバーの特性として、空気に触れると硫化してしまい黒く変色しがち。
スターリングシルバー925はシルバーの中で比較的硫化しづらい含有率ですが、それでもやはり経年によって変色がみられます。
この変色をできるだけ防ぐためには、使用後は丁寧にクロスなどで拭い、空気に触れないように保管します。
もっとも、真空状態で保管・・・というわけにはいかないでしょう。
メーカーにメンテナンスに出せば、変色取りをしてくれます。
GINZA RASINでも、変色取りを行っておりますので、電池交換などの際にご相談していただければ、と思います。
でも、変色は長く愛用してきた証のようなもの。
経年による色味の変化を楽しみつつ、長く永く傍らで時を刻んでくれるのがカルティエウォッチの醍醐味でもあります。
4.カルティエ マストタンクおすすめモデル
マストタンクの数あるバリエーションの中で最も人気が高いモデルが、コチラの飛びアラビア文字盤を採用したモデルです。生産終了から随分と日が経ちますが、これだけ人気が衰えない時計は珍しいです。
当店の「入荷連絡待ち」を希望されている方が常時数十名いらっしゃいます。WEBに掲載した当日に即完売になるケースが多く、ロレックスの定番モデルより回転率が高いです。
中古市場での品数が少なくなっており、入荷難しいモデルでもあります。お探しの方は「再入荷のお知らせを希望する」に登録し、連絡が来たら即購入することをお勧めいたします。
縦30.5mm、横23.5mmと薄型ながらケース径が大振りになったマストタンク。
存在感があるので、シックなファッションでも良いアクセントになります。
マストタンクはレディースが主流ですが、こちらは男性でもお使いいただけるサイズ感です。
ヴェルメイユではないマストタンクモデル。
クラシカルテイストが抑えられ、よりモダンなテイストが強調されています。
シルバーはどんなファッションの邪魔もしないので、おしゃれ女子は必見の一本と言えます。
まとめ
由緒正しい老舗ジュエラー・カルティエが歴史の中で培ってきた審美性や品格。
マストタンクは、いつの時代にも通用するそれら全てが詰まっています。
レディースの高級時計もラインナップが豊富となり、近年では様々なブランドから次々と新作が出ていますね。
そんな中、不動の人気を誇り続けるマストタンク。
年齢やシーンを選ばないので、ぜひ一本お手元に携えてみてはいかがでしょうか。
当記事の監修者
安 寧実(AN NINGSHI)
中国吉林省の出身で中国語と韓国語が母国語。
日本語学校で1年半日本語を勉強し、専門学校では英語を専攻。卒業後、羽田国際空港のロレックス正規店に勤務し、2018年7月からGINZA RASINで勤務。中国語、韓国語、日本語、英語の4か国語に精通。時計業界歴10年。