「IWC パイロットウォッチ マークシリーズにはどんなモデルがあるの？」
「マークシリーズの歴代モデルについて知りたい」
IWCの中でも絶大な人気を誇るIWC マークシリーズ。
高級パイロットウォッチは無数に存在しますが、マークシリーズほどクラシカルな雰囲気を纏ったパイロットウォッチはないでしょう。
デザイン良し、機能良し、ステータス性もある。
そんなマークシリーズの歴代モデルについて知りたいという人は多いのではないでしょうか。
時計愛好家からの評価のみならず、始めて高級時計を手にする初心者のからも支持を受けている定番コレクションです。
この記事ではマークシリーズの歴代モデルを、GINZA RASINスタッフ監修のもと紹介します。
特徴と魅力についても解説しますので、IWC パイロットウォッチの購入をお考えの方はぜひ参考にしてください。
目次
そもそもIWCはどんなブランドなのか？
IWCが創立されたのは1868年のこと。
時計大国スイスにてアメリカの時計技師フロレンタイン・アリオスト・ジョーンズによって立ち上げられました。
スイスの時計製造に関する伝統的技術とアメリカの機械自動化の製造技術を一本化した独自の時計は瞬く間に人気を博し、20世紀に入るころには世界のトップブランドに名を連ねるようになります。
IWCの創業地であるシャフハウゼンがドイツとの国境に程近い事から、IWCの時計はスイスの時計でありながらもドイツのデザイン性からも大きく影響を受けており、視認性の高さに加え実用性に関しての評価も絶大です。
現代においても質実剛健な高級時計として世界中に愛用者がおり、その勢いは留まることを知りません。
また、IWCを語るにおいて外れないのが、とにかく「オシャレ」であるということ。
現在の高級時計はスポーツウォッチが主流であることから、力強く男らしい時計が大半を占めます。
しかし、IWCの時計はクラシカルな魅力を持つ美しい時計ばかりであり、細身の男性にピッタリ似合います。
女性からの人気も極めて高く、時計にファッション性を求める方であれば間違いなく「買い」のブランドであるといえるでしょう。
IWC パイロットウォッチ マークシリーズの特徴と魅力
マークシリーズは軍用時計としての歴史を持つモデルであり、英国軍に向けのパイロットウォッチとして作られました。
他のモデルとの差別化を図るため、文字盤に三角形のマークを用いたことがマークシリーズの始まりだといわれています。
このマークは英国軍が所持する軍用時計であることの象徴であり、単なる飾りというわけではありません。
IWCと英国軍の誇りが詰まった非常に重要な意味合いを持ちます。
戦争が終結した後はその姿を見ることは無くなりましたが、IWCは1993年にマークシリーズ初の民間向けモデルを発表。
以後、様々なバリエーションのマークが発売され、今となってはIWCにとって欠かせない人気モデルにまで成長しました。
マークシリーズが人気である理由1. 気品のあるデザイン性
軍用時計として作られたマークシリーズは過度な装飾を施さないシンプルなデザインです。
クラシカルで洗練された雰囲気を纏い、他のパイロットウォッチとは一味も二味も違う魅力に溢れます。
マークシリーズはどのモデルであってもプライベート・ビジネスシーン共に使いやすく、幅広い世代に似合います。
20代30代の若年層が身につけるとカッコよく見え、40代50代が身に着けると洗練された渋さを発揮することが大きな魅力です。
マークシリーズが人気である理由2. 実用性の高さ
マークシリーズは軍用時計として作られた歴史から極めて高い実用性を誇ります。
作戦の遂行を妨げないために文字盤は視認性が重視され、衝撃で故障させないためにケースの堅牢性に関しても拘りぬかれています。
その仕上がりはまさに質実剛健。
一生モノの時計に相応しい仕上がりだといえるでしょう。
マークシリーズが人気である理由3. リーズナブルな価格
デザイン性にも品質にも優れるマークシリーズですが、価格がリーズナブルであることも大きな魅力です。
最新作であるマーク18であっても並行店であれば40万円から購入可能。生産終了モデルであれば30万円台から手に入れることができます。
コストパフォーマンスは極めて高く、時計初心者が最初に手に入れる一本として、時計好きがサブに持つ時計としても需要が高いです。
IWC マークシリーズの変遷
マークシリーズはこれまでに幾つかのラインナップが展開され、それぞれ異なる個性を放ってきました。
主な発売年とラインナップは以下の通りです。
| 発売年 | モデル |
|---|---|
| 1994年 | マーク12 |
| 1998年 | パイロットウォッチ・UTC |
| 1999年 | マーク15 |
| 2000年 | マーク16 |
| 2002年 | ビッグパイロットウォッチ |
| 2012年 | マーク17 |
| 2016年 | マーク18 |
民間向けに発売が開始されてから約20年が経過しましたが、その間にこれ程まで多くのモデルが生まれています。
また、近年は「スピットファイア」「トップガン」「プティフランス」「クラシック」「アントワーヌ・ド・ サンテグジュペリ」といった種類に細分化されるようになり、これまで以上に幅広いラインナップが用意されています。
ここからはマークシリーズがどのような変遷を辿って行ったかをみていきましょう。
IWC マーク11
マーク11はマークシリーズの初代に当たるモデルです。
1948年に製造・販売されており、今となってはアンティーク時計に分類されます。
時針のデザインが現在のマークと比較すると簡素なデザインとなっており、長さが短いことも特徴です。
夜光塗料はトリチウムが使用されており、独特な雰囲気を醸し出します。
IWC マーク12
マーク12は初めて民間向けに発売されたマークシリーズであり、ここから人気モデルとしてのマークの歴史は始まりました。
マーク11のデザインをコンセプトに現代的な要素を取り入れ、3時位置にはデイト、6時位置には「MARK XII AUTOMATIC」の文字が刻まれています。
インデックスのフォントが若干細くなり、シャープな印象を与えるようになったことも特徴的です。
また、マーク11はナイロンベルトのみが採用されていましたが、マーク12からはメタルブレスレットとレザーベルトがラインナップされています。
IWC マーク15
1998年に発売されたマーク15はマークシリーズの人気を一気に押し上げた人気作です。
マーク12の進化系ともいえる定番マーク15も高い評価を受けましたが、デザイン性に磨きをかけたスピットファイアがラインナップに加わり絶大な支持を集めました。
左が定番のマーク15。右がマーク15スピットファイア。
スピットファイアはインデックスが立体的となり、秒針のデザインとマークの形が変化しています。
シンプルでありながらもスタリッシュな雰囲気を放つようになり、より幅広い層の男性から支持を受けるようになりました。
IWC マーク16
マーク15よりもケースサイズが大きくなったマーク16。2000年に入って初めて登場したマークシリーズのモデルです。
マーク15のケースサイズは38mmでしたが、マーク16では39mmサイズにボリュームアップ。
僅かな違いにも思えますが、迫力が増しました。
文字盤デザインにも変更が加えられ、6・9のインデックスがバーに変更。
より上品な仕上がりとなっています。
IWC マーク17
マーク17はカジュアル用途に寄せたモデルです。
ケースサイズが39mmから41mmに変更され、これまでのマークにはない力強さを得ました。
41mmケース径はスポーツウォッチとしては定番のサイズ感ですが、マークシリーズに関しては賛否が分かれました。
また、太目のインデックスや3daysデイトもこのシリーズ
ただ、マーク17が一番好きという方も少なくはなく、製造終了後も需要は尽きません。
現行モデル マーク18のラインナップ
マーク18は2016年に誕生したマークシリーズの最新作です。
リーズナブルな価格でありながらも、高級感のある仕上がりとなっています。
デザインコンセプトこそ歴代マークのDNAを受け継いでいますが、マーク18は前作マーク17から様々な箇所に変更が加えられています。
主な変更点は以下の通りです。
◆ケース直径：41mm→40mm
◆6時と9時のインデックスが短くなった
◆12時位置の三角マークがインデックスの内側に移動
◆デイト表示が1日分だけになった
◆ベルトにサントーニ社製のカーフ（牛革）ストラップが採用
マーク18はスポーティーに寄せ過ぎたマーク17からすると従来の上品さに趣を置いています。
文字盤もシンプルなデザインとなり、より誰にでも似合うモデルとなりました。
また、従来のマーク同様に幾つかのバリエーションが存在しますが、その種類はこれまで以上に豊富です。
IW327001
言わずもがなでマークシリーズはコレ！と一目で解るデザインで、最も「IWCのパイロットウォッチ」らしい一本ではないでしょうか。
6時と9時にアラビアインデックスがプリントされ、よりパイロットウォッチ色が強くなった印象です。
3時位置の日付窓は一つのみとなり、派手さはないもののスッキリと纏められた美しさを秘めています。
また、マーク17のストラップ素材がクロコダイルからサントーニ社製のカーフに変更され、パイロットウォッチっぽくカジュアルな印象になりました。
発色の良い裏地が高級感漂います。
IW327002
スッキリとした印象の白文字盤です。IWC公式ページ内ではシルバーメッキとされています。
ホワイトダイヤルはマークシリーズの人気カラーとして常に人気があり、今作でも一番人気です。
時計の定番カラーはブラックというイメージが強いですが、マークシリーズのホワイトはパイロットウォッチならではの上品さが引き立っています。
IW327011
IW327011のブレスレットバージョンがコチラ。
ブレスレットの仕様変更もされており、マーク17に比べ各コマの横幅がカマボコ状で丸みを帯びた形状となりました。
加えてコマのサイド部分も鏡面仕上げになったことで高級感が増しています。
レザーもブレスレットも楽しみたいという方は、初めにブレスレットを購入された方が後々の費用を抑える事が出来ます。
なお、マーク18のケースバックは全モデル共通（プティプランスを除く）で写真のようなデザインが採用されています。
マーク17にはエングレーヴィングが有りませんでしたが、こういう目に見えない箇所の細かな意匠は所有者だけの悦びです。
IW327004 プティプランス
プティフランスとは、2013年から展開される、星の王子様の作者でもありパイロットかつ冒険家でもあった、アントワーヌ＝サンテグジュペリの名を冠したモデルです。
ブルー文字盤はここ最近非常に人気が高く、パイロットウォッチの上品なデザイン性と上手に融合されています
ケースバックにはマントを羽織った”星の王子さま”のエングレーヴィングが施されていますが、プティフランスのこの刻印が好きという方も多いのではないでしょうか。
ファーストインプレッションとしては、12時と3時を除くインデックス部分にアラビア数字がプリントされた事で、マーク17よりもよりパイロットウォッチ色が強くなっています。
前モデルのクロコダイルストラップも良いですが、カジュアルなイメージのパイロットウォッチにはやはりカーフやバッファローが似合います。NATOストラップへ付替えることもオススメです。
IW324702 トップガン・ミラマー
アメリカ海軍パイロット養成学校「トップガン」とのコラボレーションモデル。
セラミックを研磨することでダークグレーに仕上げ、高級感とミリタリーテイストを両立しました｡
カーキグリーンのカーフスキン・ストラップを採用したことにより、よりいっそうのミリタリールックが楽しめます。
また、トップガンのロゴが裏蓋に印されたこともトップガン・ミラマーシリーズならではの特徴です。
W327006 ヘリテージ
「ヘリテージ」というモデル名通り、1940年代に一世を風靡したかの有名な「ビッグ・パイロット・ウォッチ 52 T.S.C」からインスピレーションを得たレトロスタイルが魅力の一本。
ケースサイズはマーク18そのままに、素材は軽量かつ強靭なチタンが採用されているため、腕への負担が最小限となります。
裏蓋にエングレービングはなく、「パイロットウォッチ ヘリテージ」と刻まれます。
まとめ
マークシリーズはパイロットウォッチの主力であり、IWCにおけるフラグシップモデルです。
上品さとスタイリッシュさを兼ね備えた絶妙なデザイン性は世代を問わず誰からも愛され、最新モデルは勿論のこと、製造終了モデルに関しても未だに需要があります。
高級時計としては手ごろな価格となっており、ステータス性もあるので、初めての高級時計としてもオススメです。
是非、この機会に一度マークシリーズの購入を検討されてはいかがでしょうか？
買って後悔することは無いはずです。
当記事の監修者
南 幸太朗（みなみ こうたろう）
（一社）日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 買取部門 営業企画部 MD課/買取サロン プロスタッフ
学生時代に腕時計の魅力に惹かれ、大学を卒業後にGINZA RASINへ入社。店舗での販売、仕入れの経験を経て2016年3月より銀座本店 店長へ就任。その後、銀座ナイン店 店長を兼務。現在は営業企画部 MD課 プロスタッフとして、バイヤー、プライシングを務める。得意なブランドはパテックフィリップやオーデマピゲ。時計業界歴13年。
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