みんな大好き映画『007』。
イアン・フレミング氏が生み出した一人のスパイによって織りなされる、不朽の名作です。
そのスパイの名はボンド。ジェームズ・ボンド。
彼の振る舞いや大立ち回りに、世界中の男女が虜となってきました。
そんな『007』の楽しみ方の一つは、ボンドが愛用している小物にフォーカスすること。
中でも近年定番となったオメガのボンドウォッチは、腕時計愛好家からも熱視線を浴びせられる代表格です。
そこでこの記事では、オメガを始めとした「ボンドウォッチ」をまとめてご紹介いたします!
オメガが『007』とタッグを組んで開発した限定モデルから実際に作中に登場した一本まで、幅広く網羅いたしました。
2022年にローンチされた最新作、映画『007』60周年モデルもご紹介いたしております。
ジェームズボンドという男の生き様を表したかのような、かっこいい名作の数々をお楽しみください。
画像引用:OMEGA
目次
オメガと映画『007』の関係性とは?
映画『007』でジェームズボンドが愛用している車やスーツ、腕時計等は、よく映画好きの間で話題となってきました。
ボンドは一流海軍将校でありカリスマスパイ。
持ち物も一流ですから、当然と言えるかもしれません。
車はアストンマーチン、スーツはブリオーニやトムフォード。
では、腕時計はと言うと、初代からの根強いファンは断然「ロレックス」でしょう。
一方、最近の映画版で着用されるのはオメガのシーマスターです。
画像引用:OMEGA
オメガのシーマスターが作中で見られるようになったのは、1995年公開の『007 ゴールデンアイ』以降となります。
その経緯には、「映画にかかるコスト対策」といった面がささやかれることがしばしば。
もちろんスポンサードという意味合いはあるでしょう。
一方で、『ゴールデンアイ』の衣装デザイナーを務めたリンディ・ヘミングス氏―アカデミー衣裳デザイン賞を受賞した『トプシー・ターヴィー』始め、『ダークナイト』『ワンダーウーマン』等々、そして『007』のシリーズで手腕を振るってきた―が、当該作品(ゴールデンアイ)の腕時計のチョイスを行ったといった背景もあったようです。
いずれにせよ、ボンドのオックスフォード大学出の海軍将校という経歴や洗練された立ち居振る舞いは、どこかオメガと通ずるものがありますね。
堅牢でスポーティーな中にもエレガントや上品さを漂わせていること。
わかりやすい華美さはなくとも、高い機能性を秘めていること。
そういうわけで、オメガのボンドウォッチも非常に高い評価を得ていることに間違いはありません。
オメガ×『007』の限定モデルを一挙公開!
「オメガのボンドウォッチ」という時、実際に映画で使用された時計と特別生産されるオマージュモデルの二つの意味があります。
この項では、オメガが映画に合わせてリリースしている、限定モデルをご紹介いたします。
『007』そしてジェームズボンドらしさ溢れるスペシャルエディションの数々は随所にこだわりが見られます。
007ファンはもちろん必見ですが、オメガの品質の高さや優れたコストパフォーマンスは健在。
かっこいい時計が欲しい、ちょっと変わったモデルを探しているという方々にも、自信をもっておすすめできます。
【ボンド60周年記念】シーマスター ダイバー300M 210.30.42.20.03.002
型番:210.30.42.20.03.002
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径 42.0mm
文字盤:ブルー
駆動方式:自動巻き(Cal.8806)
時代を超えて、世界中で愛され続けてきた映画『007』。
そして銀幕のスター、ジェームズ・ボンド。
その記念すべき第一作は、1962年に公開された『ドクター・ノオ(007は殺しの番号)』でした。
すなわち、2022年は映画『007』の60周年!
特別な関係性を保ってきたオメガは、人気コレクション「シーマスター ダイバー300M」で、この節目の年に特別モデルを発表しました!
まずはアイコニックな、シーマスター ダイバー300M 210.30.42.20.03.002です!
画像引用:OMEGA
シーマスター ダイバー300Mはその名の通り300m防水を誇るダイバーズウォッチですが、無骨さのない、洗練されたデザインや光沢が魅惑の一大コレクション。
この『007』60周年記念モデルもエレガントで洗練されたオーラを湛えておりますが、一方で、どこか懐かしさを感じるファンもいらっしゃるのではないでしょうか。
この特別モデルは、現行シーマスター ダイバー300Mをベースにしつつ、オメガ×映画『007』の関係性がスタートした1995年『ゴールデンアイ』の、劇中で登場したシーマスター プロダイバーズ300M Ref.2541.80に範を取っているのです。
画像引用:OMEGA
後述しておりますが、『ゴールデンアイ』でピアース・ブロスナン氏が扮するボンドが、着用したRef.2541.80。
深みのあるブルーと波模様の文字盤が特徴的な一本ですが(現行ではシーマスター ダイバー300Mの文字盤意匠にウェーブ模様があしらわれていますが、当時のプロダイバーではフラットだったため、ひときわ印象的なものでした)、この濃いブルーと装飾がリバイバルされた結果、60周年記念モデルもアイコニックに仕上がった次第です。
肉抜きされた針やホワイトが基調となったインデックス、ロリポップ秒針と相まって、爽やかな印象です。
画像引用:OMEGA
また、前作のオメガ×007/ノー・タイム・トゥ・ダイに当たるシーマスター ダイバー300Mではチタン素材が採用されましたが、今作ではステンレススティールに回帰。
加えてレギュラーのシーマスター ダイバー300Mはベゼルインサートにセラミックを用いていることに対して、記念モデルではレトロで懐かしい風合いのアルミとなっていることも、特筆すべき点です。
濃いブルーと相まって、60周年記念モデルをアイコニックにさせています。
なお、アルミは傷や経年の影響を受けやすいものですが、オメガではシュウ酸アルマイト処理を表面に施すことで、硬度や耐摩耗性を高めております。
往年のツールウォッチを思わせる、ボックス型サファイアクリスタルガラスやノンデイト仕様も良い味出してますね!
扱いやすい42mmサイズのケースはポリッシュ仕上げが美しく、つや消し仕上げとのメリハリと相まって、エレガンスな高級スポーツウォッチといった様相です。
前作でも採用され、人気の大きな要因の一つとなったメッシュブレスレットもオシャレな印象を醸します。
さらに近年の特別モデルらしく、随所に007のモチーフやコンセプトをあしらった、遊び心も健在です!
オメガ×007の特別モデルと言うと、この遊び心が楽しみという方もいらっしゃるでしょう。
まず、逆回転防止ベゼルの12時位置。
通常モデルは夜光カプセルと三角マークがセッティングされますが、当モデルでは「60周年」を祝して60のスケールが印字されています。
画像引用:OMEGA
ちなみにスーパールミノヴァ夜光が二つのカラーで楽しめるのも、ポイント。
グリーンとブルーの明るい光が、暗闇でもスペシャルな顔立ちを楽しませてくれますね。
さらに特別仕様は、表側だけに留まりません。
裏側をひっくり返してみてください。
従来、オメガ×007の特別モデルの裏蓋側もスペシャルな仕様となっていたものですが、最新作ではお馴染みのオープニングが演出されることとなったのです。
画像引用:OMEGA
どういうことかと言うと、シースルーとなったバックガラスには微細構造の金属加工によって装飾が施されていますが、その下にガンバレル・シークエンスとボンドのシルエットがセッティングされています。
ガンバレルのディスクはロリポップ秒針と連動しており、これが回転することで「モアレ効果」を生み、アニメーションのように楽しめる、と!
※モアレ効果とは、規則正しい模様を複数並べることで、視覚的に縞模様が発生する現象。モアレ効果は動かすことで、模様もまた動いているように見えるため、アート等で利用されることもあります。
オメガはこういった、高い技術力に裏打ちされた遊び心の演出が巧みだからこそ、数々の特別モデルが大成功を収めているんですよね。
この見事なアニメーションの隙間からは、搭載された自動巻きムーブメントCal.8806を確認することができます。
ノー・タイム・トゥ・ダイでの特別モデルでも搭載されたムーブメントですね。
15,000ガウスと業界トップクラスの耐磁性が高名なマスタークロノメーター認定機となっており、デザイン・性能ともに全く死角のないダイバーズウォッチと言えるでしょう。
画像引用:OMEGA
付属品もまた特別仕様となっており、ボックスのドットはクラシックなボンド映画のオープニングシーンから着想を得たとのこと。
ちなみに中央のドットは隠しボタンとなっており、こちらから開けられるようです。
国内定価は1,287,000円。
シーマスターの中ではハイエンドですが、裏蓋側のギミックやよく作りこまれた随所を鑑みれば、適正価格ではないでしょうか。
ちなみに、オメガ×007屈指のラグジュアリーなシーマスター ダイバー300Mも同時リリースされています。
カノープスゴールド製の一本です!
画像引用:OMEGA
カノープスゴールドは2022年新作スピードマスターに用いられたことで話題となった(使用は2015年からとのこと)オメガの独自合金で、18Kホワイトゴールドにプラチナ、ロジウム、パラジウムがが配合されています。
メッキいらずの美しく白い輝きをまとうのみならず、優れた耐久性を有するゴールドで、太陽以外では全天で2番目に明るい1等星「カノープス」と言う名がピッタリですね。
ナチュラルグレーのシリコン製文字盤や人工処理されたグリーンまたはイエローのダイヤモンドがセッティングされたベゼル、裏蓋のアニメーションの下から垣間見える18Kセドナゴールド製ローターが、格別の一本。
画像引用:OMEGA
いずれも限定生産等の記載はありません。
しかしながら近年のオメガ人気を・そして当モデルの魅力を見るに、ステンレススティールモデルであっても、入手困難な状況がしばらくは続くのではないかと予測できます。
【2021年公開/ノー・タイム・トゥ・ダイ】シーマスター ダイバー300M 210.90.42.20.01.001
画像引用:OMEGA
次にご紹介するのは、『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』の記念モデルです!
オメガのスペシャルボンドウォッチは、必ずしも映画公開と足並みをそろえるわけではありません。
しかしながら当モデルでは、予告編公開とともにリリースされました。
もっとも新型コロナウイルスの影響で2019年末公開が先延ばしとなり、実際の公開は2021年となりましたが・・・。
とは言え当作品は、ジェームズ・ボンドファンにもオメガファンにもどこか特別な感傷を呼び起こしますね。
なぜなら今作を以て、ダニエル・クレイグ氏がボンドを引退したのですから!
ダニエル・クレイグ氏と言えば、2006年公開『カジノロワイヤル』で6代目ボンドに就任して以来、従来とは全く異なるテイスト―シリアスさ―を映画に加えたことで話題になりましたね。
当初は賛否両論もありましたが、今では「ジェームズ・ボンドはダニエル・クレイグでなくては」といった方も多いでしょう。
オメガにとっても特別な一本となるのか、これまで同社が発表してきたボンドウォッチ(歴代シリーズは次項より解説)とも、現行オメガの製品とも、異なる様相を呈していることが特徴です。
そんな『ノー・タイム・トゥ・ダイ」スペシャルエディションの詳細は下記の通りです。
シーマスター ダイバー300M 210.90.42.20.01.001
型番:210.90.42.20.01.001
素材:チタン
ケースサイズ:直径 42.0mm
文字盤:ブラック
駆動方式:自動巻き(Cal.8806)
このスペシャルエディション、発売当初から本当にお問合せが多かったモデルです。
数量限定生産ではないものの、発売からしばらくは市場でなかなか見かけない状況が続き、ようやく入荷できたのは半年ほど経った頃。
そちらもすぐに完売しており、オメガ×007人気、そして今作の話題性の高さを思わせるものでした。
このモデルの魅力。
それは、一目見て、ヴィンテージ感満載であることからお分かりいただけるでしょう!
シーマスター ダイバー300Mとはオメガのフラグシップの一つなのですが、どちらかと言えばモダンな印象が強いモデルです。
しかしながら今作では、古き良きミリタリーテイスト一辺倒に仕上がります。
画像引用:OMEGA
現行シーマスター ダイバー300Mの意匠に採用されている「波模様の文字盤」が一掃され、マットブラックが採用されました。
ちなみにこの文字盤とベゼル素材はアルミ!
ヴィンテージ好きにはたまらない仕様です。
また、通常モデルはデイト機構が搭載されますが、これまた廃され3針のみのシンプリシティへ。
オメガには珍しいミラネーゼブレスレットも、ヴィンテージ感に一役買います。
なお、ケース・ブレスレットの素材にチタンを採用することで、アクティブな現代人に優しい軽量さ・強靭さを獲得しました。
これはダニエル・クレイグ氏の着想だとか。
曰く、「007のような軍人にとって、腕時計が軽量であることは重要だ」と。
そして「驚くほど快適な着け心地」と彼自身が太鼓判を押す一本となりました。
搭載するムーブメントもオメガが誇る最新世代キャリバー8806で、ヴィンテージ感があるとは言え、ユーザビリティはむしろ最先端となっております。
画像引用:OMEGA
裏蓋にエングレービングされた数列も当新作を特別なものとするスパイスとなっております。
と言うのも、最上列の0552は実際のイギリス海軍メンバーに使用されていたコードナンバーで、923 7697はダイバーズウォッチのナンバリングです。
その下は殺しのコード「007」、ねじ込み式リューズ仕様の時計の「A」、そしてジェームズ・ボンドの映画処女作『ドクターノオ』の公開年1962年にちなみます。
さらに嬉しい特別なポイント・・・それは、このシーマスターが、実際に『ノー・タイム・トゥ・ダイ』で使われる―すなわちダニエル・クレイグ氏演じるボンドが着用したということ!
ちなみに前作『スカイフォール』で登場した限定シーマスター300(詳しくは後述)をやはりダニエル・クレイグ氏が劇中で着用したことで爆発的な人気を集め、なかなか市場に出回らないという現象を生み出しました。
当新作はオメガが「売れる!」という強気の姿勢を見せているのか、定価は1,089,000円(初出時。現在は1,551,000円)と高価格です。
発売当時の007モデルのプライスレンジは80万円台が平均でしたので、オメガにとっても特別な一本であることがわかります。
なお、NATOストラップモデルも同時リリースされました。
シーマスター ダイバー300M 210.92.42.20.01.001
型番:210.92.42.20.01.001
素材:チタン
ケースサイズ:直径 42.0mm
文字盤:ブラック
駆動方式:自動巻き(Cal.8806)
チタンケースと合わせてさらに軽量となっており、よりアクティブに使いたい方はこちらがおすすめです。
【2021年公開/ノー・タイム・トゥ・ダイ】シーマスター ダイバー300m プラチナ ナンバード・エディション 210.93.42.20.01.001
型番:210.93.42.20.01.001
素材:プラチナ
ケースサイズ:直径 42.0mm
文字盤:ブラック
駆動方式:自動巻き(Cal.8807)
画像引用:OMEGA X
実は、『ノー・タイム・トゥ・ダイ』公開記念のスペシャルエディションはもう一本存在します。
2020年8月にゲリラ的に新作発表された、こちら!
プラチナゴールドケースが美しく、まさにダニエル・クレイグ氏の集大成作にふさわしいモデルと言っていいでしょう。
ベースは007でおなじみのシーマスターですが、プラチナゴールドをケース・バックルに用いたきわめて豪勢な一本なのです。
この「プラチナゴールド」はプラチナ950に金20を割り金とした合金となります。
この響きだけでゴージャスですが、さらには通常のプラチナよりも美しく輝きを放つのだとか。
画像引用:OMEGA
この素材に次いで目を惹くのが、文字盤デザインではないでしょうか。
こちらは、後述する2019年新作『女王陛下の007』公開50周年記念モデルに端を発するデザインコードです。
『007』のオープニングでお馴染みであり、かつアイコンともなっているガンバレル(銃砲身)のモチーフがあしらわれていますが、これはホワイトゴールド製とのこと。
さらにブラック文字盤もエナメル製とのことなので、実機はきわめて美しい光沢を放っていることでしょう。
また、10時位置のインデックスには特別なスーパールミノバ夜光が仕掛けられており、暗闇で「50」の数字が浮かび上がるという、オメガの007らしいギミックをお楽しみ頂けます。
さらに非常に細やかな遊び心とはなりますが、7時位置のミニッツトラック(これまたホワイトエナメル製)に007のロゴが、12時位置とシースルーバックにボンド家紋章があしらわれました。
画像引用:OMEGA
ベゼルについても言及しなくてはなりません。
シーマスター ダイバー300mのアイデンティティでもあるセラミック製ベゼルにはプラチナゴールドのダイビングスケールが記されていますが、このスケールがやや浮き出ている印象を受けませんか?
これは「ポジティブレリーフ」と呼ばれる、立体的に盛り上がった加工技法となります。
通常シーマスターの波模様ダイアルに用いられてきたスタイルですが、ベゼルにあしらうことでより高級機らしい躍動感を実現していますね。
搭載するムーブメントはローターとテンプ受けのブリッジにセドナゴールドを採用した、特別なCal.8807。
高耐磁性能を誇るマスタークロノメーター認定機として、実用性にも考慮された造りとなりました。
なお、ケースサイドの個別番号をエングレービングしたプレートはプラチナ,バックルもプラチナゴールド,そしてインデックスやボンド家紋章など各エレメンツをホワイトゴールドで作りこんだ、まごうことなき「高級機」のこちらは、初出時の定価6,127,000円(最終価格は7,128,000円)です。
オメガの中では超高価格帯ですが、近年の同社のハイエンドラインの出来栄えは本当に見事という他ありません。
また新たにオメガの高度な実力を時計業界に知らしめた逸品であったことは間違いないでしょう。
【女王陛下の007公開50周年記念】シーマスター ダイバー300M 210.22.42.20.01.004
先ほど2020年公開『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』のスペシャルエディションをご紹介しましたが、それより以前の2019年9月、実はもう一本の新作リミテッドエディションがリリースされています!
後述する前作のコマンダーウォッチの発表が2017年ですから、二年ぶりでしたね。
こちらは、1969年の『女王陛下の007』公開50周年を祝して発表された一本となります。
007シリーズとしては第六作目。
唯一ジェームズ・ボンドをジョージ・レーゼンビー氏が演じた作品ですね。
詳細スペックは下記の通りです。
シーマスター ダイバー300M 210.22.42.20.01.004
型番:210.22.42.20.01.004
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径 42.0mm
文字盤:ブラック
駆動方式:自動巻き(Cal.8800)
ジェームズ・ボンドモデルは多々ありますが、実際の劇中で使われるものばかりではありません。
基本的にはオメガの通常モデルが使用されます。
一方でこれまでご紹介してきたように、007らしいモチーフやオマージュが散りばめられた、遊び心溢れる特別モデルもリリースされ、ファンに愛され続けてきました。
このウォッチも、その遊び心が溢れています。
まず文字盤には、オープニングでおなじみのアイコン・ガンバレル(銃砲身)モチーフがあしらわれており、さらに中央部はボンドの愛機ワルサーPPKで使われる弾頭サイズ9mmに収まっています。
先ほどのモデルはプラチナ製でしたが、こちらはステンレススティール製のため、気軽に楽しめるのが嬉しいところですね。
画像引用:OMEGA
12時位置にボンド家の紋章を、そして暗闇では特殊夜光塗料によって10時位置のインデックスに50の文字が浮かび上がる仕様となっております。
公開から50周年を経た意味で、当数字をインスパイアしたのでしょう。
その他にも、デイト窓が「07」を指すと、かつて使われ今では伝説となった、007フォントが現れたり、シースルーバックのサファイアクリスタルにはゴールドとブラックを用いてボンド家の紋章がプリントされていたりと、007ファンにはたまりません。
定価は税込770,000円、世界限定7,007本生産。
ケースサイドにイエローゴールドのプレートで各時計の限定番号があしらわれます。
また、今作だけに限った話ではありませんが、007仕様の特別な化粧箱が付属します。
これまでの007ウォッチに比べてインデックスや針などにイエローゴールドがあしらわれたラグジュアリー感が今作の特徴でしょう。
もともとシーマスターは高級感のあるダイバーズウォッチですが、さらに英国紳士であるボンドのダンディズムを感じさせる仕上がりです。
前述の通りボンドウォッチは、例年国内入荷が始まるとすぐに売れてしまう超人気作。
当店でも、非常に多くのお問合せをいただきます。
限定生産であるためか発売からしばらく経ってもなかなか需要が止まずに常に品薄で、この後ご紹介する過去製品は、今なおオメガ屈指の人気モデルとして君臨しています。
今回も世界で7007本限定生産と、争奪戦が繰り広げられそうです。
本当にボンドウォッチが欲しい方は、ぜひ出会った時にお買い求めいただくことをおすすめします!
【2017年発表】シーマスター ダイバー300M コマンダーウォッチ 212.32.41.20.04.001
画像引用:OMEGA
次にご紹介するのは、2017年に発表された「コマンダー」ウォッチ!
前項で解説した新作や、2017年より前に発表されたモデルとは一線を画す一本です。
詳細スペックはこちら。
シーマスター ダイバー300M コマンダーウォッチ 212.32.41.20.04.001
型番:212.32.41.20.04.001
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径 41.0mm
文字盤:ホワイト
駆動方式:自動巻き(Cal.2507)
こちらのモデルが発表された2017年は『007』にとっては節目が多い年でした。
第5作目『007は二度死ぬ』から50年、第10作目の『私を愛したスパイ』から40年、そして18作目の『トゥモロー・ネバー・ダイ』から20年の区切りがついているのです。
そして上記作品には全て英国海軍中佐(コマンダー)の軍服を着たジェームズボンドが出演している、という共通点があります。
そのためアニバーサリー的な意味合いで、スパイシーンのボンドよりもコマンダーボンドををモチーフとしたスペシャルエディションとなりました。
画像引用:007.com
それゆえ、映画内では使われてこなかった白文字盤が何よりの特徴。
アクションシーンでのボンドよりも、オックスフォード大学卒のエリートコマンダーといった面持ちでしょうか。
シャープな印象を与えるブルーのスケルトン針と、ダイバーズウォッチらしいデザインのインデックスが爽やかな印象。
ピストルのモチーフが使われている赤い秒針や007をリスペクトした7日が赤になったデイトもこだわりを感じますね。
ケースバックも限定感溢れる仕上がりとなっています。
シーマスターならではの波模様が施されたエッジデザインに「Commander’s Watch」「Limited Edition」の文字が書き加えられたデザインは限定感たっぷり。
シリアルナンバーも刻印されるため、自分だけの一本として、愛着を持つことができます。
また、ムーブメントのローターはこのモデルのためだけに制作された特別仕様。
よく見ると3本のストライプのようなデザインになっており、これは英国海軍中佐の階級章を表しています。
加えて中央付近には007のロゴがカッコよく描かれ、ローター芯には銃弾の痕がデザインされているのが魅力的。
ちなみにこのモデルに使用されているムーブメントは”キャリバー2507″。
コーアクシャル機構を搭載したクロノメータームーブメントであり、確かな精度と耐久性を誇ることは、スパイとしても海軍将校としても欠かせませんね。
画像引用:OMEGA
当時の定価は税込み572,400円ですが、発売当初は実勢相場60万円台、現在でも稀少価値の高さからプレミアム価格で売り出されています。
しかも7007本限定生産であったため、時計専門店であっても必ずしも在庫があるとは限りません。
007モデルは本当に人気が高いので、また値上がりする可能性も否めないでしょう。
【007 スペクター(2015年公開)】シーマスター300 233.32.41.21.01.001
画像引用:OMEGA
ボンドウォッチのスペシャルエディションは映画内で使用されることはあまりない、と申し上げました。「007」は殺しの番号。
そのモチーフが入った時計をスパイが身に着けていたら、すぐに身バレしてしまいますね。
しかし、こちらの2015年に公開されたスペシャルエディションは映画で実際に出演しています。
これは、ボンドウォッチ史上初。
詳細は下記の通りです。
シーマスター300 233.32.41.21.01.001
型番:233.32.41.21.01.001
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径 41.0mm
文字盤:ブラック
駆動方式:自動巻き(Cal.8400)
こちらのシーマスター300は、1957年に発表された初代シーマスターを踏襲したコレクションです。
シーマスター300自体の人気もさることながら、007とコラボしたことで、オメガには非常に珍しい「プレミアモデル」として君臨しています。
そんなシーマスター 300 Ref.233.32.41.21.01.001は、外装がシックな黒基調であることがまず見てとれるでしょう。
今流行りのヴィンテージ調が取り入れられており、6代目に当たるダニエル・クレイグ氏の、少しシリアスで理知的なボンドに非常に良く合っています。
そう、このエディションは、ダニエル・クレイグ氏の傑作として知られる『007 スペクター』の記念モデルとして発売されているのです。
昔ながらの映画ファンならご存知のように、今でこそ「ダニクレボンド」として親しまれていますが、ダニエル・クレイグ氏は6代目に就任した時、007映画史上最大とも言えるバッシングを浴びていました。
一方でダニエル・クレイグ氏によって映画『007』は最高興行収入をたたき出すことにもなり、ファン層が厚くなったことでも知られています。
そのため、彼に憧れてこの時計を買った方もいらっしゃるでしょう。
ちなみにオメガのボンドウォッチで黒文字盤が採用されたのもダニエル氏からとなります。
とは言え作中でも使われているくらいですから、ぱっと見では特別仕様であることはわかりません。
しかし付属のNATOストラップはジェームズボンドNATOストラップと称され、ストラップホルダーに「007」と刻印されているのです。
そして最も特筆すべきはムーブメント。
画像引用:OMEGA
ボンドが使用する時計は何らかのギミックが仕掛けられており、起爆装置だったり非常灯だったりと私たちを楽しませてくれるのが通例。
そういったスパイのための装置ではありませんが、搭載するムーブメントはコーアクシャル機構という画期的なシステムが採用されており、抜群の耐久性を実現しているのです。
オメガは壊れづらいことで有名ですが、ボンドのアクションっぷりを見ればそれがいかに重要かわかりますね。
また、超高耐磁をも備えており、どんな過酷な環境下でも時計本来の価値を発揮してくれます。
実はこちらはオメガでは珍しい定価を大きく上回るプレミアモデル。
定価は税込820,800円でしたが、現在150万円を超える価格帯で売り出されているのです。
ボンドらしさもオメガらしさも兼ね備えた、最高傑作のうちの一つであることに間違いありません。
【007 スペクター(2015年公開)】シーマスター アクアテラ 231.10.42.21.03.004
画像引用:OMEGA
同じく2015年公開『007 スペクター』の記念モデルです。ただしこちらは007感満載のスペシャルエディション!
シーマスター アクアテラ 231.10.42.21.03.004
型番:231.10.42.21.03.004
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径 41.5mm
文字盤:ブルー
駆動方式:自動巻き(Cal.8507)
賛否両論を跳ね除け、初出『カジノ・ロワイヤル』でシリーズ最高の興行収入を叩き出したダニエル・クレイグ版007。
それをさらに上回った『スカイフォール』(2012年公開)からアクアテラを劇中で見るようになりました。
そのため、『スペクター』に先駆けて発売されたこちらのスペシャルエディションも、ダニエル・クレイグ氏らしさを感じさせるエレガントな印象。
秒針の先と文字盤にボンド家の紋章があしらわれており、ローターはお馴染みの銃口を連想させるデザインです。
耐磁性も15007ガウスと表記するなど、ファンには堪らないこだわりを随所に見る事が出来ます。
ちなみに今やオメガにとってはお家芸となった「15,000ガウス」耐磁ムーブメントですが、この特別文字盤では「15007」となるにくい演出。
アクアテラはシーマスターの中でもエントリーモデル的な立ち位置であり、2015年当時の定価は60万円台、実勢価格は30万円~40万円台といったところですが、こちらのボンドモデルはまた別格。
定価は766,800円で、ハイエンドライン。
15,007本限定生産と流通量は豊富でしたが、現在は年式を経た個体でも80万円超となることも珍しくなく、スペクター人気を伺い知れます。
【2012年発表 劇場公開50周年】シーマスター プロフェッショナル 212.30.41.20.01.005
画像引用:OMEGA
シーマスター プロフェッショナル 212.30.41.20.01.005
型番:212.30.41.20.01.005
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径 41.0mm
文字盤:ブラック
駆動方式:自動巻き(Cal.2500)
2012年、映画『007』劇場公開50周年を祝したアニバーサリーモデルです。
ちなみにこの年に公開した『スカイフォール』はボンド史上最高傑作とも言われ、シリーズ歴代記録を更新しました。
記念の年を祝福するためにベゼルの”50”だけを赤く塗り、今までの007限定モデルよりもより特別感が強いデザインに仕上がっていますね。
ケースバックはシースルーではありませんでしたが、銃口をイメージさせるモチーフがあしらわれていました。
世界限定11,007本生産。
【007 スカイフォール(2012年公開)】シーマスター プラネットオーシャン 232.30.42.21.01.004
画像引用:OMEGA
シーマスター プラネットオーシャン 232.30.42.21.01.004
型番:232.30.42.21.01.004
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径 41.5mm
文字盤:ブラック
駆動方式:自動巻き(Cal.8507)
同年にあたる2012年、『スカイフォール』の公開を記念して5,007本のみ限定生産されたレアなスペシャルエディション。
7時のインデックスがお馴染みのロゴマークになっていることはもちろん、エンボス模様の文字盤やタフさが全面に出たプラネットオーシャンのケースが、新しい時代のボンドを感じさせます。
この装飾は、ボンドの愛車のイメージでしょうか。
プラネットオーシャンはシンプル文字盤が多いので、オメガファンにも嬉しい限定モデルとなっております。
【007 慰めの報酬(2008年公開)】シーマスター プラネットオーシャン 222.30.46.20.01.001
画像引用:OMEGA
シーマスター プラネットオーシャン 222.30.46.20.01.001
型番:222.30.46.20.01.001
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径 45.5mm
文字盤:ブラック
駆動方式:自動巻き(Cal.2500)
画像引用:OMEGA
2008年の「007 慰めの報酬』記念モデルにして、昔ながらのボンドテイストがふんだんにあしらわれた一本です。
現在のボンドウォッチのスペシャルエディションはスタイリッシュで、007らしさがさりげないものが多いですが以前は派手にギミックが仕掛けられていました。
007の刻印はもちろん、「Quantum of Solace」が風防に浮かし彫りされています。
文字盤はボンドが愛するワルサーPPKをイメージしたとのこと。
かなりかっこよくきまった限定品ではないでしょうか。
世界5,007本生産。
【007 カジノ・ロワイヤル(2006年公開)】シーマスター300M 2226.80
シーマスター300M 2226.80
型番:2226.80
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径 41.0mm
文字盤:ブルー
駆動方式:自動巻き(Cal.2500)
文字盤に銃口から飛び出した弾のイメージを大胆に配した、2006年発表の10,007限定モデル。
オメガとモデルのロゴ以外は、シンプルに007のイメージで仕上がっております。
2006年と言えば、初めてダニエル・クレイグ氏がボンドを務めた『カジノ・ロワイヤル』の年ですね!
秒針にはさりげない007のロゴ付き。
裏蓋にはオメガのロゴマークと007のモチーフが記されています。
300m防水ですがヘリウムエスケープバルブを搭載した本格派で、プロのダイバーからの評価も高い逸品です。
【2002年発表 劇場公開40周年】シーマスター プロフェッショナル 2537.80
画像引用:OMEGA
シーマスター プロフェッショナル 2537.80
型番:2537.80
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径 41.0mm
文字盤:ブルー
駆動方式:自動巻き(Cal.1120)
007限定モデルの、最初の一本に当たるシーマスターです。
『007』の映画公開40周年を記念したモデルで、文字盤に007のロゴや裏蓋の弾丸ラインなど、今日の007モデルの先駆けとも言えるモチーフがそこかしこに見られています。
シーマスターはダイバーズウォッチでありながらもエレガントで上品なテイストが大切にされていますが、ボンドと通ずるものがあるのでしょう。
今ではなかなか市場で見かけないレアモデルとなっています。
実際に映画『007』でボンドが使用したオメガのモデル
次に、実際に映画内で使用されたモデルをご紹介いたします。
生産終了しているものがほとんどで、どうしてもコーアクシャル機構を搭載した現行モデルの方が機能性に優れていることは否めません。
しかし映画の中では腕時計にワイヤーやら起爆装置やらと007仕様の仕掛けが隠されており、それを見るのもまた楽しみの一つですね。
『007 ゴールデンアイ』(1995年公開)シーマスター プロダイバーズ300M 2541.80
画像引用:OMEGA
『007』でのオメガ初出となるシーマスター プロダイバーズ300M。
2022年の60周年モデルでも言及しましたね。
ウェーブ模様があしらわれた青文字盤が特徴的ですが、このカラーリングやデザインを「ボンドウォッチ」と印象づける方も多いでしょう。
シーマスターはオメガを代表する一大コレクションで、その派生モデルは無数と言っても過言ではありません。
大まかに分けるとエレガントなアクアテラ、300m防水のプロダイバーズ、600m防水という本格プロユースダイバーズウォッチのプラネットオーシャンに分けられ、プロダイバーズ300Mは2018年に誕生25周年を迎えたこと、そしてボンドウォッチの代表格であることから、年代問わず注目が高まっているシリーズと言えます。
ピアース・ブロスナン氏扮するボンドの、優雅なスーツスタイルや身のこなしに程よくマッチしていました。
映画内ではレザーカッターと起爆装置が仕掛けられており、スパイ映画らしい一面を楽しむこともできます。
『007 トゥモロー・ネバー・ダイ』(1997年公開)~シーマスター プロダイバーズ300M 2531.80
画像引用:OMEGA
前作『ゴールデンアイ』で使用されたプロダイバーズ300Mの、機械式ムーブメント搭載モデルとなります。
該当作で登場して以降、『ワールド・イズ・ノット・イナフ』(1999年公開)、『ダイ・アナザー・ダイ』(2002年公開)、『カジノロワイヤル』(2006年公開)と4作続けてボンドの腕に巻かれた、正真正銘の「ボンド愛用ウォッチ」です。
自動巻き機構となったことにより、ダイバーズウォッチなら「ロレックスのサブマリーナ」か「オメガのシーマスター プロダイバーズ300M」が双璧、といった印象を一般的にしました。
ちなみにモデル自体は4作同じものですが、映画内で仕掛けられたギミックは徐々に進化しており、起爆装置から懐中電灯にワイヤー・・・ファンを楽しませてくれたものです。
『カジノロワイヤル』』(2006年公開) シーマスター プラネットオーシャン 2900.50.91
画像引用:OMEGA
年齢、ブロンズヘアーであることなどから、007史上最もバッシングを浴び、そして史上最高の興行収入を記録した俳優ダニエル・クレイグ氏。
起用俳優へのチャレンジもさることながら、ボンドウォッチにも変化が見られます。
これまでは「シーマスター300M」「青文字盤」であることがボンドウォッチの象徴でもありましたが、初めてプラネットオーシャンを黒文字盤で採用したのです。
プラネットオーシャンはオメガきってのプロユースダイバーズウォッチ。
華美さのない、シンプルな男らしさが魅力の一本となっています。
青文字盤の、どこかボンドのエリートさを象徴させていたプロダイバーズ300Mから、黒文字盤+ラバーストラップという現代的で男らしいプラネットオーシャンをボンドに身に着けさせたのです。
ダニエル・クレイグ氏が演じるボンドはどこか寡黙でニヒルな印象が強くなったため、非常にプラネットオーシャンが似合います。
画像引用:OMEGA
冒頭のカーチェイスシーンなどアクションシーンではこちらのプラネットオーシャンを、カジノシーンなどではいつものプロダイバーズ300Mを身に着けさせていたことに、にくい演出を感じさせます。
『慰めの報酬』(2008年公開) シーマスター プラネットオーシャン 2201.50
画像引用:OMEGA
前作の『カジノ・ロワイヤル』では45.5mmと大きめプラネットオーシャンを身に着けていましたが、今作では小さめの42mmサイズが劇中で見られました。
ビッグサイズのプラネットオーシャンもダイバーズウォッチらしくてかっこいいですが、スーツスタイルに合わせやすくなっています。
現在の後継機にあたる215.30.44.21.01.001も非常に人気のある製品で、プラネットオーシャンが持つ男らしさに惹かれる方は少なくないでしょう。
『スカイフォール』(2012年公開) シーマスター アクアテラ 231.10.39.21.03.001
型番:231.10.39.21.03.001
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径 38.5mm
文字盤:ブルー
駆動方式:自動巻き(Cal.8500)
スカイフォールからはアクアテラも登場します。
アクアテラはダイバーズウォッチシリーズに分類されますが、ドレッシーでエレガントなスタイル。
150m防水とダイビングには向いていませんが、もちろんタフで壊れづらい時計であることに変わりはありません。
ちなみに『スペクター』でもアクアテラを身に着けており、かなり気に入っているのでしょうか。
当店でも非常に人気が高く、また流通量が豊富で価格も安定しているので、007好きにはまず選んでほしい時計のうちの一つとなっています。
『007』でジェームズボンドが身に着けてきたオメガ以外の腕時計
ボンドがオメガを身に着けるようになったのは1995年以降。
スポンサード的な意味合いも強く、ファンによって「これぞボンドウォッチ!」というブランドはまちまちとなるようです。
ロレックス
原作や第1作目からの根強いファンからは支持が最も厚いロレックス。
実は、原作のボンドはロレックスの自動巻きオイスターを愛用しているのです。
そして一代目であり永遠の男の憧れ像を作り上げたショーンコネリー。
映画版ではサブマリーナを身に着けていることで有名ですね。
ちなみにRef.6538はショーンコネリーモデルとして超高額。
オークションでも1000万円超も珍しくない、驚きの値付けとなっております。
(型番に関しては諸説あり。)
また、三代目にあたるロジャー・ムーアが身に着けていたRef.5513もプレミアモデル。
めったに市場で見ることはないでしょう。
ところでダニエル・クレイグ氏は実はロレックスファンだとか?
かつて『カジノ・ロワイヤル』の某シーンでボンドガールが「ロレックス?オメガ?」と聞いてボンドが「オメガだ」と答えました。
このウィットに富んだやりとりは、世間で騒がれる「どのブランドがボンドウォッチか」という風潮を揶揄しているのかもしれません。
セイコー
画像引用:007.com
実は、日本が誇るセイコーも「ボンドウォッチ」として有力候補であることをご存知でしたか?
『私を愛したスパイ』(1977年公開)でロジャー・ムーア扮するボンドが、当時としては珍しかったデジタル式クォーツモデルを身に着けていました。
ちなみにデジタルだからか隠し仕掛けはM(MI6のボス)からの指令テープ。
以降、ロジャー氏の作品にはセイコーが必ず出演しています。
また、ロジャー氏の別の映画作品でも見られたことから、ご本人が愛用してくれていたのでしょうか。
ロジャー氏は2017年に癌で逝去されました。
しかし、彼が作り上げたかっこよくもユーモラスなボンドは、不朽の名作として映画史に永遠に残るでしょう。
ブライトリング
実はあまり知られていませんが、ブライトリングもショーンコネリー時代、ロレックスと並行してボンドウォッチとして登場しています。
今は生産されていませんが、「トップタイム」というモデルでナビタイマーやコスモノートなどと同様に24時間表記のあるモデルでした。
ブライトリングは「プロフェッショナルのための計器」であることに徹底しています。
そのため、ボンドの大立ち回りにも耐えられるタフで男らしい時計の代表格と言えます。
タグホイヤー
これまたあまり知られていませんが、1987年公開の『リビング・デイライツ』でティモシー・ダルトン氏演じるジェームズボンドがタグホイヤーのアクアレーサーを身に着けました。
アクアレーサーもダイバーズウォッチですが、洗練されたフォルムと現代的なデザインが特徴。
ティモシー氏はこれまで「かっこいい」一択だったボンドのイメージを、よりシリアスに、よりリアリティ溢れる展開としたことで話題となりました。
現在もその路線は健在で、アクアレーサーがそれを先駆けたと言って過言ではありませんね。
まとめ
劇中で実際に使われたものやスペシャルエディション。
ブランドや仕様関係なく全てのボンドウォッチに共通するのは、タフさ、紳士的な落ち着き、スタイリッシュなデザイン性、そして何よりも確かな機能性・・・
そう、ジェームズボンドそのもののような時計であることです。
映画ファンはもちろんのこと、かっこいい時計や自分自身のスタイルとマッチした時計が欲しい。
そんな方はぜひボンドウォッチを身に着けてみてください!
当記事の監修者
南 幸太朗(みなみ こうたろう)
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 買取部門 営業企画部 MD課/買取サロン プロスタッフ
学生時代に腕時計の魅力に惹かれ、大学を卒業後にGINZA RASINへ入社。店舗での販売、仕入れの経験を経て2016年3月より銀座本店 店長へ就任。その後、銀座ナイン店 店長を兼務。現在は営業企画部 MD課 プロスタッフとして、バイヤー、プライシングを務める。得意なブランドはパテックフィリップやオーデマピゲ。時計業界歴13年。