みんな大好きオメガ。ロレックスと並ぶ、言わずと知れた超人気ブランドですね。
特に、これから初めて高級時計を購入する方は、オメガが選択肢に挙がりやすいのではないでしょうか。
そんな方々からいただくご質問がこちらです。
「たくさんシリーズがあって何がなんだかわかりづらい」
「定番モデルが欲しいけど、どれが定番なの?」
「オメガってみんな着けてない?他人とかぶりたくないんだけど・・・」
確かにオメガはモデル数が豊富。しかも、ひとくちに「スピードマスター」などと言っても、その中でさらにバリエーションがあったりして、どれがいいか迷ってしまうかもしれません。
そこでこの記事では、オメガの定番モデル~スピードマスター,シーマスター,デビル,コンステレーションなど~を一挙に紹介いたします!
定番モデルの他にも、当店での人気モデルや入門機にあたる低価格帯モデル、ちょっと奇抜な派生モデルなども網羅しておりますので、ぜひ自分に合った一本を見つけてみてくださいね。
※掲載している価格・相場は2024年8月現在の情報となります。
目次
オメガの定番①スピードマスター
オメガの定番と言えば、スピードマスターを置いて他はありません。
60年以上にわたりオメガの顔を張ってきたロングセラーであり、時計に詳しくない方でも、上記画像のモデルは目にしたことがあるでしょう。
「スピードマスターってどんなモデル?」と聞かれると、たくさんの答えが返ってくるかと思います。
一言で表すと「オメガのクロノグラフモデル」「オメガのフラグシップ」なのですが、それを超越する様々なストーリーがこのモデルには存在しているのです。
詳しく解説いたします。
スピードマスターってどんな時計?
スピードマスターの初出は1957年です。
後述しますが、シーマスター,レイルマスターと言う、三つの「マスターシリーズ」として発表されました。
「スピードの達人」というモデル名の通り、カーレースのためのクロノグラフウォッチとして誕生した経緯があります。
1950年~1960年頃はスポーツウォッチの黎明期で、現在に続く数々の名作がリリースされていましたが、とりわけレーシングに特化したモデルが多数でした。
ロレックスのデイトナ、タグホイヤーのカレラやオータヴィア、ショパールのミッレミリアなども同世代ですね。
こういった誕生の経緯がありますが、スピードマスターはさらに華やかなストーリーを持ちます。
それは、1962年に初めて宇宙遊泳に携えられ、かつ1965年から今に至るまで時計メーカー唯一のNASA(アメリカ航空宇宙局)公式装備品として月面着陸に携えられた時計であるということです。
人類は当時、宇宙開発競争の真っただ中にありました。
その筆頭にいたNASAは、不測の事態で宇宙船の電気系統が壊れた場合などに備え、「宇宙での過酷な環境にも耐えうる丈夫な機械式時計」を募集します。
複数の時計メーカーが応募しますが、最終的にNASAの厳格な検査に通過できた時計は、オメガのスピードマスターのみでした。
そうして1969年のアポロ11号計画で月面着陸を果たしたり、1970年のアポロ13号計画において、酸素爆発で実際に電気系統が故障した折、スピードマスターのクロノグラフを作動させたことで乗務員を危機から救ったりと、他社にはない壮大なストーリーを紡いでいくこととなりました。
ちなみにスピードマスターは手巻き式クロノグラフです。
機械式時計には手巻きと自動巻きがあり、手巻きはゼンマイを手で巻かなくてはならず、自動巻きは腕の動きでゼンマイを巻き上げる機構です。
現在では便利な自動巻きが主流ですが、オメガはスピードマスターをあえて手巻きのまま留めています。
なぜなら、月面着陸に携行されたスピードマスターが手巻きであったため。
当時、既に自動巻き機構の技術は確立されていましたが、無重力空間ではローター(自動巻きの巻き上げを担うムーブメントのパーツ)が動きづらく、効率的な巻き上げができないため手巻きが採用されていました。
そのエピソードをそのまま守り抜いている形です。
このように、スピードマスターは一モデルを超えたストーリーを持つとあって、オメガのコレクションの中でも特別な存在となっています。
事実、「スピーディー チューズデー」(#Speedy Tuesday)というハッシュタグまで存在するほど。
これは、熱烈なオメガファンによって、毎週火曜日にスピードマスターの写真やコメントが配信される、というものとなります。
いかにスピードマスターに熱烈な支持者がいるかがおわかりいただけるでしょう。
そのため、初めて高級時計を購入する方にでも、迷っているならスピードマスターを選択することをお勧めいたします。
スピードマスター 人気モデル
冒頭でも述べたように、オメガは一つのコレクションの中で多数の派生モデルを有します。
そのバリエーションの豊富さは「選択肢が豊富」なことに繋がりますが、どれを選べばいいかわからない、という悩みにも繋がってしまいますね。
そこで、スピードマスターの中でも定番の人気モデルをご紹介いたします。
スピードマスター プロフェッショナル ムーンウォッチ クロノグラフ 311.30.42.30.01.005
型番:311.30.42.30.01.005
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:42mm
文字盤:ブラック
駆動方式:手巻き(Cal.1861)
NASAの公式装備品であったスピードマスターの流れを汲み、同シリーズの中で基幹モデルに当たるのが、こちらのプロフェッショナルです。
ちなみに「ムーンウォッチ」の称号でも知られていますが、もちろん月面着陸を称えて獲得したものとなります。
オメガの定番中の定番で、オメガと言えばこの顔がまず出てくるのは、ファーストモデルからそのデザインを大きく変えてはいないことが大きいでしょう。
同じデザインを踏襲し続けている時計と言うのは強いです。
例えばロレックスやパテックフィリップ、オーデマピゲなどもその代表格ですね。
初代と同じくムーブメントも手巻きクロノグラフが踏襲されていることがミソ。
ちなみに伝統的にスピードマスター プロフェッショナルはヌーベル・レマニア(現在はブレゲが合併)と言う、名門ムーブメントメーカーが作った機械を搭載しています。
定価は605,000円ですが、新品並行相場は90万円前後~。
2014年に現行モデルがリリースされて以来、豊富な流通量を誇るにもかかわらず大きく値崩れしたことがあまりなく、「買いやすく売りやすいモデル」とも言えるでしょう。
スピードマスター プロフェッショナル ムーンウォッチ クロノグラフ 311.30.42.30.01.006
型番:311.30.42.30.01.006
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:42mm
文字盤:ブラック
駆動方式:手巻き(Cal.1863)
先ほどご紹介したRef.311.30.42.30.01.005の裏蓋をシースルーバックにし、かつムーブメントを鑑賞用にチューンアップしたモデルがこちらです。
大きく外装やスペックは変わりませんが、美しきレマニアムーブメントを覗けると言うのは時計ファンにとっては嬉しいところですね。
定価は715,000円、新品並行相場は95万円~と、前述のメタルバックモデルより若干お高め。
しかしながらこちらも値崩れしづらいため、資産価値としても高い評価を得ています。
スピードマスター レーシング マスター クロノメーター 329.30.44.51.01.001
型番:329.30.44.51.01.001
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:44mm
文字盤:ブラック
駆動方式:手巻き(Cal.9900)
「プロフェッショナル」と付かない無印モデルは、全て自動巻きクロノグラフとなります。
加えて、「レーシング」と付くモデルは、プロフェッショナルをブラッシュアップし、デザインをより初代の「モーターレースのための時計」に近づけたシリーズとなります。
プロフェッショナルの方が人気は圧倒的なのですが、実は最近レーシングの方を選ぶ方が増えています。
なぜなら、プロフェッショナルは定番すぎて、しばしば「オメガかぶり」が起きてしまうためです。
このレーシングはプロフェッショナルの精悍な印象を受け継ぎながらも、プロフェッショナルとは異なるテイストのかっこよさを有していることがポイント。
事実、ツーカウンタークロノグラフがモダンですね。
44mmという存在感のある大きさも、メンズにはたまりません(2012年の初出当時は40mmだったが、現在は44.25mmのみラインナップ)。
スピードマスター レーシング 329.30.44.51.04.001 / 329.30.44.51.06.001
なお、スピードマスター レーシングの中でも派生モデルが存在しており、選択肢の豊富さはさすがオメガと言えるでしょう。
ちなみに定価はSSモデルは1,474,000円ですが、黒文字盤が80万円台~、それ以外はもう少しお安い価格帯となっております。
定番を外したスピードマスターが欲しい方へ
さらに定番を外したスピードマスターが欲しい方へのお勧めモデルをご紹介いたします。
スピードマスター マークII コーアクシャル 327.10.43.50.06.001
型番:327.10.43.50.06.001
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:縦46mm×横42mm
文字盤:グレー
駆動方式:手巻き(Cal.3300)
スピードマスター プロフェッショナルとも、スピードマスター レーシングとも、全く様相の異なるこちら。
実は、現在のオメガの礎を築く、かなり重要なモデルとなります。
なぜなら、1969年、初のスピードマスターの派生モデルとして誕生した時計のリバイバルにあたるからです。
オメガも、昔から今ほどのバリエーションを有していたわけではありません。
1969年、セイコーが安価で大量生産可能なクォーツ時計の市販化に成功し、高価な機械式時計が大打撃を受けた時。
オメガも窮地に立ったメーカーのうちの一つだったのですが、起死回生の策として流線形ケースの新スタイル―マークII―を打ち出し、新たなファン層を開拓することとなりました。
「派生モデルを増やす」ことは、その後のスピードマスター人気を大きく飛躍させる一手となったのですが、マークII自体が注目されるようになったのは2014年、リバイバルがリリースされて以降です。
時を同じくして1970年代のアンティーク・ヴィンテージの人気が沸騰し始めたこともあり、新旧マークIIが、にわかに相場を上げてきました。
とは言え超高騰と言うわけではありません。
現行のRef.327.10.43.50.06.001は定価682,000円のところ新品並行相場は95万円前後~。
旧マークIIのST145.0014などは75万円~100万円(個体による)の価格帯です。
そのため、気軽に往年の名作オメガを楽しめる、お手頃品と言えるでしょう。
スピードマスター ムーンウォッチ クロノグラフ 311.32.40.30.02.001
型番:311.32.40.30.02.001
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:42mm
文字盤:シルバー
駆動方式:手巻き(Cal.1861)
「プロフェッショナル」の名前こそ付いていませんが、こちらは2018年に発表されたスピードマスター ムーンウォッチです!
こちらもリバイバルモデルとして誕生しています。
しかも、1959年発表のスピードマスター第二世代CK2998、かの有名なウォルター・シラー宇宙飛行士が着用したモデルを復刻した形となります。
第一世代はアロー型であった針の形状が、アルファ針に変更されたところもリバイバル。
一方でモダンテイストも取り入れ、レザーストラップのパンチング内部からはホワイトラバーが顔をのぞかせます。
ムーブメントにはスピードマスター プロフェッショナルと同様に手巻きクロノグラフCal.1861が搭載されています。
2998本生産と決して流通量は多くありませんが、各国のスピードマスター愛好家から話題となった一本です。
■オメガ スピードマスターの基幹モデル・プロフェッショナルを解説!
オメガの定番②シーマスター
オメガのもう一つの定番がシーマスターです。
前述のように、スピードマスター,レイルマスターとともに「マスターシリーズ」のうちの一つとして誕生しました。
「海の覇者」の名前の通りダイバーズウォッチラインとなるのですが、実はスピードマスターよりも派生コレクションが多く、さらに何がなんだかよくわからない、といったお問合せをしばしばいただきます。
そこで、シーマスターとはどのようなモデルか、人気があってこれを選んでおけば間違いなし!の定番モデルをご紹介いたします。
シーマスターってどんな時計?
画像引用:OMEGA
スピードマスターの初出と時を同じくした1950年代~1960年代。
レーシングモデル同様に現代に続く名作が誕生したスポーツウォッチの分野がありました。それが、ダイバーズウォッチです。
1953年はロレックスのサブマリーナ、1957年はブライトリングのスーパーオーシャン、1965年はセイコーのマリーンマスター、1967年はIWCのアクアタイマー。
などなど・・・
人類がこれまで足を踏み入れてこなかった海へと開拓の手を進めたこと、および時計製造技術が飛躍的に伸び、時計のケースやブレスレットに防水性を備えることができるようになった、という時代背景が大きいでしょう。
こういった中で、オメガもまた高い防水性・気密性を誇るシーマスターを輩出しました。
1948年に初期モデルが発表され、1957年に本格ダイバーズウォッチとして誕生します。
※1957年当時のシーマスター
画像引用:OMEGA
シーマスターはスピードマスターのように壮大な背景を持つ、というわけではありませんが、「スペック」という面ではスピードマスターを凌ぎます。
まず、高防水。
シーマスターの防水性は、モデルにもよりますが、150m~1200m(!)と、非常に高いものがあります。
ちなみにスピードマスターのプロフェッショナル(ムーンウォッチ)は50m防水です。
防水性が高ければ優れているというものでもないのですが(ケースに厚みが出てしまったりするため)、汗をかいたり、水仕事をしたり。
そんな方にとってはやはり防水性が高いに越したことはありませんね。
また、初めて高級時計を買うなら、「壊さないかな?」と何かと不安な面があるでしょう。
そんな方はぜひシーマスターをご選択ください。
また、これまたモデルにもよりますが、シーマスターは使いやすいクォーツ(現行はレディースのみ)や自動巻きムーブメントが採用されているので、時計初心者にも使いやすいものが多いでしょう。
自動巻きというのは、腕の動きによってゼンマイを巻き上げる機構です。
さらに言うと、映画『007』ではジェームズ・ボンドがオメガのシーマスターを必ず着用しており、話題性があると言えるでしょう。
なお、シーマスターの定番コレクションは以下の通りです。
- シーマスター アクアテラ
- シーマスター ダイバー300
- シーマスター プラネットオーシャン
- シーマスター300
次項より、詳しく解説いたします。
オメガ シーマスター アクアテラ 220.10.41.21.03.002
型番:220.10.41.21.03.002
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:41mm
文字盤:ブルー
駆動方式:手巻き(Cal.8900)
「アクアテラ」は、シーマスターのエレガンスラインであり、オメガのエントリーモデル(入門機)としても人気の高い逸品です。
20代、30代の若手であれば、とりあえずアクアテラを選んでおけば上司の覚えも良いと言っていいでしょう。
ダイバーズウォッチと聞いた時、ガッシリしたケース、逆回転防止ベゼル、高い防水性・・・といったものが思い浮かぶかもしれませんが、アクアテラはドレスウォッチのようなスタイリッシュさ、シンプルさをフィーチャーしています。
回転ベゼルは取り払われ、優美なラインを描くドレッシーなケース・ブレスレット、150mという抑えめの防水性、エレガントな文字盤装飾が魅力です。
価格も定価は968,000円ですが、並行輸入店であれば新品70万円前後~。
スピードマスターの基幹モデル311.30.42.30.01.005に比べると高いじゃん!と思うかもしれませんが、現行シーマスターのほとんどに「マスタークロノメーター」「コーアクシャル」という機構が採用されており、これはオーバーホールの回数を減らしたり、磁気帯びを防いだりといった優れもの。
結果的にメンテナンスコストを抑えることができるのです(使い方にもよりますが)。
中古であれば60万円台半ばほどと、さらに価格を抑えられる一方で、上記の新機構によって経年劣化が少ない、という魅力があります。
さらに、メンズの現行は自動巻きムーブメントがほとんどですが、過去生産されていたクォーツですと、いっそうイニシャルコストを抑えて手に入れることが可能です。
シーマスター アクアテラ 220.10.41.21.06.001 / 220.10.41.21.01.001
なお、シーマスター アクアテラにもカラーとサイズでバリエーションが存在します。
上記はオシャレなグレーと定番のブラック。ちなみに一番人気はブルーです。
シーマスター アクアテラ 220.10.38.20.03.001
こちらはケースサイズ38mmバージョン。
よりアクアテラがエレガントになった印象です。
腕の細い方はアンダー40mmがお勧めです。
オメガ シーマスター ダイバー300 210.30.42.20.03.001
型番:300 210.30.42.20.03.001
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:42mm
文字盤:ブラック
駆動方式:自動巻き(Cal.8800)
ダイバー300は、その名の通り300m防水を備えたシーマスターです。
こちらもアクアテラと並んでオメガの定番であり、いかにもダイバーズウォッチといった様相を楽しんでいただけるでしょう。
1993年にシーマスターの派生モデルとして誕生し、昨年2018年に25周年ということで大きなモデルチェンジを遂げました。
そのため、今最も注目されているオメガウォッチと言っていいかもしれません。
傷つきづらく高級感あるセラミック製ベゼル、初代意匠を踏襲した波状模様の文字盤デザイン、42mmと比較的大きいサイズにもかかわらず流麗なケースライン・・・
高級ダイバーズウォッチといった様相を呈しています。
また、アクアテラ同様、ダイバー300でも一律マスタークロノメーター、コーアクシャルを搭載することとなり、機能性もアップしています。
画像引用:OMEGA
ちなみによくロレックスのサブマリーナと比較されることがありますが、現在ロレックスは全体的に相場が上がっており、なかなか初めて高級時計を購入しようと思う方にとっては手が出しづらいでしょう。
そこへきて、ダイバー300の価格帯は最も定番のステンレススティールモデルが70万円前後~。
また、素材やカラーで本当に多彩なバリエーションを持ちます。
扱いやすいラバーストラップのシーマスター 210.32.42.20.06.001
2019年に新たに新型として採用されたブラックセラミックのシーマスター 210.92.44.20.01.001
さらに詳しくダイバー300やその派生モデルを知りたい方は、以下の関連記事をご覧ください!
オメガ シーマスター プラネットオーシャン 215.30.44.21.03.001
型番:215.30.44.21.03.001
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:43.5mm
文字盤:ブルー
駆動方式:自動巻き(Cal.8900)
「プラネットオーシャン―惑星の海―」なんだかすごいネーミングですが、簡単に言うとシーマスターのハイスペックバージョンです。
その防水性たるや、600m!
ケース厚もアクアテラやダイバー300に比べてぐっとボリュームが出て、約16mm(アクアテラは約13mm、ダイバー300は約14mm)に。
ブレスレットもリンクが細かく、可動しやすい仕様に変更されています。
そう、プラネットオーシャンは、プロダイバーの仕様を前提としたような、本格派であることもまた特徴なのです。
価格帯は3針+デイトモデルで新品80万円~90万円ほど。
また、さらにガッツリスポーティーにしたクロノグラフモデルもオメガファンから高い評価を得ています。
定価1,089,000円、新品相場は80万円前後~と、3針モデルよりはややお高めになりますが、当店では非常に人気の高い一本となります。
シーマスター プラネットオーシャン 215.30.46.51.01.001
さらに詳しくプラネットオーシャンを知りたい方は、こちらの記事をご参照ください。
定番を外したシーマスターが欲しい方へ
シーマスターはカラーや素材にバリエーションが豊富に存在しているため、あまり「オメガかぶり」は聞かない印象です。
でも、ちょっと変わったオメガが欲しい。
そんな方々は、以下のモデルはどうでしょうか?
シーマスター300 233.30.41.21.01.001
型番:233.30.41.21.01.001
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:41mm
文字盤:ブラック
駆動方式:自動巻き(Cal.8400)
2017年に60周年を迎えた「スピードマスター」「シーマスター」「レイルマスター」のマスター三兄弟。
この初期意匠を踏襲したシーマスター300が、今かなり熱いです!!
アクアテラやダイバー300などとはまた違った、黒ベゼル×黒文字盤というシンプルなデザイン、太めのアロー針、視認性を優先したインデックスなどが非常にヴィンテージ感溢れていますね。
何度か言及しているように、現在ファッション業界全体に「クラシック回帰」という風潮があり、そのためヴィンテージテイストが注目されてきています。
そんな流れもあってか、かなり需要が高まっているのがこちらです。
相場は70万円程度ですが、人気ゆえに入荷しても即完売の状態。
そのため欲しい方は、出会った時に買っておくことをお勧めいたします。
シーマスター300 “スペクター”限定モデル 233.32.41.21.01.001 / トリロジー 60周年リミテッド 234.10.39.20.01.001
ちなみに同じく初期シーマスターを踏襲した映画『007 スペクター』限定モデル(実際にダニエル・クレイグさんが着用!)と、60周年を祝して発売した限定モデルは、流通量の少なさから相場をぐんぐん上げている状態ですので、かなり手が出しづらいでしょう。
意匠自体は正直そんなに変わらないので、初めてオメガをご購入される方はレギュラーのシーマスター300 233.30.41.21.01.001の方をお選びいただくことをお勧めいたします。
■オメガ シーマスターを徹底解説!選ばれ続けるその理由
■オメガ×映画007 ジェームズボンドモデルを大公開!
オメガの定番③コンステレーション
コンステレーションと言うとレディースのイメージを持った方もいらっしゃるかもしれませんが、もともとはメンズモデル。
そのためオメガ好きの男性陣から、根強い人気を誇ってきました。
事実、初出は1952年。
また、オメガが最も大切にしてきた「時計の精度(時間のズレのこと)」のシンボル的存在でもあり、オメガファンであれば必携の一本と言えるでしょう。
コンステレーションってどんな時計?
コンステレーション(constellation)は、英語で星座を意味します。
そのためロゴやインデックスなど、随所に星モチーフがあしらわれていることが特徴です。
しかしながらこの星座の意味は、デザインアクセントだけに留まりません。
コンステレーションの歴史そのものを表すコンセプトなのです。
画像引用:OMEGA
どういうことかと言うと、1952年、オメガ史上初の自動巻き腕時計として誕生したのですが、全製品が公認クロノメーター(時計の精度に関する規格のこと)取得機という画期的なもので話題になりました。
当時、時計の精度に関するコンクールはヨーロッパ各地の「天文台」で行われており、古代から星座は時の象徴であったことから、オメガが「正しく時を刻む時計」としての誓いをコンステレーションで時計に落とし込んだ形です。
そのため、精度コンクールで最も高名なスイスのジュネーブ天文台が、裏蓋に刻まれていることもまたコンステレーションの特徴となります。
ちなみにコンステレーションは長い歴史の中で、デザインを大きく変えています。
例えば初期はロレックスのデイトジャストにも通ずるような、とにかくドレッシーなデザインが採用されていました。
コンステレーション自体がオメガ屈指のハイエンドモデルであったためでしょう。
また、アンティークオメガで最も有名なものは「Cライン」。
1967年にジェラルド・ジェンタという、パテックフィリップのノーチラスやらオーデマピゲのロイヤルオークやら、数々の有名時計のデザインを手がけた天才時計デザイナーが彼の処女作として手掛けたものですが、今なおアンティーク市場では絶大な人気を誇ります。
ちなみに俳優の堺雅人さんは、かなり年式の古いコンステレーションをご愛用なさっているようです。
また、安倍晋三首相も、コンステレーションのCラインを愛用されています。
初期コンステレーション / Cライン
現在は1980年代から系譜をひくベゼル3時・9時にあしらわれた「四ツ爪」、ブレスレットとシームレスになったケースライン、ツヤ消しをした上品かつ独特なコマがデザインアイデンティティ。
時計に詳しい方なら一目で「あ、この人オメガ着けてる!」と気づいてくれるため、高級時計のステータスや認知度を大切にしたい方にもお勧めです。
コンステレーション 人気モデル
コンステレーションは今でこそクォーツ搭載機やオールステンレスの低価格帯商品は多いですが、もともとはハイエンドライン。
そのためゴールドを使ったもの、シェルを使ったものなど、非常に幅広いバリエーションが取り揃えられています。
初めて高級時計をご購入される方でも、「パーティーシーンで使える」「ここぞと言うときの一本」といった時計をお探しの方は、思い切ってハイエンドモデルに手を出してみてもいいかもしれませんね。
オメガ コンステレーション コーアクシャル 123.10.35.20.02.001
型番:123.10.35.20.02.001
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:35mm
文字盤:シルバー
駆動方式:自動巻き(Cal.2500)
コンステレーションの基幹モデル的な立ち位置がこちら!
自動巻きムーブメントを搭載した一本です。
オールステンレスという使いやすさも魅力ですね。
ちなみに現在は裏蓋はシースルーが採用され、オメガ渾身のムーブメントがご鑑賞いただけます。
機械好きにもたまりません。
相場はだいたい中古で30万円~50万円程。
直径35mmと大きすぎずスーツの袖口から目立ちすぎることがないため、若手サラリーマンであっても悪目立ちしないこともあり、手が出しやすいのではないでしょうか。
オメガ コンステレーション クォーツ 123.10.35.60.01.001
型番:123.10.35.60.01.001
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:35mm
文字盤:ブラック
駆動方式:クォーツ
「良い時計が欲しいけど、予算に限りがある」そんな方にはクォーツをお勧めいたします。
機械式時計と違ってゼンマイを巻く必要がなく、メンテナンスも比較的カンタン。
イニシャルコストも抑えられるのにオメガらしさは十二分に味わえるとあって、高コスパと言えるでしょう。
こちらのモデルの相場は中古で30万円~60万円程となっております。
オメガ コンステレーション 123.20.35.60.02.001
型番:123.20.35.60.02.001
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:35mm
文字盤:シルバー
駆動方式:クォーツ
逆に「ハイエンドモデルが欲しい!」そんな方はゴールドとのコンビモデルはいかがでしょうか。
ベゼルやコマの一部にゴールドをあしらうことによって、ラグジュアリーテイストを演出した逸品となります。
「ハイエンド」とは言えお値段は、中古で40万円~と出せない価格ではないでしょう。
さすが若手に優しいオメガですね!!
定番を外したコンステレーションが欲しい方へ
定番を外したコンステレーションが欲しいという方におすすめな、アンティークな雰囲気のモデルを紹介します。
オメガ コンステレーション グローブマスター 130.30.39.21.03.001
型番:130.30.39.21.03.001
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:39mm
文字盤:ブルー
駆動方式:自動巻き(Cal.8900)
スピードマスターやシーマスター同様「マスター」の名を冠するモデルですが、グローブマスターは2015年誕生とかなり新しいモデルです。
しかしながら、コンステレーションの伝統的コンセプト―すなわち高精度への追求―を一身に受け継いだモデルと言っていいでしょう。
先ほどから「マスタークロノメーター」にしょっちゅう言及していますが、これはオメガとMETAS(スイス連邦計量・認定局)によって2014年、新たに制定された時計の品質規格です。
高い精度・性能はもちろん、超高耐磁を持つことで話題となりました。
時計の故障の大きな原因となる「磁気帯び」ですが、携帯電話やパソコンが当然のように存在する現代では、より深刻です。
そんな磁気帯びに対して一つのソリューションとなったマスタークロノメーターは、時計界にとっては非常にセンセーショナルなものとして、一世を風靡したものです。
このマスタークロノメーターの、認定機第一号がグローブマスターなのです。
こういった背景があるためか、現行ではなく初期コンステレーションのデザイン意匠が引き継がれていることが何よりの特徴です。
特にアンティーク好きから「パイパンダイアル」の通称で知られる、12角形に盛り上がった文字盤。
ちなみにパイパンとはパイを焼くフライパンで、日本では蜘蛛の巣文字盤とも呼ばれています。
また、フルーテッドベゼルや流麗なケースラインなど、ドレッシーにまとめ上げられており、オメガファンからも非常に高い人気を誇ります。
ちなみに海外俳優のエディ・レッドメインさんやマイルズ・テラーさんなどがグローブマスター愛用者として知られています。
シースルーの裏蓋からはおなじみジュネーブ天文台が顔をのぞかせるところも、憎い演出ですね。
価格はモデルにもよりますが、中古で状態が良いもので80万円~ほど。
ちょっとお高めですが、一生の相棒としてもお使いいただけるクォリティとデザインです。
オメガの定番④デビル(デ・ヴィル)
これまたレディースのイメージが強いかもしれませんが、大人の男性のドレスウォッチとして有名なデビル。
ちなみにこの名前は悪魔のDevilではなく、フランス語で「街・都会」を意味するDeVilleが由来です。
1960年、当初はシーマスターの一部モデルとしてラインナップされました。
もともとシーマスターは薄型ダイバーズウォッチとして開発されていたためでしょう。
しかしながらデビルの人気や完成度の高さゆえか、1967年に独立コレクションに。
以来、優雅さと気品を備えた薄型ドレスウォッチの代名詞的存在としての地位を確立していきました。
デビルは素材やデザインにバリエーションがあり、かつ製造本数がそう多くはないため一概に人気・定番モデルを挙げることができないのですが、大きく分類すると以下の通りになります。
- デビル
- アワービジョン
- プレステージ
それぞれを解説いたします。
デビル 人気モデル
クラシカルな雰囲気を楽しむことができる、デビルの人気モデルを紹介します。
オメガ デビル 431.10.41.21.01.001
型番:431.10.41.21.01.001
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:41mm
文字盤:ブラック
駆動方式:自動巻き(Cal.8500)
最も定番のデビルがこちらです。
いかにもオーソドックスなドレスウォッチといった様相ですね。
細かなリンクが連なったブレスレットや無駄のない上品な文字盤デザインが特徴です。
なお、現在無印デビルはクロノグラフモデルのみとなり、3針はプレステージまたはトレゾアでのラインナップとなります。
オメガ デビル プレステージ 424.10.37.20.01.001
型番:424.10.37.20.01.001
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:36.8mm
文字盤:ブラック
駆動方式:自動巻き(Cal.2500)
「プレステージ」とは、威信や威光、名声を意味する英語です。
転じてラグジュアリーなものを指す製品用語などに使われてきました。
その名の通り、プレステージと名がつくデビルは、贅沢な外装デザインが何よりの特徴です。
オーソドックスなラウンドフォルムや細かなリンクのブレスレットを有しながら、丁寧な外装仕上げや上品な針,インデックスなどを有しており、シンプルなのに非常にドレッシーですよね。
ちなみにレディースモデルも多数ラインナップされており、お揃いのプレゼントなどでも人気が高くなっております。
オメガ デビル アワービジョン 431.63.41.21.13.001
型番:431.63.41.21.13.001
素材:レッドゴールド
ケースサイズ:41mm
文字盤:ブラウン
駆動方式:自動巻き(Cal.8501)
2007年にデビルに追加されたアワービジョン。
既に生産終了となっていますが根強い人気のモデル。
これまでシンプル&エレガントであったデビルに遊び心を加えた形となります。
そのためステンレススティールモデルも存在しますが、ゴールド素材を使ったもの。
あるいは独創的な文字盤デザインを採用したものが多くラインナップされており、なかなか通好み。
スーツスタイル、あるいはタウンユースどちらにも合わせやすいモダンテイストですので、もちろん初めてオメガに挑戦するという方であっても使いやすいと言えます。
オメガの定番⑤レイルマスター
最後にご紹介するのは、スピードマスター、シーマスターとともに発表されたレイルマスターです!
とは言え定番よりは、やや「通好み」かもしれません。
それと言うのも、レイルマスターは前者二機と異なり、1957年~1961年というわずかな期間しか製造されていなかったためです。
しかしながら2017年、マスター三兄弟の60周年を記念してレイルマスターが再販されます。
2017年当時は限定生産だったのですが、あまりの人気っぷりにレギュラー化を果たしました。
そんなレイルマスターはいったいどのような時計なのでしょうか。
レイルマスターってどんな時計?
その名前の通り、レイルマスターは鉄道時計として開発されました。
そもそも鉄道時計は車掌・鉄道員や磁気の強い現場で働いている技師たちのために開発された時計であり、何よりも耐磁性能が重視されます。
そのため初代レイルマスターも例にもれず、最大1,000ガウスの耐磁性を備えるハイスペックモデルとして製造された歴史を持ちます。
さらに、車掌さんが走行中でも容易に時間を確認できるよう、至ってシンプルで視認性に特化したデザインが特徴です。
そんな初代を踏襲して発表されることとなったのが、当レイルマスターです。
ちなみに60周年リバイバルのもっと前、2003年に一度アクアテラの派生モデルとして登場したことがありましたが、よりヴィンテージ感が強まっていることが今作の特徴です。
なお、シーマスターの派生モデルといった形でレギュラー入りしていますが、既存のシーマスターとはまた違ったデザインで、「オメガかぶり」の心配はあまりないでしょう。
レイルマスター 人気モデル
ヴィンテージな雰囲気を楽しむことができる、レイルマスターの人気モデルを紹介します。
オメガ レイルマスター 220.10.40.20.01.001
型番:220.10.40.20.01.001
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:40mm
文字盤:ブラック
駆動方式:自動巻き(Cal.8806)
縦方向にブラッシュ加工された文字盤、そっけないまでにシンプルな針・インデックスが特徴的なこちらが最もオーソドックスなレイルマスターです。
日付表示すらなく、非常にヴィンテージな風合いに仕上がりました。
ちなみにシーマスターの派生モデルですので、150m防水とスペックは現代風で申し分ありません。
新品の価格帯は50万円前後~。
オメガ トリロジー レイルマスター 60周年リミテッド 220.10.38.20.01.002
なお、アロー針が採用されている実際の60周年記念モデルはわずか3,557本という製造数であったため、コンディションにもよりますが、現在は80万円近い相場を記録しており、なかなか手に入れることができないでしょう。
まとめ
初めてオメガをご購入される方に向けて、当店で人気があり、オメガの定番、かつ価格的にも手が出しやすいモデルをご紹介いたしました。
スピードマスターは月へ行ったクロノグラフ。
シーマスターはオメガ屈指のダイバーズウォッチライン。
コンステレーションおよびグローブマスターはオメガの伝統と革新のシンボル。
デビルはエレガントなドレスウォッチ。
レイルマスターは機能性に特化しつつヴィンテージを活かしたリバイバルコレクションなどなど・・・
いずれも、オメガの想いがこもった、オメガ好きも納得の逸品です。
当店でも新品、中古、アンティークなど様々なオメガ製品を取り扱っておりますので、気になるモデルがある方はぜひ一度お問合せください!
当記事の監修者
新美貴之(にいみ たかゆき)
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 店舗営業部 部長
1975年生まれ 愛知県出身。
大学卒業後、時計専門店に入社。ロレックス専門店にて販売、仕入れに携わる。 その後、並行輸入商品の幅広い商品の取り扱いや正規代理店での責任者経験。
時計業界歴24年