「グランドセイコーが欲しいが、そのモデルが限定モデルで入手困難になっている」
「グランドセイコーの入手困難モデルの詳しい情報が欲しいが記事が見当たらない」
「国産高級時計の雄」と呼ばれるグランドセイコーは近年人気が上昇中です。ただ近年は、入手が困難になっているモデルも多くあります。
特にグランドセイコーは限定モデルが多く、それが一因かも知れません。
今回は、グランドセイコーの入手困難モデルの情報記事と、どうすれば購入できるかも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
入手困難なグランドセイコーの特徴
グランドセイコーの入手困難になるモデルには、様々な要因があります。基本的には限定モデルが多い傾向にありますが、それだけが理由ではありません。グランドセイコーは工芸品のような文字盤の美しさが魅力で、生産数が少ないから入手困難と思っている人も居るでしょう。
しかし、全工程が手作業のモデルはほとんど無く、店頭に並んでいるモデルはある程度の量産できる体制をとっているのが特徴です。
そのため、生産数が極端に少ないモデルは無く、美しい手作業を施した工芸品のような文字盤も金型を作り、金属を型打ちして形成する物が多くなります。
しかし、生産数を確保できても人気が高くなれば、必然的に入手は困難になります。
また限られた地域や店舗だけで購入できるモデルがあることが、グランドセイコーの特徴です。
これがスイス時計ブランドとの違いであり、魅力でもあります。
以下に入手困難モデルの特徴を解説しますので、参考にしてください。
地域や数量限定モデル
グランドセイコーでは、地域限定モデルというのが存在します。
有名な地域限定モデルとしては、グランドセイコーの生産工場「グランドセイコースタジオ 雫石」のみで販売しているSBGH283が有名です。
そもそも「グランドセイコースタジオ雫石」へは、予約しないと見学はできません。訪問見学の機会を得ても、ショップで購入できる本数は、ひとり1本限定という希少なモデルです。
グランドセイコー愛好家にとっては、聖地である生産工房の訪問は、夢でしょう。
時計だけの購入もできますが、ただ時計だけの購入で見学できないのは、物足りない気がします。海外の愛好家だと、渡航後さらに盛岡まで移動しなければ購入できない、極めてハードルの高いモデルになります。
苦労する分、時計としての素晴らしさは紛れもない逸品です。グランドセイコーならではのハイビートムーブメント36,000振動の高精度Cal.9S85を搭載しています。
文字盤はフォレストグリーンとなっていますが、光の角度によっては黒にも見える微細な加工が特徴です。
雫石リミテッド(Shizukuihi Limited)と英語表記があるのも愛好家としては嬉しいモデルになります。
もし、グランドセイコースタジオ 雫石に行く機会があればぜひ検討して欲しいモデルです。
その他では、和光限定モデルも有名です。
SBGH241は東京銀座にある、「和光」でしか入手できないグランドセイコーモデルになります。
このモデルは37㎜のケースサイズで、シャンパンゴールドのサンバースト仕上げの文字盤が魅力です。
角度によってはアイボリーにも見えるこの美しい文字盤は、ブルースティールの針をテンパー仕上げにカーブさせており、視認性にも大変優れています。ブレゲ数字に近い書体のアラビア数字を採用しており、カジュアルでもフォーマルなウェアと相性が良いはずです。
サイズ的にも37㎜というケースサイズは、性別問わず楽しめるモデルになります。裏蓋にWAKOの刻印が刻まれていて、限定品ならではの特別な仕上げが魅力です。
同じ和光専用モデルSBGH357は、ケースサイズが少し大型の40㎜になります。
少し大型のケースと夕陽の色を題材にしたオレンジの文字盤が特徴です。この文字盤は「夕陽に染まる和光のセイコーハウス」へ反射した、夕陽の色を表現しています。
秋の夕暮れ時の茜色(あかねいろ)を文字盤に落とし込んだ、独創的な色です。尚このモデルは2024年10月からの予約受付で、限定85本のモデルになります。この数からこのモデルもかなりの入手困難モデルになっていると推測できます。
和光限定モデルは、これら意外にもあるので和光の店舗で、一度確認してみてください。
生産終了モデル
生産終了モデルが入手困難になるのは、自然な流れです。グランドセイコーにも生産終了後に人気が上昇して、入手困難になるモデルがいくつかあります。
生産中止モデルは正規店にあるのは売れ残り在庫になるため、一般的には中古販売店から購入するしかありません。
グランドセイコーの正規販売店は数が多いため、根気よく探せば運よく生産中止モデルの「売れ残り」が存在する可能性もあります。しかし、入手困難モデルとなると、流石に正規店で残っている可能性はかなり低いはずです。
生産中止になった入手困難モデルは、中古腕時計専門店で探すのが確実かと思います。
アンティークモデル
アンティークモデルのグランドセイコーも入手困難モデルです。
アンティークの定義は人や団体によって様々ですが、概ね50年以上経過した時計を呼びます。そのため1960年から発売された初代グランドセイコーが必然的に該当します。
グランドセイコーでは、1960年から1970年代までのモデルがアンティークに該当して、約10年間という限られた短い期間が対象です。そのため市場に流通している個体数も、少なくなっています。
アニーバーサリーモデル
グランドセイコー110周年を記念したアニバーサリーモデル、SBGW295は初代モデルを忠実に現代の手法で再解釈したモデルです。
初代の文字盤デザインはそのままに日本古来の伝統工芸である「漆芸」を組み合わせている事がこのモデルの最大の魅力になります。
漆(うるし)も国産の物を採用しています。海外産の漆と比較して、耐久性と耐光性に優れており、経年変化を受けにくいことが特徴です。
森林資源から産まれた原料を時計に応用する手法は、スイス時計では絶対真似できない手法になります。
こちらのモデルは2023年世界限定500本です。
グランドセイコー入手困難モデル
前述したように様々な要因で、グランドセイコーのモデルは入手困難になります。
以下に入手困難モデルを具体的に紹介しますので、ぜひ購入するときの参考にしてください。
グランドセイコー ヘリテージコレクション 44GS 55周年記念限定モデル 世界限定 550本 SLGH009
素材: ステンレススティール / SS
ケース:直径 40mm (リューズ含まず)
駆動方式: 自動巻き / Self-Winding
グランドセイコー ヘリテージコレクション SLGH009 は、グランドセイコーの 2ndモデル44GSの発売55周年を記念して発売されたモデルです。
文字盤にはダークグレーの色と「星の営み」をデザインした独特な型打ち模様を表現しています。
遠目に見るとブルーにも見えてフラットな文字盤には独特な模様に仕上げていることが特徴です。エバーブリリアントスチールを採用してザラツ研磨を施した歪みのない輝きを持ったケースと、パワーリザーブ80時間を誇る、ハイビートムーブメントは特筆すべきでしょう。
さらに11.8㎜と薄く仕上げたことで、快適な装着感が、期待できるモデルです。
グランドセイコー エボリューション9 マスターショップ限定モデル SLGH005(白樺)
素材: ステンレススティール / SS
ケース:直径 40mm (リューズ含まず)
駆動方式: 自動巻き / Self-Winding
エボリューション9 SLGH005は、限定生産ではありませんが、2021年のジュネーブ時計グランプリ(GPHG)にて、メンズウォッチ部門賞を受賞したことで話題になったモデルです。
GPHGはジャーナリストやコレクターが審査員となって、その年ごとの世界中の新作腕時計を審査する、権威ある賞です。
エボリューション9 SLGH005は受賞によって、入手困難な状態が続きました。通称「白樺」モデル、文字盤に白樺の幹を表現して、全て手彫りのようですが模様のパターンは金型で刻まれており、全く同じです。
36000振動の高精度ムーブメント9SA5を搭載しており、裏蓋側ムーブメントから内部を詳細に見られるように、自動巻きローターも半円をくり抜き、中空状態にしています。
名誉ある受賞モデル時計ということで、根強い人気があるコレクションです。
グランドセイコー グランドセイコー 55周年記念限定モデル SBGC013
素材: チタン / TI
ケース:直径 43.5mm (リューズ含まず)
駆動方式: スプリングドライブ自動巻き / SpringDrive-SW
SBGC013は、2015年にグランドセイコー55周年記念として発売されたスプリングドライブを搭載したモデルです。
数少ないスプリングドライブのクロノグラフとGMT機能を備えたムーブメント9R96を、搭載しています。
このモデルも当時限定500本となっており、入手困難モデルの一つです。スプリングドライブは、クォーツと機械式ムーブメントのハイブリッド的な機能を持つセイコーらしさを体現している機構になります。
スプリングドライブかつクロノグラフ、GMTというメカ好きが欲しがる入手困難モデルです。
グランドセイコー ヘリテージコレクション GMT 和光限定60本 SBGJ247
素材: ステンレススティール / SS
ケース:直径 40mm (リューズ含まず)
駆動方式: 自動巻き / Self-Winding
前述した和光限定モデルは、通常のグランドセイコーショップでは販売していない、銀座和光のみで購入できる入手困難モデルです。
このSBGJ247も限定60本、さらに人気のグリーンダイアルと、赤色のGMT針が、アクセントになっている気品あふれるモデルになります。
フラットな文字盤ではなく、サンバースト状の模様に仕上げており、光の加減による、微細な色の変化を楽しめることが魅力です。
グランドセイコー メカニカルハイビート36000 キャリバー9S GMT マスターショップ限定 SBGJ249
素材: ステンレススティール / SS
ケース:直径 39.5mm (リューズ含まず)
駆動方式: 自動巻き / Self-Winding
前述した白樺モデルとほぼ同時期に発売されたモデルで二十四節季をダイアルに表現したGMTモデルです。
限定生産ではありませんが、マスターショップ限定発売ということと、湖の水面(みなも)の揺らぐさまを文字盤に表現した、極めて芸術性の高いモデルとなります。
このモデルも発売当時の2021年入手困難といわれ、淡いブルーによる繊細な模様が人々を魅了しました。
当時はティファニーブルーモデルが流行ったことも、人気の要因だったと推測されます。
不規則な自然の描写を模様に落とし込む、グランドセイコーの時計職人たちの高い技術力が、垣間見えるモデルです。
グランドセイコーの3大レアモデルは?
画像引用:セイコー 公式サイト
グランドセイコーの3大レアモデルの特徴は、初期のアンティークモデルに集約されることが特徴です。
前述したように1960年から販売開始された初期のグランドセイコーは高い価格設定と、スイスと時計の牙城を簡単に崩せなかった社会(時計)情勢もあって、セールス的には決してよくありませんでした。
第二次世界大戦から、僅か15年後に登場した初代グランドセイコーは現代とは違い、「時計を楽しむこと」は難しい状況だったと考えられます。
以下にグランドセイコーの3大レアモデルを紹介しますので、参考にしてください。
プラチナケースの初代グランドセイコー
1960年に初登場したグランドセイコーの位置付けはセイコー時計の最高峰という命題の元、製造された腕時計です。初代モデルは当時25,000円という大卒初任給以上の値付けだった初代モデルは、庶民にはまだまだ高価な存在だったと推測されます。
初代モデルは18金をケース素材にした贅沢な造りの中、それを上回るプラチナモデルが1961年に販売価格140,000という、初代価格の5倍強の価格設定をしたモデルが発売されていました。
当時の生産本数も「ごく少数」という位、記録が無く限られた顧客のみに販売された可能性が強いと思われます。2020年に現代風に再解釈された復刻モデルが発売されました。
当時のプラチナモデルはほとんど見た事が無く、まさに幻の入手困難グランドセイコーです。
グランドセイコー 2ndモデル 5722-9000
2ndモデル 5722-9000は、外観が現行品に近く「スタイルを確立したモデル」と評されるほど、馴染みのある外観になったことが特徴です。
44GSとも呼ばれるこのモデルは、デザインに光と影を取り入れる手法を採用しています。そのためアンティーク感が無く、グランドセイコーDNAが現代へと継承されたようになっているモデルです。
1967年に登場して以降、復刻品も発売されるほど歴史的価値があり、グランドセイコーにとってアイデンティティ確立されたターニングポイントとなるモデルとなります。
そんな2ndモデル 5722-9000は現代にも通用するデザインゆえに人気あるモデルです。
このモデルも初代グランドセイコー同様に当時の製品は少なく、入手困難なモデルになっています。
グランドセイコー 6185-8010 VFA PALLADIUM400 / SILVER300
グランドセイコー 6185-8010 VFA PALLADIUM400 / SILVER300は、ケース素材に銀パラジウムというレアアース素材を採用したモデルであることが特徴です。
通常のザラツ研磨と異なり、鏡面仕上げになっていなくザラザラとした表面に仕上げています。
外観はラグが無い70年代風のテイストで、サイケデリックな雰囲気が好きな方もいるでしょう。今では見られない金属素材を使用しているモデルでまさにレアなモデルとして後世にも伝えられるモデルです。
グランドセイコーはなぜ限定モデルが多い?
画像引用:グランドセイコー 公式サイト
グランドセイコーに限定モデルが多い理由はいくつか考えられますが、以下のような理由が大きいと考えています。
日本の季節の移り変わりを体現しているモデルが多いから
グランドセイコーの戦略として近年力を入れているのは、この日本独特の季節の移ろいを体現しているモデルが多い事が大きな理由です。二十四節気を表現したモデルは、日本のみならず、海外のコレクターからも賞賛されました。
この手法はスイスブランドでは絶対に真似できない、日本文化の象徴とも言えるようなコレクションです。
この季節の移ろいを工房のある盛岡の自然と巧みにかけ合わせてさせて、グランドセイコーならではの魅力を体現しています。
文字盤の仕上げと色に職人技を刻む
前述した、二十四節気モデルとも関連しますが、季節の変化を表現する事は高度な技法が必要です。
グランドセイコーは文字盤のパターンに、スイス時計で使用されるヨーロッパの伝統的な技法とは異なるアプローチを試みます。
手作業の中にも最新のテクノロジーや工業的なアプローチを応用するため、単純に全工程を手作業に置き換えている訳ではありません。量産できる部分は工作機械などを使い、設計においても最新のデジタル技術で行います。
そして前述した110周年記念モデルのように、漆塗りや蒔絵モデルなど日本古来の工芸技法を取り入れていることが特徴です。日本に古くから伝わる伝統工芸技術を匠に取り入れ日本らしさを表現して欲しいと考えます。
ブランドの成長戦略
限定モデルはブランドとしての経営戦略において重要です。
特にグランドセイコーは2017年より独立ブランドとして世界の時計界に発表している以上、ブランドの注目をあげる意味でも限定モデルの投入は不可欠になります。
海外のコレクターや他のブランド時計愛好家にしてみれば、グランドセイコーはまだまだ新参者です。ブランドとしての地位を固めるためにも、まだまだ限定モデルを投入してくることが予想されます。
グランドセイコーの入手困難モデルはどこで買う?
ここまで入手が難しい人気モデルをご紹介してきましたが、では一体どこで購入すれば良いのでしょうか?
購入場所の候補をご紹介いたします。
中古腕時計専門店で買う
グランドセイコーの入手困難モデルをどこで買うかは、判断が難しいところです。
一般的に入手困難モデルは、生産終了しているモデルが多いので、正規店での購入は無理があります。一番確実な方法は、中古腕時計専門店で購入するのが確実です。
生産終了した入手困難モデルは、コンディションが気になります。
「考えていたコンディションと違った」とならないためにも、直に入手困難モデルを確認できる店舗の方が安心です。
また、希望モデルを試着して鏡に写し出し確認できる店舗が望ましいと思います。
グランドセイコーの入手困難モデルは、在庫を多く持っている店舗の方が入手できる可能性が高くなるのが一般的です。
全国に販売網を持っている、中古腕時計専門店が望ましいと思います。
全国にネットワークを持っている中古腕時計専門店が、グランドセイコーの入手困難モデルを購入するには、おすすめです。
オークションやフリマアプリで買う
オークションやフリマアプリは、グランドセイコーの入手困難モデルを相場より安く買う事ができます。個人間取引である事が、相場より安くできる理由です。
しかし近年は画像や商品名と全く違う商品を送りつける、犯罪まがいの行為がフリマアプリを中心に増えて、社会問題になっています。日常品であれば、被害は少なくおさまります。
グランドセイコーの入手困難モデルだと、もし被害にあった場合の被害額は、数10万から100万円以上になることも多いはずです。
良心的な腕時計販売者をフリマアプリ内で見つけることは、簡単ではありません。できれば、信頼と実績のある中古腕時計専門店でグランドセイコーの入手困難モデルを見つける方が安心です。
フリマアプリ運営者でも偽物対策を施していますが、かつては被害が発生しても何もしてくれないという事例もよく聞きました。腕時計のような高価な商品のフリマアプリの取引は、できるだけ避けた方が良いかも知れません。
まとめ
グランドセイコーの入手困難モデルは、近年のグランドセイコー人気の上昇に伴い、さらに入手が困難になっています。
また種類も多く、商品の見極めも一般の人では難しくなっているのが現状です。
可能であれば、商品知識豊富な店員のいる販売店でアドバイスを受けながら購入を検討する方が、より良いグランドセイコーの腕時計に出会う事ができます。またバリエーションも多いので、試着できる店舗の方が望ましいです。
また、焦って購入するのも考えものです。現時点で入手困難でも、数年経過した後に簡単に購入できる可能性もあります。もし欲しい入手困難モデルがあり、相場よりも高めと感じた場合は焦って購入するのは得策ではありません。
できるだけ、商品知識豊富な販売店スタッフが在籍する中古腕時計専門店で相談することをお勧めします。
そうすることで、お目当てのグランドセイコーが適正価格で購入できる可能性がアップします。
ぜひ入手困難なグランドセイコーの腕時計を手に入れてください。