フランクミュラーの真髄とも言うべき特殊機能。
インデックスがバラバラに並ぶクレイジーアワーズや表裏で異なる機構を有するダブルフェイスクロノグラフなど傑作を挙げると枚挙に暇がありません。
しかし、「それってどんな機能なの?」といったご質問をいただくこともしばしば。
確かに名称だけではわかりづらいですよね。
そこでこの記事では、フランクミュラー特有の機能を徹底解説いたします!
時計界をうならせる、同社の「粋」をお楽しみください。
出典:https://www.facebook.com/FranckMullerJapan/?ref=page_internal
フランクミュラー特殊機能、ダブルフェイスクロノグラフとは
シースルーバックは今や珍しい仕様ではなくなってきましたが、裏蓋に全く別の文字盤があるリバーシブル―そんな奇抜な機構というものが未だかつてあったでしょうか。
それもそのはず、ダブルフェイスクロノグラフはフランクミュラーの黎明期、初コレクションのうちの一つとして打ち出したモデル。
と同時に、世界初の同軸リバーシブル腕時計だったのです。
フランクミュラーの名を世界に轟かすきっかけとなったこの機構をさらに精製して、2007年より一シリーズとして展開してきました。
まず、表面からご紹介いたします。
6時位置にアワーマーカー、3時位置と9時位置にクロノグラフの積算計、そして外周にタキメーターを備えます。
次に裏面をご覧ください。
裏面には、三種の異なる計測インジケーター―パルスメーター、テレメーター、タキメーター―が備わりました。
この表裏にわたる全てのシステムを同軸で構築。つまり、操作は一つのリューズと上下プッシャーで済んでしまうというのです。
この驚くべきムーブメントはかの有名なレマニア製手巻きCal.1872をベースに製造されたと言います。レマニアと言えば美しきクロノグラフとして多くの高級腕時計に搭載されてきましたね。
オメガのスピードマスターに始まり、パネライのルミノールやブライトリングのナビタイマー。ブレゲやヴァシュロンコンスタンタン、パテックフィリップのベースにもなった名機。
しかし、フランクミュラーほどの改造をしたブランドはなかったでしょう。
当初、この同軸システムはローマ神話の両面神「ヤーヌス」と名づけられました。
ちなみに裏面の計測機器を解説すると、タキメーターはお馴染みストップウォッチ機能としてのクロノグラフ計測器。パルスメーターは医療機関で使用される脈拍計測器。テレメーターとは、パイロットなどが光速と音速の速度差を利用し、離れた2地点間の距離を計測する機器。
「ダブルフェイス」はただ単に両面に異なる文字盤を持つだけでなく、異なる職業や環境にあっても本来の機能を発揮する。そんなダブルの隠喩が込められているのではないでしょうか。
ダブルフェイスクロノグラフもまたパーペチュアルカレンダーなど超複雑機構を搭載させたモデルも発表されました。
表裏にわたる端正でクラシカルな顔に多彩な機能性は、フランクミュラーのスタート地点でもあり集大成でもあるのでしょう。
搭載モデル
ダブルフェイスクロノグラフはリファインモデルのため、初代と同じラウンド型がとられています。
ラウンド ダブルフェイス スプリットセコンドクロノグラフ
中間計測を可能にしたスプリットセコンド機能を搭載したダブルフェイスクロノグラフ。
情報量が多いにもかかわらず、すっきりと端正におさまっています。
現在は生産終了しておりなかなか中古市場にも出回りませんが、根強い人気を誇るモデルです。
ラウンド パーペチュアルカレンダー ダブルフェイス クロノグラフ
パーペチュアルカレンダーを搭載した、超絶コンプリケーションとして君臨する一本。
直径39mmのピンクゴールド製ケース、ブルースティールのブレゲ針と相まって全体に優雅な雰囲気を纏っています。