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徹底比較!タグホイヤー カレラ VS オメガ スピードマスター

最終更新日:

「タグホイヤーとオメガ、どちらを選べば良い?」
「タグホイヤー カレラとオメガ スピードマスターの魅力の違いについて知りたい」

「タグホイヤー」と「オメガ」はよく比較される腕時計ブランドです。

どちらも時計のクオリティが高く、コストパフォーマンスに優れ、流通量が多く、知名度が高く、多くの人気モデルを抱えています。

高級腕時計と聞いてまず最初に名前が挙がるのはロレックスですが、その次に名前が挙がるのはオメガとタグホイヤーだと思います。

そんな2つのブランドの定番モデル、タグホイヤー カレラとオメガ スピードマスターの魅力の違いについて知りたいという人は多いのではないでしょうか。

オメガは語れる歴史、タグホイヤーはコストパフォーマンスの良さが注目されています。

この記事ではカレラ1887クロノグラフと、スピードマスタープロフェッショナルの魅力を比較し、GINZA RASINスタッフ監修のもと紹介します。

ムーブメントについても比較しますので、機械式時計の購入をお考えの方はぜひ参考にしてください。

カレラ1887 スピードマスター 比較

 

オメガ スピードマスター プロフェッショナルとは

時計に詳しくない人でも”スピードマスター”の名前を知っている人は多いはず。スピードマスターは1969年の月面着陸に携行された世界で唯一のムーンウォッチであるという輝かしい伝説を持ちます。

現在でも宇宙飛行士や宇宙機関に選ばれ続けているモデルとして、世界中で高い知名度を誇るスピードマスターは多くの時計ファンに愛されてきた歴史ある一本です。

 

NASAの要望に見事に答えた耐久性に優れた設計

スピードマスターは宇宙へ行くための過酷なテストを唯一突破できた時計です。宇宙でのミッションに適するか否かを判断するテストは、「高圧、真空、無重力、衝撃」など10項目にも及ぶもので、全て突破するのは実に困難でした。しかし、スピードマスターはそれを乗り越え、見事にムーンウォッチとして採用された輝かしい歴史をもちます。

スピードマスター ムーンウォッチ

出典:https://www.omegawatches.jp

その後スピードマスターはNASAの6度にわたる月面着陸プロジェクトすべてに携行し、数々の伝説を残しました。そして、この伝説への敬意こそが現在のスピードマスターのコアとなっています。

そのため、スピードマスターには当時と変わらない雰囲気を保ち続けることが宿命づけられているのです。

ちなみにスピードマスタープロフェッショナルは手巻き、スピードマスターは自動巻きの時計になります。

 

タグホイヤー カレラ1887 クロノグラフとは

カレラはスペイン語で「レース」や「情熱」を意味しており、1964年ロードレース「カレラ パンアメリカーナ・メキシコ」とF1チャンピオン「ファン・アニュエル・ファンジオ」へのオマージュとして作られたスポーツウォッチです。 カレラのデザインは「シンプルで美しいクロノグラフ」というコンセプトで作られ、そのスタイリッシュなフォルムはレースファンのみならず、多くの時計ファンを魅了してきました。

そんな歴史あるカレラシリーズの新作コレクションとして2010年に誕生したのがカレラ1887です。このモデルはタグホイヤー創立150周年記念モデルとして製作されており、最新技術が詰まっていることを特徴とします。

タグホイヤー カレラ1887 クロノグラフ

カレラ1887の最大のウリは初の自社製ムーブメント「キャリバー1887」を搭載していることです。このムーブメントはセイコーの6Sムーブの使用権利を取得することで自社開発費用を大幅に削減。その結果、他のブランドでは到底実現できない低コストにて高精度ムーブメント搭載モデルを提供できるようになりました。

 

カレラ1887 クロノグラフとスピードマスターの基本スペックを比較!

カレラ1887クロノグラフとスピードマスター プロフェッショナルの特徴がわかったところで、両モデルの基本スペックを比較してみましょう。

今回はスピードマスター プロフェッショナル 311.30.42.30.01.005

カレラ1887 クロノグラフ CAR2A10.BA0799を比較対象にしたいと思います。

オメガ スピードマスター タグホイヤー カレラ
 型番 311.30.42.30.01.005 CAR2A10.BA0799
 モデル名 スピードマスター カレラ 1887
防水性 50m 100m
パワーリザーブ 48時間 50時間
ケースサイズ 42mm 43mm
ケース素材 ステンレススティール ステンレススティール
新品販売価格 572,400円 567,000円

両モデルを見比べてみると、価格を含むスペック面は非常に似ていることが分かります。全体的にカレラ1887の方が細かな点でスペックは上ですが、その差は僅かなものです。また、文字盤はどちらもブラックダイヤルが採用され、ベゼルも両モデルにタキメーターが備えられています。

 

■実は明確な違いが存在

一見両モデルにそこまで差は無いと思われますが、実は細かな部分では両モデルの明確な違いが見つかります。その違いとは「ブレスレット・裏蓋・ガラス」の違いです。

 

ブレスレットの違い

カレラ キャリバー1887
タグホイヤー カレラ1887

ベルトはどちらもステンレスの3連タイプですが、カレラ1887のブレスレットは人間工学に基づいて設計された「H型ブレス」が採用されています。このブレスは従来のブレスレットよりも手首に沿って快適な装着感をもたらします。

 

シースルーバックの有無

オメガ スピードマスター プロフェッショナルカレラ キャリバー1887
スピードマスター/カレラ1887

スピードマスターの裏蓋部分はシースルーバック無しのタイプ。ムーンウォッチとして「耐久性」を重視しています。

対してカレラ1887の裏蓋はシースルーバックとなっており、最新技術によって作られたCal.1887の精巧な動きを眺めることが魅力です。

 

ガラスの違い

ムーンウォッチ 外装

スピードマスターとカレラ1887の大きな違いの一つにガラスの違いがあります。カレラ1887のガラスには視認性が高く傷の付きにくい”無反射コーティング サファイアガラス”が採用されていますが、オメガムーンウォッチにはプラスチック製のプレキシガラス風防が採用されています。

ムーンウォッチに採用されているプレキシガラス風防はふっくらと盛り上がっていることを特徴とし、発売当初のデザインを忠実に継承しています。ただ、プラスチック素材なため、雑な扱いをするとすぐに傷がついてしまうため、注意が必要です。

 

付属品へのこだわり

スピードマスター プロフェッショナル 付属品

オメガ スピードマスター プロフェッショナル 311.30.42.30.01.005は付属品にもこだわりがあります。箱は特製ムーンウォッチボックス仕様となっており、NATOストラップとベルクロストラップの2タイプの替ベルトが付属します。

 

カレラ1887 クロノグラフとスピードマスターのムーブメントを比較!

機械式時計の性能を決めるのはムーブメントです。同じ価格帯のモデル同士で検討する場合、このムーブメントの差が時計を決める要因になることも多いでしょう。

 

オメガスピードマスター搭載 Cal.1861

スピードマスターに搭載されているCal.1861は、オールドムーブメントの特徴を受け継ぐ美しいムーブメントです。レマニア社のCal.321をムーンウォッチ用に組み直したクロノグラフムーブメントは高い精度と美しさを誇ります。

また、Cal.1861のポイントは現在では珍しい「手巻きクロノグラフ」機構であること。手巻きするのは煩わしいという意見もありますが、逆にそれを味に思う方もいます。

スピードマスター Cal.1861

出典:https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Omega_Cal._1861_Chronograph_Movement.jpg

 

ちなみに今回の比較モデルとなっている”311.30.42.30.01.005″のシースルーバックモデル”311.30.42.30.01.006“にはシースルーバック用に調整されたCal.1863が搭載されており、美しいムーブメントの動きを覗くことができます。

スピードマスター Cal.1863

スピードマスター 311.30.42.30.01.006

シースルーバックに使われたCal.1863の魅力は手巻きクロノグラフの美しさを存分に堪能できることです。自動巻きに搭載されているローターがないため、ローターに邪魔されずムーブメント全体を見渡せるのはこのモデルの大きなメリットではないでしょうか。

ちなみにシースルーバックモデルの正規定価は648,000円。通常版から約8万ほど上乗せすればコチラのモデルに手が届きます。

 

カレラ1887搭載 Cal.1887

タグホイヤー Cal.1887

Cal.1887はタグホイヤー創業150周年を記念し、2010年に発表されたタグホイヤー初の自社製ムーブメントです。セイコームーブメントの”TC77/78″の基本設計を買い取り、そこから独自の技術を詰め込むことで、高性能でありながらもリーズナブルな価格で自社製ムーブを作り上げることに成功しました。また、スピードマスターに搭載されていた”Cal.1861″が2万1600振動だったのに対し、”Cal.1887″は2万8800振動を誇るハイビート仕様となっています。

部品数320と通常のクロノグラフよりも多くの部品を使用した緻密なムーブメントになっているのが特徴で、 1887という数字は創業者のエドワードホイヤー氏が振動ピニオンで特許を取得した年にあたる1887年に由来します。

さらに、「コラムホイール」の採用により絶妙な押し心地と正確性を両立していることも見逃せないポイント。 この記念すべきキャリバーはカレラ1887が初めて搭載しました。

タグホイヤー Cal.1887

出典:https://www.tagheuer.com/ja/キャリバー1887

ちなみにCal.1887はスイングピニオン・ギアという画期的な機構が搭載されており、プッシュボタンを押してからクロノグラフ起動までの所要時間が2/1000秒にまで短縮されています。

加えて、ゼンマイの巻き上げ方式は両方向巻き上げ機構を搭載。通常の方巻き上げ機構にくらべ30%以上の巻き上げ効率を誇ります。

 

総評

正規新品価格が50万円代とは思えないほど、タグホイヤー カレラ1887のポテンシャルは断トツに高いです。装着感や精度、機能性、耐久性といった全ての項目で優秀であるカレラ1887は、デザインさえ好みならば時計を選ぶうえで最高の選択肢となるでしょう。なお、平行相場価格は35~40万円程度ですので36回払いのショッピングローンを組めば月1万円程度で手に入れることができます。

対してスピードマスターは当時のデザイン性をそのままにマイナーチェンジを繰り返しながら着々と進化を重ねている堅実な時計です。オメガは「スピードマスタープロフェッショナルはアイデンティティとして継続していく」としていました。月に行った最初の時計。このデザインは生涯保ち続けるということなのでしょう。逸話が多い時計ですので、調べれば調べるほど愛着が湧いてくると思います。こちらも平行相場価格は35~40万円程度とカレラ1887とほぼ同等です。

 

最後に

オメガスピードマスターには数多くのモデルが存在するため、高級モデルを含めるとこの比較は体を成さなくなります。オメガの自社ムーブメントであるコーアクシャルムーブメントを搭載したモデルは精度・耐久性・対磁性といった様々な項目で”311.30.42.30.01.005″をはるかに凌ぐスペックです。

ただ、その分価格も高くなり100万越えのモデルも目立ちます。そう考えるといかにタグホイヤー カレラ1887のコストパフォーマンスが優れているかがわかるでしょう。

 

当記事の監修者

新美貴之(にいみ たかゆき)

(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 店舗営業部 部長

1975年生まれ 愛知県出身。
大学卒業後、時計専門店に入社。ロレックス専門店にて販売、仕入れに携わる。 その後、並行輸入商品の幅広い商品の取り扱いや正規代理店での責任者経験。
時計業界歴24年

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