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WEBマガジン, 新美貴之, エントリーモデル特集, シチズン

これぞ日本が誇る美技!シチズン カンパノラの魅力

最終更新日:

「シチズン カンパノラの美しい時計にはどんな種類があるの?」
「カンパノラの魅力や代表モデルについて知りたい」

わが国が誇る時計メーカー・シチズン。

多くの市民に愛され親しまれるように、という名前通り、国内のみならず世界中でシチズン人気はもはや常識ですね。

シチズンと聞くとエコ・ドライブワンやエクシード、サテライト・ウェーブなど、ハイテクで硬派な時計が思い浮かぶかもしれませんが、「時を楽しむ」ことにフォーカスした、遊び心と匠の技術溢れる一大シリーズがあることをご存知でしょうか。

それは、カンパノラです。

とにかく美しい外装が自慢で、しかもお手頃価格で時計製造の粋を楽しめるとあって、オメガやタグホイヤーといった海外製にも負けない高評価を得てきました。

そんなカンパノラの魅力や代表モデルについて知りたいという人は多いのではないでしょうか。

カンパノラの大きな魅力は、コンプリケーションをお手頃価格で楽しむことができるというところです。

この記事ではシチズン カンパノラの魅力や特長について、GINZA RASINスタッフ監修のもと解説します。

代表シリーズやモデルの紹介もしますので、美しい国産高級時計をお探しの方はぜひ参考にしてください。

シチズン カンパノラ ミニッツリピーター

出典:https://campanola.jp/index.html

 

シチズン カンパノラとは?

冒頭でも述べたように、シチズンはどちらかと言えば実用性を重視した、硬派な時計をラインナップしているイメージです。

例えば年差±1秒という超高精度エコドライブや、近年ではRiiiver(リィイバー)と連携したスマートウォッチ等が挙げられますね。

そんなシチズンが、趣味性に大きく振った時計を製造したら―?

 

そう、カンパノラはそんな趣味性を大いに楽しめるコレクションです。

「時を楽しむ(愉しむ)」「日常を楽しむ」「個性を楽しむ」ことをコンセプトに、2000年より販売スタートしました。

名前の由来は南イタリア・カンパニア地方の中心都市ナポリ。そこからおよそ25km東北東に位置するノラという町に端を発します。その町では紀元前5世紀より、町中に時刻を知らせる教会の鐘が存在していました。この鐘が、有史以来初めて共同体に時を報せ、共有させたとのこと。この鐘はカンパノラベルと呼ばれましたが、シチズンは大量生産とは無縁の時代に活躍したこの鐘に敬意を表し、自社のこだわりのコレクションにそう名付けるようになりました。

シチズン カンパノラ メカニカル

出典:https://www.instagram.com/citizenwatchjp/

そんな背景のもとに誕生したカンパノラですが、シチズンが誇る最先端技術、そして時計製造における匠の技が存分に発揮されたシリーズでもあります。

2000年のカンパノラ処女作は複雑機構の代表格・パーペチュアルカレンダーを搭載したモデルでしたが、駆動力にクォーツを採用したことで、より高い実用性とお手頃価格を実現。一方で最高峰の装飾技術や設計力を活かした、さながら工芸品のようなデザインで息を呑むような逸品に仕上げてきました。

なお、「鐘」に名前をちなむように、時を音で知らせるミニッツリピーター(アラーム)機構を搭載したモデルも多く、その独特の美しい音色についても特筆しなくてはなりません。

 

詳細は後述しますが、現在カンパノラには以下のシリーズが存在します。

 

■ミニッツリピーター、パーペチュアルカレンダー、クロノグラフといった複雑機構を搭載したコンプリケーション

■駆動力を太陽光にしたエコドライブ

■駆動力を機械式にしたメカニカル

■天空を時計上で再現したコスモサイン

■レディースとしても活躍するムーンフェイズ

 

いずれも本当に美しく完成されていて、しかも独特の世界観を持ちます。

著名人にも愛用者が多く、プロ野球のイチロー選手やMr.Childrenのボーカル桜井和寿さん、俳優の生瀬勝久さんなどが身に着けているようです。

みんなスタイリッシュでかっこいいエースばかりですね!

 

他社製品にはない!シチズン カンパノラの三つの魅力

カンパノラはよく「完成された」といった表現がされます。

また、カンパノラはクォーツ駆動が主流なのですが、決して機械式時計の下位互換などではなく、時計愛好家からも評価や人気が非常に高いもの。クォーツというと「安価」「実用性一辺倒」と見られがちですが、カンパノラはどうも様子が違います。

なぜこれほどまでにカンパノラは人々を魅了するのか。それは、他社製品にはない、シチズン カンパノラの魅力が大きく関係してきます。

 

魅力①とにかく美しい

シチズン カンパノラ こきあけ

出典:https://campanola.jp/index.html

腕時計は「時間を知る」日用品であると同時に、「オシャレやステータスを演出する」装飾品でもあります。装飾品だとしたら、デザイン性の高さや独創性は大切にしたいですよね。

そこでカンパノラを見てみて頂きたいな、と思います。ケースフォルム、仕上げ、文字盤デザインや装飾技法など、一目で美しさ・スペシャリティが溢れ返っていることが見て取れます。

この秘訣は、カンパノラにはデザインコンセプトが一貫していることにあります。

カンパノラは「宙空の美」がデザインの根幹です。

時計に無限の宇宙を閉じ込めるという概念を基調にしており、それだけだとちょっと抽象的でわかりづらいかもしれませんが、時計を構成するケース、文字盤などが多層構造を持ち、さながら瀟洒なプラネタリウム建築のようなのです。

サファイアガラスはドーム天井のように湾曲し、しかも針、インデックスなどに至るまでが一つひとつ宇宙の素材として活かされています。

シチズン カンパノラ エコドライブ

出典:https://campanola.jp/index.html

さらに、ケースには丁寧な仕上げはもちろんのこと、モデルによってデュラテクト加工(DLCコーティングのような表面を硬質膜で覆う加工)が施されているのも、シチズンの高級機ならではです。この加工によって傷つきづらさや耐衝撃性だけでなく、カンパノラ特有の輝きを出すことに成功しました。

また、日本の「和」もデザインに欠かせない要素です。日本の伝統技術を上手に取り入れており、

その代表格が「漆」を施した文字盤でしょう。何層にも丁寧に塗られた、きめ細かく美しい文字盤は、オートメーションで生産するパーツにはない美しさとなります。

 

ちなみに美しさは外装のみにあらず。

カンパノラはメカニカルであってもクォーツであっても、ムーブメントは職人によって組み立てられ、また丁寧な装飾や仕上げが施されております。

出典:https://campanola.jp/index.html

 

出典:https://campanola.jp/index.html

とりわけメカニカル(機械式)ムーブメントは、2012年にシチズン傘下となったラ・ジュー・ペレ社製の傑作機。この名門のムーブメントをシースルーバックから鑑賞できるというところも、カンパノラ(だけではありませんが)の魅力を押し上げますよね。

このように、全体から細部に至るまでが一貫したデザインコンセプトとシチズンのこだわりで構成されており、唯一無二の美しさを実現しているのです。

 

魅力②日本メーカーらしいこだわりと高い技術

シチズン カンパノラ グランドコンプリケーション

出典:https://campanola.jp/index.html

時計に限らず、日本発メーカーのアドバンテージは、かゆいところに手が届くような気遣い・こだわりにあります。

そもそもカンパノラの誕生自体が、ただでさえ利便性の高いクォーツの拡張性を高めたと言えます。これは、時計業界にとって大変意義深いことです。もともとクォーツは機械式ムーブメントに比べてトルクが弱く、あまり複雑な機構を搭載することが難しい傾向にありました。カジュアルな価格帯の製品が多かったというのもあるでしょう、クォーツと言えばシンプルなラインナップが主流だったものです。そんな中でカンパノラは、ミニッツリピーターやパーペチュアルカレンダー、ムーンフェイズなどといったコンプリケーションとクォーツを融合させました。現在では高級クォーツ式時計のラインナップも各社で多彩となってきましたが、カンパノラは頭一つ抜きんでていると言って良いでしょう。

機械式でやれば簡単(ではないですが)なところを、多くの「市民」にとって扱いやすいクォーツで実現する。そんな気遣いを感じますね。

シチズン カンパノラ グランドコンプリケーション

出典:https://www.instagram.com/citizenwatchjp/

クォーツと言うと、機械式時計の下位互換のように語られることがあります。特に時計好き、という方は、機械式時計でなくては、という方もいらっしゃるでしょう。しかしながらカンパノラが時計愛好家からも高い評価を得ている理由は、早い段階からクォーツの可能性を拡張し、好事家も納得の豊かなラインを備えたというのが一つに挙げられるでしょう。

 

また、カンパノラのケース直径はムーンフェイズを除いておおむね42mmオーバー、モデルによっては45mm前後と決して小さくないのですが、手首のかたちに合うように設計されているため、快適な装着感を提供してくれます。

装飾や多機能で煩雑になりがちな文字盤も絶妙なレイアウトによって優れた視認性を発揮している、ということも特筆すべき点です。

上記のような日本企業らしい細やかな気遣い・こだわり、そして高い技術力がいかんなく発揮されているところに、カンパノラの確かな人気の秘訣を垣間見る思いです。

 

魅力③リーズナブルな価格

シチズン カンパノラ エコドライブ

出典:https://campanola.jp/index.html

カンパノラはシチズンのハイエンドラインにあたります。そのためシチズンの中では高価格帯ですが、そこは「市民」のためのブランド。これだけ完成されて美しい時計にもかかわらず、メインモデルの国内定価は30万円台~40万円台です。もちろん100万円前後の高価格帯のモデルもラインナップされていますが、ロレックスやオメガなどといったスイスブランドが軒並み価格改定として値上げしている昨今、カンパノラは決して高すぎるということはありません。

また、カンパノラの魅力の真骨頂は、「コンプリケーション」をお手頃価格で楽しむことができる、というところにあると思います。

通常、ミニッツリピーターやパーペチュアルカレンダーといったコンプリケーションモデルは数百万、あるいは一千万円を超えるような価格帯が少なくありません。しかしながらカンパノラはクォーツを駆動力とすることで、40万円台~の価格帯を実現。ランニングコストも安く済み、かつ機械的な構造が少ないゆえに故障などのリスクも低くなるという、シチズンらしいコストパフォーマンスの高さが活きています。

「初めてのコンプリケーションに」「人と違った時計が欲しい」「今愛用している腕時計の他に、サブ機が欲しい」そんな方々が気軽に手に入れられるのも、シチズン カンパノラの魅力の一つです。

シチズン カンパノラの代表シリーズとモデル

シチズン カンパノラにはいくつかのシリーズが存在します。

それぞれカンパノラらしい美技を兼ね備えた、最高峰の銘ウォッチたちをシリーズごとにご紹介いたします。

これ!と思うものがあったら、ぜひ一度手にとってみてくださいね。

 

シリーズ①コンプリケーション

シチズン カンパノラ グランドコンプリケーション

出典:https://campanola.jp/index.html

前述の通り、カンパノラの真骨頂と言えばコンプリケーションに他なりません。

もともと、カンパノラ第一弾として誕生したのが、パーペチュアルカレンダー搭載機でした。

続いてカンパノラベルから着想を得たミニッツリピーター、天体のシンボルであるムーンフェイズにクロノグラフ・・・ありとあらゆる伝統的な時計製造の最高峰にしてクラシカルな技法をクォーツムーブメントで実現しています。

いくつかのモデルをご紹介いたします。

 

■カンパノラ グランドコンプリケーション AH4080-52A

グランドコンプリケーション AH4080-52A

出典:https://campanola.jp/index.html

スペック

ケースサイズ:直径43mm×厚さ16.5mm

ムーブメント:クォーツCal.6772

機能:パーペチュアルカレンダー,ムーンフェイズ、ミニッツリピーター、24時間表示,1/4秒クロノグラフなど

防水性:日常生活用防水

定価:462,000円(税込)

 

現行モデルきっての複雑さを持ちながら、それぞれの機能が文字盤上に美しく整列させられた上品なカンパノラです。

12時位置のムーンフェイズを筆頭に、各種インダイアルが整然と並ぶ様は、エレガントですね。シルバー文字盤にはストライプと6時位置のインダイアルから同心円状となったサークルのギョーシェが美しさとモダンを融合していることも特筆すべき点です。

なお、当モデルにはパーペチュアルカレンダーが搭載されています。パーペチュアルカレンダーとは、時計が動き続けている限り、手動での日付修正を必要としない機構です。暦は一年を通して大の月(31日まである月)と小の月(31日までない月)があったり、2月はイレギュラーであったりするものですが、パーペチュアルカレンダーはムーブメントにこれらの暦をインプットし、自動で日付送りをしてくれる、という優れモノ。ちなみにこのカンパノラ AH4080-52Aは、2100年2月28日までの月末の日付修正、うるう年の修正が不要とのこと!

カンパノラは古典的な時計製造技法をクォーツという最先端技術で昇華させましたが、まさにその最高峰と言って良いでしょう。

グランドコンプリケーション AH4080-52A

出典:https://campanola.jp/index.html

直径43mm×厚さ16.5mmと、クォーツにしては厚みを持ちますが、その重厚感がまたカンパノラの良いところ。

一方でケースはやや湾曲しているので、フィット感が良い、ということにも定評があります。

 

■カンパノラ ミニッツリピーター 深緋(こきあけ) AH7065-09Y

カンパノラ AH7065-09Y

出典:https://campanola.jp/index.html

スペック

素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径42.5mm×厚さ15.5mm
ムーブメント:クォーツCal.6762
機能:ミニッツリピーター,アラーム,パーペチュアルカレンダー,デュアルタイム機能,24時間表示,漆塗り文字盤など
防水性:日常生活用防水

定価:495,000円(税込)

 

こちらは80本の限定生産と稀少なモデルですが、カンパノラの魅力を全部乗せしたような一本ですので、本稿でご紹介いたします。

深緋とは、紫の色味の強い赤色で、日本では古くから「こきあけ」という呼び方をします。

そんな歴史ある色味を、日本の伝統技法である「漆(うるし)」を使って表現したのがこのカンパノラです。カンパノラはよく「和」テイストを存分に発揮したモデルをラインナップするのですが、その代表格とも言える一本です。

さらに、ミニッツリピーター,アラーム,パーペチュアルカレンダー,デュアルタイムに24時間表示など、複数のコンプリケーション機能を持っていることも目を見張るところ。

ちなみにカンパノラのミニッツリピーターは、朝・昼・晩でアラームの音色を変えるという、やはり日本らしいこだわりが感じられる逸品です。

■カンパノラ パーペチュアルカレンダー AG6250-09E

カンパノラ AG6250-09E

出典:https://campanola.jp/index.html

スペック

素材:ステンレススティール
ケースサイズ:縦52.8mm×横41mm×厚さ15.7mm
ムーブメント:クォーツCal.6704
機能:パーペチュアルカレンダー,カレンダー呼び出し,24時間表示など
防水性:日常生活用防水

定価:418,000円

 

一目見て、大きな螺旋型の装飾が施された年表示インダイアルが飛び込んできますね。

これは未来だけでなく、西暦2000年を境に前後100年の中の「一日」を自在に呼び出して表示できるという、驚くべき機構のためのもの。例えば、「1980年」の時代のカレンダーを呼び出すことができるのです。

美しく歪みのないトノーケースと相まって、唯一無二の存在感を示す一本です。

 

シリーズ②エコドライブ

シチズン カンパノラ エコドライブ

出典:https://campanola.jp/index.html

シチズンと言えばエコドライブ!カンパノラには、2006年からシリーズ入りを果たしました。

エコドライブとは、シチズンが手掛けるソーラー時計シリーズです。駆動力を太陽光に依存することで、地球上のどこにいても稼働させることができ、かつメンテナンスフリーを実現。地球に負担をかけないという、まさに「エコ」なドライビングシステムとなっております。

カンパノラにも、そんなエコドライブがラインナップ。シチズンはこれを指して「人間が磨き上げた工芸技術と自然のコラボレーション」を自負しています。

「でも、ソーラー時計って、光を受けるセルを文字盤に使うんでしょ?だったらカンパノラらしい文字盤装飾はできないのでは?」そんな風に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、ご安心ください。

シチズンは「リングソーラーセル」を使用しています。これは、文字盤の見返し部分にリング状のソーラーセルを備え付け、そこから光を吸収するというもの。加えて文字盤に当たって反射した光も吸収するので、少ない面積(しかもリング部分のみ)で高い充電効率を実現します。つまり、文字盤の漆工芸もバッチリ。

カンパノラ エコドライブ

出典:https://campanola.jp/index.html

ちなみにカンパノラのエコドライブシリーズでは宇宙の壮大な風景がデザインとして落とし込まれており、12時位置のインダイアルは電気鋳造によって太陽の輝きを、6時位置のインダイアルは漆によって宇宙船の窓からの眺めを表現しているとのこと。

カンパノラを、さらに便利に、さらに現代風に昇華させたシリーズと言えるでしょう。

 

■カンパノラ エコドライブ 紺瑠璃(こんるり) BU0020-54A

シチズン カンパノラ BU0020-54A

出典:https://campanola.jp/index.html

スペック

素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径43mm×厚さ14.4mm×重量166g
ムーブメント:クォーツCal.8730
機能:ムーンフェイズ,エコドライブ,トリプルカレンダーなど
防水性:日常生活用防水
定価:363,000円

 

前項でご紹介したこきあけ同様、紺瑠璃(こんるり)もまた日本古来から愛され続けてきた色味です。深く紫の強いネイビーのことで、着物などでも愛されてきたカラーリングとなっております。紺瑠璃によって宇宙を表現していることはもちろんですが、シルバー文字盤や美しい時分針が、銀河をも彷彿とさせますね。なお、紺瑠璃は漆技法で表現されています。

エコドライブはわずかな光も吸収する効率の高さがあるため、屋内での作業が多い方も安心して使えますね。

 

■カンパノラ エコドライブ 天彩星(あまいろほし) BU0020-62A

シチズン カンパノラ BU0020-62A

出典:https://campanola.jp/index.html

スペック

素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径43.5mm×厚さ14.8mm×重量174g
ムーブメント:クォーツCal.8730
機能:ムーンフェイズ,エコドライブ,エコマーク商品(環境保全型商品)など
防水性:日常生活用防水
定価:363,000円

 

天彩星(あまいろぼし)なる、何ともロマンチックなモデル名を持つこちら。

6時位置のインダイアルは漆黒の美しさを有しますが、こちらは螺鈿(らでん)で表現されました。実機を見ると、工芸品のような美しさに、目を奪われることと思います。

また、全てのカンパノラに言えることですが文字盤が多層構造になっており、一つひとつのインダイアルが独立して陰影を作っているため、高級機に大切な立体感や美しさを備えます。

ソーラー時計と言うと、セイコーのブライツやカシオのオシアナスなど、スポーティーで実用面を重視したようなデザインも少なくありませんが、カンパノラは高級感も大切にしてくれるのが嬉しいところ。

便利で、ステータス性もある時計を求めるなら、カンパノラのエコドライブで決まりです!

 

シリーズ③メカニカル

カンパノラ メカニカル

出典:https://campanola.jp/index.html

クォーツがメインのカンパノラですが、機械式ムーブメント搭載シリーズ―メカニカル―もラインナップされています。

機械式はクォーツが出るはるか昔から製造されてきた時計製造の伝統的手法ですが、カンパノラに搭載されたのは2014年~と結構最近です。

満を持してのメカニカルラインの登場は、2012年にスイスのプロサーホールディングを傘下に加えたことが大きく影響しているのでしょう。プロサーホールディングには、ムーブメント製造の大家ラ・ジュー・ペレ社が所属していたためです。

ラ・ジュー・ペレ社と言えば、機械式ムーブメント、特にクロノグラフに一家言持つ企業で、同社の傑作機を搭載した高名なモデルは少なくありません。美しさはもちろん高い精度やメンテナンス性を兼ね備えております。

そんなラ・ジュー・ペレ社のムーブメントをカンパノラに搭載させる、というのだから、悪手であるわけがありません。実際、カンパノラ初となるシースルーバックを採用し、その意匠を顧客に魅せることで特別感あるカンパノラの一大シリーズとなりました。

価格帯は機械式、しかもラ・ジュー・ペレ社製というだけあり、カンパノラの中では高額となります。

限定モデルがメインで、100万円前後~といった価格帯ですが、ある程度の年齢の方で「ここぞと言う時に着けられる一本が欲しい」そんな時にピッタリの腕時計となっております。

 

■カンパノラ 暈響(かさねきょう) NZ0000-07L

カンパノラ 暈響(かさねきょう) NZ0000-07L

出典:https://campanola.jp/index.html

スペック

素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径42mm×厚さ14mm
ムーブメント:自動巻きCal.Y513
機能:3針,アウトサイズデイト,パワーリザーブインジケーター(最大約42時間)など
防水性:日常生活用防水
定価:1,100,000円

 

「螺鈿の光が暈(かさ)を帯び、響きあう」ゆえに、暈響(かさねきょう)の名を冠した本作。2020年、カンパノラ20周年として誕生しました。

漆地に職人の手作業によって貝を散りばめており、えも言われぬ美しい輝きを放っているのが、宣材からも見て取れますね。

ムーブメントはラ・ジュ―・ペレ社製のCal.Y513。毎時28,800回(毎秒8振動)というハイビートで、日差-5秒~+10秒(静的状態において)と良好な精度をたたき出します。

カンパノラ 暈響(かさねきょう) NZ0000-07L

出典:https://campanola.jp/index.html

さらにデザインが難しいアウトサイズデイトや、スケルトナイズされた上品な針がデザインアクセントとなっており、非常に完成された顔立ちに仕上がりました。

国内定価は1,100,000円とハイエンドの位置づけですが、価格なりの価値がある一本となっております。

 

■カンパノラ 焃竈木(もえかまぎ) NZ1001-17F

カンパノラ 焃竈木(もえかまぎ) NZ1001-17F

出典:https://campanola.jp/index.html

スペック

素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径44mm×厚さ17mm
ムーブメント:自動巻きCal.Y150
機能:時分針,アウトサイズデイト,クロノグラフなど
防水性:日常生活用防水
定価:1,100,000円

 

ラ・ジュー・ペレ社のお家芸であるクロノグラフ搭載モデルが、カンパノラからラインナップされたと聞いて、歓喜した時計ファンも多いのではないでしょうか。

クロノグラフと言うとレーシングモデルの印象が強くなりますが、カンパノラ特有の日本伝統技法と宇宙の神秘の融合によって、クラシカルテイストの強い一本に仕上がりました。

なお、こちらの焃竈木(もえかまぎ)モデルは、熾る(おこる)炭が随所から見せる赤々とした炎を表現したこの漆塗りの文字盤は、会津漆の伝統工芸士、儀同哲夫氏の仕事とのこと。白蝶貝と赤玉漆を一枚いちまい丁寧に貼り付けているとのことで、職人技が詰め込まれたモデルとなっております。

また、文字盤外周にローマンインデックスをあしらうことで独創性を演出しているのもファンにはたまらないポイント。カンパノラらしいメカニカルとして完成されました。

 

シリーズ④コスモサイン

シチズン カンパノラ コスモサイン

出典:https://campanola.jp/index.html

宇宙色の強いカンパノラに、さらに「コスモ―宇宙―」という名前を被せてきたのがこちらのコスモサインです。初出は2001年と、カンパノラ黎明期から主役を張っているいわば「顔」。特徴はムーブメントとか、機能などではありません。何よりもまずその美しさで語ることができるでしょう。

コスモサインの文字盤は、天空の星の動きや満ち欠けを、実際の軌道のもと文字盤上で表現。駆動力はクォーツのため、非常に正確に天体をインストールすることが可能となりました。
シチズン曰く、「満点の星空をあなたのものに」と。

まるで腕時計上でプラネタリウムを見ているような、そんな至極の逸品です。

 

■カンパノラ コスモサイン AO4010-51E

シチズン カンパノラ AO4010-51E

出典:https://campanola.jp/index.html

スペック

素材:ステンレススティール

ケースサイズ:直径44mm×厚さ15.5mm

ムーブメント:クォーツCal.4398

機能:星座速水機能,北緯35度全天星座表示,月齢など

防水性:日常生活用防水

定価:363,000円

 

漆黒の銀河を落とし込んだブラックの文字盤上に、星が散りばめられた逸品です。一見するとただの装飾のようにも思いますが、実は天体の星座、月齢や日の出日の入り時刻など、天体地図をそのまま落とし込んだ遊び心とロマンあふれる一本です。

日常ではあまり必要のない機能ですが、宇宙好きの男性も多いでしょう。価格帯も高級時計の中ではお手頃ですし、ぜひ一度お手にとっていただきたい一本です。

 

■カンパノラ コスモサイン AA7800-02L

シチズン カンパノラAA7800-02L

出典:https://campanola.jp/index.html

スペック

素材:ステンレススティール

ケースサイズ:直径45mm×厚さ14.1mm

ムーブメント:クォーツCal.4386

機能:月齢版と24時間盤による月齢の読み取り,太陽の位置および日の出日の入り時刻の読み取り,月の位置及び月の出月の入り時刻の読み取りなど

防水性:日常生活用防水

定価:330,000円

 

コスモサインの中でも「月」にとにかくフォーカスした一本です。ムーンフェイズは現在主流ですが、こちらのカンパノラはかなりの独創性と言えるでしょう。文字盤の外側を月が満ち欠けしており、一目で現在の月齢を読み取ることができるうえ、デザインアクセントとしても抜群の存在感。

カンパノラ自体が独特のデザインですが、気品、風格、オシャレさ。どれをとってもトップクラスの高級時計として君臨します。

 

シリーズ⑤ムーンフェイズ

シチズン カンパノラ ムーンフェイズ

出典:https://campanola.jp/index.html

最後にご紹介するのは、レディースとしてもお使いいただけるよう開発されたカンパノラです。

前述のように、ムーンフェイズ自体は珍しい機能ではありません。

しかしながらこのレディースカンパノラのコンセプトは「ヴィーナス」。月の鼓動、そして美を表現した女神にふさわしい逸品となります。

ケースサイズは36mmとレディースモデルとしては大きい方ですが、カンパノラらしい和テイストが強い工芸品のようなデザイン、そして流麗なケースフォルムによって、その大きさを感じさせない逸品に仕上がりました。

ムーンフェイズを表現するサブダイアルは、もちろん漆塗仕上げ。美しくも、時計製造と日本の伝統工芸技術を感じられる逸品となっております。

 

■カンパノラ ムーンフェイズ 燈寧 (あかね) EZ2002-01W

燈寧 (あかね) EZ2002-01W

出典:https://campanola.jp/index.html

スペック

素材:ステンレススティール

ケースサイズ:直径36mm×厚さ10.1mm

ムーブメント:クォーツCal.6324
機能:ムーンフェイズ,漆塗り文字盤(朱漆パール)
防水性:日常生活用防水

定価:297,000円

 

女性のドレスウォッチとしてもお使いいただける、エレガンスで上品なカンパノラです。前述の通りレディースとしてはやや大きめですが、クォーツらしい薄さがあることから、むしろ女性らしさを感じさせる逸品です。

また、ムーンフェイズ搭載なのもレディースでは珍しく、嬉しいところ。レディースウォッチで機能性に特化したモデルはそう多くはないので、本格派は必携ですね。

 

■カンパノラ ムーンフェイズ 結弦(ゆづる) EZ2000-06A

シチズン カンパノラ EZ2000-06A

出典:https://campanola.jp/index.html

 

スペック

素材:ステンレススティール

ケースサイズ:直径36mm×厚さ10.1mm

ムーブメント:クォーツCal.6324

機能:3針,ムーンフェイズなど

防水性:日常生活用防水

定価:270,000円(生産終了)

 

結弦(ゆづる)とは、新月から弓張月(半月のこと)を経て、満月へと満ちていく月のサイクルを表す言葉です。そんな結弦をモチーフにしたカンパノラの一つです。ムーンフェイズをたたえるサブダイアルには漆塗が使用されており、さらに螺鈿(らでん。キラキラした部分)を使って月を取り巻く夜空を表現しました。

全てのカンパノラに言えることですが、細部にわたって本当にこだわりぬかれており、腕時計であると同時に、工芸品であることを感じさせる逸品です。

 

まとめ

シチズンのカンパノラの、魅力やこだわりをご紹介いたしました!

美しさ、そして時計製造と日本の伝統工芸技術が融合した、至極の一大シリーズであること。また、クォーツの可能性を広げるという、時計業界にとって意義深い存在であることなど、カンパノラには魅力やストーリーが盛だくさん。

価格も高級時計の中ではお手頃ですので、気になる方はぜひ一度手にとってみてはいかがでしょうか。

当記事の監修者

新美貴之(にいみ たかゆき)

(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 店舗営業部 部長

1975年生まれ 愛知県出身。
大学卒業後、時計専門店に入社。ロレックス専門店にて販売、仕入れに携わる。 その後、並行輸入商品の幅広い商品の取り扱いや正規代理店での責任者経験。
時計業界歴24年

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