「ロレックス エクスプローラーI 14270と114270の違いって何だろう?」
「ロレックス エクスプローラーI 14270と114270だったらどちらを選んだら良い?」
シンプルなデザインと高い性能を併せ持つロレックス エクスプローラー。
「ロレックスの中で最も使いやすい」と評されており、スポーツウォッチの中で抜群に高い人気を誇ります。
そんなロレックス エクスプローラーI 14270と114270の違いについて知りたいという人は多いのではないでしょうか。
2つのモデルの大きな違いは搭載ムーブメントです。
この記事ではロレックス エクスプローラーI 14270と114270の違いを、GINZA RASINスタッフ監修のもと解説します。
価格の違いについて解説していますので、エクスプローラーIのご購入をお考えの方はぜひ参考にしてください。
目次
14270と114270の違い
エクスプローラーはシリーズが始まってから現在に至るまで、殆どデザインを変えていません。
14270 、114270も例外ではなく、どちらか区別がつかないほど見た目が酷似しています。
文字盤のデザイン、カラー、ロゴの位置。14270と114270は瓜二つの見た目をしています。針の太さや英字の内容まで同一であるため、視覚的な違いは殆どありません。
文字フォントの太さ、6時位置のswiss madeの位置の違いといった細かな違いはありますが、これらは誤差と言ってもよいでしょう。
また、ケースサイズに関しても共に36mm径となっており、こちらも差はありません。
針に「ホワイトゴールド」が採用されていることも同じ。
3・6・9インデックスには塗料に白エナメルを使用されており、ライトを当てると3・6・9の数字のみ光らず、バーインデックスのみ夜光が光る仕様となっています。
これに関しても14270・114270共に違いはありません。
つまり、文字盤に関しては、基本的にほぼ同一と言えます。
現在の中古相場は型の古い14270の方が若干安くなっているので、文字盤のデザインで時計を決めるのであれば、14270を買った方がお得だといえます。
114270はフラッシュフィット一体型
文字盤を細部まで見渡しても、両モデルの明確な違いは見つかりませんでした。
ただ、ブレスレット部分をよく見比べると、違いが浮き彫りになります。
左:114270 右:14270
こちらは正面から見た14270と114270。文字盤デザインはほぼ同じです。
しかしながら、ブレスレットのつなぎ目を見ると少し違和感を感じませんか?
左:114270 右:14270
時計全体を見てみます。
ディテールは同じに見えますが、14270にはラグ横に穴が開いています。
そして114270のブレスレットは「フラッシュフィット一体型」に変わっています。
ブレスレットのアップ写真ですが、赤い丸の部分に注目してみてください!
左が114270で右が14270のブレスですが、左のブレスレットが右側に比べ繋ぎ目が無くなっています。
この仕様変更により114270はケースとブレスレットが滑らかに接続されるようになり、装着感が向上しました。
14270と114270はムーブメントが違う
14270から114270に切り替わった2000年はロレックスのムーブメント製造技術が一気に向上した時期です。
それに伴い、内部の機械がワンランク上のスペックに改良されました。
これこそが14270と114270の最大の違いとなります。
- 14270…Cal.3000 振動数が毎時19,800から毎時28,800へと引き上げられ精度が大きく向上。
- 114270… Cal.3130 テンプ受けがシングルからダブルブリッジになったことで耐久性が大きく向上。
機械式時計を長く使うためには外装だけでなく内部機械のタフネスも重要になるため、Cal.3130の方がやはり性能的には分があります。
年式によって仕様が異なる個体がある
114270が発売された2000年以降、ロレックスでは細かな仕様変更が度々行われました。そのため、114270に関しては年式によって仕様が異なります。
例えばロレックスが偽造防止のために入れたガラス6時位置の王冠透かしマーク。
14270には存在しませんが、114270には王冠透かしマークが存在します(※ただし初期の個体には存在しません)。
また2007年からルーレット刻印が入るようになりました。
ブラックアウトの存在
14270も114270はも未だに根強い人気を誇る名機ですが、14270には「ブラックアウト」というレアロレックスが存在します。
ブラックアウトは現行モデルから二つ前の14270の一部に見受けられる個体であり、3・6・9のインデックスに黒エナメルが使われているのが特徴です。
こちらは通常のインデックス。
対してブラックアウトはこのようなスタイリッシュなデザインとなっています。
ロレックス 14270 ブラックアウト
ブラックアウトはシリアルがE品番、X品番の一部に見られる数少ない個体で、非常に稀少性が高いです。状態のよい個体であれば200万円以上の価値を持ちます。
14270・114270どちらを買うのがベストなのか?
ここまでの情報を踏まえ、どちらを買うのがベストなのか考えてみましょう。
まず、14270・114270はどちらも36mmサイズです。現行モデル214270が39mmなので、小さい時計を求めている方は旧型を購入した方が良いでしょう。
次に価格です。
旧型は最新作と比較するとワンランク安い価格でロレックスを手に入れることができます。
14270は60万円台、114270は70万円台で購入することが可能です。
文字盤のデザインは殆ど同じですので、少しでも安く時計を買いたいのであれば、14270をお勧めします。
逆に114270はスペックの高いエクスプローラーを安く買えることがメリットになります。
名機として名高いCal.3130を搭載しており、年式が新しい個体を買えば「王冠マークの透かし」や「ルーレット刻印」も入っています。
少しでもスペックの高い36mm径のエクスプローラーが欲しいのであれば、114270を買うのがベストです。
当記事の監修者
池田裕之(いけだ ひろゆき)
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 買取部門 営業企画部 MD課/買取サロン 課長
39歳 熊本県出身
19歳で上京し、22歳で某ブランド販売店に勤務。 同社の時計フロア勤務期に、高級ブランド腕時計の魅力とその奥深さに感銘を受ける。しばらくは腕時計販売で実績を積み、29歳で腕時計専門店へ転職を決意。銀座ラシンに入社後は時計専門店のスタッフとして販売・買取・仕入れを経験。そして2018年8月、ロレックス専門店オープン時に店長へ就任。時計業界歴17年