「グランドセイコー SBGW231って何がすごいの?」
「グランドセイコー SBGW231の魅力や特長について詳しく知りたい」
安心の国産ブランドであること、圧倒的な精度を誇ること。
ビジネスシーンに最適なシンプルなデザインであること。
グランドセイコーを選ぶ理由は多岐に渡りますが、歴史が長くバリエーションも大変豊富です。
どれを選んだら良いかわからないという方におすすめなモデルが、グランドセイコー SBGW231ですが、その魅力や特長について知りたいという人は多いのではないでしょうか。
このモデルはクラシックスタイルを追求したレトロデザインもまた魅力の一つですが、さらにグランドセイコー―そして現行の多くの時計―では珍しい、手巻きノンデイト仕様という通好みな機構であることも特筆すべき点です。
この記事ではグランドセイコー SBGW231の魅力や特長について、GINZA RASINスタッフ監修のもと解説します。
価格と中古相場についても紹介しますので、グランドセイコーの購入をお考えの方はぜひ参考にしてください。
目次
グランドセイコー 9Sメカニカル SBGW231はどのような時計か?
SBGW231は数あるグランドセイコーのモデルの中でも、ひときわクラシカルな意匠が目立つ一本です。そう、まるで1960年代の高度経済成長期、「憧れの象徴」として誕生した初代グランドセイコーのような。
SBGW231は「エレガンスコレクション」の一角として、2017年から発売されることとなりました。ちなみにグランドセイコーには珍しい「手巻き式」であることも、クラシカルと言われる所以です。
そんなSBGW231の、詳細を解説いたします。
グランドセイコー エレガンス コレクション SBGW231
ケースサイズ:直径37.3mm×厚さ約11.6mm
素材:ステンレススティール
文字盤:アイボリー
駆動方式:手巻き
ムーブメント:キャリバー9S64
防水性:日常生活用防水
定価:495,000円(税込)
①クラシックなデザイン
SBGW231でまず目を引くのが、「エレガンス」の名にふさわしい端正かつレトロな顔立ちではないでしょうか。
美しきアイボリー文字盤は日付表示すら持たず、かつ12時位置にそのロゴを配すのみといったシンプルさ!前述の通り初代グランドセイコーを彷彿とさせますね。ちなみに「ノンデイト」であることを、クラシックウォッチの絶対条件として挙げる方も少なくありません。
グランドセイコーはエレガンスコレクションの中で初代モデルや二代目等をリバイバルさせてきましたが、こちらのSBGW231はレギュラーであるにもかかわらず往時の味わいを思わせます。
ちなみに画像だとわかりづらいかもしれませんが、文字盤は丸みを帯びた設計となっています。さらにその文字盤とマッチするように針の先端が曲げ加工されており、柔和な雰囲気をまといました。
ケースサイズもとてもクラシック。
直径37.3mm×厚さ11.6mmと、オーバー40mmのも珍しくない昨今においては、大変上品なケースサイズとなっております。
さらにはサファイアクリスタルガラスをあえてボックス型に加工することで、まるでアンティークのプラスティック風防のような雰囲気を兼ね備えています。
余談ですがサファイアクリスタルガラスは硬度が大変高いため傷つきづらく、現在高級時計に主流のガラス素材です。しかしながらその加工はきわめて難しいため、あえてボックス型にしているところにグランドセイコーの「SBGW231をクラシック・デザインに」という意気込みを感じさせられます。
②忠実なセイコースタイル
セイコースタイルをご存知でしょうか。
これは、セイコーが1967年に製造した「44GS」に端を発し、今なお受け継がれている同社独自のデザイン定義です。
基本的にグランドセイコーのモデルにはこのセイコースタイルが採用されており、いくつかのルールがあるものの、その最たるものはザラツ研磨となります。
出典:https://www.grand-seiko.com/jp-ja/collections/sbgw231
ではザラツ研磨が何かと言うと、鏡面(ポリッシュ)仕上げの手法の一つで、セイコー独自というわけではありません。しかしながらザラツ研磨を採用しているブランドは数少なく、あとは国産のミナセが代表格でしょうか。
なぜかと言うと、ザラツ研磨の難易度が非常に高いため。簡単に言うと下地を「超平滑な面」にしたうえで鏡面仕上げを行う手法なのですが、熟練した職人にのみ許された技術となります。
この難易度を克服した先に、グランドセイコーが実現する歪みのない美しいケースや燦然とした輝きがもたらされることとなります。
また、針とインデックスに多面カットが施されていることもセイコースタイルの定義の一つです。ダイヤモンドは上質なファセットカットを施すことでさらに輝きを増しますが、グランドセイコーの輝きもまたそんな上質なダイヤのようなきらめきを有します。
③ムーブメント「キャリバー9S64」
前述した通り、SBGW231にはグランドセイコーでは珍しい手巻き式が採用されています。
機械式時計には「自動巻き」「手巻き」とがあり、前者はローターを取り付けることで腕の動きによってゼンマイを巻き上げる手法。後者はリューズを使って手動で巻き上げる昔ながらの手法です。
現在の主流は自動巻きですが、シンプルゆえに薄型設計が可能な手巻き式を熱望するユーザーは少なくありません。
このSBGW231が時計通に愛されているのも、手巻きであることが寄与していると言えるでしょう。
ではキャリバー9S64がどのようなムーブメントかと言うと、これは「キャリバー9S54」の後継として2011年に誕生した機械です。
SBGW231のクラシック・スタイルをさらに強調してくれる背景。それは、この手巻きムーブメントのルーツは初代グランドセイコーに搭載されたCal.3180にさかのぼると言うことです。Cal.3180は当時からきわめて高精度で、スイスのクロノメーター規格に準拠するほどでした。
もっとも、キャリバー9S64は現代のグランドセイコーの技術を駆使した、さらに高性能機に成長を遂げています。
パワーリザーブは約72時間(先代機は50時間)へと延長。
また、半導体製造等にも用いられるMEMS(メムス)製法が採られることで、パーツの安定性を向上させることとなりました。さらにトルクが緩やかに減少するようになったことから、これまでの9Sメカニカルよりも安定した精度を実現できることも特筆すべき点です。
【キャリバー9S64の仕様】
巻上げ方式 | 手巻き式 |
---|---|
持続時間 | 約72時間(約3日間) |
振動数 | 28,800振動/時(8振動/秒) |
石数 | 24石 |
日付表示機能 | なし |
グランドセイコー 9Sメカニカル SBGW231の価格と中古相場
SBGW231の市場価格について解説致します。
現在SBGW231の定価は495,000 円(税込)となっており、約50万円ほどで購入できるモデルとなっています。
この価格帯の時計としては品質が素晴らしく、お値段以上の価値のあるモデルだといえるでしょう。
なお、並行輸入店であれば、新品価格をさらに抑えることが可能です。
2021年1月時点の相場では約39万円で取引されており、定価より10万円ほど安くご購入頂けるでしょう。
なお、SBGW231は中古市場においても需要があり、グランドセイコーの売れ筋モデルとして人気があります。
状態にもよりますが概ね33万円前後で取引されており、さらにお得にSBGW231を手に入れることもできます。
もっともよく出回っている弾数の多いモデル、というわけではありません。見つけた時が買い時のモデルと言えるでしょう。
ただし、中古でSBGW231を買う時は時計店選びが大切です。
いくら安くてもメンテナンス技術や保証が整っていない店舗で時計を買ってしまうと、不具合等で結局正規価格で買うのと同じくらい費用がかかることがあります。
そうならない為にも、購入先を選ぶ際は口コミに優れる優良時計店を選ぶようにしましょう。
優良時計店であればアフターケアも万全で、新品と見間違えるような綺麗な状態な時計が手に入ります。
高級時計は決して安い買い物ではないので、信頼できる店舗での購入を心がけるのがベストです。
まとめ
クラシカルなデザインに加え、優れた精度とロングパワーリザーブ を持つグランドセイコー 9Sメカニカル SBGW231。
50万円以下で購入できるドレスウォッチとして、30代・40代の男性を中心に高い評価を得ています。
手巻きを採用していることからゼンマイを巻く手間はかかりますが、ローターが無い為、シースルーバックから9Sメカニカルの美しさを存分に堪能できるというメリットもあります。
コスパに優れる時計という枠に止まらない名機なので、この機会にぜひ一度ご検討ください。
当記事の監修者
南 幸太朗(みなみ こうたろう)
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 買取部門 営業企画部 MD課/買取サロン プロスタッフ
学生時代に腕時計の魅力に惹かれ、大学を卒業後にGINZA RASINへ入社。店舗での販売、仕入れの経験を経て2016年3月より銀座本店 店長へ就任。その後、銀座ナイン店 店長を兼務。現在は営業企画部 MD課 プロスタッフとして、バイヤー、プライシングを務める。得意なブランドはパテックフィリップやオーデマピゲ。時計業界歴13年。